○学校・警察児童生徒健全育成対策推進制度運用要綱の制定について(通達)
平成22年8月10日
達(少)第370号
みだしの要綱を別紙のとおり制定し、平成22年8月10日から施行することとしたので、効果的な運用に努められたい。
なお、学校・警察児童生徒健全育成対策推進制度の実施について(平成16年1月13日付け達(少)第3号)及び「学校・警察児童生徒健全育成対策推進制度」の効果的運用について(平成16年1月13日付け達(少)第4号)(以下「旧通達」という。)は、廃止する。
記
1 趣旨
学校・警察児童生徒健全育成対策推進制度(以下「制度」という。)に基づく関係機関との協定については、平成16年以降、県本部及び各署において旧通達に基づき締結し、現在まで適切に運用しているところであるが、制度運用要綱を制定することにより、制度の根拠を明確化し、同制度の実効性の確保とより効果的な運用を図ろうとするものである。
2 制度の概要
(1) 目的(第1関係)
児童生徒の安全確保及び非行防止を図るため、学校及び警察が持っている情報を共有し、問題の所在を相互に理解し、一体となって対応することを目的とした。
(2) 連携の内容(第3関係)
一般的情報及び児童生徒の個々の問題行動の具体的情報を交換することにより、実質的な連携を図るものとし、必要に応じて関係機関が協議を行い、被害防止等の具体的対策を講じることとした。
(3) 相互連絡の対象等(第4関係)
相互連絡については、学校及び署それぞれが情報を共有することが必要と認めるものを対象とし、その必要性については、事案を取り扱った学校及び署が判断することとした。
(4) 相互連絡の方法(第6関係)
連絡責任者は、事案を取り扱った学校の校長及び署の署長とし、連絡担当者を指定の上、面接又は電話により連絡を行うこととした。
(5) 健全育成のための相互協力(第8関係)
児童生徒の健全育成を図るため、学校など関係機関が非行防止教室や薬物乱用防止教室、懇談会、研修会等犯罪被害防止教室、防犯訓練を開催する際に、要請により協力をすることとした。
3 運用上の留意事項
(1) 制度の周知徹底と適正な運用
本制度について職員に対する周知徹底を図るとともに、問題行動の連絡については、署長が指定した連絡担当者が行い、適正な運用に配意すること。
(2) 学校への連絡
警察から学校への連絡については、証拠資料に基づき正確かつ迅速に行うものとするが、捜査に支障がある場合には、障害が除かれた時点で行うこと。
(3) 苦情・トラブルの防止
制度の目的を踏まえ、制度運用によって苦情・トラブルが発生することのないよう個人情報の保護に配意し、保秘及び情報の管理を徹底すること。
4 報告等
(1) 協定締結の報告
本制度に基づいて、新たに協定を締結した場合や関係機関等の名称変更に伴う再締結を行った場合には、その都度、協定書の写しにより県本部少年課あてに報告すること。
(2) 相互連絡の報告
制度に基づく相互連絡を行った場合には、その都度、別記様式「学校・警察児童生徒健全育成対策推進制度連絡票」により少年課あてに報告すること。
(3) 苦情・意見の即報
本制度の運用に関して、苦情・意見が寄せられた場合には、その内容について少年課あてに即報すること。
別紙
学校・警察児童生徒健全育成対策推進制度運用要綱
第1 目的
市町村内の児童生徒を心豊かにたくましく育てるために、市町村教育委員会と警察署が児童生徒の安全を確保し、かつ、非行の防止を図るために、自らの役割を果たしつつ問題の所在を相互に理解し、連携を密に一体となって対応することを目的とする。
第2 連携機関
(1) 県教育委員会
(2) 県私立中学高等学校協会
(3) 市町村教育委員会
(4) 県内に所在する私立の小学校、中学校及び高等学校
(5) 県内に所在する独立行政法人(旧国立)の小学校、中学校及び高等学校
(6) 県警察本部
(7) 各警察署
第3 連携の内容
連携機関は、一般的な情報交換による連携はもとより、児童生徒の安全を確保するために必要かつ具体的な情報及び個々の問題行動に着目した具体的な情報を交換することにより、実質的な連携を図るものとし、必要に応じて、市町村教育委員会及び警察署が関係する学校と協議を行い、当該事案に係る具体的な対策を講ずる。
第4 相互連絡の対象等
相互連絡の対象は、連携の目的に即して学校と警察署それぞれが情報を共有することが必要と認められる次に掲げるものとし、連絡の必要性については、事案を取り扱った学校と警察署がそれぞれに判断する。
1 安全確保のための相互連絡
(1) 声かけ事案
(2) 不審者に関する情報
(3) その他児童生徒の安全を確保するために必要な情報等
2 問題行動の相互連絡
(1) 警察から学校への連絡
ア 逮捕事案
イ 逮捕事案以外の事案において、次の事由により、連携機関が連携して行動し、継続的に対応することが必要と認められる事案
(ア) 児童生徒が学校内外において粗暴行為等を敢行する非行集団の構成員である場合
(イ) 対象となる児童生徒の影響が他の周辺児童生徒に及ぶ場合
(ウ) 同一非行に関わる対象の児童生徒が複数に及ぶ場合
(エ) その他児童生徒が不良行為を繰り返し、保護者の正当な監護に服さないなど、ぐ犯性が強い場合
(2) 学校から警察への連絡
ア 児童生徒の非行、被害の未然防止のため、警察署との連携が必要と認められる事案
イ 学校内外における児童生徒の安全確保のため、警察署との連携が必要と認められる事案
第5 相互連絡の範囲
相互連絡の範囲は、児童生徒の安全確保や健全な育成に資するために必要な情報とし、対象事案に係る児童生徒の氏名、事案の概要及び対象事案に関係する児童生徒の再非行・被害の防止に関するものとする。
第6 相互連絡の方法
連絡責任者は、事案を取り扱った学校の校長及び警察署の署長とし、連絡責任者は、連絡担当者を指定し、制度の目的に沿って面接又は電話により、速やかに連絡を行うものとする。
第7 連携における配意事項
連携に当たっては、相互連絡と信頼を保持するため、特に次の点に配意するものとする。
1 正確な連絡
相互に連絡される情報については正確を期するものとすること。
2 適正な処理
対象事案に関係した児童生徒への処遇に当たっては、相互に本制度の趣旨を踏まえ、真に教育効果のある適正な処遇に努めるものとすること。
第8 健全育成のための相互協力
連携機関は、児童生徒を健全に育成するため、必要に応じ相互に協力して、健全育成教室、懇談会、研修会等の取組みを行うものとする。
第9 協議
連携機関は、必要に応じて、必要な単位で協議を行うことができるものとする。
第10 経費の負担
本制度に要する費用は、連携機関がそれぞれに負担するものとする。
別記様式
略