○犯罪鑑識関係諸謝金の取扱要領の制定について(通達)

平成24年3月14日

達(鑑、会)第95号

みだしの要領を別紙のとおり制定し、平成24年4月1日から実施することとしたので、誤りのないようにされたい。

なお、犯罪鑑識関係諸謝金の取り扱いについて(昭和46年4月1日付け例規(鑑)第24号。以下「旧通達」という。)は、廃止する。

1 制定の趣旨

これまで、犯罪鑑識関係の諸謝金の取扱いについては、旧通達に基づき運用していたところであるが、死体運搬、解剖施設借上げ等犯罪鑑識に対する部外協力者への謝金支出の廃止や支出事務手続の変更等により旧通達を廃止し、新たに本要領を制定するものである。

2 留意事項

この要領は、国庫支弁に関する犯罪鑑識上必要な鑑定で生じた諸謝金の支出について定めたものであることから、犯罪鑑識以外で生じた謝金支出と混同することのないよう注意すること。

別紙

犯罪鑑識関係諸謝金の取扱要領

1 趣旨

この要領は、犯罪鑑識関係諸謝金の取扱いに関し必要な事項を定めるものとする。

2 犯罪鑑識関係諸謝金

犯罪鑑識関係諸謝金とは、犯罪鑑識について部外の学識経験者、医師、歯科医師等に鑑定を委嘱し、又は警察犬を借り上げた場合に、鑑定の受託者又は警察犬の所有者に対して支給される謝金をいい、次のとおり区分する。

(1) 部外鑑定謝金

犯罪鑑識上必要な各種鑑定を部外者に委嘱した場合の謝金で、死体検案謝金、司法解剖謝金、死体鑑定謝金、歯牙鑑定謝金又は警察犬借上謝金以外のものをいう。

(2) 死体検案謝金

犯罪に起因する死体及びその疑いある変死体の検案を医師に委嘱した場合の謝金をいう。

(3) 司法解剖謝金

犯罪に起因する死体及びその疑いある変死体の解剖を医師に委嘱した場合の謝金をいう。

(4) 死体鑑定謝金

犯罪に起因する死体及びその疑いある変死体の鑑定を医師に委嘱した場合の謝金をいう。

(5) 歯牙鑑定謝金

犯罪に起因する死体及びその疑いある変死体について、身元等の確認の必要から歯科医師に歯牙の鑑定を委嘱した場合の謝金をいう。

(6) 警察犬借上謝金

嘱託している警察犬を犯罪の捜査、犯人の捜索等に使用した場合の謝金をいう。

3 鑑定事件の報告

謝金を要する事案が発生したときは、早急に事案の概要及び鑑定又は警察犬の借上げを必要とする理由を事前に鑑識課長に報告し、鑑定嘱託先(鑑定人)、鑑定事項等に関する指示を受けて鑑定の委嘱又は警察犬の借上げを行うこと。

特に、刀剣類等の部外鑑定及び歯牙鑑定については、事前に警察庁刑事局犯罪鑑識官に報告をすることとされていることから、確実に鑑定嘱託先(鑑定人)、鑑定事項、鑑定資料、鑑定嘱託理由等を鑑識課長に事前報告し、警察庁刑事局犯罪鑑識官の承認を得た後に鑑定を委嘱すること。

4 諸謝金の支出手続

(1) 経費の区分及び支出事務

犯罪鑑識関係諸謝金は、警察法施行令(昭和29年政令第151号)第2条第4号の規定により国庫が支弁する経費とされている。

また、支出の申請に係る事務は、死体検案謝金を除き、鑑識課において処理する。

(2) 鑑定実施結果の報告

鑑定を委嘱し、又は警察犬を借り上げた場合の報告要領は、次のとおりとする。

鑑識課長は、ア又はウからカまでに基づく報告を受けたときは、支給調書(様式第1号)を作成し、会計課長に諸謝金の支払いを申請する。

ア 部外鑑定委嘱

所属長は、諸謝金関係事件報告書(様式第2号)を作成するとともに、鑑定人から鑑定報告書(様式第3号)及び国庫金振込依頼書(様式第4号)を徴し、鑑識課長に報告する。

イ 死体検案委嘱

検視等謝金の取扱いについて(平成23年3月31日付け(捜一、会、留管)第140号)に基づき、必要書類を作成し、捜査第一課長に報告する。

ウ 司法解剖委嘱

所属長は、諸謝金関係事件報告書を作成して鑑識課長に報告する。

鑑識課長は、解剖担当医師から司法解剖実施報告書(様式第5号)を徴し、上記報告内容との相違の有無を確認する。

エ 死体鑑定委嘱

鑑識課長は、鑑定人から鑑定報告書を徴し、鑑定事実との相違の有無を確認する。

オ 歯牙鑑定委嘱

所属長は、歯牙鑑定実施結果報告書(様式第6号)を作成するとともに、鑑定人から国庫金振込依頼書を徴し、鑑識課長に報告する。

カ 警察犬出動委嘱

所属長は、警察犬出動結果報告書(様式第7号)を作成し、当月分を翌月の5日までに鑑識課長に報告する。

5 書類作成上の留意事項

(1) 諸謝金関係事件報告書

ア 種別欄には、「刀剣鑑定」「死体解剖」等、謝金区分種別を記入すること。

イ 従事者の住所・氏名欄には、鑑定者、解剖医師等の住所と氏名を正確に記入すること。

ウ 実施年月日時欄には、鑑定や解剖を行った年月日と所要時間について記載すること。

エ 鑑定・従事内容欄には、鑑定事項又は鑑定内容について記入すること。

(2) 鑑定報告書

鑑定報告書上欄は鑑定者に作成してもらうとともに、下欄には鑑識課長が証明を行うこと。

(3) 司法解剖実施報告書

司法解剖実施報告書上欄は解剖医師に作成してもらうとともに、下欄には鑑識課長が証明を行うこと。

(4) 歯牙鑑定実施結果報告書

報告書に必要事項を記載し、デンタルチャート等作成書類の写しを添付するとともに、下欄には所属長が証明を行うこと。

(5) 警察犬出動結果報告書

活動日時欄は、謝金額算定の基準となるので、正確にその実働時間のみを記入すること。

警察犬の出動の際、警察犬の所有者と異なる指導手が従事したときには、その指導手の住所、氏名をその他参考事項欄に記載すること。

なお、報告は月ごとに行うとともに、下欄には所属長が証明を行うこと。

様式第1号

 略

様式第2号

 略

様式第3号

 略

様式第4号

 略

様式第5号

 略

様式第6号

 略

様式第7号

 略

犯罪鑑識関係諸謝金の取扱要領の制定について(通達)

平成24年3月14日 達(鑑、会)第95号

(平成24年4月1日施行)

体系情報
刑事部
沿革情報
平成24年3月14日 達(鑑、会)第95号