○道路管理者との道路協議事務取扱要領の制定について(通達)

平成26年12月25日

達(交規)第461号

みだし要領について、別紙のとおり制定し、平成27年1月1日から実施することとしたので、適正な運用を図られたい。

1 制定の趣旨

道路工事の実施計画に対しては、道路法(昭和27年法律第180号)第95条の2及び高速自動車国道法(昭和32年法律第79号)第24条の2に基づく意見照会や協議により、交通の安全と円滑の見地から福島県公安委員会の意見を反映させているところであるが、その事務取扱いについて斉一を期すため、必要な事項を定め、適正な道路協議事務の推進を図るものである。

2 要領の要点

(1) 協議文書の取扱い(第6関係)

道路管理者から受理した協議文書の取扱いについて、その方法を統一した。

(2) 協議文書管理表の作成(第6の4関係)

協議文書及び副申文書並びに回答文(以下「協議文書等」という。)の組織的管理を徹底するための様式(協議文書管理表(様式第1号))を定めた。

(3) 事前協議内容の記録化(第8関係)

道路管理者からの協議文書の提出前に行われる事前協議に関し、その経緯を明らかにするため、事前協議の記録に係る様式(事前協議記録書(様式第2号))を定めた。

3 配意事項

(1) 協議文書等の適正な保管、管理

協議文書等は、道路管理者との協議経過を明らかにする重要な文書であることから、個人保管による放置事案等が発生することのないよう、組織的に適正な保管、管理に努めること。

(2) 幹部による協議実態の把握

幹部は、協議文書管理表の確認及び道路協議事務担当者からの聞き取りを行い、道路管理者からの意見照会及び協議に関する処理状況を把握すること。また、道路協議事務担当者は、道路管理者から意見照会又は協議を受けた際は、幹部に対する報告を徹底すること。

(3) 交通規制課との連携

道路管理者からの意見照会又は協議に当たり、疑問点、問題点等が生じた場合は、交通規制課との連携を図り、適正な協議を推進すること。

別紙

道路管理者との道路協議事務取扱要領

第1 趣旨

この要領は、道路管理者との道路協議に関する適正な事務取扱いを図るため、必要な事項を定めるものとする。

第2 道路協議の定義

この要領において道路協議とは、道路法(昭和27年法律第180号)第95条の2第1項の規定による道路管理者からの福島県公安委員会に対する意見照会及び同条第2項(高速自動車国道法(昭和32年法律第79号)第24条の2において準用する場合を含む。)の規定による道路管理者からの福島県公安委員会に対する協議をいう。

第3 意見照会及び協議

道路管理者からの意見照会及び協議(以下「協議等」という。)が必要な事項については、次のとおりとする。

1 意見照会が必要な事項

(1) 道路(高速自動車国道及び自動車専用道路を除く。1において同じ。)の構造を保全し、又は交通の安全と円滑を図るために必要な道路標示とみなされる区画線の設置

(2) 道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するための通行の禁止又は制限

(3) 道路への横断歩道橋の設置

(4) 道路の交差部分及びその付近の道路の部分の改築で政令で定めるもの

ア 車道又は歩道の幅員の変更(歩道の拡幅を除く。)

イ 交通島、中央帯又は植樹帯の設置

(5) 道路の歩行安全改築(道路法第47条の6第1項に規定する歩行安全改築をいう。)

(6) 道路の附属物である自動車駐車場の道路上における設置

2 協議が必要な事項

(1) 道路の区域を立体的区域とする決定又は変更

(2) 自動車専用道路の指定

(3) 自動車専用道路又は高速自動車国道における、道路の構造を保全し、又は交通の安全と円滑を図るために必要な道路標示とみなされる区画線の設置

(4) 自動車専用道路又は高速自動車国道における、道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するための通行の禁止又は制限

(5) 自動車専用道路又は高速自動車国道が他の道路に連絡する位置の決定

第4 協議等における基本的留意事項

1 協議等の時期

道路管理者からの協議等については、計画の段階から行うよう道路管理者に申し入れ、当該道路の工事や供用の開始前に福島県公安委員会の意見が反映されるように配意するものとする。

2 協議経過の記録化

事前協議を含め、協議等から当該道路が供用されるまでには、相当の期間を要することが多く、その供用についても暫定供用又は部分供用となることもあることから、協議等については、その内容を記録化し、経過を明らかにするものとする。

3 将来の交通情勢への配慮

協議等を受けた道路について、供用開始後の地域開発等によって交通量が増加する等の交通状況の変化が予想される場合には、将来の交通情勢の変化にも対応できる構造であるかどうかについて検討するものとする。

第5 協議等における交差点改良に対する具体的検討事項

1 交差点改良の基本

協議等の中でも交差点改良に関する意見は、交通の安全と円滑を図る上で非常に重要であることから、交差点の形状については、できるだけ単純で明確な丁字型、十字型に近づけ、道路の通行者が利用しやすい交差点とするため、次の点に配意した意見を申し入れるものとする。

(1) 交通流の主従関係を明確にすること。

(2) 原則4枝以下とし、5枝以上の多枝交差点を避けること。

(3) 交差角は、直角に近づけること。

(4) くい違い、折れ脚交差等の変形交差を避けること。

(5) 交差点の面積は、必要最小にし、広過ぎないようにすること。

(6) 右・左折交通と直進交通を分離すること。

(7) 右・左折交通の導流路を明確にすること。

(8) 各種交通安全施設の設置を検討すること。

2 交差角

直角又はそれに近い角度の交差点は、交差部分の面積も小さくなり、見通しの面からも適切である。一方、交差角が鋭角になるほど交差部分の面積が大きくなり、交通管理上支障があることから、交差角は原則として75度以上とする。交差角がこれに満たない場合は、鋭角交差解消及び用地買収についての検討等、道路管理者としてできる限りの努力をしているかを確認し、真にやむを得ない状況かどうかについて判断するものとする。

3 交差点の形状

変則交差点の場合は、変則交差解消及び用地買収についての検討等、道路管理者として当然実施すべき検討の有無について確認し、変則交差解消に努めるよう申し入れるものとする。それでもなお、変則交差解消に至らなかった場合は、その状況を明らかにしておくものとする。

4 車線幅員

車線の幅員については、右・左折車線等の設置される道路について確認し、道路構造令(昭和45年政令第320号)や同政令を参酌して制定された地方公共団体の条例等に従っていない場合は、改善を申し入れるものとする。

5 車線数

流出部の車線数と流入部の車線数が異なる場合又は交差点内でシフト(移行)する場合は、交通管理上支障があることから、改善を申し入れるものとする。

6 右折車線

(1) 右折車線の設置

右折車に追突する交通事故が多発している交差点及び多発が予想される交差点については、設置基準に該当しなくても、積極的に右折車線の設置を申し入れるものとする。

また、既設道路において種々の制約により右折車線の幅員を確保できない場合であっても、右折車線相当幅員として1.5メートルを確保できる場合には、直進車線との境界標示を施さずに単に1.5メートル以上の膨らみを持たせて右折車線相当幅員を確保することを検討するものとする。

(2) 右折車線の長さ

右折車線の長さは、減速や進路変更のために必要な区間(以下「テーパ長」という。)と滞留に必要な区間(以下「滞留長」という。)で決定され、滞留長は、30メートルで計画されているものが多い現状であるが、交通実態から判断して、右折需要が多い、又は多いと予測される交差点については、その延長を申し入れるものとする。

また、テーパ長や滞留長を計算によって算出している場合でも、引用している数字が交通の実態に即したものかを確認するものとする。

7 隅切り

交差点の隅切り半径は、必要以上に大きいと、右左折車両の速度が早くなり交通安全上問題があるばかりでなく、交差点の面積が大きくなり交通容量も小さくなることから、できる限り小さくするよう申し入れるものとする。

なお、その大きさは、交通状況から総合的に判断することとなるが、大型車の混入率が平日20パーセント以上、休日9パーセント以上であれば、大型車両の通行を考慮した隅切りにするよう申し入れるものとする。

第6 協議文書の取扱い

1 受理部数

道路管理者から受理する協議文書は、原本1通とする。

2 収受手続

道路管理者から受理した協議文書は、収受日に文書管理システムに登録の上、一連番号を取得し、その番号を収受印欄に記載して、速やかに所属長の決裁を受けるものとする。

3 署(隊)控えの作成

決裁を受けた後、協議文書の写しを作成し、署にあっては、署控え用として、協議文書に添付された資料(図面等)の写しを1部、高速道路交通警察隊にあっては、隊控え用及び警察庁送付用として、協議文書に添付された資料(図面等)の写しを2部作成するものとする。

4 協議文書管理表の作成

(隊)には、協議文書管理表(様式第1号)を備え付け、協議文書ごとに収受月日等を記録して処理状況を明確にしておくものとする。

5 迅速な進達

受理した協議文書の原本は、署(隊)長意見を付した副申文書と共に、速やかに交通規制課長に送付するものとする。

6 関係文書の保管

協議文書に係る進達後、交通規制課からの回答に関する文書を受理した際は、署(隊)控えと共に保管するものとする。

第7 協議等に対する署(隊)長意見

協議等に対する署(隊)長意見については、次の点に配意するものとする。

1 具体的な意見

協議等の内容については、交通状況、周辺の状況などを考慮した上で審査し、当該協議等に関する問題点の有無、問題点があればその改善策、必要な交通規制などについて具体的な意見を記載するものとする。

2 写真の添付

現場の状況や道路形態については、図面だけでは分かりにくい部分があることから、副申文書には可能な限り現場道路の写真を添付するものとする。

第8 事前協議内容の記録化と県本部への報告

道路管理者からの協議文書の提出に先立ち、当該道路に関する事前協議を行った際は、事前協議記録書(様式第2号)によりその内容を記録化し、必要により写しを交通情報報告(交通情報の報告について(昭和41年10月15日付け通達甲交一第537号、交二第451号)別記様式)で交通規制課に報告するものとする。

第9 協議文書の組織的な保管・管理

協議文書は、個人で保管することなく、署(隊)の控えと共にファイルに編てつの上、専用のキャビネット等に適切に保管し、紛失防止の徹底を図るものとする。

署の交通(交通第一、地域交通)課長(分庁舎の課長代理を含む。)及び交通係長(高速道路交通警察隊にあっては、管理係長)は、協議文書管理表や道路協議事務担当者に対する聞き取り等により、適宜、協議文書に関する処理状況について把握し、適正な道路協議事務の推進を図るものとする。

様式第1号(第6関係)

 略

様式第2号(第8関係)

 略

道路管理者との道路協議事務取扱要領の制定について(通達)

平成26年12月25日 達(交規)第461号

(平成27年1月1日施行)

体系情報
交通部
沿革情報
平成26年12月25日 達(交規)第461号