○危険ドラッグ使用者等に対する行政処分の適用について(依命通達)

平成26年11月7日

達(運免)第378号

対号 平成26年7月30日付け達(交指・交企)第279号「危険ドラッグに係る諸対策の推進について」

危険ドラッグの乱用の根絶を図るため、対号に基づき各種対策に取り組んでいるところであるが、全国的に危険ドラッグの吸引による重大交通事故が後を絶たない現状を踏まえ、危険ドラッグ使用者、所持者(以下「使用者等」という。)に対し「危険性帯有」(点数制度によらない行政処分)を適用することとしたので、適正な運用に努められたい。

1 基本的な考え方

危険ドラッグ使用による交通事故や違反行為を行った者に対しては、綿密な捜査により、危険運転致死傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条第1号、第3条第1項)又は過労運転等の禁止違反(道路交通法(以下「法」という。)第66条)(以下「過労運転等」という。)の認定が可能な場合は、点数制度による行政処分を課すこととなる。

また、これらの事実認定ができない場合であっても、法第108条第1項第8号に規定する「免許を受けた者が自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるとき。」(以下「危険性帯有」という。)として、危険ドラッグ使用者等の免許の効力を停止することが可能な場合がある。

このため、危険性帯有による行政処分を適正に運用し、重大交通事故の抑止を図る。

2 危険性帯有の根拠法令等

(1) 危険性帯有

免許を受けた者が、自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるときは、免許の効力を停止するもの。

(法第103条第1項第8号、道路交通法施行令第38条第5項第2号ハ)

(2) 停止の期間

30日以上(最大180日)

3 危険性帯有適用の考え方

(1) 運転行為を伴う危険ドラッグの使用又は所持に対する適用

危険ドラッグ使用による運転行為は明らかなものの、過労運転等で取締りができない運転者又は危険ドラッグを所持しており、その後の運転行為時に使用するおそれがある運転者に対し、「危険性帯有」の適用を検討するものとする。

(2) 運転行為を伴わない危険ドラッグの使用又は所持に対する適用

将来、危険ドラッグを使用して運転する蓋然性が高い場合に限り適用を検討するものとする。

4 危険性帯有適用の具体的要件

(1) 危険ドラッグ使用の効能として正常な運転ができなくなるおそれがあること

危険ドラッグの鑑定の結果、正常な運転ができなくなるおそれがある成分が検出されることが前提となる。

(2) 上記(1)となるおそれがあることを使用者等が認識していること(未必的意識を含む。)

ア 過去に、危険ドラッグを使用して意識が混濁したり、意識が喪失したことがあること。

イ 危険ドラッグを使用することにより、正常な運転ができないおそれがある状態になることを、友人等の周辺者からの情報として認識していること。

(3) 使用者等が反復的に危険ドラッグ等の薬物を使用していること

過去の危険ドラッグ等の購入回数、使用事実等から、反復的に危険ドラッグ等の薬物を使用していることが認定できること。

(4) 将来において危険ドラッグ使用により自動車等を運転するおそれがあること

運転を業務として行っていたり、通勤や週末に運転するなど、日常的に車両の運転を行っていること。

5 行政処分の上申要領

行政処分の対象者であることが判明した場合は、別紙1「危険ドラッグに係る行政処分(危険性帯有)検討表」による点検を実施した後、関係書類一式を運転免許課に送付すること。

6 留意事項

(1) 危険性帯有の適用は、将来における危険ドラッグの使用による重大交通事故を抑止するものであるから、今後、運転するおそれがない者を安易に行政処分該当者として取り扱わないこと。

(2) 運転行為を伴わない危険ドラッグの使用又は所持に対しては、警察官の主観的な判断ではなく、本人や周辺者の供述、警察の過去の取り扱い状況など裏付け捜査を徹底し、将来における危険性を判断すること。

(3) 危険ドラッグの使用が疑われるものの、危険ドラッグを所持していないため、成分鑑定ができない場合又は現に無免許である者へは適用外であること。

(4) 危険性帯有の検討が必要な事案は、運転免許課行政処分係に速報すること。

7 その他

使用者等に対する行政処分の流れについては、別紙2「危険ドラッグ事案に係る行政処分の流れ」を参照とされたい。

別紙1 略

別紙2

画像

危険ドラッグ使用者等に対する行政処分の適用について(依命通達)

平成26年11月7日 達(運免)第378号

(平成26年11月7日施行)

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