○運転免許の行政処分事務に関する事務処理要領の制定について(通達)

平成29年2月22日

達(運免)第49号

みだし要領について、別紙のとおり制定し、平成29年3月12日から施行することとしたので、事務処理上誤りのないようにされたい。

なお、運転免許の行政処分事務に関する事務処理要領の制定について(平成26年5月29日付け達(運免)第220号)は、廃止する。

別紙

運転免許の行政処分事務に関する事務処理要領

第1 総則

1 趣旨

この要領は、行政処分を行う場合における事務処理に関し、道路交通法(昭和35年法律第105号。以下「法」という。)、道路交通法施行令(昭和35年政令第270号。以下「令」という。)、道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号。以下「施行規則」という。)その他別に定めがあるもののほか、必要な事項を定めるものとする。

2 用語の定義

この要領において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 行政処分 運転免許(以下「免許」という。)の拒否、保留、取消し又は効力の停止及び自動車又は原動機付自転車(以下「自動車等」という。)の運転の禁止をいう。

(2) 違反行為 一般違反行為及び特定違反行為をいう。

(3) 一般違反行為 自動車等の運転に関し法若しくは法に基づく命令の規定又は法の規定に基づく処分に違反する行為で、令別表第2の1の表の上欄に掲げるものをいう。

(4) 特定違反行為 令別表第2の2の表の上欄に掲げる行為をいう。

(5) 人身事故等 人身事故及び建造物損壊事故をいう。

(6) 違反報告書 違反行為に係る交通切符、交通反則切符、点数切符、現認報告書その他の行政処分に関する報告書類をいう。

(7) 違反等登録 違反登録及び事故登録をいう。

(8) 違反登録 違反行為をした者について警察庁の運転者管理システムに登録すること(以下単に「登録」という。)をいう。

(9) 事故登録 交通事故を伴った違反行為をした者について行う登録をいう。

(10) 処分登録 行政処分を受けた者について行う登録をいう。

(11) 処分猶予登録 行政処分の基準に該当した者について、当該行政処分を猶予(以下「処分猶予」という。)した場合に行う登録をいう。

(12) 処分手配登録 被処分者の所在発見のために行う登録をいう。

(13) 処分短縮登録 行政処分を受けた者について、当該行政処分の期間の短縮(以下「処分短縮」という。)をした場合に行う登録をいう。

(14) 違反等登録票 違反等登録に関する違反登録票(交通切符用取締り原票、交通反則切符用取締り原票及び点数切符用取締り原票並びに交通事故・違反・重大違反唆し等用行政処分原票)及び事故登録票(人身事故用行政処分原票)をいう。

(15) 行政処分書 違反報告書、違反等登録票その他行政処分の手続に関する調査書類をいう。

(16) 点数通報書 違反等登録を行った場合において、警察庁情報処理センターから通報される免許の不適格事由に関する通報資料をいう。

(17) 違反者講習 法第108条の2第1項第13号に掲げる講習をいう。

(18) 停止処分者講習 法第108条の2第1項第3号に掲げる講習をいう。

(19) 処分移送通知 法第103条第3項(法第107条の5第9項において準用する場合を含む。)又は第104条の2の2第3項の規定による処分移送通知書の送付をいう。

(20) 処分事案の移送 行政処分事由発生時における運転者の住所地が当該行政処分事由発生地以外の都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の管轄区域内にある場合において、当該行政処分事由発生地を管轄する公安委員会から当該運転者の住所地を管轄する公安委員会に対して行う行政処分該当事案の移送をいう。

(21) 処分執行依頼 行政処分時における被処分者の住所地が他の公安委員会の管轄区域内にある場合において、行政処分をした公安委員会が、その者に対する処分書(施行規則別記様式第19の3の3、別記様式第19の3の4又は別記様式第22の6をいう。)又は処分通知書(施行規則別記様式第13の3又は別記様式第13の4をいう。)(以下「処分書等」という。)の交付をその者の住所地を管轄する公安委員会に依頼することをいう。

(22) 署等 署、交通機動隊及び高速道路交通警察隊をいう。

(23) 署長等 署等の長をいう。

(24) 取締り警察官等 交通違反の取締り、交通事故の現場処理及び交通事故を起こした運転者等の取調べに従事する警察官並びに駐・停車違反に係る反則告知を行う交通巡視員をいう。

(25) 重大違反唆し等 法第90条第1項第5号に規定する行為をいう。

(26) 道路外致死傷 法第90条第1項第6号に規定する行為をいう。

(27) 危険性帯有 法第103条第1項第8号に該当するものをいう。

(28) 一定の病気等 法第90条第1項第1号から第2号まで又は第103条第1項第1号、第1号の2若しくは第3号に規定する病気等をいう。

(29) 臨時適性検査 法第102条第1項から第5項まで及び法第107条の4第1項に規定する適性検査をいう。

(30) 適性検査受検命令 法第90条第8項及び第103条第6項の規定による適性検査を受けるべき旨の命令をいう。

(31) 診断書提出命令 法第90条第8項、第102条第1項から第3項まで及び第103条第6項の規定による医師の診断書を提出すべき旨の命令をいう。

(32) 暫定停止 法第104条の2の3第1項の規定による臨時適性検査の実施又は診断書提出命令に伴う免許の効力の停止をいう。

(33) 臨時認知機能検査 法第101条の7第1項の規定による認知機能検査をいう。

(34) 臨時高齢者講習 法第101条の7第4項の規定による高齢者講習をいう。

3 行政処分等の迅速性、的確性の確保

(1) 行政処分は、違反等登録、処分登録及び処分短縮登録に基づいて行われるものであることから、これらの登録は、迅速かつ的確に行うものとする。

(2) 行政処分は、運転不適格者を迅速かつ的確に排除することによって交通の安全を図ることを目的とするものである。よって、行政処分の必要があると認められる事由が生じたときは、その事由の発覚時に明らかな事実に基づいて速やかに行政処分を行い、もって将来における道路交通上の危険を防止し、併せて被処分者の危険性の早期改善を図るものとする。

第2 点数制度による行政処分

1 違反行為の発見報告

(1) 取締り警察官等は、点数評価の対象となる違反行為を発見したときは、速やかに、次により違反報告書を作成し、署長等に報告するものとする。

ア 同一の機会に行われた複数の違反行為のうち、併合罪の関係にある違反行為については、当該違反行為ごとに違反等登録票を作成する。

イ 同一の機会に行われた複数の違反行為のうち、観念的競合又はけん連犯の関係にある違反行為については、1枚の違反等登録票にそれぞれの違反行為を記載して作成する。

ウ 人身事故等の違反等登録の場合は、交通事故総合管理システム(以下「システム」という。)に必要な事項を入力する。

(2) 取締り警察官等は、行政処分が取締り警察官等の作成した違反報告書に基づいて行われるものであることを銘記し、違反行為の事実を適正に認定し、かつ、違反報告書を正確に記載するものとする。

2 署長等の措置

(1) 違反等登録票の作成

署長等は、違反報告書に係る事案のうち、送致又は通告不相当と認めた事案以外の事案について、違反等登録票を作成するものとする。

(2) 違反等登録票作成責任者の指定

署長等は、交通担当幹部職員(交通を担当する巡査部長以上の階級にある警察官及びこれに相当する一般職員をいう。以下同じ。)の中から、違反等登録票作成責任者を指定し、違反等登録票の作成を一元的に行わせるものとする。

なお、分庁舎が置かれている署の署長は、分庁舎においても違反等登録票作成責任者を指定するものとする。

(3) 違反等登録票審査責任者

ア 署長等は、交通担当幹部職員の中から、違反等登録票審査責任者及び違反等登録票審査補助者(以下「審査責任者等」という。)を指定するものとする。

なお、分庁舎が置かれている署の署長は、分庁舎においても審査責任者等を指定するものとする。

イ 審査責任者等の任務は、次のとおりとする。

(ア) 違反報告書に違反等登録票の記載に必要な事項が正確かつ明瞭に記載されていることを点検するものとする。

(イ) 審査に係る事案が人身事故等に係るものであるときは、システムに登録されている違反行為の種別、交通事故の種別及び交通事故を起こした者の不注意の程度についての登録内容の不備及び事実認定の誤りの有無を審査するものとする。

(ウ) 審査の結果、当該審査に係る事案が3(3)の違反等登録から除外する事由に該当すると認めたときは、違反報告書にその意見を付記するものとする。

(エ) 処分量定上の参考意見がある場合は、違反等登録票に参考意見を付記するものとする。

(4) 行政処分書等の送付

署長等は、次により行政処分書を速やかに運転免許課に送付するものとする。

ア 行政処分書は、行政処分原票(登録票)送付書(様式第1号)により送付するものとする。

イ 交通違反に係る事案の行政処分書を送付するときは、違反等登録票、酒酔い・酒気帯び鑑識カードの写し、速度測定記録書の写しその他違反事実の証明に必要な調査書類を添付するものとし、その際に添付できなかった書類及び追送を求められた書類については、行政処分関係記録追送書(様式第2号)により追送するものとする。

ウ 人身事故等に係る事案の行政処分書を送付するときは、違反等登録票については運転免許課においてシステムにより出力するので、実況見分調書の写し、供述調書(被疑者、被害者、参考人)の写し、診断書の写し、酒酔い・酒気帯び鑑識カードの写しその他違反事実の証明に必要な調査書類を添付し、行政処分関係記録追送書により送付するものとし、行政処分書の送付の際に添付できなかった書類及び追送を求められた書類については、行政処分関係記録追送書により追送するものとする。

(5) 行政処分書の送付期限

原則として、交通切符、交通反則切符及び点数切符に係る違反等登録票については検挙した日から起算して3日以内、人身事故に係る違反等登録票その他の違反等登録票については発生した日から起算して5日以内とする。

(6) 行政処分書の決裁等

ア 行政処分書の送付に関する事務は、審査責任者等に担当させるものとする。

イ 審査責任者等は、審査責任を明らかにするため、違反行為に係る事件のうち、行政処分書を作成しなかったものについては、その理由等を明らかにしておくものとする。

ウ 署長等は、違反等登録の関係記録及び事件の送致記録によって、行政処分書の作成及び送付が適正に行われているかを指導監督し、不適正な処理が行われることがないように配意するものとする。

エ 署長等は、行政処分書を送付した事案について、登録内容の変更又は登録を不適当とする事情が生じたときは、速やかにその旨を運転免許課長に連絡するものとする。

3 運転免許課長の措置

(1) 行政処分書の点検

ア 署長等から送付された行政処分書は、原則として受理した当日のうちに所要コード記載の点検を行うものとする。

イ 運転免許課長は、行政処分担当幹部職員(巡査部長以上の階級にある警察官及びこれに相当する一般職員をいう。)の中から行政処分書点検責任者(以下「点検責任者」という。)を指定するものとする。

ウ 点検責任者は、行政処分書を点検するとともに署等の違反等登録票作成責任者に対して、指導教養を行うものとする。

(2) 違反等登録の審査

ア 運転免許課長は、警部補以上の階級にある警察官の中から違反等登録審査官(以下「登録審査官」という。)を指定するものとする。

イ 登録審査官は、署長等から送付された行政処分書に係る交通違反及び交通事故が違反等登録の対象になるかを審査し、当該事案が点数評価の対象となるものであるときは、事実が適正に認定されており、かつ、事実の証明が十分であるかを審査するものとする。この場合において、人身事故等を起こした者の不注意の程度の認定は、交通事故の不注意の程度の認定基準(別表第1)の「重い」及び「軽い」の区分について行うものとする。

(3) 違反等登録の除外

登録審査官は、行政処分書に係る交通違反及び交通事故が次に該当すると認めるときは、当該事案を違反等登録から除外するものとする。ただし、補充調査又は関係書類の追送によって違反等登録が可能と認めるものについては、補充調査又は関係書類の追送を依頼するものとする。

ア 違反事実が存在しない、又は違反事実に誤認があるとき。

イ 告知又は検挙の基準に該当しないとき。

ウ 人身事故等に係る事案について、交通事故に関する登録除外事由(別表第2)に該当する事由があるとき。

(4) 違反等登録の迅速処理

違反等登録の審査は、行政処分書の点検終了後速やかに行い、審査のために違反等登録に遅延を来すことがないようにするものとする。違反等登録の審査終了後、明らかに違反等登録から除外すべき事案を除き、速やかに違反等登録を行うものとする。

(5) 違反等登録の決裁

ア 登録審査官は、違反等登録の取扱状況を運転免許課長に報告するものとする。

イ 登録審査官は、違反等登録から除外すべき事案を認めたときは、違反等登録票にその理由を記載し、運転免許課長の決裁を受けるものとする。

(6) 登録除外の特例

他の公安委員会から移送を受けた事案について、処分量定の際に違反等登録の変更又は除外を要すべき事由を発見したときは、その理由を明らかにして、当該公安委員会に差し戻し、当該公安委員会において登録の変更及び抹消を行うものとする。

4 処分量定

(1) 処分量定の方法

ア 免許の拒否及び保留

(ア) 新規免許の申請者に係る処分量定は、点数通報書記載の違反歴及び行政処分歴(以下「違反歴等」という。)が当該免許申請者のものであることを確認し、その後に計算したその者の免許の効力の停止等の回数、累積点数、行政処分歴等に基づいて行うものとする。この場合において、通報に係る違反歴等が同一人のものであることの確認は、点数通報書に記載されている違反運転者の本籍、住所等の異同によって識別するものとする。

(イ) 併記免許の申請者に係る処分量定は、処分通報又は処分手配通報がなされている場合には、現に受けている免許の行政処分を行った公安委員会の処分決定に従って、これと同一の処分量定を行うものとする。

イ 免許の取消し及び効力の停止

点数通報書に記載されている処分基準該当点数及びその点数に達することとなった違反行為に係る行政処分書に基づいて処分量定を行うものとする。

ウ 自動車等の運転の禁止

国際運転免許証又は外国運転免許証(以下「国際運転免許証等」という。)を所持する者に係る処分量定は、違反等登録の際に違反照会を行い、その回答が当該違反等登録に係る違反行為のみであるときは、当該違反行為について点数計算するものとする。当該違反等登録に係る違反行為のほかに違反歴等の回答があったときは、国籍、住所等によって、当該違反歴等が同一人のものであることを確認した後に、自動車の運転の禁止等の回数及び累積点数を計算し、その計算した内容及び行政処分歴等に応じて次の措置を採るものとする。

(ア) 処分基準点数に該当するとき

a 違反運転者の住所地が本県であるときは、処分基準該当点数及び当該点数に達することとなった違反行為に係る行政処分書に基づいて処分量定を行うものとする。

b 違反運転者の住所地が他の都道府県であるときは、点数通報書の備考欄に計算した点数を付記して、住所地を管轄する公安委員会に移送するものとする。

(イ) 処分基準点数に該当しないとき

当該違反行為に係る行政処分書を保存するものとする。

(2) 処分量定上の留意事項

処分基準点数に達することとなった違反行為が人身事故等であるときは、次の点に留意して処分量定を行うものとする。

ア 当該事故登録の後において、点数評価に関する事項に変更を要すべき新たな事情が生じていないかを調べ、その事情があるときは、点数計算をやり直し、その結果に基づいて処分量定を行うものとする。

イ 当該人身事故等が交通事故の不注意の程度の認定基準の「軽い」に該当するものであるときは、同表の不注意の程度「軽い」の細目区分についてその程度を認定し、「小」に該当すると認めた事案については、その内容が行政処分の軽減を相当とするものであるかを審査するものとする。

5 処分事案の移送等

(1) 処分移送通知に関する事務

ア 処分移送通知は、当該行政処分の移送に係る事案の事実の証明に必要な関係書類を添付して行うものとする。添付を要すべき資料は、次に掲げる資料等の一部又は全部とし、必要に応じて他の書類を加えるものとする。

(ア) 交通違反の場合

a 点数通報書及び行政処分書

b 酒酔い・酒気帯び鑑識カード又は速度測定記録書の写し

(イ) 交通事故の場合

a 点数通報書及び行政処分書

b 実況見分調書の写し

c 供述調書(被疑者・被害者・参考人)の写し

d 診断書の写し

イ 処分移送通知書に添付する関係書類等は、事前にその内容を審査した上で送付するものとする。

(2) 処分事案の移送

ア 処分事案の移送は、行政処分関係書類の送付について(様式第3号)により行うものとする。

イ (1)は、処分事案の移送について準用するものとする。

(3) 行政処分をした旨の通知及び処分執行依頼

ア 他の公安委員会に対する行政処分をした旨の通知は、処分通知書(様式第4号)により行うものとする。ただし、行政処分が未執行のものについては、処分書等及び当該処分に係る処分・短縮・手配等登録票を添付して行政処分の執行を依頼するものとする。

イ 他の公安委員会から処分執行依頼を受けたときは、処分書等に処分期間の始期及び終期並びに処分書等の交付(通知)年月日を記載し、被処分者に交付するものとする。

6 行政処分の執行等

(1) 行政処分の執行場所

行政処分の執行は、原則として、次により行うものとする。

ア 意見の聴取に該当する事案は、意見の聴取の実施場所において執行するものとする。

イ 意見の聴取に該当しない事案は、停止処分者講習の実施場所において執行するものとする。

ウ ア及びイで執行できなかった者及び違反者講習を受けず免許の効力の停止に該当した者については、署又は分庁舎において執行するものとする。この場合において、運転免許課は、行政処分台帳(様式第5号)及び処分書等を署又は分庁舎に送付するとともに、被処分者に対し、日時を指定し、署又は分庁舎に出頭するよう通知するものとする。

(2) 署又は分庁舎における行政処分の執行

ア 執行責任者等

(ア) 署長は、交通担当幹部職員の中から処分執行責任者及び代行責任者(以下「執行責任者等」という。)を指定するものとする。

なお、分庁舎の置かれている署の署長は、分庁舎においても執行責任者等を指定するものとする。

(イ) 行政処分の執行は、原則として処分執行責任者が当たるものとする。

イ 行政処分台帳及び処分書等の送付を受けた場合の措置

署長は、運転免許課から行政処分台帳及び処分書等の送付を受けたときは、これを照合し、受理件数及び処分書等の内容に記載漏れ又は記載誤りがないかを確認し、決裁の後、行政処分台帳を編てつするものとする。

(3) 被処分者が出頭した場合の措置

ア 人定確認

(ア) 運転免許証又は国際運転免許証等(以下「運転免許証等」という。)の提出を求め、被処分者であることを確認するとともに、処分書等記載の事項と照合し、誤りのないことを確認するものとする。

(イ) 代理人である場合は、被処分者から委任を受けた者であることを委任状により確認するものとする。

イ 運転免許証の住所の確認

被処分者の運転免許証の住所に変更がある場合は、記載事項の変更の手続を採るよう教示するものとする。

ウ 運転免許証の有効期間の確認

被処分者の運転免許証の有効期間を確認し、行政処分の期間中に有効期間が満了する場合には、処分書等上部欄外に「要更新○月○日まで」と記入し、更新手続を採るよう教示するものとする。

(4) 行政処分の執行要領

ア 処分書等には、処分期間の始期、終期、停止日数、欠格期間の年数、交付年月日等を記入し、取扱者印を押印して交付するものとする。

イ 免許を取り消す場合は、運転免許証とともに運転免許証返納届(福島県道路交通規則(昭和35年福島県公安委員会規則第14号)様式第20号)を提出させるものとする。

ウ 被処分者が意見の聴取を欠席した場合は、署又は分庁舎において処分を執行する際に弁明調書(様式第6号)を作成し、署名押印させるものとする。

(5) 処分の執行の際の留意事項

ア 処分書等の記載内容について記載漏れ又は記載誤りがないことを確認するものとする。

イ 被処分者に対して、あらかじめ処分理由を口頭で告知するものとし、無免許運転の防止について、必ず指導するものとする。

ウ 被処分者から処分理由について誤りがある旨の申立てがあったときは、次により措置するものとする。

(ア) 申立てが過去の違反行為について、その不存在を理由とするものである場合

a その者が免許を受けている者であるときは、架空の事実について違反等登録がなされていることはあり得ない旨を説明し、申立ての内容に信頼性が高い場合には、同一人物であるかを再調査した後に行政処分を執行するものとする。

b その者が免許を受けていない者又は国際運転免許証等を所持する者であるときは、違反照会の結果回答された違反行為が生年月日、性別、氏名コード、本籍(国籍)、住所等において一致する場合であっても、なお、同名異人の違反行為である場合があることを考慮して、同一人物であるかを確認したのち、行政処分を執行するものとする。

(イ) 申立てが過去に行われた違反行為の発生年月日又は違反名の誤りに関するものである場合

その者から違反行為の発生年月日、違反名等について具体的内容の陳述があり、かつ、その内容に信頼性が高い場合に限り、一時、処分書等の交付を見合わせ、当該違反行為に係る行政処分書その他の書類の送付を受け、事実を再確認したのち、行政処分を執行するものとする。

(ウ) 申立てが当該違反行為の刑事処分の不起訴、無罪等を理由とするものである場合

当該申立ての内容に相当の理由があり、違反等登録の内容に事実誤認のおそれが認められる場合に限り、一時、行政処分の執行を見合わせ、改めて事案内容を審査するものとする。

(エ) 署又は分庁舎において処分書等を交付する場合で、(ア)から(ウ)までのいずれかに該当するとき

一時、行政処分の執行を見合わせ、運転免許課に連絡するものとする。

エ 行政処分を執行する際は、次の事項について教示するものとする。

(ア) 行政不服審査法(平成26年法律第68号)に基づく不服申立てに関する事項(不服申立ての対象とならない行政処分を行った場合を除く。)

(イ) 行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)に基づく取消訴訟の提起に関する事項

(6) 停止処分者講習の案内

免許の効力の停止を受けた者に対しては、停止処分者講習を受講することができる旨を教示するものとする。ただし、違反者講習未受講により30日の免許の効力の停止を受けた者については、停止処分者講習を受講することができないので、教示誤りのないようにすること。

(7) 行政処分の執行報告

行政処分を執行した際は、運転免許課にあっては行政処分台帳にその結果を記載し、署又は分庁舎にあっては行政処分台帳の年月日、番号、氏名、執行年月日、執行時間等を運転免許課に報告の上、行政処分台帳にその結果を記載するものとする。

(8) 運転免許証等の保管等

ア 免許の効力の停止又は自動車等の運転の禁止により被処分者から提出を受けた運転免許証等は、被処分者に返還するまで、施錠設備のある場所に、確実に保管するものとする。

イ アにより保管している被処分者の運転免許証等が確実にあることを定期的に点検するとともに、運転免許証の有効期間の満了日が近づいている者に対しては、更新手続を採るよう教示するものとする。

ウ 免許の取消しにより返納を受けた運転免許証は、速やかに運転免許課に送付するものとする。

(9) 運転免許証等の返還要領

ア 運転免許課で行政処分を執行した者に対する運転免許証等の返還は、住所地を管轄する署又は分庁舎に送付して行うものとする。

イ 停止期間等満了後の措置

免許の効力の停止又は自動車等の運転の禁止の期間が満了した者が運転免許証等を受領に訪れたときは、次により運転免許証等を返還するものとする。

(ア) 処分書等及び短縮通知書等(運転免許の停止等を受けた者に対する講習の実施及び運転免許の停止等の期間の短縮に関する規程(昭和44年福島県公安委員会規程第2号)様式第1又は様式第3)により、停止期間が満了していることを確認すること。

(イ) 個人情報保護の観点から、行政処分台帳に直接受領印を徴さずに個別の運転免許証等受領書(様式第7号)を作成させ、運転免許証等を返還すること。この場合において、提出を受けた運転免許証等受領書は、行政処分台帳の裏面に貼付し、保管すること。

(ウ) 受領に訪れた者が代理人である場合は、被処分者から委任を受けた者であることを委任状により確認すること。

(エ) 停止期間満了後は、閉庁時間帯の場合であっても、返還しなければならないことから、宿日直勤務員に引き継ぐなど、確実に返還できるようにしておくこと。

(10) 出頭通知に応じない者の措置

ア 次により迅速な行政処分の執行に努めるものとする。

(ア) 被処分者に連絡し、再度呼出しを行う。

(イ) 家族又は勤務先に連絡し、被処分者への出頭を促してもらう。

(ウ) 居宅又は勤務先に出向いて行政処分を執行する。

イ 呼出日時及び経過の記録

呼び出した年月日及び所在調査の経過を呼出し・所在調査記録書(様式第8号)に記録しておくものとする。

ウ 転出した場合の措置

所在調査の結果、管轄区域外へ転出したことが判明したときは、処分書返送事由報告書(様式第9号)、呼出し・所在調査記録書その他の関係書類とともに処分書等を運転免許課長に返送するものとする。

7 処分登録等

(1) 処分登録

処分登録は、原則として処分書等を交付した日に行うものとする。

(2) 処分猶予登録

ア 処分猶予登録を適正に行うため、当該行政処分書に「処分猶予」と朱書し、運転免許課長の決裁を受けるものとする。

イ 処分猶予登録は、運転免許課長の決裁を受けた後に行うものとする。

ウ 処分猶予をしたときは、被処分者に対して、その旨を通知するとともに、処分基準に該当した違反の発生から1年以内に再び違反行為をしたときは、処分猶予された違反が累積されるため重い処分を受けることがある旨を説明するものとする。

(3) 処分手配登録

ア 処分執行依頼に係る事案

処分執行依頼を行う場合は、当該行政処分について処分手配登録をした後、他の公安委員会に処分書等を送付するものとする。

イ ア以外の事案

次に掲げる者について行うものとする。

(ア) 出頭通知に応じず所在不明の者又は行政処分の決定の日からおおむね3か月が経過した時点で行政処分が未執行の者

(イ) (ア)に掲げる者のほか、処分手配登録を必要と認めた者

(4) 処分短縮登録

ア 処分短縮登録は、原則として処分短縮を決定した日に行うものとする。

イ 他の公安委員会で行政処分を受けた後に本県に住所を変更した者から停止処分者講習の申出があったときにおける当該処分短縮登録は、次により行うものとする。

(ア) 講習を申し出た者から、処分書等の提示を求めて行政処分の事実を確認する。

(イ) 住所変更について、運転免許証の記載事項の変更の手続を採らせる。

(ウ) 行政処分を執行した公安委員会に必要な事項を確認し、処分・短縮・手配等登録票を作成する。

(エ) 処分短縮を決定したときは、(ウ)によって作成した処分・短縮・手配等登録票によって処分短縮登録をする。

8 行政処分を免れている者に対する執行の確保

処分手配者を発見したときは、処分手配者に対する出頭命令及び運転免許証の保管に関する事務処理要領(平成24年4月16日付け達(運免)第163号)に基づき処理するものとする。

第3 点数制度によらない行政処分

1 重大違反唆し等、道路外致死傷及び危険性帯有の事案

(1) 事案の発見報告

取締り警察官等は、重大違反唆し等、道路外致死傷及び危険性帯有の事案を発見した場合は、当該発見に係る報告書を作成し、速やかに署長等に報告するものとする。

(2) 署長等の措置

署長等は、重大違反唆し等、道路外致死傷及び危険性帯有の事案の違反等登録票の作成及び行政処分書等の送付について、第2の2の規定を準用して処理するものとする。

(3) 運転免許課長の措置

ア 重大違反唆し等、道路外致死傷及び危険性帯有の事案の登録

運転免許課長は、重大違反唆し等、道路外致死傷及び危険性帯有の事案の登録について、第2の3の規定を準用して処理するものとする。

イ 処分量定

運転免許課長は、行政処分書により当該事案の内容を審査し、処分量定を行うものとする。

なお、行政処分の際に点数制度による行政処分の理由がある場合は、点数制度による行政処分を先に行うものとする。

ウ 準用規定

処分事案の移送等、行政処分の執行等、処分登録等の事務処理については、第2の規定を準用して処理するものとする。

2 一定の病気等に係る事案

(1) 臨時適性検査対象事案の発見報告

安全運転相談等事務処理要領(平成29年2月22日付け達(運免)第50号)に定めるところによる。

(2) 行政処分に関する留意事項

ア 処分量定

(ア) 一定の病気等に該当しないこととなるのに要すると見込まれる期間が6月を超えない場合

当該期間にわたる免許の保留又は効力の停止

(イ) 一定の身体の障害が自動車の安全な運転に支障を及ぼすおそれがなくなるのに要すると見込まれる期間が6月を超えない場合

当該期間にわたる免許の効力の停止

(ウ) 一定の病気等に該当しないこととなるのに要すると見込まれる期間が6月を超える場合

1年の欠格期間を指定した上での免許の拒否又は取消し

(エ) 一定の身体の障害が自動車の安全な運転に支障を及ぼすおそれがなくなるのに要すると見込まれる期間が6月を超える場合

1年の欠格期間を指定した上での免許の取消し

イ 免許の取消しを行う場合の留意事項

(ア) 再取得を念頭とした丁寧な対応

免許の再取得について説明した上、免許申請前に安全運転相談等事務処理要領に規定する安全運転相談を行うよう指導するなど丁寧な対応を行うものとする。

(イ) 質問票等の虚偽記載の確認

直近の質問票等について虚偽記載の有無を確認し、所要の措置を講ずるものとする。

なお、確認に当たっては、申請者が当該質問票等を記載する時点における症状の認識状況について聴取するものとする。

(3) 診断書提出命令又は臨時適性検査の通知を受けた者に対する行政処分の処分量定及び留意事項

ア 運転免許試験に合格した者に対する診断書提出命令又は臨時適性検査に係る行政処分

(ア) 診断書提出命令又は臨時適性検査の通知を受けた者に対する免許の保留の処分量定の期間

a 運転免許試験に合格した者が診断書提出命令又は臨時適性検査の通知を受けた場合(bの場合を除く。)

行政処分の日から当該診断書提出命令又は臨時適性検査の結果を踏まえた行政処分の意思決定が可能と見込まれる日(病状等を基に、臨時適性検査を行うこととなる専門医等の意見を参考として合理的に可能と見込まれる日。以下同じ。)までの期間

b 診断書提出命令又は臨時適性検査の通知を受けたことを理由として免許を保留された者が、当該保留期間中に診断書提出命令又は臨時適性検査の通知を受けた場合

aに同じ

(イ) 留意事項

a 診断書提出命令又は臨時適性検査の通知を行う場合は、これを理由とする免許の保留を確実に行うものとする。

なお、この診断書提出命令又は臨時適性検査の通知及び免許の保留に当たっては、運転免許試験に合格した者に対して原則として免許を与えなければならないことを踏まえ、速やかに行うものとする。

b 診断書提出命令又は臨時適性検査の通知を受けたにもかかわらず当該診断書提出命令に応じない又は臨時適性検査を受けない場合は、当該診断書提出命令又は臨時適性検査の通知を理由とする免許の保留期間内に、再度診断書提出命令又は臨時適性検査の通知を行うものとする。

c 仮免許の運転免許試験に合格した者に対しては、診断書提出命令又は臨時適性検査の通知を理由とした仮免許の拒否又は保留を行うことができないため、仮免許を与えるものとする。

また、その者が診断書提出命令又は臨時適性検査の通知を受け、仮免許を取得した後に、当該診断書提出命令に応じない、又は臨時適性検査を受けない場合には、仮免許の取消しを行うことはできず、再度診断書提出命令又は臨時適性検査の通知を行うものとする。

d 診断書提出命令又は臨時適性検査の通知をする際は、診断書提出命令に応じない、又は臨時適性検査を受けない場合の行政処分の可能性について教示するものとする。

イ 免許を受けた者に対する臨時認知機能検査、臨時高齢者講習、診断書提出命令又は臨時適性検査に係る行政処分

(ア) 臨時認知機能検査の通知、臨時高齢者講習の通知、診断書提出命令又は臨時適性検査の通知を受けた者で当該臨時認知機能検査を受けない、臨時高齢者講習を受けない、診断書提出命令に応じない、又は臨時適性検査を受けない者に対する免許の効力の停止の処分量定の期間

行政処分の日から当該臨時認知機能検査、臨時高齢者講習、診断書提出命令又は臨時適性検査の結果を踏まえた行政処分の意思決定が可能となると見込まれる日までの期間

(イ) 留意事項

a 臨時認知機能検査の通知、臨時高齢者講習の通知、診断書提出命令又は臨時適性検査の通知を受けた者がやむを得ない理由なく当該臨時認知機能検査を受けない、臨時高齢者講習を受けない、診断書提出命令に応じない、又は臨時適性検査を受けないと認める場合は、速やかに免許の効力の停止を行うとともに、当該停止の期間内に、再度臨時認知機能検査の通知、臨時高齢者講習の通知、診断書提出命令又は臨時適性検査の通知を行うものとする。

b やむを得ない理由なく臨時認知機能検査を受けない、臨時高齢者講習を受けない、診断書提出命令に応じない、又は臨時適性検査を受けないことを理由として免許の効力を停止された者が当該期間中に重ねて臨時認知機能検査の通知、臨時高齢者講習の通知、診断書提出命令又臨時適性検査の通知を受け、やむを得ない理由なく当該臨時認知機能検査を受けない、臨時高齢者講習を受けない、診断書提出命令に応じない、又は臨時適性検査を受けない場合の免許の取消しは、速やかに行うものとする。

c 臨時認知機能検査の通知、臨時高齢者講習の通知、診断書提出命令又は臨時適性検査の通知をする際は、臨時認知機能検査を受けない、臨時高齢者講習を受けない、診断書提出命令に応じない、又は臨時適性検査を受けない場合の行政処分の可能性について教示するものとする。

ウ 暫定停止

(ア) 処分量定の期間

臨時適性検査又は診断書提出命令の結果を踏まえた行政処分の意思決定が可能となると見込まれる日までの期間

(イ) 執行等

暫定停止を執行する際は、処分書を交付するものとする。

また、一定の病気等に該当しないことが判明し、暫定停止を解除する際は、運転免許の効力の停止処分解除通知書(様式第10号)を交付するものとする。

(ウ) 留意事項

a 交通事故の範囲及び認知時の措置

暫定停止の対象となる交通事故は、人の死傷又は物の損壊を伴う交通事故である。よって、交通事故の発生を認知した場合で、当該事故の状況から判断して、その者が一定の病気等に該当する疑いが認められるときは、速やかに運転免許課長に通報するものとする。

b 対象事故を起こした者の住所地が他の都道府県にある場合の措置

運転免許課長は、速やかに臨適検討対象者通報書(安全運転相談等事務処理要領様式第15号)により、当該都道府県警察に通報するものとする。

c 医師の診断に基づく臨時適性検査又は診断書提出命令に係る暫定停止

次の場合は、暫定停止を行うものとする。

(a) 医師が、患者の病状からして運転に支障があると思われる場合で、その診察結果を公安委員会に届け出たことを端緒に臨時適性検査又は診断書提出命令を行うとき。

(b) 免許を受けている者が一定の病気等に該当する疑いがある場合で、公安委員会がその主治医に照会した結果、一定の病気等に該当する者である旨の回答を得たものの、行政処分の判断ができないことから、臨時適性検査又は診断書提出命令を行うとき。

d 執行の時期及び場所

暫定停止の執行は、臨時適性検査の通知又は診断書提出命令を行うときにするものとする。ただし、臨時適性検査の実施について意思決定した後、専門医等の事情により指定日の決定のみができない場合に限り、当該通知に先立って、執行するものとする。この場合において、速やかに指定日を決定し、臨時適性検査の通知をするものとする。

執行は、福島運転免許センター若しくは郡山運転免許センター又は暫定停止を受ける者の住所地を管轄する署又は分庁舎で行うものとする。

e 弁明の機会の付与

暫定停止をした日から起算して5日以内に弁明の機会を付与することとなるが、その手続は弁明通知書(様式第11号)により行うものとする。

(エ) 受検又は提出の拒否に係る留意事項

a 手続上の留意事項

臨時適性検査の受検又は診断書提出の拒否については免許の取消し及び効力の停止の対象となるところであるが、暫定停止中の臨時適性検査の受検又は診断書提出の拒否については免許の取消し及び効力の停止の対象とならない。また、臨時適性検査の受検又は診断書提出の拒否を理由に暫定停止を解除することもできない。よって、暫定停止中にやむを得ない理由がなく臨時適性検査の受検又は診断書の提出を拒否した場合は、暫定停止の満了をもって、免許の効力の停止(以下「本停止」という。)を行うものとする。

b 本停止に係る臨時適性検査の再通知又は診断書提出命令

本停止は、暫定停止の満了日の翌日から執行することとし、本停止の執行に合わせて、速やかに臨時適性検査を通知又は診断書提出命令をするものとする。

c 本停止の処分量定の期間

臨時適性検査又は診断書提出命令の結果を踏まえた行政処分の意思決定が可能となると見込まれる日までの期間

d 本停止の解除

本停止期間中、診断書提出命令に応じた場合、臨時適性検査を受検し、又は、主治医の診断書の提出があった場合には、本停止を解除しなければならないことに留意すること。

エ 受検等命令

(ア) 受検等命令を行う場合の判断基準

適性検査受検命令及び診断書提出命令(以下「受検等命令」という。)については、所定の主治医(認知症に該当して免許の効力の停止を受けた者にあっては、認知症に関する専門医又は当該事由に係る主治医)の診断書の作成及び提出が期待でき、かつ、当該診断書によって一定の病気等に該当することを判断できると認められる場合は診断書提出命令を、それ以外の場合(主治医がいない場合、所定の主治医の診断書の作成及び提出が期待できない場合等)は適性検査受検命令を行うものとする。

(イ) 受検等命令に違反した者に対する行政処分の処分量定の期間

行政処分の日から適性検査又は診断書の結果を踏まえた行政処分の意思決定が可能となると見込まれる日までの期間

(ウ) 留意事項

a 受検等命令を受けた者が当該命令に違反した場合には、速やかに免許の保留又は効力の停止を行うとともに、再度、受検等命令を行うものとする。

b 再度の受検等命令を受けたにもかかわらず、やむを得ない理由がなく当該命令に違反した場合は、速やかに免許の拒否又は取消しを行うものとする。

c 受検等命令をする際は、当該命令に違反した場合における行政処分の可能性について教示するものとする。

オ 臨時適性検査を受けない場合又は受検等命令に違反した場合におけるやむを得ない理由

安全運転相談等事務処理要領に定めるところによる。

第4 行政処分書等の保存

行政処分書等は、次のとおり保存するものとする。

1 行政処分をした事案の関係書類は、行政処分の年月日順に整理し、次の区分により保存するものとする。

(1) 一般違反行為を理由として行政処分をした事案 8年

(2) 特定違反行為を理由として行政処分をした事案 13年

2 行政処分を決定したが処分書等未交付の事案で処分手配登録をしたものの関係書類は、処分手配の年月日順に整理し、次の区分により保存するものとする。ただし、当該事案について、その後処分書等の交付が行われたものについては、1により保存するものとする。

(1) 一般違反行為を理由として行政処分を決定した事案 10年3か月

(2) 特定違反行為を理由として行政処分を決定した事案 15年3か月

3 処分猶予とした事案の関係書類は、処分猶予の年月日順に整理し、5年間保存するものとする。

4 その他の事案の関係書類は、13年間保存するものとする。

別表第1(第2関係)

交通事故の不注意の程度の認定基準

不注意の程度の区分

認定基準

区分内容

区分略号

交通事故が専ら当該違反行為をした者の不注意によって発生したものである場合

重い

当該違反行為をした者の不注意以外に交通事故の原因となるべき事由がないとき又は他に交通事故の原因となるべき理由がある場合において、その原因が当該交通事故の未然防止及び被害の拡大の抑止に影響を与える程度のものでないとき。

上欄に規定する場合以外の場合

軽い

当該交通事故が当該違反行為をした者の不注意その他の事由の競合によって発生したものである場合であって、交通事故の主たる原因が当該違反行為をした者の不注意によるものであるとき又は当該違反行為をした者の不注意とその他の事由が交通事故の原因として等しいものであるとき。

大以外の場合

備考

1 「主たる原因が当該違反行為をした者の不注意によるものであるとき」とは、当該交通事故発生の直接的原因が当該違反行為をした者の不注意である場合又は当該交通事故における結果予見及び結果回避の客観的可能性の程度が明らかに当該違反行為をした者において高いと認められる場合をいう。

2 特定違反行為の種別のうち、「運転殺人等又は危険運転致死等」、「運転傷害等(治療期間3月以上又は後遺障害)又は危険運転致傷等(治療期間3月以上又は後遺障害)」、「運転傷害等(治療期間30日以上)又は危険運転致傷等(治療期間30日以上)」、「運転傷害等(治療期間15日以上)又は危険運転致傷等(治療期間15日以上)」又は「運転傷害等(治療期間15日未満又は建造物損壊)及び危険運転致傷等(治療期間15日未満)」については、不注意の程度の区分は「交通事故が専ら当該違反行為をした者の不注意によって発生したものである場合」に該当することとなる。

別表第2(第2関係)

交通事故に関する登録除外事由

1 交通事故が不可抗力によって起きたものである場合(当該交通事故の際の具体的事情から判断して、結果予見及び結果回避の可能性がなく、事故防止の期待可能性がない場合をいう。)

2 違反行為をした者の不注意の程度が極めて軽微であり、かつ、当該交通事故の際の具体的事情において、その者に結果予見及び結果回避を期待することが困難であったと認められる場合(違反行為をし、よって交通事故を起こしたと認められる場合であっても、当該違反行為をした者がその結果を予見することが困難であったと認められる場合であって、かつ、当該違反行為をした者に対し、危険に際しての結果回避行為に出ること又はその行為に出たとしても結果回避を期待することは困難であったことが認められる場合をいう。)

様式第1号(第2関係)

 略

様式第2号(第2関係)

 略

様式第3号(第2関係)

 略

様式第4号(第2関係)

 略

様式第5号(第2関係)

 略

様式第6号(第2関係)

 略

様式第7号(第2関係)

 略

様式第8号(第2関係)

 略

様式第9号(第2関係)

 略

様式第10号(第3関係)

 略

様式第11号(第3関係)

 略

運転免許の行政処分事務に関する事務処理要領の制定について(通達)

平成29年2月22日 達(運免)第49号

(令和3年4月1日施行)