○古物営業法の一部を改正する法律の施行について(依命通達)

平成30年10月15日

達(生企)第282号

みだしのことについては、次のとおりであるので、事務処理上誤りのないようにされたい。

なお、以下この通達において、古物営業法の一部を改正する法律(平成30年法律第21号。以下「改正法」という。別添1及び2参照)による改正後の古物営業法(昭和24年法律第108号)を「法」、古物営業法施行規則の一部を改正する規則(平成30年国家公安委員会規則第14号。以下「改正規則」という。別添3参照)による改正後の古物営業法施行規則(平成7年国家公安委員会規則第10号)を「施行規則」という。

1 趣旨

この度、改正法中、欠格事由の追加、簡易取消しの新設、仮設店舗における営業の制限の緩和等に関する規定が平成30年10月24日から施行されることとなり(古物営業法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令(平成30年政令第260号)。別添4参照)、これに伴い、改正規則が制定されたことから、改正法(改正法附則第1条ただし書に規定する規定に限る。)及び改正規則による改正の趣旨、概要及び運用上の留意事項について示すものである。

2 改正の趣旨及び概要等

(1) 欠格事由の追加(法第4条関係)

ア 趣旨及び概要

盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るという法目的に照らし、盗品等に係る犯罪である窃盗を犯した者並びに暴力団員及びその関係者については、古物商又は古物市場主(以下「古物商等」という。)に課せられた各種義務の適切な履行を期待できないため、古物営業から排除する必要がある。このため、刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律(平成18年法律第36号)により窃盗に罰金刑が設けられたことや、暴力団の資金獲得活動の巧妙化・不透明化に伴い、各種取引において暴力団排除が推進されていることなども踏まえ、次のとおり欠格事由が追加された。

(ア) 刑法(明治40年法律第45号)第235条に規定する罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなった日から起算して5年を経過しない者(法第4条第2号)

(イ) 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者(法第4条第3号及び施行規則第1条)

(ウ) 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。以下「暴対法」という。)第12条若しくは第12条の6の規定による命令又は同法第12条の4第2項の規定による指示を受けた者であって、当該命令又は指示を受けた日から起算して3年を経過しないもの(法第4条第4号)

イ 運用上の留意事項

(ア) 法第4条第2号該当の有無については、申請者の本籍地の市区町村長に対する前科照会により判断すること。

(イ) 法第4条第3号には、次のようなものが該当する。

a 暴対法第2条第6号に規定する暴力団員(以下単に「暴力団員」という。)

b 暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

c 暴力団以外の犯罪的組織の構成員で、当該組織の他の構成員の検挙状況等(犯罪率、反復性等)から見た当該組織の性格により、強いぐ犯性が認められる者

d 過去10年間に暴力的不法行為等(施行規則第1条)を行ったことがあり、その動機、背景、手段、日常の素行等から見て強いぐ犯性が認められる者

(ウ) 法第4条第3号該当の有無については、組織犯罪対策課に対し、暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者に該当するか否かを照会するほか、必要に応じ、(ア)の前科照会の結果、部内資料、家族又は知人に対する聞き込みによる日常の素行の調査等により、総合的にぐ犯性を判断すること。

(エ) 法第4条第4号該当の有無については、組織犯罪対策課に対し照会すること。

(オ) 法第4条第4号中の暴対法第12条の規定による命令を受けた者とは、指定暴力団員に暴力的要求行為(同法第2条第7号)をするよう依頼したり、指定暴力団員による暴力的要求行為をその現場で助けたため、都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)から再発防止命令や中止命令を受けた者をいう。

(カ) 新たに追加されたア(ア)から(ウ)までに掲げる欠格事由は、法第13条第2項に規定する管理者の欠格事由にも追加されているので留意すること。

(キ) ア(ア)から(ウ)までに掲げる欠格事由の追加については、経過措置が設けられていないため、改正法の施行前に生じていた事由(例えば、暴力団員である事実又は暴対法第12条の規定による命令を過去3年以内に受けていた事実)をも勘案して、その該当性の有無を判断することとなるので、改正法の施行後にこれらの欠格事由該当者を把握した場合には、所要の調査を実施の上、許可の取消し等の所要の措置を的確に講じられたい。

(2) 簡易取消しの新設(法第6条第2項及び第3項関係)

ア 趣旨及び概要

改正法による改正前の古物営業法(以下「旧法」という。)においては、所在不明である古物商等の許可を取り消すためには、3月以上所在不明であることを公安委員会が立証した上で、聴聞を実施する必要があり、所在不明である古物商等の許可を迅速に取り消すことができなかった。しかし、こうした所在不明の古物商等の許可については、許可証が悪用されるおそれがあり、また、公安委員会による監督が困難であることから、迅速に許可が取り消される必要がある。このため、古物商等の営業所若しくは古物市場(以下「営業所等」という。)の所在地を確知できないとき、又は当該古物商等の所在(法人である場合においては、その役員の所在)を確知できないときは、その事実を官報により公告し、その公告の日から30日を経過しても当該古物商等から申出がないときは、その許可を取り消すことができることとされた(法第6条第2項及び施行規則第4条の2)

イ 運用上の留意事項

(ア) 法第6条第2項に規定する取消しの手続を開始するに当たっては、

a 古物商等の住所若しくは居所地又は営業所等の所在地への現地確認

b 許可申請時に届け出た電話番号への電話連絡

c 簡易書留等の追跡調査が可能な郵便の発出

をそれぞれ実施するなど所要の措置を実施し、営業所等の所在地を確知できないこと又は古物商等の所在を確知できないことを確認すること。

(イ) 法第6条第2項の規定に基づく公告をする場合は、官報販売所へ掲載依頼を行うこととなることから、生活安全企画課生活安全指導第一係と調整すること。

(ウ) 法第6条第2項の規定に基づく公告の後に古物商等から申出がなく、許可を取り消した場合は、古物商等の所在が不明であることを踏まえ、

a 法第6条第2項の規定に基づき古物商等の許可を取り消したこと

b 行政不服審査法(平成26年法律第68号)第82条第1項の規定に基づく教示内容

c 行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)第46条第1項の規定に基づく教示内容

について公告するため、官報販売所へ掲載依頼を行うこととなることから、生活安全企画課生活安全指導第一係と調整すること。

(3) 仮設店舗における営業の制限の緩和等

ア 仮設店舗への改称(法第5条第1項第5号)

(ア) 趣旨及び概要

古物営業法の制定当時(昭和24年)の営業実態から、営業所以外の場所において仮に設けられる店舗を表す用語として「露店」が用いられてきたところ、現在においては、催事場等の屋内においてブースを仮に設ける業態等が見られるところであり、露店という用語が実態に即さないものとなっていることから、この度の改正において、「仮設店舗」と改称された(法第5条第1項第5号)

(イ) 運用上の留意事項

a 仮設店舗とは、営業所以外の場所に仮に設けられる店舗であって、容易に移転することができるものをいい、その営業の責任の所在場所が固定されていないものであり、例えば、催事場等のブース、車両を駐車して店舗として用いる出店、屋台等が想定される。

b 一定の期間に限らずその場所で継続的に営業を行うために設けられるものについては、必要な時期だけ、仮に設けられるものではなく、営業所のように管理者を置く義務が古物商に課せられず、長期間にわたって業務の適正な実施が担保されないことから、仮設店舗としては認められない。

イ 仮設店舗における営業の制限の緩和(法第14条第1項ただし書関係)

(ア) 趣旨及び概要

旧法では、古物商における相手方の確認等の義務の適切な履行を確保するため、古物商が買い受け、若しくは交換するため、又は売却若しくは交換の委託を受けるため、古物商以外の者から古物を受け取ることができる場所をその営業所又は取引の相手方の住所若しくは居所に限っていた。しかし、近年においては、業界から、百貨店の催事場、集合住宅のエントランス等の一時的な特設会場で古物の買取りを行うことができるようにしてほしいとの要望が寄せられているところ、事前に買受け等が行われる日時及び場所を把握することができれば、立入り等を通じて義務の履行状況について指導監督を行うことができると考えられる。このため、仮設店舗において古物営業を営む場合において、あらかじめ、その日時及び場所を、その場所を管轄する公安委員会に届け出たときは、古物を受け取ることができることとされた(法第14条第1項ただし書)

なお、公安委員会に届け出る場合においては、その場所の所轄警察署長を経由して、仮設店舗において古物営業を営む日から3日前までに、届出書を提出することとされた(施行規則第14条の2)

(イ) 運用上の留意事項

a 仮設店舗において古物営業を営む日時及び場所の届出を受けることによって、営業所又は取引の相手方の住所若しくは居所以外では禁止される古物の受取りが可能となるところ、当該仮設店舗における義務の履行状況について監督を行うために、その日時及び場所については、届出を受けた所轄警察署において必要に応じて立入り等の実施が可能となる程度に詳細に特定されている必要がある。そのため、

・ 月日に関し、「●年●月●日から●年●月●日までのいずれかの日」と記載されている場合

・ 時間に関し、具体的な営業時間を記載せず、「0時から24時まで」と記載されている場合

・ 場所に関し、「福島県福島市杉妻町」までの記載で、住所番地の特定がされていない場合

・ 場所に関し、大型ビル、展示場等の大規模施設内での営業について、その階、フロア等の記載がない場合

・ 場所に関し、車両、屋台等を用いた仮設店舗で、その仮設店舗が移動しながら営業しているなど、営業の場所が定まっていない場合

等のように、その年月日時及び場所の特定が不十分な場合には、十分に特定を行うよう指導すること。

b 届出を行わずに、古物商がその営業所又は取引の相手方の住所若しくは居所以外の場所で古物の受取りを行うことは引き続き禁止されている。そのため、無届けでの営業所又は取引の相手方の住所若しくは居所以外の場所での古物の受取りを認知した場合には、その実態把握に努めるとともに、古物営業法違反による検挙や行政処分を検討すること。

ウ 立入り場所への仮設店舗の追加(法第22条第1項関係)

(ア) 趣旨及び概要

露店についてはその性質上、古物営業法の制定時から、当然に立入りが可能と解されてきたが、近年においては、同法の制定時と異なり、一般公衆が自由に通行できない場所に設けられる仮設店舗もあることから、それらにおける営業の状況について警察職員が監督上必要な調査を行うことができるよう、立入りを実施できる場所として仮設店舗が明記された(法第22条)

(イ) 運用上の留意事項

法第22条第1項に規定する立入り及び調査は法の適正な運用を図るために必要な権限であり、また、古物営業の実態把握にも資するものである。

改正法により、届出を条件として、新たに仮設店舗において古物を受け取ることができることとなり、仮設店舗における営業が活発化すると考えられることから、仮設店舗における古物の受取りにおいて盗品等が流入することのないよう古物商における業務の適正化を図るため、立入り及び調査を適切に活用し、仮設店舗における確認義務等の古物商に課された義務の履行状況を確認すること。

(4) 非対面取引における相手方の真偽の確認方法の追加(施行規則第15条第3項関係)

ア 趣旨及び概要

法第15条第1項においては、古物商が、古物を買い受け、若しくは交換をし、又は売却若しくは交換の委託を受けようとするときは、相手方の真偽を確認するため、同項各号のいずれかに掲げる措置を採らなければならない旨規定されており、同項第4号においては、「前3号に掲げるもののほか、これらに準ずる措置として国家公安委員会規則で定めるもの」が掲げられている。この確認方法については、平成29年度に開催された「古物営業の在り方に関する有識者会議」において、確認方法の緩和が要望されたほか、改正法の国会審議においても取り上げられるなど、新たな確認方法の導入を検討する必要性が高まっていた。そこで、古物商におけるインターネット等を利用した非対面取引が急速に普及している実態を踏まえ、相手方の真偽の確認方法として以下の方法が追加された。

(ア) 相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の申出を受け、次のいずれかの措置を講ずるとともに、相手方の住所に宛てて配達記録郵便物等(引受け及び配達の記録をする取扱いをされる郵便物若しくは信書便物又はこれと同様の取扱いをされる貨物(貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)第3条の許可を受けた者その他の適法に貨物の運送の事業を行う者が運送するものに限る。)をいう。以下同じ。)で転送をしない取扱いをされるものを送付し、かつ、その到達を確かめること(施行規則第15条第3項第4号及び第5号)

a 当該相手方の身分証明書、運転免許証、国民健康保険被保険者証その他の相手方の住所、氏名及び年齢又は生年月日を証する資料(一を限り発行又は発給されたものに限る。以下「身分証明書等」という。)に組み込まれた半導体集積回路(以下「ICチップ」という。)に記録された住所、氏名及び年齢若しくは生年月日の情報又は相手方の身分証明書等の画像情報(古物商が提供するソフトウェアを使用して撮影させたものであって、当該身分証明書等に記載された住所、氏名及び年齢又は生年月日並びに身分証明書等の厚みその他の特徴を確認することができるもの)の送信(当該画像情報にあっては、当該ソフトウェアを使用した送信に限る。)を受けること(当該画像情報の送信を受ける場合にあっては、帳簿等又は電磁的方法による記録とともに当該画像情報を保存する場合に限る。)

b 身分証明書等若しくは住民票の記載事項証明書、戸籍の謄本若しくは抄本(戸籍の附票の写しが添付されているものに限る。)若しくは印鑑登録証明書(以下「住民票の写し等」という。)のいずれか二の書類の写し(明瞭に表示されたものに限る。)の送付を受け、又は身分証明書等若しくは住民票の写し等の写し及び相手方の住所が記載された納税証明書、公共料金の領収証書等のいずれか(身分証明証等又は住民票の写し等を除き、領収日付の押印又は発行年月日の記載があるもので、その日が当該古物商が送付を受ける日前6月以内のものに限る。以下「補完書類」という。)若しくはその写し(明瞭に表示されたものに限る。)の送付を受けること(帳簿等又は電磁的方法による記録とともに当該身分証明書等若しくは住民票の写し等の写し又は当該補完書類若しくはその写しを保存する場合に限る。)

(イ) 相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の申出を受け、当該古物商が提供するソフトウェアを使用して相手方の容貌の画像情報(当該ソフトウェアを使用して撮影をさせたもの)の送信を受けるとともに、次のいずれかの措置を講ずること(施行規則第15条第3項第8号及び第9号)

a 古物商が提供するソフトウェアを使用して、相手方の身分証明書等(当該相手方の写真が貼り付けられたものに限る。以下「写真付き身分証明書等」という。)の画像情報(当該ソフトウェアを使用して撮影をさせたものであって、当該身分証明書等に記載された住所、氏名及び年齢又は生年月日、写真並びに当該写真付き身分証明書等の厚みその他の特徴を確認することができるもの)の送信を受けること(帳簿等又は電磁的方法による記録とともに当該写真付き身分証明書等の画像情報を保存する場合に限る。)

b 相手方の写真付き身分証明書等に組み込まれた半導体集積回路に記録された住所、氏名、年齢又は生年月日及び写真の情報の送信を受けること。

イ 運用上の留意事項

(ア) 身分証明書等に組み込まれたICチップを相手方の確認に利用するに当たり、古物商には、ICチップ情報が真正なものであることの確認が求められており、具体的な方法として、秘密鍵で暗号化されている当該ICチップに記録された電子署名の送信を併せて受け、これを公開鍵で復号することにより、住所、氏名、年齢又は生年月日及び写真の情報が真正なものであることを確かめることが想定される。

(イ) 身分証明書等の画像情報を送信する上で用いる「古物商が提供するソフトウェア」には、古物商の委託先が開発したソフトウェアや、第三者が開発したソフトウェアも含まれる。古物商には、取引の相手方によるなりすまし等の防止が求められることから、画像が加工されないことを確実に担保するため、ソフトウェアは画像の加工機能が無いものである必要がある。

なお、相手方の身分証明書等の撮影及び送信の方法を古物商が提供するソフトウェアに限定する趣旨は、撮影後、画像が加工されることを防止することであるため、古物商が提供するソフトウェア以外を使用してあらかじめ撮影された画像の送信を受けることは認められない。

(ウ) 古物商は、相手方から身分証明書等や容貌の画像情報の送信を受ける際、事前に撮影した写真を撮影させたものではないことを確認するための措置を採る必要があり、例えば、確認時にランダムな数字等を相手方に示し、一定時間内に相手方に当該数字等を記した紙と共に容貌や身分証明書等を撮影させ直ちに送信させることなどが想定される。

(エ) 「身分証明書等の厚みその他の特徴」については、身分証明書等の外形、構造、機能等の特徴からその真正性の確認を行うことを目的としたものであり、住所、氏名及び年齢又は生年月日や写真を確認することができる面の全面を単に撮影させるだけでは分からないような特徴を撮影させる必要がある。例えば、身分証明書等の「厚み」を確認できるものとして、身分証明書等を斜めに傾けて撮影した画像を送信することなどが想定される。

(オ) 「画像」には動画が含まれ、例えば、リアルタイムビデオ通話により相手方の身分証明書等や容貌を確認することが想定される。

(カ) ア(イ)の方法による相手方の確認をする場合、古物商は、容貌の画像情報及び身分証明書等の画像情報の送信を受けることになるが、これら画像を目視により見比べることや顔照合について十分な性能を有する機械を利用することにより、撮影された相手方と当該身分証明書等の顔写真の人物との同一性を確認する必要がある。

(キ) 「補完書類」には、相手方と同居する者の公共料金の領収証書が含まれるが、相手方と同居する者の公共料金の領収証書以外の書類(社会保険料の領収証書等)については、補完書類として認められない。

(5) その他

ア 古物競りあっせん業者に係る認定の申請の欠格事由の追加等(施行規則第19条の5及び第23条関係)

(ア) 趣旨及び概要

法第21条の5第1項の規定により、古物競りあっせん業者は、その業務の実施の方法が、国家公安委員会が定める盗品等の売買の防止及び速やかな発見に資する方法の基準に適合することについて、公安委員会の認定を受けることができることとされており、施行規則第19条の5に規定する欠格事由に該当する場合には当該認定を申請することができない。改正法により、古物商等の欠格事由として、(1)(イ)及び(ウ)に規定する者が追加されたが、これらに該当するものは、古物競りあっせん業者として営業を行うに当たっても、認定基準に従って厳正な営業を行うことが期待できないことから、施行規則第19条の5に規定する古物競りあっせん業者に係る認定の申請の欠格事由に追加された。

また、同様の趣旨から、施行規則第23条に規定する盗品売買等防止団体に係る承認の適合事由として、役員のうちに(1)(ア)から(ウ)までに規定する者に該当するものがないことが追加された。

(イ) 運用上の留意事項

(ア)に規定する新たに追加された事由については、(1)(ア)(ウ)及び(エ)に規定する方法により、確認すること。

イ 各種様式の改正(別記様式第15号、第16号及び第16号の10関係)

(ア) 趣旨及び概要

別記様式第15号及び第16号に規定する帳簿の様式を示しているが、古物営業の実態を考慮し、自動車について、古物の特徴欄における記載例を規定するなど所要の改正を行った。また、立入り場所に仮設店舗が規定されたことを受け、別記様式第16号の10に規定する身分証明書の裏面について所要の改正を行った。

(イ) 運用上の留意事項

a 取り扱おうとする古物の区分において自動車(その部分品を含む。)が最大を占める古物営業の実態を踏まえ、自動車の取引について帳簿に記載することが最も多いと考えられることから、自動車の特徴の記載例を規定することとした。各警察署(分庁舎)においても、立入り時に帳簿等を検査する際、古物を特定する上で問題がないかどうかを確認するため、記載例として規定された事項を参考とされたい。

b 別記様式第16号の10に規定する身分証明書について、(ア)のとおり裏面(条文)の改正を行っていることから、改正法の施行の際には、新たに身分証明書を発行する又は裏面部分に改正後の条文を貼り付けるなどの所要の措置を講ずること。

(6) 施行期日

改正法のうち、欠格事由の追加に関する規定、簡易取消しの新設に関する規定及び仮設店舗における営業の制限の緩和等に関する規定の施行期日は、平成30年10月24日とされた(改正法附則第1条ただし書及び古物営業法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令)

また、改正規則の施行期日についても、上記の改正法の一部施行の日(平成30年10月24日)とされた(改正規則附則第1条)

(7) 経過措置

ア 趣旨及び概要

改正法により許可制度の見直しを行うことになるが、既に旧法の規定による許可を受けている古物商等について、改めて法の許可を取得させることとなると、古物商等に対し過度な負担を課すこととなる。このため、以下のとおり旧法の規定による許可に関する経過措置が設けられた。

(ア) 古物商等は、改正法の施行(公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日)前においても、国家公安委員会規則で定めるところにより、その主たる営業所(営業所のない者にあっては、住所又は居所をいう。以下同じ。)又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会に、主たる営業所又は古物市場その他の営業所又は古物市場の名称及び所在地を届け出ることができる(改正法附則第2条第1項関係)

なお、公安委員会に届出をする場合においては、その主たる営業所又は古物市場の所在地の所轄警察署長を経由して届出書を提出するものとする(改正規則附則第2項)

(イ) 2以上の公安委員会の管轄区域内に営業所又は古物市場を有する古物商等から(ア)に規定する届出を受けた公安委員会は、当該届出の内容を関係する他の公安委員会に通知するものとする(改正法附則第2条第2項関係)

(ウ) (ア)に規定する届出をした古物商等であって、改正法の施行(公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日)の際現に旧法第3条の規定による許可を受けているもの(当該届出をした日から改正法の施行の日の前日までの間に当該届出内容の全部又は一部について変更があった者を除く。)は、それぞれ、主たる営業所又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会による法第3条の規定による許可を受けているものとみなす(改正法附則第2条第3項関係)

(エ) (ア)に規定する届出をする場合において虚偽の届出をした者については、10万円以下の罰金に処することとし、また、法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、当該違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、10万円以下の罰金に処することとする(改正法附則第5条関係)

イ 運用上の留意事項

(ア) 古物商等であって改正法の全面施行後も引き続き許可を受けようとする者はア(ア)の届出が必要である。そのため、各警察署(分庁舎)にあっては、関係業界と連携しつつ、管轄区域内の古物商等に対して、引き続き許可を受けようとする場合は改正法の全面施行日(改正法附則第1条に定める日)までに当該届出を行うことが必要である旨の周知を図ること。

また、周知に当たっては、ア(イ)の通知も活用して届出の有無を判断し、ア(ア)の届出及びア(イ)の通知のいずれもない古物商等については、その連絡先に電話連絡するなどの適切な方法により、積極的な周知に努めること。

(イ) ア(ア)の届出を受けた主たる営業所又は古物市場の所在地の所轄警察署長は、当該届出書の写しを、電子メール、FAX、逓送等の方法により、生活安全企画課長に送付すること。

(8) 古物商等への周知徹底(改正法及び改正規則による改正内容全体)

この度の改正法及び改正規則による改正は、(7)に記載のとおり、改正法の全面施行後も引き続き許可を受けようとする古物商等については、所要の届出が必要とされるほか、仮設店舗における古物の受取りが可能となるなど、古物商等の業務に影響を及ぼすことから、各警察署(分庁舎)にあっては、改正の内容について、関係業界と連携しつつ、管轄区域内の古物商等に対する積極的な周知に努めること。

3 添付資料

(1) 別添1 改正法本文

(2) 別添2 改正法新旧

(3) 別添3 改正規則本文

(4) 別添4 施行日政令本文

別添1

画像

画像

画像

別添2

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

別添3

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

別添4

画像

古物営業法の一部を改正する法律の施行について(依命通達)

平成30年10月15日 達(生企)第282号

(平成30年10月24日施行)

体系情報
生活安全部
沿革情報
平成30年10月15日 達(生企)第282号