○子のある職員に係る宿日直等勤務基準の制定について(通達)

平成31年3月22日

達(務)第116号

対号 平成4年7月21日付け例規(務)第31号「福島県警察の勤務制度に関する訓令の制定について」

みだしについては、次のとおり制定し、平成31年3月25日から施行するので、所属職員に周知徹底されたい。

なお、子のある職員に係る宿日直等勤務基準の策定に向けた試行実施について(平成30年3月27日付け達(務)第117号)は、廃止する。

1 趣旨

小学生以上の子のある職員(他に小学校就学の始期に達するまでの子のある者を除く。以下同じ。)の深夜勤務及び超過勤務の制限については、職員の勤務時間、休暇等に関する条例(平成7年福島県条例第4号)に規定がなく、福島県警察の勤務制度に関する訓令(平成4年県本部訓令第21号。以下「訓令」という。)第21条第4号の規定に基づく「家庭の事情」の一つとして、所属長の裁量で対応してきたところであるが、所属間の不公平感、宿日直等勤務員の確保等の課題が生じている。

そこで、子のある職員に係る宿日直等勤務基準を定めることにより、所属間における勤務環境の公平性を担保するとともに、子を養育する職員が宿日直等勤務に従事できる勤務環境を整備し、もって職員の仕事と私生活の両立を支援し、現場執行力等の確保を図るものである。

2 宿日直等勤務基準

(1) 宿日直等勤務

本通達における宿日直等勤務とは、訓令第3条第3項第5号に規定する宿日直勤務及び福島県の執務時間を定める規則(平成元年福島県規則第57号)に規定する県の執務時間以外を正規の勤務時間とする勤務をいう。

これらには、県本部にあっては、県本部総合宿日直、機動鑑識隊、日曜更新時の運転免許センターにおける勤務等、署にあっては、交替制勤務、当番制勤務のうち夜間及び休日に行う勤務等をいう。

(2) 基本原則

小学生以上の子のある職員は、原則として宿日直等勤務をするものとする。

ただし、小学生の子を養育し、かつ、同居して生活することを常況としている者であって、夜間及び休日の間、当該職員以外に自宅において当該子の養育をする者がいない場合は、公務に支障がある場合を除き、本人の請求手続により宿日直等勤務の免除又は一部免除(以下「免除等」という。)を受けられるものとする。免除とは、宿日直等勤務の全ての免除を意味し、一部免除とは、宿日直の回数を他の宿日直勤務員より減らす場合などを意味する。この場合、中学生以上の子のある職員であっても、真にやむを得ない事情がある場合は、宿日直等勤務を免除等することができるものとする。

したがって、従事する職務の性質、職員の健康状態等に基づく宿日直等勤務免除の判断については、本通達の範囲外であり、従前どおり、訓令によるものとする。

(3) 「子の養育をする者がいない場合」の意味

子の養育をする者がいない場合とは、次に掲げるものとする。

ア 福島県警察の処務に関する訓令(平成5年県本部訓令第8号)第90条第1項に規定する居住の原則又は自宅管理などのやむを得ない事情により、職員の配偶者が単身赴任している場合

イ 職員の配偶者が介護に至らない程度の負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、子の養育が困難である場合

ウ 職員の配偶者が福島県警察以外に就業し、かつ、深夜に就業しているために勤務調整ができない場合

エ その他合理的な理由がある場合

(4) 請求手続

宿日直等勤務の免除等を受けようとする職員は、あらかじめ所属長に対して請求を行うものとする。

所属長は、職員から請求を受けた場合、(3)の各号のいずれかに該当するときは、公務に支障がある場合を除き、当該請求を認めるものとする。この場合において、(3)ウ又はエの免除事由であるときは、所属長は県本部警務課長にあらかじめ協議しなければならない。中学生以上の子のある職員で、真にやむを得ない事情がある者から請求を受けた場合における免除事由についても同様とする。

なお、手続の詳細については、別に定める。

3 留意事項

(1) 意識改革による家庭生活への参画の促進

本通達は、家事を始め、子育てや介護等の負担が女性のみに偏らないように男女の意識改革を図ることも目的としていることから、職員は、配偶者のみに負担をさせることをもって宿日直等勤務の免除等を請求するのではなく、宿日直等勤務をすることを前提として夫婦間で互いに勤務調整等に努めること。

それが困難な場合には、特に女性職員の所属長は、配偶者である職員の所属長に対して、事前に当該職員の宿日直等勤務日を連絡するものとし、連絡を受けた所属長は宿日直等勤務日(非常招集要員に充てている日を含む。)、夜間勤務日等の調整を行うこと。

(2) 所属長の配意事項

ア 宿日直等勤務の免除等の運用に当たっては、所属職員の諸事情を勘案した上で適正な運用に努め、職員間の公平性の確保に配意すること。

具体的な例としては、三交替勤務等を基本とする係に職員が在籍しているが、一律に交替制勤務に従事することが困難な場合に、宿日直等勤務を全て免除する又は全て免除しないとするのではなく、可能な範囲内において宿日直等勤務に従事させるなど、職員の諸事情を踏まえて柔軟かつ弾力的に対応すること。

イ 子の養育状態等に基づく職員の申出に応じた勤務の割り振り及び夫婦間の勤務調整が困難な場合に行う勤務の調整は、所属長の責務であることから、識見、管理能力等を発揮し、働きやすい勤務環境の整備に努めること。また、特に夜間において、小学生以下の子どもだけが在宅することのないように、職員の配偶者が宿日直等勤務に当たる日は、原則、当該職員を定時退庁させて招集しないように配意すること。ただし、代替者がいないと認められ、かつ、当該職員がいなければ業務が停滞するなど明らかに業務に支障が生じると認められる場合は、当該職員を招集できるものとする。

なお、この場合において、その配偶者の宿日直等勤務について柔軟かつ弾力的に運用する必要があることから、当該職員の所属長は、事前にその旨を当該職員に説明するとともに、必要に応じて、その配偶者の所属長に対して連絡の上、宿日直等勤務の免除等を依頼すること。

ウ 勤務の割り振りに当たっては、仕事と私生活の両立に関する職員情報管理システムの自己申告表を活用するなど、対象となる職員の家庭環境等をあらかじめ聴取し、配慮すべき事項を把握することにより、当該職員の不安等の払拭に努めること。

子のある職員に係る宿日直等勤務基準の制定について(通達)

平成31年3月22日 達(務)第116号

(平成31年3月25日施行)

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