○110番アプリシステム運用要領の制定について(依命通達)

令和元年10月3日

達(総指)第346号

みだしことについては別紙のとおり制定し、令和元年10月3日から施行することとしたので、運用上誤りのないようにされたい。

1 趣旨

近年におけるスマートフォン等の急速な普及を受け、聴覚や言語機能の障がいがある等の理由により、音声による110番通報が困難な県民等が、スマートフォン等を利用して文字や画像で警察に通報可能となる110番アプリシステム(以下、「本システム」という。)が整備され運用開始となったことから、本システムの適切な運用を図るため、この要領を制定するものである。

2 要点

(1) 運用管理の体制、責務、権限等、本システムを適正かつ円滑に運用するために必要な事項について定めた。

(2) 本システムによる通報受理及び通報に基づき指令を実施する際の要領、留意事項について明らかにし、迅速・的確な初動警察活動を実施するために必要な事項について定めた。

別添

110番アプリシステム運用要領

第1 目的

この要領は、聴覚障がい者等音声による110番通報が困難な者がスマートフォン等を利用して文字等で警察に通報可能な「110番アプリシステム」(以下「本システム」という。)の運用及び管理に必要な事項を定めることにより、本システムの適切な運用を図ることを目的とする。

第2 用語の定義

この要領において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

1 受理端末

総合運用指令課通信指令室に設置された、入電監視、文字等による通報の受理(以下「通報受理等」という。)、統計処理等を行うための端末装置をいう。

2 システム使用者

適正なユーザID及びパスワードを使用して、受理端末の操作を行う者をいう。

3 入電監視

受理端末において、アプリ通報の受理を行うため、これら通報に係る着信の有無を確認可能な状態とし、着信時に即応できるよう監視することをいう。

4 アプリ通報

事前登録を行った者が、本システム専用のスマートフォン用アプリケーションプログラム又は本システム内に設けられたフィーチャーフォン用ウェブサイトを利用して行う、文字及び画像による通報をいう。

5 事前登録

音声による110番通報が困難な者等が、アプリ通報を行うことができるよう、あらかじめ携帯電話番号、パスワード等必要な事項を登録することをいう。

6 事前登録情報

事前登録された情報をいう。

7 ユーザID

システム使用者が、受理端末を起動するため、適正に付与された文字列をいう。

8 パスワード

システム使用者が、受理端末を起動する際の認証情報として、ユーザIDと組合せて用いる文字列をいう。

9 SMS認証

事前登録の際、入力された電話番号宛てにSMSで「認証番号」を通知し、事前登録用画面に通知した「認証番号」の入力を求めることで、入力された電話番号を登録者本人が利用していることを確認する認証方式をいう。

10 事案端末

音声による110番通報に係る情報を記録する端末をいう。

第3 体制及び任務

1 運用管理責任者

(1) 県本部に運用管理責任者を置き、総合運用指令課長をもって充てる。

(2) 運用管理責任者は、110番アプリシステム運用管理要領(令和元年警察庁丙生企発第28号)に定める警察庁管理責任者及び警察庁システム管理者と連絡を密にし、本システムの適正かつ円滑な運用管理を行う。

2 運用管理者

(1) 県本部に運用管理者を置き、通信指令室長を持って充てる。

(2) 運用管理者は、運用管理責任者の任務を補佐するとともに、運用管理責任者の下、受理端末の管理者として本システムの運用管理等を行う。

3 受理者

(1) 県本部に受理者を置く。受理者は、総合運用指令課通信指令室において、通信指令業務を担当する職員とする。

(2) 受理者は、受理端末による通報受理等及び統計処理並びにその他必要な事務を行う。

第4 システム使用者情報の管理等

1 ユーザIDの発行等

(1) 運用管理責任者は、本システムの運用管理等に必要な管理者用ユーザIDを発行し、運用管理者に使用させることができる。

(2) 運用管理責任者は、通報受理等に必要な受理者用ユーザIDを発行し、運用管理者及び受理者に使用させることができる。

(3) 運用管理責任者は、ユーザIDを発行するときは、これと併せて初期パスワードを発行しなければならない。

(4) 運用管理責任者は、発行したユーザIDが不要となったときは、不要となったユーザIDを削除しなければならない。

2 システム使用者情報の管理

運用管理責任者は、ユーザID等を発行したシステム使用者に関する情報について、受理端末に登録を行うとともに、これを適切に管理しなければならない。

第5 運用

1 運用上の責務

(1) 運用状況等の管理

運用管理責任者は、設置された受理端末の運用状況及び使用状況を適切に管理しなければならない

(2) 運用管理責任者は、警察庁管理責任者が通知した運用停止期間その他やむを得ない事情がある場合を除き、常時、運用管理者及び受理者をして通報受理等を行わなければならない。

(3) 運用管理者は、警察庁管理責任者が通知した運用停止期間その他やむを得ない事情がある場合を除き、常時、受理端末を起動して入電監視が行える状態を確保しなければならない。

(4) 受理者は、本システムにより通報を受理した場合は、当該通報について、聴覚障がい等の理由により音声による110番通報が困難な者からの通報であることを念頭に置きつつ、音声による110番通報と同様に、適切に対応しなければならない。

2 アプリ通報受理要領

(1) 受理者は、入電監視中、入電を知らせる警報が鳴動した場合は、速やかに内容を確認し、通報者から当該通報に係る詳細事項の聴取を行う等、所要の措置を講じなければならない。

(2) 受理者は、必要に応じて、本システム内にあらかじめ設定された質問による聴取の完了を待つことなく、文字入力による聴取を行うこと。

(3) 受理者は、通報者が現場において画像撮影を行い、これを提供する意思がある場合は、必要に応じて、これら画像情報の提供を受けることができる。

(4) 受理者は、通報者が通報現場等の撮影を行うことを認知した場合は、通報者自身の安全確保に配意し、必要な注意喚起を行うよう努めなければならない。

(5) 受理者は、原則として、本システムで受理した内容について、事案端末に入力しなければならない。

(6) 受理者は、事案端末への入力、臨場指令、その他必要な場合は、当該事案の内容を印刷することができる。ただし、印刷資料は、用済み後、裁断等復元不可能な方法で確実に廃棄しなければならない。

(7) 受理者は、アプリ通報に基づき指令する場合、当該通報がアプリ通報である旨を明示するものとする。

(8) 受理者は、他の都道府県警察が管轄すべき事案を受理した場合は、当該事案について、管轄すべき都道府県警察に速やかに転送すること。

(9) 受理者は、事案の扱いを終了する際は、必ず受理者名、事案名及び管轄署を本システムに入力すること。

第6 事前登録情報の管理

1 事前登録情報の閲覧

管理者及び受理者は、職務遂行以外の目的で不正に事前登録情報を閲覧し、出力し、又は漏洩してはならない。

ただし、アプリ通報に関し、その通報内容から必要と判断した場合には、当該通報を行った者の事前登録情報を閲覧することができる。

2 SMS認証以外の認証方法の提供

運用管理者及び受理者は、データ通信専用契約回線等SMS認証ができない回線を利用する者に対し、必要に応じてSMS認証以外の認証方法を提供することができる。

3 事前登録情報の削除等

(1) 運用管理責任者は、アプリ通報に関し、本システムの運用に支障を来すおそれのある通報又は警察業務の妨害と認められる通報を行う通報者を認知した場合であって、当該通報者に警告等を行ってもなお、反復して同様の通報を行う通報者については、当該通報者からのアプリ通報を本システムの機能を用いて一定期間拒否することができる。

(2) 運用管理責任者は、アプリ通報に関し、本システムの運用に支障を来すおそれのある通報又は警察業務の妨害と認められる通報を行う通報者を認知した場合であって、当該通報者に警告等を行ってもなお、反復して著しく悪質な通報を行う通報者については、当該通報者に係る事前登録情報を本システムの機能を用いて削除することができる。

(3) 運用管理責任者は、明らかに不正な事前登録情報を認めたときは、本システムの機能を使用して当該事前登録情報を削除することができる。

第7 安全の確保

1 運用管理者の責務

運用管理責任者は、本システムの安全を確保するため、必要な措置を講じなければならない。

2 システム障害等認知時の措置

システム使用者は、本システムの障害等を認知した場合は、速やかに警察庁管理責任者及び運用管理責任者に通知しなければならない。

3 端末の操作

(1) 運用管理責任者は、原則としてシステム使用者以外に受理端末を操作させてはならない。

(2) システム使用者は、職務を遂行する目的以外の目的で不正に受理端末を操作してはならない。

(3) 運用管理者は、警察庁管理責任者が本システムの保守・点検等のため指定した者に、管理端末又は受理端末の操作をさせるときは、職員にその立会いをさせなければならない。

4 情報セキュリティ対策

(1) 認証方法

受理端末の起動方法は、原則として指紋認証によるものとする。

ただし、指紋認証による認証が著しく困難な者がいる場合その他運用管理責任者が必要と認めた場合は、パスワードによる認証によることができる。

(2) ユーザID・パスワード

ユーザIDは半角英数字で8文字固定とすること。また、パスワードは半角英数字で8文字固定とし、大文字、小文字、数字を最低でもそれぞれ1文字以上含むものとすること。

(3) パスワード管理の徹底

システム使用者は、パスワードを適正に管理しなければならない。

(4) 本システム上の情報の取扱い

受理端末で閲覧及び印字可能な情報については、法令に基づく場合を除き、原則として当該通報に係る通信指令業務のみに使用することとする。

(5) 情報保持期間

本システムにおける情報の保持期間は、取得の翌日から1年間とする。

(6) 情報セキュリティ

本システムにおける情報セキュリティに係る事項については、福島県情報セキュリティに関する訓令(平成30年県本部訓令第1号)等情報セキュリティポリシーの定めるところによる。

本システムで取り扱う管理対象情報の分類については次のとおりとする。

管理対象情報の分類

機密性

完全性

可用性

2(中)

2(高)

2(高)

110番アプリシステム運用要領の制定について(依命通達)

令和元年10月3日 達(総指)第346号

(令和元年10月3日施行)

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