○死傷者多数事案発生時における被害者支援運用要領の制定について(通達)

令和2年1月22日

達(県サ)第11号

対号 平成12年7月31日付け例規(務)第13号「福島県警察被害者支援要員制度実施要領の制定について」

みだし要領を別紙のとおり制定し、令和2年1月22日から施行することとしたので、誤りのないようにされたい。

1 制定の趣旨

死傷者多数事案が発生した場合には、その初期段階から、被害者及びその家族又は遺族(以下「被害者等」という。)に対する組織的かつ総合的な被害者支援活動を迅速、的確に行うことにより、多数の被害者等の精神的負担の軽減を同時進行的に図る必要があることから、新たに死傷者多数事案発生時の被害者支援運用要領を制定するものである。

2 運用要領の要点

(1) 死傷者多数事案(第2関係)

この要領における死傷者多数事案とは、おおむね死者が5人以上又は死傷者が10人以上の事案など、被害者等の状態及び社会的反響等を総合的に判断し、組織的な被害者等支援活動が必要と認められるものをいう。

(2) 特別被害者支援室の設置(第3関係)

本部長は、特別被害者支援室の設置要請を受けた場合において、被害者支援を一元的かつ効果的に推進する必要があると認めるときは、特別被害者支援室を置くこととした。

(3) 特別被害者支援室の組織及び任務(第4関係)

特別被害者支援室長には県民サービス課長をもって充て、署長又は高速道路交通警察隊長(以下「署長等」という。)と協議を行い、死傷者多数事案に係る被害者支援全般を統括処理することとした。

(4) 指定被害者支援要員の指定等(第5関係)

県本部においては、所属長があらかじめ指定することとし、署においては、死傷者多数事案発生時に署長が被害者支援要員の中から指名することとした。

(5) 指定被害者支援要員の招集等(第6関係)

本部長は、署長等からの要請に基づき、指定被害者支援要員の中から被害者支援活動に必要な人員を招集し、特別被害者支援室に派遣することとした。

(6) 指定被害者支援要員の派遣期間(第7関係)

指定被害者支援要員の派遣期間は、おおむね1週間とした。

別紙

死傷者多数事案発生時における被害者支援運用要領

第1 目的

この要領は、死傷者多数に及ぶ事件・事故等(以下「死傷者多数事案」という。)が発生した場合において、当該死傷者多数事案の発生地を管轄する署又は高速道路交通警察隊(以下「署等」という。)の被害者支援要員だけでは被害者及びその家族又は遺族(以下「被害者等」という。)に対する支援活動が十分に行われないおそれがある場合に、被害者等に対して組織的かつ総合的な被害者支援活動を迅速、的確に行うため、特別被害者支援室の設置その他必要な事項を定めることを目的とする。

第2 死傷者多数事案

この要領における死傷者多数事案とは、おおむね死者が5人以上又は死傷者が10人以上の事案など、被害者等の状態及び社会的反響等を総合的に判断し、組織的な被害者等支援活動が必要と認められるものをいう。

第3 特別被害者支援室の設置

1 死傷者多数事案の発生地を管轄する署長又は高速道路交通警察隊長(以下「署長等」という。)は、死傷者多数事案に該当すると認められる事案の発生を認知した場合において、当該所属の被害者支援要員だけでは被害者等に対する支援活動が十分にできないおそれがある場合、特別被害者支援室設置要請書(様式第1号。以下「要請書」という。)により、県民サービス課を経由して本部長に特別被害者支援室の設置を要請するものとする。ただし、急を要する場合は口頭により要請することとし、要請書については後日送付するものとする。

2 本部長は、特別被害者支援室の設置要請を受けた場合において、被害者支援を一元的かつ効率的に推進する必要があると認めるときは、署等その他適当と認める所属に特別被害者支援室を置くものとする。

第4 特別被害者支援室の組織及び任務

1 特別被害者支援室に特別被害者支援室長(以下「支援室長」という。)を置く。

2 支援室長には、県民サービス課長をもって充てる。ただし、これにより難い場合は、本部長が別に指定する。

3 支援室長は、署長等と協議を行い、死傷者多数事案に係る被害者支援全般を統括処理する。

4 特別被害者支援室に統括班及び被害者支援班を置く。

5 統括班及び被害者支援班の班員には、県民サービス課犯罪被害者支援室員及び第6の規定に基づき招集された指定被害者支援要員をもって充てる。

6 支援室長は、統括班及び被害者支援班に県民サービス課犯罪被害者支援室員の中から責任者を指名する。ただし、これにより難い場合は、別に指定被害者支援要員の中から指名するものとする。

7 特別被害者支援室各班の任務は、別表第1のとおりとする。

8 支援室長は、事件主管部門と緊密な連携を図り、特別被害者支援室各班を指揮し、被害者等の心情に配意しつつ効率的な支援活動を行うものとする。

第5 指定被害者支援要員の指定

指定被害者支援要員は、次によりあらかじめ指定しておくものとする。

1 県本部

(1) 県本部所属の指定等

別表第2に掲げる県本部の所属長(以下「本部所属長」という。)は、同表に定める指定基準人員に基づき、所属の警部補及び係長の段階に属する職以下の職員の中から、あらかじめ指定被害者支援要員を指定しておくものとする。

また、本部所属長は、指定被害者支援要員に人事異動、疾病その他やむを得ない事由が生じたときは指定を解除するものとする。

なお、指定被害者支援要員を解除したときは、これに替わる指定被害者支援要員を指定するものとする。

(2) 報告

本部所属長は、指定被害者支援要員を指定又は解除したときは、速やかに、指定被害者支援要員名簿(様式第2号)により、県民サービス課長を経由して本部長に報告するものとする。

2 署

署の指定被害者支援要員は、死傷者多数事案発生時に福島県警察被害者支援要員制度実施要領の制定について(平成12年7月31日付け例規(務)第13号。以下「例規」という。)によりあらかじめ指定した被害者支援要員の中から署長が指名するものとする。

第6 指定被害者支援要員の招集等

1 指定被害者支援要員の招集及び派遣

本部長は、第3の要請に基づき、必要と認めるときは、別表第2及び別表第3の招集基準を踏まえ、死傷者多数事案の規模、態様、発生地の状況等を勘案し、指定被害者支援要員(死傷者多数事案に係る捜査に従事する職員及び発生地管轄署等の職員を除く。)の中から被害者支援活動に必要な人員を招集し、特別被害者支援室に派遣するものとする。

2 本部長は、特に必要と認めるときは、指定被害者支援要員以外の者の派遣を命じることができる。

第7 指定被害者支援要員の派遣期間

指定被害者支援要員の派遣期間は、おおむね1週間とする。ただし、本部長は、被害者等への支援状況、捜査の進捗状況等を勘案し、派遣期間を延長又は短縮することができる。

第8 捜査本部等との連携

特別被害者支援室は、死傷者多数事案の捜査本部(捜査本部が設置されていない場合にあっては、当該死傷者多数事案の事件主管部門)と相互に緊密な連携を図り、被害者支援及び捜査活動に支障が生じないように配意しなければならない。

第9 指定被害者支援要員の活動状況報告

1 指定被害者支援要員の報告

指定被害者支援要員は、被害者支援活動を行った都度、指定被害者支援要員活動報告書(様式第3号)により、支援室長及び署長等に報告するものとする。

2 本部長への報告

支援室長は、被害者支援活動状況について、本部長に報告するものとする。

第10 教養

県民サービス課長は、指定被害者支援要員に対して、死傷者多数事案に関する必要な教養を実施するものとする。

別表第1(第4関係)

特別被害者支援室任務

統括班

庶務

各班との連携・統制、被害者支援の統括、捜査本部との連絡・調整、本庁・管区警察局への報告・連絡、その他関係各課との連絡調整全般

渉外

遺族等の待機場所、県外から訪れた遺族等の宿泊先の確保、葬儀社、現場管理者、被害関係企業、被害者等に対する支援のための各関係機関との連絡・調整

電話対応

安否を気遣う県内外の被害関係者からの問合せ、被害者支援班からの連絡への対応

カウンセリング

心理カウンセラーによる被害者等に対する危機介入、指定被害者支援要員のメンタルヘルス対応

車両・資機材

被害者支援用車両の運用及び各種資機材の確保と運用

被害者支援班

例規第5に規定する任務を行う。

○ 付添い等の措置

○ 被害者への説明等の措置

○ 捜査活動の補助等の措置

別表第2(第5、第6関係)

県本部所属別指定被害者支援要員指定基準及び部門別招集体制表

部門

所属

指定基準人員

招集体制

A号配置

B号配置

C号配置

警務部

警務課

1

7

7

4

2

総務課

1

情報管理課

0

教養課

1

厚生課

2

会計課

1

施設装備課

1

留置管理課

0

監察課

0

生活安全部

生活安全企画課

1

5

5

3

2

少年課

2

生活環境課

1

サイバー犯罪対策課

1

地域部

地域企画課

1

2

2

2

1

総合運用指令課

1

刑事部

刑事総務課

1

11

11

6

3

捜査第一課

2

捜査第二課

2

捜査第三課

1

組織犯罪対策課

2

鑑識課

1

科学捜査研究所

0

機動捜査隊

2

交通部

交通企画課

1

9

9

5

3

交通規制課

1

交通指導課

2

運転免許課

1

交通機動隊

2

高速隊

2

警備部

公安課

1

7

7

4

2

外事課

1

警備課

1

災害対策課

2

機動隊

2

41

41

24

13

○ 招集基準

・ A号配置~おおむね30人以上の死傷者

・ B号配置~おおむね20人以上の死傷者

・ C号配置~おおむね5人以上の死者又は10人以上の死傷者

※ 死傷者の人数のほか、事案の規模や被害者等の状況等によって総合的に判断する。

別表第3(第5、第6関係)

署別指定被害者支援要員招集体制表

警察署

招集体制

A号配置

B号配置

C号配置

福島署

5

3

2

福島北署

2

2

1

伊達署

2

2

1

二本松署

2

2

1

郡山署

5

3

2

郡山北署

2

2

1

須賀川署

2

2

1

白河署

2

2

1

石川署

1

1

0

棚倉署

1

1

0

田村署

2

2

1

会津若松署

5

3

2

猪苗代署

1

1

0

喜多方署

2

2

1

会津坂下署

1

1

0

南会津署

1

1

0

いわき中央署

5

3

2

いわき東署

2

2

1

いわき南署

2

2

1

南相馬署

2

2

1

双葉署

2

2

1

相馬署

2

2

1

51

43

21

○ 招集基準

・ A号配置~おおむね30人以上の死傷者

・ B号配置~おおむね20人以上の死傷者

・ C号配置~おおむね5人以上の死者又は10人以上の死傷者

※ 死傷者の人数のほか、事案の規模や被害者等の状況等によって総合的に判断する。

様式第1号(第3関係)

 略

様式第2号(第5関係)

 略

様式第3号(第9関係)

 略

死傷者多数事案発生時における被害者支援運用要領の制定について(通達)

令和2年1月22日 達(県サ)第11号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
警務部
沿革情報
令和2年1月22日 達(県サ)第11号
令和5年3月16日 達(県サ、生企、地企、刑総、交企、公)第112号