○地域活性化等に資する道路利活用における適切な交通管理について(依命通達)

令和3年4月9日

達(交規)第144号

[原議保存期間 5年(令和9年3月31日まで)]

[有効期間 令和9年3月31日まで]

みだしの件について、次のとおり定め、令和3年4月9日から実施することとしたので、運用上誤りのないようにされたい。

1 道路使用許可の基本的考え方

(1) 道路使用許可制度について

道路使用許可は、道路の本来の用途に即さない道路の特別の使用行為で、交通の妨害となり、又は交通に危険を生じさせるおそれのあるものに関して、道路交通の安全・円滑の確保との調整を図るための制度である。

当該行為に係る場所を管轄する署長(以下「所轄署長」という。)は、道路交通法(昭和35年法律第105号)第77条第2項の規定に基づき、当該行為が現に交通の妨害となるおそれがないと認められるとき、当該行為が許可に付された条件に従って行われることにより交通の妨害となるおそれがなくなると認められるとき又は当該行為が現に交通の妨害となるおそれはあるが公益上若しくは社会の慣習上やむを得ないものであると認められるときは、許可をしなければならないこととされている。

(2) 道路使用許可制度の弾力的な運用について

道路においてイベント等を実施する場合、現に交通の妨害となるおそれがあることが多いことから、所轄署長は、交通の妨害の程度と公益性又は社会慣習上の必要性とを比較衡量して、道路使用許可の可否を判断することとなる。

その判断に当たっては、道路を場所的な移動を目的として使用するというその本来の用途に即して用いたい道路利用者のニーズがある上、特に、イベント等の中で、民間事業者等によって継続的かつ反復的に収益を伴う活動が行われる場合には様々な利害が対立することもあるため、イベント等の開催目的に加え、イベント等のために道路を使用することについての地域住民、道路利用者等の合意形成の状況を踏まえ、当該イベント等が、交通の妨害の程度を上回る公益性を有することを確認する必要がある。

この点、かつて、交通量の増大に道路整備が追い付かず、交通渋滞が深刻な社会問題とされていた時代には、道路使用許可の可否を判断するに当たっての比較衡量において、交通の妨害の程度を厳格に解する運用が行われていた。しかし、近年は、人口減少社会が到来し、交通量が減少した道路も存在しており、交通機能の確保を前提としつつ、地域のにぎわい創出の観点から空間としての道路の活用も推進していくべきであるという指摘もあり、道路使用許可制度の弾力的な運用を図っていくことが求められている。

(3) 事前相談への適切な対応と合意形成の円滑化について

地域活性化等に資する空間としての道路利活用の具体的な内容は、地域の創意工夫によって多種多様なものが想定され、その実施場所、実施時間、実施形態等により、交通の妨害となる程度も千差万別である上、地域住民、道路利用者等の合意形成の状況も一様ではない。道路使用許可の可否の判断は、所轄署長が、当該行為の内容、交通実態等を踏まえ、個別具体的に行う必要があるため、イベント等の実施主体から十分な時間的余裕を持って事前相談がなされることが望ましい。

事前相談に対しては、円滑な手続で安全にイベント等が実施されるためにはどうしたらよいかという観点から、イベント等の実施主体と一緒に考えるという基本姿勢で臨み、適切な助言、情報提供等を行うことが重要である。

特に、交通の安全・円滑を確保するため、う回路の設定や交通総量の抑制を図る事前広報を始めとする交通管理上の諸対策を行う必要性、様々な利害関係を調整するため、地域住民、道路利用者等の合意形成を図る必要性等について、イベント等の実施主体が講ずべき措置として助言することとなるが、当該助言をもって、道路使用許可を受けることができないものと誤解され、これによりイベント等の実施が断念されるようなことがないよう、事前相談に対しては、相談者の立場に立った丁寧な対応を心掛ける必要がある。

また、そうした誤解を払拭し、イベント等の実施に向けた具体的な取組を促進する上で、地域住民、道路利用者等から構成される協議会等、様々な関係者が参画する協議の場を設け、透明性を確保した上で多岐にわたる論点について協議することが極めて有用であり、合意形成の円滑化にも資するものと考えられる。その際、特に、合意形成の円滑化を図りつつ、地域活性化等に資する空間としての道路利活用に関する取組を促進する地方公共団体の役割を踏まえ、道路使用許可制度の運用に当たっても、地方公共団体と緊密な連携を図ることが重要である。

2 地域活性化等に資する道路利活用に向けて講ずべき措置

(1) 道路使用許可制度の弾力的な運用に係る周知

前記1の基本的考え方に基づき道路使用許可制度を弾力的に運用していること、道路使用許可の申請における留意点や手続の流れ等について、各署の窓口における資料の備付け等により、県民に広く周知するとともに、個別の道路使用許可に係る事前相談において、相談者に分かりやすく教示すること。

(2) 協議会の活用を含めた地域住民、道路利用者等の合意形成の円滑化を図るための措置

道路使用許可に係る事前相談において、協議会の活用等合意形成の方法について助言を行うとともに、合意形成の場にも積極的に参画して必要な情報提供を行うなど、地方公共団体と連携しつつ、地域住民、道路利用者等の合意形成の円滑化を図るための措置を講ずること。

(3) 道路空間の利活用に関する取組の促進

国土交通省から各都道府県担当部長等に対して「道を活用した地域活動の円滑化のためのガイドライン改訂版」について(平成28年3月31日付け事務連絡。別添参照)が発出されているので、道路使用許可を行う際の参考にするとともに、道路空間の利活用に関する取組の促進に資するよう、前記(1)の周知と併せて、道路占用許可の申請における留意点や手続の流れ、道路占用許可基準の特例制度等に係る周知にも努めること。

別添

平成28年3月31日

事務連絡

「道を活用した地域活動の円滑化のためのガイドライン改訂版」について

今般、「道を活用した地域活動の円滑化のためのガイドライン改訂版」をとりまとめたので、参考までに送付する。

本ガイドライン改訂版は、平成17年3月にとりまとめた「道を活用した地域活動の円滑化のためのガイドライン」に、その後10年間の制度改正の結果を盛り込み、道を活用した地域活動を活発に、しかも円滑に実施するための手法を整理しており、道を活用した地域活動を実施しようとする者を対象として策定したものである。

本ガイドライン改訂版を参考に、道を活用した地域活動が円滑に実施されるよう配慮されたい。

道を活用した地域活動の円滑化のためのガイドライン ―改定版―

平成28年3月

国土交通省道路局

目次

1.ガイドライン改定の背景

2.道を活用した地域活動の基本的考え方

(1) 対象とする地域活動

(2) 地域活動の基本的考え方

3.道を活用した地域活動の進め方

(1) 地域活動内容の決定

(2) 地域活動の実施組織

(3) 地域活動に必要な許可

(4) 実施期間

(5) 収益活動を含む地域活動の実施形態

(6) 広告料収入の活用

参考資料1 地域活動を実施する際の具体的な許可手続

参考資料2 道路占用許可の特例制度

参考資料3 道を活用した地域活動の事例

1.ガイドライン改定の背景

近年、地域の賑わい創出のためのイベントの場やオープンカフェとしての道路の利用など、道路空間の活用への期待が高まっています。

本ガイドラインは、地方公共団体やエリアマネジメント団体などの地域活動を行う方々に活用していただくことを念頭に、地域活動を円滑に実施するための手法をとりまとめた平成17年のガイドラインを、その後の制度改正、検討結果を踏まえて見直したものです。

近年、道路空間を活用して継続的・反復的にオープンカフェなどが展開され、観光の目玉として賑わいを見せるとともに、地域の活性化にも寄与している例が増えており、民間事業者のビジネスチャンスとしても注目されてきています。

国土交通省としても、道路の利活用に対する社会のニーズに応え、地域や民間の創意工夫により道路空間をより充実したものとするため、道路占用制度の見直しを進めるとともに、警察庁とも連携して、地域の合意等を前提とした道路空間の多様なあり方について取組みを進めてきました。

こうした道路の利活用ニーズの多様化や地域活性化に資するという期待、それらに対する国土交通省や警察庁における取組みを背景として、「規制改革に関する第3次答申」(平成27年6月)及び「規制改革実施計画」(平成27年6月閣議決定)において、道路の利活用を促進するため、制度の仕組みや活用例を広く周知することが示されました。

国土交通省としては、民間事業者のビジネスチャンスのみならず、地域の賑わい創出や沿道の景観向上など、地域住民や道路利用者にとっても多くのメリットが期待される、道路空間を活用した地域活動を一層推進することとしています。

本ガイドラインは、「道を活用した地域活動の円滑化のためのガイドライン」(平成17年3月)に、その後10年間の制度改正の結果を盛り込み、地域活動を活発に、しかも円滑に実施するための手法をとりまとめたものです。

2.道を活用した地域活動の基本的考え方

(1) 対象とする地域活動

道を活用した地域活動には、収益活動や非収益活動、両方の活動を組み合わせたものなどがあります。

本ガイドラインではこれらの活動全てを対象としています。

道を活用した地域活動には、

・オープンカフェ

・コミュニティサイクル

・街路市

のように、いわゆる収益活動と、

・歩行者天国

・祭り、パレード、ストリートライブ

のように、主に収益活動でないものがあります。

これらは活動の成立ちや規模、実施期間などについて様々なものがあり、また、上に挙げたものが組み合わさっている場合もあり、地域の実情によってそのあり方はきわめて多様です。

本ガイドラインは、地域のニーズや実情に応じて道路をより柔軟に活用し、継続的・反復的な地域活動を推進する観点から、このような活動を円滑に進められるよう、活動の企画、実施の際に参考となるいくつかのポイントを整理しています。

(2) 地域活動の基本的考え方

地域活動の実施に当たっては、道路が公共の財産であることや、道路上への物件の設置が一般交通の支障となるおそれがあることなどから、

① 公共性・公益性への配慮

② 地域における合意形成

などに留意した取組みを行うことが必要です。

「背景」に述べたとおり、国土交通省では、道を活用した地域活動を推進することとしています。地域活動を推進するためには、民間の活力を活用することが地域の賑わい創出にとって有効ですが、道路は国民の負担により建設・維持管理される公共の財産であり、また、道路上へ物件を設置すると一般交通の支障となるおそれがありますので、道を活用した地域活動の実施に当たっては、主として二つの点に十分な配慮が必要です。

その一つは公共性・公益性に配慮することです。公共性・公益性の観点から、官民が連携して、特定の者の利害とならないようにする必要があります。

もう一つは地域における合意形成です。地域活動には参加者はもちろん、他の道路利用者、沿道住民、沿道店舗など多数の関係者がいますので、これらの関係者の間で十分な合意形成を図ることが必要です。地域の合意形成を確実に行うことによって、地域活動がより円滑に進められます。

なお、公共性・公益性や地域の合意形成などに留意することは、地域活動の内容や実施組織などを工夫することにより実現できると考えられますので、これらについて、次の「道を活用した地域活動の進め方」において具体的に説明していくこととします。

3.道を活用した地域活動の進め方

(1) 地域活動内容の決定

効果的な地域活動を行うためには、地域の特徴や課題などを踏まえて、活動内容を考える必要があります。

その際、地域の賑わい創出などの効果ばかりではなく、交通渋滞の発生など想定される問題に対する配慮が求められます。また、道路美化活動や放置自転車対策などの公益活動をあわせて実施することにより、地域の合意形成や他の道路利用者の理解が得やすくなると考えられます。

どのような地域活動を行うのかを考える際、ヒントとなる地域の特徴や課題としては以下のようなものが考えられます。

○地域の特徴

・ 風情のある建物が集積している

・ 近隣に観光スポットがある

・ アーケードのある大型の商店街がある など

○地域の課題

・ 郊外店舗の出店により中心市街地の活気が無くなっている

・ 駅から少し離れた立地の商店街である

・ 歩行者は多いが滞在する場所がない など

これらの特徴を生かし課題を解決するため、例えば、

・ 中心市街地に賑わいを取り戻すため、道を活用したイベントを開催する

・ 観光客を増加させるため、街の顔となるような観光スポットを形成する

・ 歩行者が立ち止まって休息できるようなスペースやお店を設ける

というような目標が設定されます。この目標に合うように活動の内容や規模や期間、形態などが検討される必要があります。

また、地域活動を進めるに当たっては、地域の合意形成や他の道路利用者の理解が得られることが重要です。これには地方公共団体が作成するまちづくりに関する計画に、道を活用した地域活動を位置づけることが効果的であると考えられます。

また、以下のような事態に対し配慮することが必要です。

・ 通行規制により交通渋滞が発生

・ 歩行者の円滑な通行が妨げられる

・ 周辺住民からの苦情(ゴミ、騒音など)

・ 地域内での新たな利害対立の発生(通行形態の変化による客数の減少など)

それとともに、道路美化活動や放置自転車対策などの公益活動をあわせて実施することも、地域活動の円滑な推進に役立つと考えられます。

(2) 地域活動の実施組織

道を活用した地域活動の実施組織としては、一定の公共性・公益性や地域住民などの合意形成に配慮し、地方公共団体や地域の関係者(地方公共団体を含む)からなる協議会、地方公共団体の後援・指定を受ける団体など、何らかの形で地方公共団体が関与する団体であることが円滑な活動につながると考えられます。

道を活用した地域活動を行う際には、協議会や実行委員会などを構成して幅広く地域の住民・団体などの関係者の参画を得るとともに、地方公共団体が何らかの形で関与することが必要です。

協議会などを構成する場合には、商工会議所やNPO、TMOなどが活動の中心となることも考えられますが、この場合においても、構成員の一つとして地方公共団体が参加することが望ましいと考えられます。

しかし、必ずしも地方公共団体が中心となって活動するとは限りません。この場合、「地域が一体となって取り組む活動」ということを実施組織の面から打ち出すために、地方公共団体の後援を受ける、都市再生推進法人の指定を受けるなどの方法もあります。また、地方公共団体が作成するまちづくりに関する計画に、地域活動の実施組織として位置づけられることも考えられます。このように実施組織に何らかの形で地方公共団体が関与することにより、円滑な活動につながると考えられます。

また、地域活動を円滑に実施するため、関係する道路管理者や所管の警察署と活動内容を適切に情報交換しながら進めていくことが重要です。

(3) 地域活動に必要な許可

道を活用した地域活動を実施する際には、基本的に、道路占用許可、道路使用許可が必要です。また、地域活動の内容によっては、食品営業許可(飲食物を扱う場合)なども必要となります。

道を活用した地域活動を行うに当たっては、基本的に、道路管理者の道路占用許可と警察の道路使用許可が必要です。また、食品などの販売を行う際には都道府県知事など(保健所)の食品営業許可も必要となります。

許可手続を行うに当たっては、これら関係機関との調整が必要になりますが、活動内容の検討段階で十分な時間的余裕をもって事前相談を行い、意志疎通を図ることが重要です。

① 道路占用許可

道路上に物件を設置し、継続して道路を使用する場合には、道路法第32条に基づき、道路管理者の許可が必要になります。

② 道路使用許可

イベントなどで道路を使用する場合には、道路交通法第77条に基づき、所轄警察署長の許可が必要になります。

なお、①と②はいずれかの窓口に一括して申請することができます。

③ 食品営業許可

飲食店や喫茶店などの営業を行う場合や乳類や魚介類などの販売を行う場合には、食品衛生法第52条に基づき、その営業所所在地を管轄する都道府県知事、もしくは保健所を設置する市の市長又は特別区の区長の許可が必要になります。

(4) 実施期間

道を活用した地域活動の実施期間については、一時的なものはもちろん、継続的・反復的なものであっても実施することが可能です。

地域活動の実施期間としては、一時的なものもあれば継続的・反復的なものもあります。活動の内容や規模によって、定期市や記念日のイベントなどのように実施の日が月や年の一定の日に決まっている、かなりの期間毎日実施されるなど、継続的・反復的といっても地域の実情に応じて様々なものがあります。

地域の賑わいを創出するという観点からは、継続的・反復的なものの方が効果的といえます。しかし、継続的・反復的な活動は予算や実施体制など様々な制約があり、なかなか困難な場合が多いことが予想されます。そこで、当初の段階としては比較的短期間で実施し、次にその実施結果などを踏まえて適切に交通の円滑化を図るための方策を講じるというように、段階を踏んで進めていくことが活動のより円滑な実現につながると考えられます。

(5) 収益活動を含む地域活動の実施形態

道を活用した地域活動における収益活動については、実施組織が直接行うこともありますが、参加者を募集して行う場合も想定されます。いずれの場合にも、

① 参加者間の公平性が保たれること

② 沿道の店舗と事前に調整し協力すること など

が重要です。

地域活動に収益活動が含まれる場合、活動の主催者である協議会などが直接それを行うこともありますが、設備やノウハウなどを持った別の者に委ねることも考えられます。このような場合には、特定の者に利益が偏ることのないよう、収益活動を行う参加者を例えば公募などにより選定することが考えられます。

しかし、一般的には沿道店舗の協力や参加を得て収益活動を行う方法が考えられます。この場合も実施組織の中での合意を得ることがその前提となります。また、その他の場合でも沿道の店舗との事前調整が必要であることは言うまでもありません。

なお、収益活動を行う者については、地域合意の観点から、実施組織のメンバーに加わっていることが望ましいと考えられますが、もちろん実施組織のメンバー以外でも構いません。

また、実施組織以外の参加者が収益活動を行う場合には、運営経費などから算出された利用料や道路占用料の相当額とする利用料を徴収することも考えられます。

(6) 広告料収入の活用

道を活用した地域活動が公共的なものである場合、活動に要する財源の確保のため、路上広告物を設置し、広告料収入を活用することが可能です。その場合には、路上広告物の設置のあり方について、他の道路利用者の理解が得られることが必要です。

道を活用した地域活動の実施組織にとって、地域活動に要する財源を確保することが重要な課題です。特に、継続的・反復的な活動を行い、地域の賑わいの創出につなげるためには、安定的な財源の確保が求められます。財源確保の方法として、道路上に広告物を設置し、そこから得られる広告料収入を地域活動に要する費用に充当する方法が可能です。

ただし、道路は国民の負担により建設・維持管理される公共の財産であること、また、道路上に広告物を設置することにより、道路交通の安全に支障が生じる場合があり、景観などの観点からも良好な道路環境を阻害する場合もあることなどから、路上広告物の設置に当たっては、広告を置く場所や広告料収入の使いみちなどについて、他の道路利用者の理解が得られることが必要です。このとき、道路管理者や地方公共団体などからなる協議会の場で、道路に広告物を設置する場合の取扱いを定めることが効果的であると考えられます。

参考資料1

地域活動を実施する際の具体的な許可手続

1.道路占用許可

2.道路使用許可

3.食品営業許可

1.道路占用許可

(1) 道路占用とは

道路の占用とは、道路に一定の工作物、物件又は施設を設け、継続して道路を使用することをいいます。道路占用を行う際には、道路管理者による道路占用許可が必要となります。許可を受けるためには、事前に当該道路管理者への申請が必要です。道路占用許可の申請窓口は、一般的には、国道については国道事務所または出張所、都道府県道については都道府県土木事務所など、市町村道については市町村役場となっております。なお、国道であっても国が直接管理せず都道府県が管理している場合もありますので、国道事務所または出張所にお問い合わせ下さい。

(2) 地域活動において占用許可を受けるもの

道路法第32条第1項などには、設置に当たって占用許可を受けなければならない物件が列挙されています。地域活動に関わるものとしては、以下のようなものが挙げられます。

・広告塔

・露店、商品置場

・看板、旗ざお

・幕、アーチ

・食事施設

・購買施設

・自転車駐車器具

ここで列挙されているもののほか、『その他これらに類する物件』などの規定を活かして、道路管理者の判断により、地域活動に際して弾力的に許可が行われている物件も見られます。

過去の活動事例で占用許可が認められたものとしては以下のようなものがあります。

・テント、パラソル

・テーブル、椅子

・電飾、提灯、ランプ

・フラワーポット

・ステージ、やぐら、観客席

・音響機材(スピーカーなど)

・フェンス、コーン

・ベンチ

(3) 道路占用の許可基準

道路占用許可は、道路管理者が道路法第33条第1項などにより、以下のような基準への適合を判断し、許可をすることとなっています。

・占用許可の対象物件であること

・道路の敷地外に余地がなくやむを得ないこと

・占用の期間や場所などに関する道路法施行令の基準に適合していること

・一般原則に適合していること(公共性、安全性、計画性)

地域活動においても、上記の基準に基づき、個別具体的に各道路管理者が判断し、道路占用を許可することになりますが、国土交通省においては、路上イベントが以下のようなものである場合には、地域の活性化などの観点から弾力的な判断を行うことにより、道路管理者として支援することとしています。

① 路上イベントの目的

路上イベントは、地域の活性化や都市における賑わいの創出などの観点から、地方公共団体及び地域住民・団体などが一体となって取り組むもの(路上イベントについて、地方公共団体が実施するものでない場合や地方公共団体が協議会などに参加していない場合であっても、地域住民・団体などが一体となって取り組み、かつ、地方公共団体が、地域の活性化などの観点から当該路上イベントを支援するもの(支援する理由及び内容並びに当該路上イベントに係る占用の許可に関する意見を占用許可申請書に付しているもの)を含む。)であること。

② 占用主体

路上イベントに伴う占用は、以下のいずれかの者が一括して占用するものであること。

イ 地方公共団体

ロ 地方公共団体を含む地域住民・団体等の関係者からなる協議会など

ハ 地方公共団体が支援する路上イベント(地方公共団体が支援する理由及び内容並びに当該路上イベントに係る占用の許可に関する意見を占用許可申請書に付しているもの)の実施主体

③ 占用の場所

イ 道路の構造又は道路交通に著しい支障を及ぼさない場所であること。

ロ 歩道上に路上イベントに伴う占用物件を設置する場合には、原則として、十分な歩行空間(交通量が多い場所にあっては3.5m以上、その他の場所にあっては2m以上)を確保すること。ただし、曜日若しくは時間を限って実施する場合又は交通規制を伴う場合で、歩行者の円滑な通行が確保される場合については、この限りではない。

④ 占用物件の構造

道路の構造に支障を及ぼさないものであり、かつ、周辺の景観、美観などを妨げるものでないこと。

上記に該当しない場合であっても、個別具体の事例に応じて、実施主体などに対し適切な助言、情報提供などを行い、道路占用の円滑化に配慮することとしていますので、時間的な余裕を持って事前に相談することが重要です。

なお、道路占用の許可基準のうち、「道路の敷地外に余地がなくやむを得ないこと」という、いわゆる無余地性の基準がどうしても障害となる場合には、市町村が作成する都市再生整備計画に、道を活用した地域活動に使われる広告塔・看板、食事施設・購買施設、自転車駐車器具を道路に設置することを盛り込むことにより、それらの道路占用許可を行うに当たって無余地性の基準を適用しないこととする、都市再生特別措置法に設けられている道路占用許可の特例制度を活用することができます。同様の特例制度は、国家戦略特別区域法、中心市街地の活性化に関する法律においても設けられています。

ただし、対象となる物件は、特例制度を活用せずとも、通常の占用許可によって設置が可能な場合もあることから、特例制度の活用に当たっては、その必要性を十分に検討すべきであると考えられます。

また、国土交通省では、対象となる物件の設置に併せて、占用主体が、占用区域以外の除草、清掃、植樹の剪定など、道路の維持管理への協力を行うことを条件として、占用料を減額することとしています。

(4) 道路占用許可の条件

道路占用を許可するに当たって、道路管理者は、道路の構造の保全、交通の危険の防止、その他円滑な交通を確保するために、必要な条件を付すことができるとされています。(道路法第87条)

代表的な条件として以下の項目が挙げられます。

・迂回路や駐車場などの交通案内を行うこと

・路上イベントにより多数の来客が見込まれる場合は、十分な駐車場などを確保すること

・路上イベント終了後は、道路の清掃を行い、原状回復すること

また、道路占用の内容によっては、次のような条件を付したものもあります。

・関係車両の出入りについて、緊急自動車の支障とならないようにすること

・占用物件は、信号機や道路標識と類似し、これらの効用を妨げ、またはその視認性を害するものではないこと

・実施期間中において道路の要所へ交通誘導員を配置すること

イベントなどの実施期間中は、歩道においては地域の活性化などのために活用される空間としての機能が大きく発揮されますが、同時に、歩行者の通行という道路本来の機能も必要とされます。

よって、道路上の一定の場所・区間に多数の人々が集まることに伴う交通上の危険を防止し、円滑な通行を確保することや、イベント終了後の原状回復を適切に行うための方策については、十分な注意を払う必要があるといえます。

(5) 路上広告物の道路占用の取扱い

道を活用した地域活動に要する財源として、道路上に広告物を設置し、そこから得られる広告料収入を活用することが考えられます。一方で、路上広告物の設置は、道路交通の安全及び良好な道路環境の整備上の支障を生じさせるおそれがあります。

そこで、国土交通省では、営利目的の路上広告物の設置を原則として制限しつつ、広告料収入を地域における公共的な活動に要する費用に充当する目的であれば、路上広告物の設置を可能とすることにより、地域活動の実施主体を支援することとしています。

路上広告物の設置に当たっては、他の道路利用者の理解を得るため、広告を設置する道路区域、広告料収入の充当対象、広告の設置主体、広告物の形態等について、道路管理者、警察署、地方公共団体などの関係機関の合意を得ることが効果的であると考えられます。国土交通省においては、関係機関による連絡協議会を開催して広告物の取扱方針を策定することができることとし、路上広告物の適切な活用を図っています。

また、国土交通省においては、広告料収入を充当する活動として以下のものについて、それぞれに標準的な取扱例を定めていますが、その他の活動であっても、営利を主目的としない公共的な活動であれば、費用への充当は可能です。また、直接には道路に関しない活動を含んでいても差し支えありません。

・街灯、自転車駐車器具、アーケード等の整備又は維持管理

・地域の活性化や賑わい創出等の観点から地方公共団体等が実施するイベント

・道路管理者が管理するベンチの整備又は維持管理

(6) 道路占用許可の申請手続の簡素化・弾力化

国土交通省においては、道を活用した地域活動を行うに当たって必要となる道路占用許可の手続について、警察庁とも連携して、以下のような簡素化・弾力化を図ることにより、道路管理者として、路上イベントの実施などを支援することとしています。

① 事前相談における助言

多種多様な目的・形態が想定される路上イベント等の道路占用許可について、設置しようとする物件の概要、安全確保策などについて積極的に事前相談を受け、適切に助言を実施する。

② 道路占用許可申請書の一括化

複数の露店、テーブル及び椅子などの物件が同一の主体の管理及び責任の下で設置される場合に、それらの物件をまとめて1枚の申請書に記載させて一括申請させることにより、図面等作成の労力を省力化する。

③ 更新手続書類の簡素化

占用許可期間が満了し、占用主体が引き続き同一の物件の占用を希望する場合に、前回申請時の図面を活用するなどにより、更新手続時に求める書類を簡素化する。

④ 道路使用許可との一括受付制度

オープンカフェの出店など、道路占用許可と道路使用許可の両方が必要となる場合に、道路法第32条第4項及び道路交通法第78条第2項の規定に基づき、道路管理者又は警察署長のいずれかが申請を一括して受け付けることにより、申請者の負担を軽減する。

⑤ 占用の期間の柔軟な取扱い

占用の期間について、継続的・反復的に路上イベントが開催される場合に、開催のたびに申請書の提出を求めるのではなく、例えば一定期間内の土曜日及び日曜日の特定の時間を許可期間とする占用許可を行うなどにより、申請者の負担を軽減する。

2.道路使用許可

(1) 道路使用許可とは

道路本来の用途に即さない道路の特別の使用行為で、交通の妨害となり、又は交通に危険を生じさせるおそれのあるものを行うことは一般的に禁止されていますが、このうち、それ自体社会的な価値を有するものについては、一定の要件を備えていれば、警察署長の行う道路の使用許可によってその禁止が解除されることになります。

この道路使用許可が必要となる行為については、道路交通法第77条第1項に規定されている行為で、道路工事や祭礼行事等となります。

なお、道路管理者が道路占用許可を与えようとする場合に、その許可に係る行為が道路使用許可も必要とするものであるときは、あらかじめ警察署長に協議しなければなりません。

道路交通法第77条第1項

1号:道路において工事若しくは作業をしようとする者又は当該工事若しくは作業の請負人

2号:道路に石碑、銅像、広告板、アーチその他これらに類する工作物を設けようとする者

3号:場所を移動しないで、道路に露店、屋台店その他これらに類する店を出そうとする者

4号:その他都道府県公安委員会の定める行為、例えば道路において祭礼行事等をしようとする者

(2) 道路使用の許可基準

道路交通法第77条第2項により、以下のいずれかに該当する場合は、所轄警察署長は道路使用を許可しなければならないとされています。

道路交通法第77条第2項

1号:当該申請に係る行為が現に交通の妨害となるおそれがないと認められるとき

2号:当該申請に係る行為が許可に付された条件に従って行われることにより交通の妨害となるおそれがなくなると認められるとき

3号:当該申請に係る行為が現に交通の妨害となるおそれはあるが公益上又は社会の慣習上やむを得ないものであると認められるとき

また、所轄警察署長において道路使用許可の判断を行うに当たっては、以下の点を考慮することとされています。

イベント等の開催目的に加え、イベント等のために道路を使用することについての地域住民、道路利用者等の合意形成の状況を踏まえ、当該イベント等が、交通の妨害の程度を上回る公益性を有すること。

(3) 警察における道路使用許可手続の簡素化・弾力化に向けた取組

警察では、地域活性化等に資するという社会的な意義があり、地域住民、道路利用者等の合意に基づいて行われるイベント等については、道路使用許可手続が円滑に行われるよう配意した運用を実施しています。

① 事前相談への対応

事前相談が行われるよう周知するとともに、イベント等の実施主体に対し、交通への影響を少なくするための実施方法について、助言・情報提供等を実施

② 合意形成の円滑化への協力

道路使用についての地域住民、道路利用者等の合意形成が円滑になされるよう必要な助言・情報提供等を行うとともに、地方公共団体と連携(協議会の活用)

※ 協議の場への参画が望ましいもの

実施主体/地方公共団体の職員/地域住民や地元商店街の代表/地元商工会議所やTMOの代表/地元運送事業者の代表/その他協議会参画の必要がある者

※ イベント等の実施に伴い警察に寄せられた要望、苦情等は集約して実施主体に提供

③ 許可の一括化

複数の道路使用が、一つの運営団体の管理・責任の下で一体として行われる場合には、申請者の要望に応じ、許可を一括化

④ 道路占用許可との一括受付

道路使用許可と道路占用許可の双方が必要である場合には、両許可に係る申請を一括して受付

(4) 道路使用許可に際しての条件付与

道路使用を許可するに際して、所轄警察署長は、道路交通法第77条第3項により、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るための必要な条件を付することができるとされています。

3.食品営業許可

(1) 食品営業許可とは

飲食店や喫茶店などの営業を行う場合や乳類や魚介類などの販売を行う場合には、食品衛生法第52条に基づき、その営業所所在地を管轄する都道府県知事、もしくは保健所を設置する市の市長又は特別区の区長の許可が必要になります。

許可が必要な業種は食品衛生法施行令第35条にて定められている飲食店営業、喫茶店営業、乳類販売業、食肉販売業、魚介類販売業など34業種及び都道府県等が条例で定める業種となっております。また、許可を得るには食品衛生法施行規則第67条にて定められた事項について営業所所在地を管轄する保健所を通じて都道府県知事などへ申請する必要があります。

食品営業許可取得に際しての申請事項(食品衛生法施行規則第67条)

申請者の住所、氏名及び生年月日(法人にあっては、その名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名)

営業所所在地

営業所の名称、屋号又は商号

営業の種類

営業設備の大要

以下に該当することの有無及び該当するときは、その内容

・食品衛生法または同法に基づく処分に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しない者

・食品衛生法第54条から第56条までの規定により許可を取り消され、その取消の日から起算して2年を経過しない者

・法人であって、その業務を行う役員のうち上記のいずれかに該当する者があるもの

営業設備の構造を記載した図面

(2) 営業施設の基準等

都道府県等は、食品衛生法第51条に基づき、条例で公衆衛生の見地から必要な営業施設の基準を定めることとなっています。

都道府県知事等は、上記した食品営業許可が必要な業種に関して、営業の施設が都道府県の定める基準に合うと認めるときは、食品衛生法第52条に基づき、原則として許可をしなければならないとしています。

また、上記の営業許可以外に、都道府県等が条例により、食品衛生責任者の設置や営業の施設の内外の清潔保持等の衛生管理の措置の内容などに関して基準を定めており、それらの基準も遵守する必要があります。

都道府県等が条例で定める基準の詳細や営業許可の申請手続については、管轄の保健所などへお問い合わせ下さい。

(3) その他営業許可に関する配慮事項

縁日や祭礼などの際に、簡易な施設を設け、不特定多数の人々を対象として食品を提供する場合についても、原則として食品営業許可が必要となりますが、都道府県によっては、地域公共団体や住民団体が関与する公共的目的を有する住民祭や産業祭でのバザーなど、短期間で行われるものなどについては、通常の営業許可ではなく、管轄の保健所への臨時の出店に関する届け出や申請の上、保健所の指導を受けることなどとしている地域もありますので、詳細については、管轄の保健所へお問い合わせ下さい。

参考資料2

道路占用許可の特例制度

1.都市再生特別措置法

2.国家戦略特別区域法

3.中心市街地の活性化に関する法律

1.都市再生特別措置法

(1) 特例制度の概要

市町村が作成する都市再生整備計画に、道を活用した地域活動に使われる一定の物件を道路に設置することを盛り込むことにより、それらの道路占用許可を行うに当たって、「道路の敷地外に余地がなくやむを得ないこと」という許可基準を適用しないこととする、道路占用許可の特例制度を設けています。

その際、民間の活力を活用して道路環境の整備を進めていくため、道路美化活動や放置自転車対策などの公益活動をあわせて実施することを占用許可の条件にしています。

(2) 対象となる物件

本特例制度の対象となるのは、以下の物件です。

・広告塔又は看板で良好な景観の形成又は風致の維持に寄与するもの

・食事施設、購買施設その他これらに類する施設で道路の通行者又は利用者の利便の増進に資するもの

・自転車駐車器具で自転車を賃貸する事業の用に供するもの

(3) 手続の流れ

本特例制度を活用するためには、以下の手続が必要になります。

① 都市再生整備計画への記載

市町村が、対象となる物件の設置について記載した都市再生整備計画を作成する。その際、道路管理者及び都道府県公安委員会の同意を得ることが必要となる。

② 特例道路占用区域の指定

都市再生整備計画の記載に基づき、市町村の意見を聴いた道路管理者が、警察署長に協議した上で、特例を活用できる道路の区域を物件の種類ごとに指定する。

③ 占用主体の選定

都市再生整備計画を作成する際に設置できる協議会を活用するなどして、特例道路占用区域に設置する物件ごとに、道路管理者が占用主体を選定する。

④ 道路占用許可手続

選定した占用主体からの申請に基づき、道路交通環境の維持及び向上を図るための清掃その他措置を講じること、占用の期間が満了した場合又は占用が廃止された場合は原状回復を行うことを含む必要な条件を付した上で、占用を許可する。

2.国家戦略特別区域法

(1) 特例制度の概要

内閣総理大臣が決定した国家戦略特別区域ごとに作成される区域計画に、道路空間のエリアマネジメントに使われる一定の物件を道路に設置することを盛り込むことにより、それらの道路占用許可を行うに当たって、「道路の敷地外に余地がなくやむを得ないこと」という許可基準を適用しないこととする、道路占用許可の特例制度を設けています。

その際、民間の活力を道路環境の整備にも活用していくため、特措法に基づく特例制度と同様に、道路美化活動や放置自転車対策などの公益活動をあわせて実施することを占用許可の条件にしています。

(2) 対象となる物件

特例制度の対象となるのは、以下の物件です。

・広告塔又は看板で良好な景観の形成又は風致の維持に寄与するもの

・標識又はベンチ、街灯その他これらに類する工作物で道路の通行者又は利用者の利便の増進に資するもの

・食事施設、購買施設その他これらに類する施設で道路の通行者又は利用者の利便の増進に資するもの

・自転車駐車器具で自転車を賃貸する事業の用に供するもの

・次に掲げるもので、競技会、集会、展示会、博覧会その他これらに類する催し(国際的な経済活動に関連する相当数の居住者、来訪者又は滞在者の参加が見込まれるものに限る。)のため設けられ、かつ、道路の通行者又は利用者の利便の増進に資するもの

イ 広告塔、ベンチ、街灯その他これらに類する工作物

ロ 露店、商品置場その他これらに類する施設

ハ 看板、標識、旗ざお、幕及びアーチ

(3) 手続の流れ

本特例制度は、以下の手続により、総理大臣が決定した国家戦略特別区域において活用することができるものです。

① 国家戦略特別区域及び区域方針の決定

政府が定めた国家戦略特別区域基本方針に基づき、内閣総理大臣が、国家戦略特別区域を決定するとともに、区域ごとに、関係する地方公共団体の意見を聴いた上で、政策課題や実施事業の概要などを記載した区域方針を決定する。

② 区域計画の作成

区域ごとに、国家戦略特別区域担当大臣、関係する地方公共団体の長及び特例を活用する事業の実施主体となるエリアマネジメント団体などからなる国家戦略特別区域会議を組織し、区域方針に即して、特例を活用する道路の区域を物件ごとに記載した区域計画を作成する。その際、都道府県公安委員会の同意を得ることが必要となる。

③ 区域計画の認定

作成した区域計画について、国土交通大臣の同意を得た上で、内閣総理大臣の認定を受けることが必要となる。

④ 道路占用許可手続

認定された区域計画に基づき、特例を活用する事業の実施主体などからの申請を受けた道路管理者が、道路交通環境の維持及び向上を図るための清掃その他措置を講じること、占用の期間が満了した場合又は占用が廃止された場合は原状回復を行うことを含む必要な条件を付した上で、占用を許可する。

3.中心市街地の活性化に関する法律

(1) 特例制度の概要

市町村が作成し、内閣総理大臣が認定する中心市街地の活性化に関する基本計画に、道を活用した地域活動に使われる一定の物件を道路に設置することを盛り込むことにより、それらの道路占用許可を行うに当たって、「道路の敷地外に余地がなくやむを得ないこと」という許可基準を適用しないこととする、道路占用許可の特例制度を設けています。

その際、特措法に基づく特例制度と同様に、道路美化活動や放置自転車対策などの公益活動をあわせて実施することを占用許可の条件にしています。

(2) 対象となる物件

特例制度の対象となる物件は、以下の物件です。

・広告塔又は看板で良好な景観の形成又は風致の維持に寄与するもの

・食事施設、購買施設その他これらに類する施設で道路の通行者又は利用者の利便の増進に資するもの

・自転車駐車器具で自転車を賃貸する事業の用に供するもの

(3) 手続の流れ

本特例制度を活用するためには、以下の手続が必要になります。

① 基本計画への記載

市町村が、対象となる物件の設置について記載した基本計画を作成する。その際、道路管理者及び都道府県公安委員会の同意を得ることが必要となる。

② 基本計画の認定

作成した基本計画について、国土交通大臣の同意を得た上で、内閣総理大臣の認定を受けることが必要となる。

③ 特例道路占用区域の指定

基本計画の記載に基づき、市町村の意見を聴いた道路管理者が、警察署長に協議した上で、特例を活用できる道路の区域を物件の種類ごとに指定する。

④ 占用主体の選定

基本計画を作成する際に設置できる協議会を活用するなどして、特例道路占用区域に設置する物件ごとに、道路管理者が占用主体を選定する。

⑤ 道路占用許可手続

選定した占用主体からの申請に基づき、道路交通環境の維持及び向上を図るための清掃その他措置を講じること、占用の期間が満了した場合又は占用が廃止された場合は原状回復を行うことを含む必要な条件を付した上で、占用を許可する。

参考資料3

道を活用した地域活動の事例

1.北海道札幌市 「大通すわろうテラス」

2.群馬県高崎市 「高崎まちなかオープンカフェ・コミュニティサイクル」

3.東京都新宿区 「モア4番街オープンカフェ」

4.神奈川県横浜市 「日本大通りオープンカフェ」

5.長野県長野市 「善光寺表参道地区」

6.静岡県浜松市 「まちなか公共空間利活用制度」

7.愛知県名古屋市 「久屋大通オープンカフェ」

8.大阪府大阪市 「グランフロント大阪」

9.兵庫県神戸市 「三宮中央通りオープンカフェ」

10.鳥取県鳥取市 「鳥取駅前太平線再生プロジェクト」

11.愛媛県松山市 「花園町通り賑わい・憩い空間づくり」

12.高知県高知市 「土佐の日曜市」

13.福岡県福岡市 「国家戦略道路占用事業」

1.北海道札幌市「大通すわろうテラス」

事業主体

札幌大通まちづくり株式会社

実施場所

札幌市中央区大通駅周辺(国道36号)

経緯

・H21.9 大通地区の商店街が中心となり、札幌大通まちづくり株式会社(H23.12 全国初の都市再生整備推進法人(現在は都市再生推進法人)に指定)を設立

・H25.5 都市再生特別措置法に基づく特例道路占用区域を指定

・H25.6~ 食事施設、広告塔などの占用許可を受け、事業実施中

事業概要

オープンカフェ事業

:サッポロナナイロ前及びパルコ前の歩道上にそれぞれオープンカフェを設置し、事業主体が運営。

広告事業

:広告塔を3基設置し、オープンカフェと一体となった広告を展開。

ポイント

・美化清掃活動、違法駐輪への注意喚起など、道路の維持管理への協力を条件として、占用料を9割減額。

・事業主体が、市のまちづくり部局と普段から協働して検討を進めることにより、合意を形成。

・オープンカフェと一体となった広告を展開することにより、景観の向上やまちづくり事業費の確保に寄与。

効果と課題

・利用者アンケートによると、利用者は概ね満足し、地区の魅力向上に寄与しているとの評価。

・冬期間の施設の利活用方策について検討が必要。

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写真出典:札幌市、日本みち研究所

2.群馬県高崎市

「高崎まちなかオープンカフェ・コミュニティサイクル」

事業主体

高崎まちなかオープンカフェ推進協議会

高崎まちなかコミュニティサイクル推進協議会

実施場所

高崎市中心市街地地区(県道、市道)

経緯

・H24 高崎商工会議所を中心とする推進協議会を設置し、社会実験を実施

・H25 都市再生特別措置法に基づく特例道路占用区域を指定

・H25.4~ 食事施設、自転車駐車器具などの占用許可を受け、事業実施中

事業概要

オープンカフェ事業

:市役所等の公益施設が集まる西部地区と高崎駅を中心に商業施設が集まる東部地区とを結ぶ道路を中心にオープンカフェを設置。

コミュニティサイクル事業

:回遊性の向上と賑わい創出のため、オープンカフェと同じエリアの道路などに自転車駐車器具を設置。

ポイント

・道路管理者(県、市)、警察、都市計画・市街地整備・産業政策部局を含めた勉強会を開催し、事前に事業イメージを共有。

・社会実験を実施することにより、安全性等の観点を含め、事業の効果を検証。

・事業主体が地元の意見調整を行い、オープンカフェ出店者を決定。

効果と課題

・オープンカフェとコミュニティサイクルの連携により、魅力ある中心市街地を形成。

・道路の維持管理費の削減、良好な景観形成などに効果。

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写真出典:高崎商工会議所

3.東京都新宿区「モア4番街オープンカフェ」

事業主体

新宿駅前商店街振興組合

実施場所

新宿三丁目モア4番街(区道)

経緯

・H17 道路占用許可によるオープンカフェ設置の社会実験を開始

・H24 都市再生特別措置法に基づく特例道路占用区域を指定(全国初の事例)

・H24.10~ 食事施設、広告塔の占用許可を受け、事業実施中

事業概要

オープンカフェ事業

:まちの賑わい創出と違法駐輪・駐車防止のため、事業主体が、新宿区と協力してオープンカフェを設置、運営。

広告事業

:サインポール、デジタルサイネージを設置し、モア街の情報を始めとする広告を掲載。

ポイント

・社会実験の段階から、新宿区、警察を含む協議会を設立して継続的に議論を重ねることにより合意を形成。

・社会実験を実施することにより、歩行者の通行への影響を具体的に検証し、警察協議を円滑化。

効果と課題

・オープンカフェを常設し、事業主体が継続的に道路の維持管理を行うことにより、違法駐輪・駐車やホームレスが減少。

・休日にはオープンカフェに行列ができ、まちの賑わいを創出。

・広告料収入により、放置自転車対策の啓発活動などを継続して行うための財源を確保。

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写真出典:日本みち研究所、新宿区

4.神奈川県横浜市「日本大通りオープンカフェ」

事業主体

日本大通り活性化委員会

実施場所

日本大通り地区(市道)

経緯

・H14 日本大通りパラソルカフェ&ギャラリー2002として、9日間限定で、オープンカフェや路上イベントを実施

・H17 道路占用許可によるオープンカフェ設置の社会実験を実施

・H18.4~ 道路法に基づきテーブル、椅子などの占用許可を受け、事業実施中

事業概要

オープンカフェ事業

:歴史的建造物が多い官公庁街であり、歩行者を優先した道路整備が行われた観光スポットとなっている日本大通りに、複数のオープンカフェを設置。

ポイント

・地元店舗や事業者からなる日本大通り活性化委員会が、横浜市と協定を結び、道路の占用許可、使用許可を含め、出店に関する調整を実施。

・幅員の広い(13.5m)の歩道にオープンカフェを設置。

・事業収益は各出店者のものとする一方、横浜市の条例に基づき通常の占用料を徴収。

効果と課題

・観光スポットとなっている日本大通りにオープンカフェを設置することにより、賑わいを促進。

・様々な個性を持つ店舗がオープンカフェに参加し、日本大通りの魅力を向上。

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写真出典:横浜市、日本みち研究所

5.長野県長野市「善光寺表参道地区」

事業主体

善光寺花回廊実行委員会

(株)まちづくり長野

実施場所

長野中央通り(善光寺表参道)(市道)

経緯

・H13~ 道路空間の再配分などを実施

・H26.7 都市再生特別措置法に基づく特例道路占用区域を指定

・H27.3~ 食事施設などの占用許可を受け、事業実施

事業概要

路上イベントの開催

:ゴールデンウィーク(例年5月3~5日)に善光寺花回廊~ながの花フェスタ~を開催、商工・観光・行政等各種団体で善光寺花回廊実行委員会を組織して運営。

オープンカフェ事業

:善光寺御開帳期間中(平成27年4~5月)に、「ぱてぃお大門」前の歩道部分で、(株)まちづくり長野が運営するオープンカフェを延べ7日営業。

ポイント

・歩行者優先道路化事業として車道縮小、歩道拡幅、車道の石畳化などを行い整備された道路空間を活用して、イベント展示やオープンカフェを設置。

・地元商店会が、道路の清掃活動、駐輪場の案内などの交通整理を実施するほか、沿線地域では景観協定の締結や歩道植栽桝の管理など、来訪者おもてなしの取組みを実施。

効果と課題

・「歩行者優先」、「歩いて楽しいみち」をコンセプトにした道路事業と路上イベント・オープンカフェ事業とを併せて実施することにより、道路空間の魅力を向上し、観光地まちなかの賑わいを創出。

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写真出典:長野市

6.静岡県浜松市「まちなか公共空間利活用制度」

事業主体

(株)遠鉄百貨店

浜松まちなかにぎわい協議会(浜松まちなかマネジメント(株))

実施場所

浜松駅北口広場周辺(市道)

経緯

・H17年度 浜松市が、まちなか公共空間利活用制度を創設

・H18.3~ 道路法に基づきテーブル、椅子などの占用許可を受け、事業実施中

・H22 浜松まちなかにぎわい協議会を設立

・H23~ 広告物の占用許可を受け、事業実施中

事業概要

オープンカフェ事業

:まちなか公共空間利活用制度に基づき、中心市街地のサンクンガーデンにオープンカフェを設置し、遠鉄百貨店が運営。

広告事業

:浜松まちなかにぎわい協議会が中心となり、まちなか公共空間利活用制度対象区域内の決められた場所に、バナー広告、壁面広告などを展開。

ポイント

・浜松市が、道路の利活用に係る共通の運用基準(浜松市まちなか公共空間利活用に関する要綱)をあらかじめ策定することにより、公平性を確保。

・路上広告物の設置に当たっては、浜松まちなかにぎわい協議会を通して占用を申請し、広告収益の一部を地域のイベント支援、情報発信、清掃活動など公共的な取組みに充当。

効果と課題

・道路法に基づく通常の占用許可の運用により、まちの賑わいを創出。

・広告が人通りの多い駅前に集中しており、より幅広い展開方策の検討が必要。

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写真出典:浜松市

7.愛知県名古屋市「久屋大通オープンカフェ」

事業主体

久屋大通オープンカフェ推進協議会

実施場所

久屋大通(市道)

経緯

・H12~ 路上イベントの開催時に道路附属物としてテーブル、椅子などを設置

・H16 久屋大通オープンカフェ推進協議会を設立

・H18 道路占用許可によるオープンカフェ設置を試験的に実施

・H19.5~ 通年実施を前提に、道路法に基づきテーブル、椅子などの占用許可を受け、事業実施中

事業概要

オープンカフェ事業

:名古屋市の繁華街である久屋大通に、無料休憩所としてテーブル、椅子、パラソル、囲いなどを設置し、オープンカフェを実施。

ポイント

・事業主体となる久屋大通オープンカフェ推進協議会は、久屋大通連合発展会、名古屋市、名古屋市商工会議所が構成員となる。

・オープンカフェの運営は、道路に面する店舗の所有者又は借受人が行う。

・道路占用許可の条件及び事業主体が定めた管理基準に基づき、占用者が、周辺の歩道の清掃、自転車の整理などを実施。

・歩行者の利便に寄与する物件であることから、占用料を8割減額。

効果と課題

・歩行者の利便の増進に寄与しているが、無料休憩所として位置づけられているため、事業の継続的な実施に支障が出るおそれがある。

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写真出典:日本みち研究所

8.大阪府大阪市「グランフロント大阪」

事業主体

(一社)グランフロント大阪TMO

実施場所

大阪駅北地区(市道)

経緯

・H16.7 大阪市が、オープンカフェ設置を含むまちづくり基本計画を策定

・H24.5 公募により選定した開発事業者が、エリアマネジメント組織であるグランフロント大阪TMOを設立

・H24.11 都市再生特別措置法に基づく特例道路占用区域を指定

・H25~ 食事施設、広告物の占用許可を受け、事業実施中

事業概要

オープンカフェ事業

:グランフロント大阪のビル沿いに整備したゆとりある歩道空間に、オープンカフェを常設。

広告事業

:オープンカフェの周辺などに、良好な景観の形成にも資する広告板、バナー広告を展開。

ポイント

・市のまちづくり部署が中心となり、道路管理者、警察を含む関係機関と時間をかけて議論。

・公募により選定した開発事業者が、歩道部分のグレードアップ整備や民間による道路の維持管理への協力を、自主的に提案。

・事業主体が、違反簡易広告物の撤去や違法駐輪対策を実施。

効果と課題

・利用者アンケートによると、「魅力的な空間を形成」、「まちの賑わいを感じる」などの評価。

・道路占用許可の特例制度を更に活用するためには、道路管理者や警察などに対し、他地区との違いや活用の必要性について、明確に説明することが必要。

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写真出典:日本みち研究所

9.兵庫県神戸市「三宮中央通りオープンカフェ」

事業主体

三宮中央通りまちづくり協議会

実施場所

三宮中央通り(市道)

経緯

・H16,17 オープンカフェ設置の社会実験を実施

・H18~ 道路管理・活用協定締結に基づきテーブル、椅子などの占用許可を受け、事業実施中

事業概要

オープンカフェ事業

:三宮駅近くの三宮裏線と呼ばれる通りで、春、秋の定期的なイベントとして、継続的にオープンカフェ、バナー広告などを設置。

ポイント

・道路地下の地下鉄開通に合わせて、H13に街路整備事業(車線減少、歩道拡幅(6m以上))を実施した場所を活用。

・商店街4団体(店舗数約130店)からなる事業主体と神戸市が道路・管理活用協定を締結し、出店者が、歩道の清掃、植栽の維持管理、来客者や放置自転車の整理などを実施。

効果と課題

・春、秋の定期的なイベントとして実施しており、通年実施とするために、警察などと調整が必要。

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写真出典:神戸市、(一財)神戸すまいまちづくり公社広報資料

10.鳥取県鳥取市「鳥取駅前太平線再生プロジェクト」

事業主体

新鳥取駅前地区商店街振興組合

実施場所

駅前太平線(市道)

経緯

・H20~21 鳥取駅前の賑わいづくりの社会実験を実施

・H23 鳥取市が、鳥取駅前太平線再生プロジェクト基本計画を策定

・H24~25 大屋根(シェルター)、芝生広場の整備

・H25 事業主体と鳥取市が、管理活用協定を締結

・H25.12 都市再生特別措置法に基づく特例道路占用区域を指定

・H26.2~ 休憩施設の道路占用許可を受け、事業実施中

事業概要

賑わい空間活用事業

:駅前再生のシンボルとして、大屋根とともに整備した芝生広場に休憩施設(テーブル、椅子)を設置。休日は、道路占用許可を受け、芝生広場や通行止めした道路で賑わいづくりのイベントを開催。

ポイント

・鳥取駅前太平線再生プロジェクト基本計画の策定に当たり、地元商店街、有識者などを含めた検討委員会を開催し、合意を形成。

・事業主体と鳥取市が協議を重ね、大屋根、芝生広場の利用規程を策定。大屋根開閉、芝生管理、道路維持活動など、施設の活用について委託契約を締結して事業主体が維持管理。

効果と課題

・全天候型の芝生広場などが、集いやふれあいの空間として機能し、まちの賑わいを創出。

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写真出典:鳥取市、日本みち研究所

11.愛媛県松山市「花園町通り賑わい・憩い空間づくり」

事業主体

松山市、花園町通りにぎわい創出実行委員会

実施場所

花園町線(市道)

経緯

・H23 花園町通りの道路空間再配分について意見交換する「花園町通り空間改変事業懇談会」を設立

・H24 賑わいイベントの事業主体となる「花園町通りにぎわい創出実行委員会」を設立

・H24 道路空間再配分、賑わい・憩い空間づくりの社会実験を実施

・H26~ イルミネーション事業を中心に事業実施中

・H27~ 道路の利活用についての地元の課題を調整するワークショップを実施中

事業概要

賑わい・憩い空間づくり社会実験

:車道縮小、自転車道新設、歩道拡幅により創出した、安全で快適な歩行者空間にオープンカフェや芝生を設置することにより、賑わいや憩いの空間を創出。

ポイント

・花園町通り空間改変事業懇談会において、警察、交通事業者、地元、市民団体、有識者などとの意見交換を実施。

・松山市が道路空間の再配分というハード整備を実施するに当たり、将来の道路空間の利活用の可能性を可視化することにより、道路空間整備に対する地元の意識を醸成。

効果と課題

・通りやまちの魅力向上により、将来的に、まちなかへの居住や商業の誘導、まちの賑わいの促進を期待。

・社会実験でのオープンカフェは、地元既存店舗に対する圧迫、ごみなどの不始末、騒音苦情、トイレ整備などが課題。

・社会実験のアンケートでは、賑わい・憩い空間の効果として、地権者の約半数が「来街者が増えると思う」、来街者の約9割が「また来たい」と回答。

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写真出典:松山市、日本みち研究所

12.高知県高知市「土佐の日曜市」

事業主体

高知市

実施場所

高知街1号線(追手筋)(市道)

経緯

・元禄3(1690)~ 市内3か所で日取りを定めて街路市を開始

・明治9~ 日曜市にまとめて開催

・昭和23~ 現在の位置で事業実施中

事業概要

路上への露店の出店

:4車線道路の片側2車線を利用し、毎週日曜日(終日)に、全長約1,300mにわたり、約430店が軒を並べる生活市を開催。

ポイント

・元禄3年(1690年)以来、300年以上の長い歴史を持ち、市民に親しまれるとともに警察などの関係者の理解も深い。

・高知市道路占用規則で、街路市に係る占用料を別途設定。

・出店者4組合の各代表者等と市からなる街路市運営協議会を設立し、新しい決めごとなどを協議。

・市が出店調整、警備員の配置、休憩施設(テント)設置などを実施。

・高知大学と連携し、休憩施設の運営や出店者のサポートを高知大学学生が実施(学生サポーター事業)

効果と課題

・市民に加えて県内外からの観光客など、1日に約17,000人の集客があり、直接的な経済効果は約20億円、生産・観光などを含めた波及効果は約30億円と試算。

・後継者不足、地元客の呼び戻し、出店者増加対策などが課題。

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写真出典:高知市

13.福岡県福岡市「国家戦略道路占用事業」

事業主体

(公財)福岡観光コンベンションビューロー、We Love天神協議会、博多まちづくり推進協議会、御供所まちづくり協議会、一般財団法人福岡コンベンションセンター、西日本鉄道株式会社、福岡地所株式会社、中洲町連合会、上川端商店街振興組合、川端中央商店街振興組合

実施場所

天神駅周辺、博多駅周辺など(市道)

経緯

・H26.9 国家戦略特別区域法に基づく、道路占用許可の特例制度の活用を含む区域計画の認定(全国初の事例)

・H26.11~ 随時、事業実施中

・H27.10 事業主体として新たに6団体を追加する区域計画の認定

事業概要

路上イベントの開催

:MICEなどのイベント開催日及び土日祝日に、区域計画で指定した道路にベンチ、露店などを設置し、ストリートパフォーマンスやMICEの懇親会などを開催。

ポイント

・産業の国際競争力の強化及び経済活動拠点の形成を目指す福岡市が、複数のエリアマネジメント団体などと協働。

効果と課題

・路上イベントに多数の参加者が集まり、まちの賑わいとともに大きな経済効果を創出。

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写真出典:福岡市

地域活性化等に資する道路利活用における適切な交通管理について(依命通達)

令和3年4月9日 達(交規)第144号

(令和3年4月9日施行)

体系情報
交通部
沿革情報
令和3年4月9日 達(交規)第144号