○良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策の更なる推進について(通達)

令和4年2月28日

達(交企、交規、交指、運免)第75号

[原議保存期間 5年(令和9年3月31日まで)]

[有効期間 令和9年3月31日まで]

みだしのことについて、次のとおり定め、令和4年3月1日から施行することとしたので、効果的に推進されたい。

1 趣旨

自転車は、幼児から高齢者まで幅広い層が多様な用途で利用する身近な交通手段であり、環境負荷の低減、災害時における交通機能の維持、健康増進等にも資するものとして注目されているほか、新型コロナウイルス感染症の影響による国民のライフスタイルや交通行動の変化に伴い、通勤・通学や配達を目的とする自転車利用のニーズが高まっている。

自転車に関しては、これまでも、その交通秩序の整序化のため、各種対策を推進してきたところであり、平成19年には自転車が歩道を無秩序に通行している実態を踏まえ、自転車の歩道通行要件の明確化等を内容とする道路交通法(昭和35年法律第105号。以下「法」という。)改正が行われたが、依然として交通ルールを無視する自転車利用者に対する批判的な意見が寄せられている。実際に、近年、県内では、交通事故発生件数の減少傾向に伴い、自転車対歩行者事故の発生件数も減少傾向で推移しているものの、そのうち半数近くが歩行者が優先されるべき歩道上又は横断歩道上で発生している。また、自転車関連事故に占める対自動車事故の割合は約9割で推移し、死亡・重傷事故の約5割には自転車側にも何らかの法令違反が認められるところである。

加えて、今後、電動キックボードをはじめとする新たな電動モビリティと自動車、自転車、歩行者との共存を図り、交通の安全を確保する上でも、自転車に係る諸対策を更に強化して、交通秩序を整序化する必要があることから、良好な自転車交通秩序の確立と自転車関与の交通事故防止のための総合対策を推進するものである。

2 基本的な考え方

自転車利用者の交通ルール遵守が徹底されない要因は一様ではないものの、自転車専用の通行空間の整備が断片的なものにとどまる中、自転車が手軽な乗り物であるため、歩道走行時における歩行者優先や車道の左側通行等の交通ルールに関する利用者側の遵法意識が低く、交通違反をしても取り締まられることはないとの認識を持たれていることなどが考えられる。

そのため、自転車の安全対策を推進する上では、自転車通行空間の整備、交通安全教育や広報啓発、交通指導取締りを柱として、それぞれの連携を図りながら効果的に対策を推進する必要がある。

具体的には、自転車は「車両」であり、車道通行が原則であることから、自転車の活用を推進するためには、自転車専用通行帯をはじめとする車道部分における自転車専用の通行空間を整備することにより、歩行者、自転車及び自動車を適切に分離することが必要である。また、自転車の歩道通行は、法で例外的な通行方法として定められているところ、特に普通自転車歩道通行可の交通規制(以下「自歩可規制」という。)が実施されている区間においては、自転車と歩行者の交錯の問題があることから、道路交通実態等を踏まえ、自歩可規制の見直しや普通自転車が通行すべき歩道の部分を指定するなど、自転車通行空間の整備に当たっては、歩行者、自転車及び自動車のいずれもが安全で円滑に通行できる、連続性のある自転車ネットワークの構築に配意する必要がある。

また、自転車利用のニーズの高まりとともに、以前にも増して自転車関連の交通事故防止のための交通ルールの遵守の徹底が求められる一方で、自転車利用者の交通違反や交通マナーの悪さを指摘する県民の声は依然として厳しいことに十分留意し、自転車利用者の交通安全意識の向上に資する交通安全教育・広報啓発活動の推進やルールを守らない自転車利用者に対する重点的な交通指導取締りと自転車運転者講習制度の適切な運用により、自転車の安全な利用を促進する必要がある。

これらの対策を効果的かつ適切に推進するためには、交通警察各部門の総合力を発揮するとともに、関係部門や関係機関・団体等と緊密な連携を図ることが重要であり、特に道路管理者、学校関係者、自転車関係事業者、交通ボランティア等との適切な協働を図ることも必要である。

3 推進すべき対策

(1) 自転車通行空間の整備

ア 自転車専用通行帯の整備等

それぞれの管内における自転車関連事故の発生状況や自転車の交通実態等を調査・分析した上で、県や各市町村が策定する自転車活用促進計画や自転車ネットワークに関する計画及び道路管理者が策定する自転車通行空間の整備に関する計画に交通管理上必要な意見が反映されるよう、調査・分析の結果や下記(4)の自転車指導啓発重点地区・路線の選定状況等について、関係機関に情報提供するとともに、これらの計画の策定又は改定の検討段階から積極的に協議を行うほか、次のとおり自転車専用通行帯の整備等を推進すること。

(ア) 自転車の交通量が多い路線や将来的に増加が見込まれる地域において、自転車関連事故の発生状況も踏まえ、自転車専用通行帯の整備を推進すること。

(イ) 自動車の走行速度が高い道路のほか、歩行者、自転車及び自動車の交通量を踏まえ、自転車専用の通行空間を整備する必要がある場合には、道路管理者に対し、自転車道の整備を働き掛けること。

(ウ) 自転車専用の通行空間の整備が困難な場合には、道路管理者と連携し、法定外表示(自転車の通行位置を示し、自転車と自動車が車道で混在することを注意喚起するための矢羽根型路面表示及び自転車のピクトグラムをいう。以下同じ。)の設置を検討すること。

また、道路利用者のニーズ、道路状況、交通実態等を勘案し、将来的には自転車道又は自転車専用通行帯を整備することについて検討すること。

(エ) 自転車通行の安全性を向上させるため、道路状況、交通実態等を踏まえ、自転車通行空間の整備と併せて駐車規制の実施を検討するとともに、当該区間においては違法駐車の取締りを積極的に推進すること。

イ 自歩可規制の見直し

自歩可規制は、「交通規制基準」の改正について(令和3年11月30日付け警察庁丙規発第27号)の別添「第59 普通自転車歩道通行可、普通自転車の歩道通行部分」のとおり、普通自転車及び歩行者の安全な通行を確保するため、対象道路については歩道の有効幅員(以下単に「幅員」という。)が3メートル以上であることを原則としていることから、自転車通行空間の整備と併せて、次のとおり自歩可規制の見直しを検討すること。ただし、道路管理者が整備する自転車歩行者道については、道路構造上、自転車及び歩行者の通行の用に供する区間であることから、自転車歩行者道の設置が確認できる自歩可規制区間においては、見直しの対象区間から除くことができることとする。

また、車道に自転車専用の通行空間を整備することが困難な区間において、自歩可規制を解除する場合には、道路管理者と連携し、法定外表示を設置すること。

(ア) 幅員3メートル未満の歩道

車道に自転車専用の通行空間が整備されている区間については、自歩可規制の解除を検討すること。

また、車道に自転車専用の通行空間が整備されている区間以外の全ての区間についても、自歩可規制の見直しを検討すること。ただし、次の場合は、見直しの対象区間から除くことができることとする。

a 歩行者の交通量が極めて少ないなど、歩道における歩行者と自転車の交錯の危険が低い場合

b 車道における自転車の通行空間の確保が困難な場合であって、自動車の走行速度が高かったり、大型自動車等の混入率が高かったりするなど、自転車の車道通行が危険な場合

c 保育施設等が存在するため幼児を同乗させている自転車の交通量が多い場合

(イ) 幅員3メートル以上、4メートル未満の歩道

歩道上で歩行者と自転車の交通事故が発生したことがあるなど、交通実態や沿道状況を踏まえ、自転車が歩道を通行することに危険があると判断される区間については、自転車と歩行者の交錯の問題を解消するため、自歩可規制の解除を検討すること。

(ウ) 幅員4メートル以上の歩道

歩行者の通行に特に支障が認められない区間については、歩道における自転車と歩行者の双方の安全かつ円滑な通行を確保するため、普通自転車の歩道通行部分の指定を積極的に検討すること。

ウ 自転車に係るその他の交通規制の見直し

(ア) 自転車横断帯の撤去

自転車は、車道又は歩道のいずれを通行していても、自転車横断帯がある場所を横断しようとするときは、その自転車横断帯によって道路を横断しなければならず、場合によっては自転車に不自然かつ不合理で、危険な横断を強いることとなり得る。このため、自転車道や普通自転車の歩道通行部分の指定があり、歩道部分に連続した自転車通行空間が整備されている区間のほか、自転車が通行できない構造の横断歩道橋等の付近で自転車の交通量が多い交差点等において、自転車が安全かつ円滑に自転車横断帯を進行することが想定される場合を除き、原則として自転車横断帯を撤去すること。また、自転車横断帯の撤去に当たっては、歩行者用灯器に設置されている「歩行者・自転車専用」の補助板の撤去についても、併せて検討すること。

(イ) 自転車に対する一方通行規制

自転車に対する一方通行規制(自転車道における一方通行規制を除く。以下同じ。)については、連続した自転車ネットワークの確保を阻害する場合があるため、自転車利用者の視点に立って見直しを行うこと。

なお、県内の自転車に対する一方通行規制は、自転車のみを対象としているものではなく、自転車を含む全車両を対象とした一方通行規制であり、当該規制の見直しに当たっては、個別具体的な道路状況、交通実態等を踏まえ、幹線道路の加速車線・減速車線への接続道路等における通行自転車の安全確保など、当該規制を継続しなければならない特別の事情がある場合を除き、原則として、自転車に対する一方通行規制は解除すること。

(2) 基本的な交通ルールの周知と遵守の徹底を図る交通安全教育・広報啓発の推進

ア 自転車に関する基本的なルールの周知

全ての自転車利用者に対して、交通の方法に関する教則(昭和53年国家公安委員会告示第3号)や福島県自転車安全利用五則を活用するなどして、自転車は「車両」であり、車道通行が原則であること、歩道通行できる場合でも歩道は歩行者優先であることなど自転車の基本的な交通ルールについての周知を図ること。

イ 全ての年齢層に対する自転車安全教育の推進

自転車は、幅広い年齢層において身近な交通手段として利用されていることから、交通安全教育の実施に当たっては、幼児から高齢者に至るまで、危険の予測と回避、交通ルールとマナー等自転車利用者として安全に道路を通行するために必要な技能と知識の習得や、自転車事故における加害者の責任等について、対象者の心身の発達段階やライフステージに応じて段階的かつ体系的に行うよう配意すること。また、自治体や学校関係者に対する自転車交通安全教室の計画的な実施や企業における自主的な自転車交通安全指導の実施についての働き掛けや支援を積極的に行うなど、自治体等との更なる連携を図ること。

(ア) 児童、生徒及び学生

歩行者と衝突した場合に加害者となる側面を有していることを理解させ、交通ルールを守らないことや不適切な操作が交通死亡事故に至る危険性について、スケアード・ストレイト方式(スタントマンによる交通事故等の再現)の交通安全教室やシミュレーターの活用等により周知すること。

(イ) 高齢者

加齢に伴う身体機能の変化が行動に及ぼす影響等を参加・体験・実践型の交通安全教育等により理解させ、自ら納得して実践する安全な交通行動の促進を図るとともに、自転車が運転免許証の返納後の交通手段となり得ることを視野に入れた教育を実施すること。

また、児童や生徒等を対象としたスケアード・ストレイト方式の交通安全教室への参加にも配意すること。

(ウ) 保護者、社会人等

児童・生徒を対象とした自転車教室への保護者の参加要請、安全運転管理者等を通じた事業所レベルでの交通安全教育等の工夫を行うこと。特に交通安全教育を受ける機会が少ない世代に対しては、SNS等の各種媒体を積極的に活用した短時間動画等による情報発信を行い、閲覧数の確認等により検証も実施すること。

(エ) 運転免許保有者等

更新時講習や高齢者講習等の講習会場において、福島県自転車安全利用五則の遵守等について紹介するとともに、管内における自転車の利用実態等を踏まえ、自転車利用者向けに作成された自転車の交通ルール・マナーに関するチラシやパンフレット等を配付するなど、自動車利用者に対する自転車の交通ルールに係る教育を行うこと。

ウ 全ての年齢層に対するヘルメット着用の推奨と被視認性の向上

県内において過去5年間に自転車利用中の交通事故により死亡した者は、22人であるが、その全てがヘルメット非着用であった。また、それら死者の損傷主部位別でみると、頭部に致命傷を負っている者が約4割と最も高くなっている。

全ての年齢層の自転車利用者に対し、こうした具体的なデータを用いて、自転車乗車時の頭部保護の重要性とヘルメット着用による被害軽減効果についての理解促進に努め、ヘルメットの着用を推奨すること。

また、本県では、令和3年10月に福島県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例(令和3年福島県条例第77号。以下「自転車条例」という。)が制定され、ヘルメット等の安全器具使用の努力義務が課せられたことを踏まえ、自転車利用者のみならず、その保護者、事業者に対してもヘルメット着用について広報啓発を実施すること。

さらに、薄暮の時間帯から夜間における自転車事故を防止するため、灯火点灯の徹底と反射材用品等の活用促進により、自転車の被視認性の向上を図ること。

エ 自転車を用いた配達業務中の交通事故防止対策の推進

自転車を用いた配達業務中の交通事故を防止するため、関係事業者等に対する交通事故発生状況等の情報提供や実技を含む交通安全教室の開催をはじめとする交通安全対策の働き掛け、関係業界との連絡協議会等の開催、自転車配達員に対する街頭での指導啓発、飲食店等を通じた配達員への交通ルール遵守の呼び掛け等を推進すること。

オ 幼児同乗用自転車の安全利用の促進

幼稚園、保育所等と連携し、幼児を自転車の幼児用座席に乗車させる際のヘルメット及びシートベルトの着用促進について、降園前後の時間を活用するなど、保護者等を対象とした広報啓発活動を推進すること。

特に、幼児二人同乗用自転車については、転倒防止や安全利用を推進するため、参加・体験・実践型による従来の交通安全教室のほか、SNS等による動画や情報の発信、リーフレットの作成・配付等による情報提供及び注意喚起等の各種広報啓発活動を推進すること。

なお、広報啓発に当たっては、時代に即した資料を使用するなど手法や内容の充実を図り、効果的に実施すること。

カ 自転車の点検整備と損害賠償責任保険等への加入の促進

自転車条例では、自転車の点検整備や自転車損害賠償責任保険への加入等についても規定していることから、関係機関や事業者等と連携し、自転車の点検整備の重要性と実施要領について分かりやすく周知すること。また、自転車関与の交通事故では、高額賠償事故も発生していることから、具体的な事故事例を示すなどして、損害賠償責任保険等への加入の必要性について理解させるよう努めること。

キ 自転車関係事業者への働き掛けの推進

自転車販売店や自転車レンタル事業者等に対し、自転車関連事故の発生状況や交通ルール遵守の徹底を図る広報資料の提供等により、従業員から店舗利用者への積極的な広報を促すこと。

なお、駆動補助機付自転車(電動アシスト自転車)については、車重が重く速度が出やすいなどの注意点等についても説明するよう依頼すること。

(3) 自転車利用者による交通違反に対する指導取締りの強化

ア 実効性のある指導警告の実施

違反者に対する指導警告は、運転に免許を必要としない自転車利用者に対して交通ルールを認識させる機会でもあることから、指導警告に際しては、自らの違反行為の危険性や交通ルールを遵守することの重要性について違反者が理解できるよう、指導警告票を活用した実効性のある指導警告を行うこと。

イ 悪質・危険な交通違反に対する取締りの強化

自転車利用者による交通違反が行われた場合において、警察官等の警告に従わずに違反行為を継続したときや、違反行為により通行車両や歩行者に具体的危険を生じさせたときは、交通切符等を活用した検挙措置を積極的に講ずること。また、検挙措置を講ずるに当たっては、自転車関連事故の発生状況や地域住民の取締りに関する要望を踏まえて事前に組織的に検討を行い、真に事故抑止に資する取締りとなるよう留意すること。また、自転車関連事故で自転車利用者に負傷が認められる場合であっても、当事者に法令違反がある場合にはしかるべく責任を追及する必要があることから、自転車側の信号無視や一時不停止等の違反行為の有無について確認の上、法令違反が認められる場合には、立件に向けた捜査を徹底すること。

ウ 自転車利用者検挙時における危険行為の早期登録のための上申等

交通の危険を生じさせるおそれのある一定の違反行為を反復して行った自転車利用者に対しては、自転車運転者講習を実施している。よって、道路交通法違反や交通事故などで自転車利用者を検挙した場合は、早期に危険行為の登録をする必要があることから、主管課へ遅滞なく上申すること。

エ 交通ボランティア等と連携した街頭活動の強化

自転車の通行ルールの周知徹底を効果的に実施するためには、自転車利用者に対する街頭指導が不可欠であることから、交通ボランティアや地域住民等との連携が重要となる。このため、当該連携に必要な助言、指導等や自治体等の職員の研修への協力を積極的に行うこと。

地域交通安全活動推進委員に対しては、より効果的な「自転車の適正な通行の方法について住民の理解を深めるための運動の推進」がなされるよう、自転車の通行ルールやその指導方法等について教養を実施し、警察官と共同で街頭指導を行うことはもとより、ボランティア等が独自に地域住民と共に行う各種広報啓発活動への積極的な参加・協働など、街頭における自転車利用者に対する指導啓発活動を効果的に推進させること。

(4) 自転車指導啓発重点地区・路線の選定等

ア 自転車指導啓発重点地区・路線の選定と公表

管内において、歩道上における自転車と歩行者の交錯、車道における自転車の右側通行、信号無視等の実態から自転車関連事故が現に発生し、又は発生が懸念され、自転車交通秩序の実現が必要であると認められる地区・路線を「自転車指導啓発重点地区・路線」(以下「重点地区等」という。)として選定し、重点地区等において、重点的・計画的に、自転車通行空間の整備、指導啓発活動及び交通指導取締りを推進すること。

管内の住民に対しては、居住地域のどこが重点地区等であるのかを周知するため、重点地区等の選定状況を県警察のホームページ・電子メール・ツイッター等の各種メディアにより公表し、重点地区等における交通ルール遵守の重要性及び重点地区等において実施する活動に対する理解の醸成に努めること。

なお、自治体等と連携し、当該地区が重点地区等であることや歩道は歩行者優先であることなど、基本的な交通ルールを現場に表示することについても検討すること。

イ 重点地区等の選定基準

重点地区等の選定に当たっては、自転車の通行量、自転車対歩行者事故及び自転車関連事故の発生状況、自転車に関する交通ルールの遵守状況、自転車の通行に関する地域住民の要望等、自転車通行空間の整備状況、自治体等の自主的な活動状況等を踏まえ、次に示す例を参考に管内の実情に応じて選定すること。

(ア) 自転車通勤・通学者等が集中する駅等の周辺

(イ) 自転車通学の学生等により、悪質・危険な自転車の運転が問題となっている通学路等

(ウ) 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号)に規定する生活関連経路等で高齢者や障害者の歩行中の安全を確保する必要性が特に高い地区・路線

(エ) 自転車の通行量が特に多い生活道路

(オ) 上記以外で、自転車利用者の歩道通行が特に多い地区・路線

ウ 情勢の変化に応じた重点地区等の見直し

重点地区等を選定した後も、重点地区等における自転車利用者の交通ルールの遵守状況、指導警告及び交通指導取締りの状況を定期的に検証するとともに、自転車や歩行者の通行実態、自転車関連事故の発生状況、住民の要望等、管内の実情に即した必要な見直しを行うこと

エ 重点地区等において推進すべき施策等

(ア) 自転車通行空間の優先的な整備

自転車専用通行帯の整備又は法定外表示の設置及び自歩可規制の見直しを優先的に実施すること。

(イ) 指導啓発活動の推進

地域交通安全活動推進委員、交通指導員等のボランティア、自治体、関係機関・団体、管内の住民等と警察が協働して活動する場合はもとより、自治体等が自主的に実施する自転車利用者に対する指導啓発活動について、重点地区等で実施するよう要望すること。

(ウ) 重点地区等を中心とした交通指導取締りの推進

重点地区等においては、自転車や歩行者が多く通行する時間帯を中心に、信号無視、通行区分違反(右側通行、歩道通行等)、一時不停止等、歩行者や他の車両にとって危険性・迷惑性の高い違反に重点を置いた交通指導取締りを推進すること。

(エ) 集中的かつ重点的な活動の推進

上記(イ)及び(ウ)の活動に当たっては、集中的かつ重点的にこれらを実施する日を毎月1日以上設け、各部門と連携して、通勤・通学時間帯に絞って県下又は地域(方部等)一斉に活動するなど、広報啓発及び交通指導取締りの効果が期待できる活動を推進すること。また、これらの活動について、積極的な広報に努めること。

4 対策推進上の基盤の整備等

(1) 部内教養の徹底

職務執行に際して自転車を利用する警察職員はもとより、全ての警察職員に対し、自転車の交通ルールについての部内教養を実施し、交通ルールの遵守について指導を徹底すること。

(2) 関係部門との連携

交通部門にとどまらず様々な講習会において、講習等の目的に支障のない範囲で、自転車の交通ルール等周知のための広報啓発活動を積極的に実施すること。また、街頭活動においても警察各部門間の連携に留意した活動とすること。

(3) 関係機関・団体等と連携した取組の推進

対策を効果的かつ継続的に推進するため、関係機関・団体と適切な役割分担を図るとともに、必用な情報提供や支援等により、連携を強化すること。

(4) 報告

本通達に基づいて各種施策等を実施した際は、その都度、交通情報報告等により主管課へ報告すること。

良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策の更なる推進について(通達)

令和4年2月28日 達(交企、交規、交指、運免)第75号

(令和4年3月1日施行)

体系情報
交通部
沿革情報
令和4年2月28日 達(交企、交規、交指、運免)第75号