○留置管理業務の厳正かつ適正な推進について(依命通達)
令和4年3月8日
達(留管)第103号
[原議保存期間 3年(令和7年3月31日まで)]
[有効期間 令和7年3月31日まで]
みだしのことについては、下記のとおり推進されたい。
記
1 趣旨
全国では、女性被留置者とわいせつ行為を行ったとして留置担当官が逮捕されるという事案が連続して2件発生したほか、被留置者の自殺企図や公判への護送の失念などの被留置者に係る不適正事案や事故事案が頻発している現状にある。
現在、警察の留置管理業務は、日々の新型コロナウイルス感染症に対する感染防止対策等、非常に厳しい情勢にあるが、留置管理業務に関する不適正事案等が発生した場合、警察に対する県民の信頼を著しく失墜させるばかりでなく、留置管理業務ひいては警察の根幹をゆるがしかねない極めて憂慮すべき事態となる。
そこで、本県においても必要な対策を推し進め、不適正事案等の防止の徹底を期するものである。
2 推進事項
留置主任官等の幹部は、下記の点に留意し業務管理を徹底すること。
(1) 危機意識の保持
不適正事案等は、幹部の業務管理の不徹底、幹部及び留置担当官の危機意識の欠如、基本を逸脱した業務を行ったことが原因で発生していることから、幹部は自ら危機意識を保持し、業務管理を行うこと。
(2) 実効性のある業務管理
幹部は、留置施設内の実態等の詳細な確認や指導等、自らがなすべき業務について確認・点検を確実に実施し、チェック機能を実効性あるものとすること。
なお、留置主任官は、別紙「留置主任官チェックリスト」を活用し、日々、業務の点検を行うこと。
(3) 根拠の確認
業務推進に当たっては、幹部は根拠規定を自ら確認し、また、部下に確認させ、根拠が明確でない業務、慣習化している業務については、本部留置管理課に確認すること。
(4) その他
ア 幹部は、業務の基本が徹底されているか、留置担当官一人ひとりが強い緊張感を持って業務を遂行しているかについて確認すること。
イ 幹部は、留置管理業務にしっかりと関与し、個別具体的な指示等を日常的に適切に実施すること。
ウ 春の異動により転出する留置主任官は、本件で通達した内容を後任者に引き継ぎ、後任者は、本件内容を確実に実施すること。
別紙
留置主任官チェックリスト
1 留置開始時の立会い □ 新規留置時には立ち会っているか。 □ 看守勤務員に対し、身体検査を行う上で注意を要する事項その他必要な事項を指示しているか。 2 就勤の看守勤務員に対する指示等 □ 看守勤務員に就く者に対して、その都度、必要な事項を具体的に指示しているか。 □ 看守勤務員が全員交替するときは、留置主任官及び新たに勤務に就く者全員が引継ぎに立ち会っているか。 3 留置施設の巡視 □ 昼間2回以上の留置施設内の巡視を行っているか。 □ 被留置者の言動等(特異動静等)を把握し、看守勤務員に必要な事項を指示しているか。 □ 居室の点検、私物保管庫の点検は確実に行われているか。 4 居室の鍵の保管 □ 開庁時間帯、居室の鍵等を自らが適正に保管しているか。 □ 閉庁時間帯は、居室の鍵等を宿日直責任者に確実に引継いでいるか。 □ 規定本数以上の鍵が使われてないか。 □ 居室の予備鍵及び非常口の鍵について月1回、封印等の状態を確認しているか。 5 被留置者出し入れ時の措置 □ 被留置者を留置場外に出すときは、留置主任官の指揮を受けさせ、出場前に連れ出す被留置者と同数以上の看守勤務員の下で、腰縄付両手錠を施し、その腰縄を確実に把持する等完全な方法を用いて行っているか。 6 領置品(甲)、(乙)の点検及び領置金保管庫の鍵の管理 □ 紛失等防止のため被留置者の所持金品の確実な点検を行ったか。 (□新規留置時、□起訴時、□移送前) □ 領置品(甲)は留置場外の保管設備に保管されているか。 □ 領置金保管庫の鍵はクロス管理されているか。 □ 一括保管している領置金(現金)と簿冊上の金額は一致しているか。 7 留置担当官の携帯電話の保管管理 □ 留置担当官は、自己の携帯電話を所定の保管場所へ保管しているか。 □ 携帯電話の保管状況を簿冊により管理しているか。 8 医薬品の投与 □ 投薬時の誤投薬等防止のため、適正な指示を出しているか。 □ 小分作業、投薬、嚥下の状態等は留置担当官2名以上で対応しているか。 □ 処方薬は、投薬の都度、留置場に持ち込んでいるか。 9 被留置者の診療等 □ 被留置者からの体調不良の申出に対しては、医師の診療等の必要な措置を執っているか。 □ 執った措置については、特異動静簿に確実に記録されているか。 10 日課時限の確保 □ 食事時間、就寝、運動、入浴の時間等にかかる取調べは、捜査主任官に対し打ち切り検討を要請しているか。 □ 打ち切り要請した結果を、特異動静簿等所定の簿冊に記録しているか。 □ 必要な補完措置を講じたか。 11 女性被留置者に対する処遇 □ 女性被留置者に対する処遇について、適正な指示を出しているか。 □ 女性被留置者の処遇は、女性留置担当官が行っているか。 □ 男性留置担当官が1対1で女性被留置者の対応を行っていないか。 12 勾留状及び各種送達文書の処理等 □ 勾留状は執行されているか。勾留延長状は提示されているか。 □ 裁判所からの送達文書は、被留置者への交付や提示等、必要な処理がされているか。 □ 国選弁護人選任通知書は、被留置者に交付されているか。 13 護送勤務 □ 出発前に護送事故防止の具体的な指示をしているか。 □ 公判期日召喚状記載の公判期日を記録しているか。 □ 第2回目以降の公判については、裁判官の口頭による公判期日を記録しているか。 □ 護送日程表等を活用し、護送日に漏れがないか、確実に把握しているか。 □ 署からの護送要請と公判護送予定等は合致しているか。 □ 確実に集中護送要請書を出しているか。 □ 女性被留置者の護送には、女性警察官を戒護員にしているか。 □ 男性警察官が女性被留置者の護送戒護員にする場合は、指定女性職員を同行させているか。 |