○福島県警察少年補導員運用要領の制定について(通達)

令和4年5月27日

達(少対)第289号

[原議保存期間 5年(令和10年3月31日まで)]

[有効期間 令和10年3月31日まで]

みだし要領を別紙のとおり制定し、令和4年6月1日から施行することとしたので、適切な運用に努められたい。

なお、福島県警察少年補導員活動要領の制定について(令和2年10月26日付け達(少)第355号)及び少年補導員の運用上の留意事項について(令和2年10月26日付け達(少)第357号)は、廃止する。

別紙

福島県警察少年補導員運用要領

第1 趣旨

この要領は、少年警察に協力する少年補導員(以下「補導員」という。)の委嘱、運用要領等について、必要な事項を定めるものとする。

第2 用語の意義

この要領においては、福島県警察少年警察活動に関する訓令(平成20年県本部訓令第2号)第2条に定める用語の定義を適用するものとする。

第3 定数及び委嘱

1 補導員の定数は、少年人口、面積、少年を取り巻く各種の環境、非行少年等の居住分布等の実態を考慮し、別に定めるものとする。

2 署長は、署の管轄区域内に居住している者(署の管轄区域内に居住していた者であって、法令に基づく命令その他の特別の理由(以下「命令等」という。)により、一時的に署の管轄区域外に居住しているものを含む。)のうちから、次の(1)から(5)までに掲げる資格要件を全て満たす65歳未満の者(再委嘱の場合を除く。)を少年補導員推薦書(様式第1号)により推薦するものとする。

(1) 人格及び行動について、社会的信望を有すること。

(2) 任務の遂行に必要な熱意を有し、少年補導について適格性を有すること。

(3) 心身共に健康で実行力を有すること。

(4) 少年非行防止に協力するための時間的余裕を有すること。

(5) 地域の実情に精通していること。

3 本部長は、上記1の推薦があった者から適任と認められる者を、補導員として委嘱するものとする。

4 補導員の委嘱は、委嘱状(様式第2号)を交付して行うものとする。

第4 委嘱期間

1 委嘱期間は2年とする。ただし、補欠として委嘱した補導員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 補導員は再委嘱することができる。

第5 退任等

1 補導員は、任期が満了して再委嘱されないときは退任するものとする。

2 署長は、補導員から辞職の申出があった場合は、辞職申出報告書(様式第3号)により、少年女性安全対策課長を経て本部長に報告するものとする。この場合においては、辞職申出報告書の受理をもって辞職したものとする。

3 署長は、補導員が死亡した場合は、死亡報告書(様式第4号)により、少年女性安全対策課長を経て本部長に報告するものとする。

4 本部長は、次の(1)から(4)までのいずれかに該当するときは、解嘱することができる。

(1) 心身の故障等により、補導員として活動ができなくなったとき。

(2) 補導員としてふさわしくない行為があったとき。

(3) 署の管轄区域を越えた転居(命令等によるものを除く。)その他の理由により、当該署の管轄区域内で活動することが困難となったとき。

(4) 補導員としてその任務を遂行するのに適さない事由が生じたとき。

5 署長は、補導員に上記4に掲げる事由が生じたことを知ったときは、速やかに解嘱具申書(様式第5号)により、少年女性安全対策課長を経て本部長に解嘱の具申をしなければならない。

6 本部長が上記5の具申により解嘱を決定した場合には、署長から当該補導員に解嘱通知署(様式第6号)を交付し、解嘱するものとする。

第6 任務

1 補導員は、その住所を管轄する署の管轄区域内において、署の職員(以下「職員」という。)と連携して、次の(1)から(6)までに掲げる非行防止活動等に従事するものとする。

(1) 非行少年の発見及び連絡

(2) 不良行為少年の発見及び補導

(3) 要保護少年、被害少年等の保護及び支援活動

(4) 少年の健全な育成に有害な影響を及ぼす風俗環境の発見並びに環境浄化活動への協力及び援助活動

(5) 少年の社会参加活動への協力及び援助活動

(6) 上記(1)から(5)までに掲げるもののほか、少年非行防止に必要と認められる活動

2 上記1の規定にかかわらず、第3の2の規定による推薦の際に当該署の管轄区域外に居住していた補導員においては、当該署の職員と連携して、上記1に掲げる非行防止活動等に従事するものとする。

第7 活動要領

補導員は、次の(1)から(7)までに掲げる事項に留意して活動を行うものとする。

(1) 非行少年等(非行少年、不良行為少年、要保護少年及び被害少年をいう。以下同じ。)の発見及び連絡

ア 補導員は、活動を通じて、非行少年等の発見に努めること。

イ 非行少年等を発見したときは、次の(ア)から(オ)までに掲げる事項を職員に連絡すること。

(ア) 少年の住居、氏名、年齢、職業、学校名及び学年

(イ) 保護者等の住居、職業、氏名及び少年との関係

(ウ) 非行の日時及び場所

(エ) 非行の概要

(オ) 上記(ア)から(エ)までに掲げるもののほか、参考となる事項

(2) 非行少年等に対する注意・助言

ア 補導員は、非行少年等を発見したときは、その場で注意を与え、又は助言することにより補導すること。

イ 注意を与え、又は助言する場合には、次の(ア)から(ウ)までに掲げる事項に配意すること。

(ア) 補導又は保護の対象となった少年を衆人にさらすことにならないよう場所及び方法に配意すること。

(イ) 言葉遣いや態度に十分注意し、少年の心情を傷つけることのないようにすること。

(ウ) 身体検査及び所持品検査は行わないこと。

ウ 補導員は、自ら補導を行うことが適当でないと認められるとき又は危険が予想されるときは、職員に連絡するにとどめ、速やかに現場を離れること。

(3) 継続補導の協力

ア 補導員は、非行少年等の継続補導について署長から依頼があった場合には、その非行少年等に対して引き続き補導を行うこと。

イ 補導員は、保護者、教員その他の関係者から補導を依頼されたときは、あらかじめ署長に連絡してから行うこと。

(4) 街頭補導活動への協力

補導員は、職員が行う街頭補導活動に協力すること。

(5) 有害環境等の浄化活動への協力

補導員は、少年の健全な育成に有害な影響を及ぼす環境について常に関心を持ち、次のアからウまでに該当するものを知った場合には、速やかに職員に連絡すること。

ア 少年に有害な影響を与えると認められるバー、キャバレーなどの風俗営業、カラオケ店などの遊技業営業等

イ 少年に有害な影響を与えると認められる興行、図書類、広告物、玩具類等

ウ 少年を虐待し、酷使し、その他少年の福祉を害している者

(6) 地域活動等への協力

補導員は、警察又は防犯団体等が主催する少年非行防止活動及び少年の社会参加活動に積極的に協力すること。

(7) 受傷事故の防止

補導員は、非行少年等の補導を行うに当たっては、次のアからカまでの事項に配意すること。

ア 他の人からの協力を得やすい場所を選ぶこと。

イ 相手との距離を考慮するとともに、相手が二人以上の場合は、相手を相互に引き離して行うこと。

ウ 常に相手の挙動に注意を払うこと。

エ 傾斜地、川岸、崖の上、プラットホームその他危害を受けるおそれのある場所においては、危害を防止するために有利な位置を選ぶこと。

オ 車両に乗っている者に対するときは、不用意にステップに足を掛けたり、車内に体を入れたりすることのないようにすること。

カ 夜間においては、できるだけ暗がりを避け、相手の挙動を十分に確認できる場所を選ぶこと。

第8 心構え

補導員は、次の(1)から(7)までに掲げる心構えをもって、活動に当たること。

(1) 関係者の権利及び自由を侵害することのないように留意すること。

(2) 少年の人格を尊重し、かつ、少年の非行防止と健全な育成を期する精神をもって、その活動を行うこと。

(3) 少年の心理その他の特性に深い理解をもって当たること。

(4) 少年、保護者、教員等の関係者から信頼を得られるように努めること。

(5) 常に、学校、職場等の関係者その他の監督者との連携と協調を図り、その協力が得られるように努めること。

(6) 活動を通じて知り得た秘密の保持に努め、関係者に不安を抱かせないようにすること。

(7) 補導員は、民間協力者として委嘱されるものであり、特別の権限が付与されるものではないことから、行き過ぎ等の批判を受けることがないように留意すること。

第9 補導員証及び記章

1 補導員には、少年補導員証(様式第7号)及び少年補導員記章(様式第8号)を交付する。

2 補導員は、この要領による活動に従事するときは、少年補導員証を携帯するとともに少年補導員記章を着装するものとし、少年又は関係者からの要求があるときは、少年補導員証を提示すること。

3 補導員は、第5の退任等により補導員でなくなった場合には、少年補導員証及び少年補導員記章を本部長に返納するものとする。

なお、補導員本人が返納できない場合には、その親族等が返納するものとする。

4 署長は、補導員が少年補導員証及び少年補導員記章を紛失し又は破損したときは、紛失等届出書(様式第9号)により速やかに届出させるものとする。

第10 研修等

本部長及び署長は、補導員の活動が適正に行われるよう研修会及び講習会を開催するなど、補導員の活動に必要な知識の習得及び補導技術の向上を図るものとする。

第11 報償等

本部長は、この要領に掲げる活動に対し、報償費等を支給することができる。

第12 災害補償

補導員の活動に当たって、災害が発生した場合における補償は、県議会の議員その他の非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例(昭和42年福島県条例第45号)の定めるところにより取り扱うものとする。

第13 地区少年警察ボランティア団体の設置

補導員の知識・技能の向上を図るとともに、管轄区域内における非行対策の効果的実施について連絡協議するため、次の(1)及び(2)により、各地区に少年警察ボランティア団体(以下「地区少年警察ボランティア団体」という。)を置くものとする。

(1) 地区少年警察ボランティア団体は、当該地区の補導員によって構成する。

(2) 地区少年警察ボランティア団体の運営は、会則で定めるものとする。

第14 運用上の留意事項

補導員は、第3から第13までの要領によるほか、下記の1から5までの事項について特に留意の上、運用すること。

1 適任者の委嘱

補導員の委嘱に当たっては、補導に関する熱意が不十分である、名誉職を数多く兼務しているため実践活動が消極的である、あるいは必要以上に干渉する者が選出されることがないよう留意し、真に地域の住民から信頼され、尊敬される者を委嘱するよう慎重を期すこと。

2 教養等の実施

補導員を委嘱した場合には、署単位等で参集を求め、少年非行の傾向、関係法令の基本的知識、第8の少年補導の基本的心構え等について教養を行い、加えて、随時研修会を開催し、必要な教養を実施すること。

3 活動における適切な人選

少年警察活動を行うに当たり、補導員に協力を依頼する際には、当該補導員の職業、年齢、性別、能力、経験、居住地等を十分考慮し、業務内容に最も適した者を選定すること。

特に、少年相談、継続補導及び被害少年に対する継続的支援については、個々の少年の特性に応じた方法により継続的に行うことが必要な活動であり、少年の特性についての深い知識と少年の取扱いについての技術を必要とする活動であることから、当該補導員の性別、年齢、能力等を考慮の上、慎重に人選を行うとともに、その活動についても社会奉仕体験活動等、補助的な活動に限定し、警察との連携による適切な役割分担の下に行うこと。

4 保秘の徹底

補導員が活動中に知り得た秘密を漏らすことがないよう徹底すること。

なお、社会奉仕体験活動等を協働して実施するに当たっては、少年及び保護者に係る個人情報について、保護者の同意を得てから補導員に伝えること。

ただし、個人情報が特定少年(少年警察活動規則(平成14年国家公安委員会規則第20号)第2条第2号に規定する特定少年をいう。)に係るものの場合は、本人の同意を得てから伝えるものとする。また、伝える情報も支援に必要な範囲にとどめるなど、その取扱いには慎重を期すこと。

5 受傷事故等の防止

補導員の活動に当たっては、受傷事故防止その他被害の防止について十分指導すること。

様式第1号(第3関係)

 略

様式第2号(第3関係)

 略

様式第3号(第5関係)

 略

様式第4号(第5関係)

 略

様式第5号(第5関係)

 略

様式第6号(第5関係)

 略

様式第7号(第9関係)

 略

様式第8号(第9関係)

 略

様式第9号(第9関係)

 略

福島県警察少年補導員運用要領の制定について(通達)

令和4年5月27日 達(少対)第289号

(令和4年6月1日施行)