○自然公園法施行令の一部を改正する政令等の施行に伴う交通警察の対応について(依命通達)
令和4年5月11日
達(交規)第6号
[原議保存期間 5年(令和10年3月31日まで)]
[有効期間 令和10年3月31日まで]
みだしのことについて、次のとおり定め、令和4年5月11日から施行することとしたので、誤りのないよう対応されたい。
記
1 趣旨
自然公園法の一部を改正する法律(令和3年法律第29号。以下「改正法」という。)が令和3年5月6日に、自然公園法施行令の一部を改正する政令(令和3年政令第258号。以下「改正令」という。)が同年9月17日に、自然公園法施行規則の一部を改正する省令(令和4年環境省令第5号。以下「改正省令」という。)が本年3月14日に、それぞれ公布され、いずれも本年4月1日に施行されたことから、改正法による改正後の自然公園法(昭和32年法律第161号。以下「法」という。)、改正令による改正後の自然公園法施行令(昭和32年政令第298号。以下「令」という。)、改正省令による改正後の自然公園法施行規則(昭和32年厚生省令第41号。以下「規則」という。)等のうち交通警察に関係する部分、対応上の留意事項等を示すものである。
2 改正の概要
(1) 改正令
法第2条第2号に規定する国立公園及び同条第3号に規定する国定公園(以下「国立公園等」という。)における利用形態の多様化等に伴い、自転車の走行による登山道やその周辺の荒廃等が問題となっている。
この点、法第20条第1項に規定する特別地域内については、同条第3項第17号の規定に基づき、
○ 道路、広場、田、畑、牧場及び宅地以外の地域のうち環境大臣が指定する区域内において車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること
が、法第21条第1項に規定する特別保護地区内については、同条第3項第10号の規定に基づき、
○ 道路及び広場以外の地域内において車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること
が、それぞれ環境大臣又は都道府県知事(以下「環境大臣等」という。)による許可が必要な行為として規定されている。
しかしながら、法において「道路」とは、その根拠となる法令や、法第2条第5号に規定する公園計画上の位置付けを問わず、人工的に自然を改変した場所であれば該当することとされていることから、主として歩行者が通行する登山道等であっても道路に該当し、前記の車馬等の使用規制の適用が除外され得ることとなる。
そこで、法第20条第3項第18号及び法第21条第3項第11号の政令で定める行為として、令第3条及び第4条において、
○ 特別地域又は特別保護地区内の環境大臣が指定する道路(主として歩行者の通行の用に供するものであって、舗装がされていないものに限る。)において車馬を使用する行為
が、環境大臣等による許可が必要な行為として新たに規定された。
また、法第20条第4項及び法第21条第4項の規定に基づき、当該許可に係る基準が規則第11条第30項に規定された。
(2) 改正省令
従前より、特別地域内において環境大臣等による許可を要しない行為として、法第20条第9項第5号の規定に基づき、規則第12条第29号の30において、
○ 国又は地方公共団体が法令に基づきその任務とされている遭難者を救助するための業務(当該業務及び非常災害に対処するための業務に係る訓練を含む。)、犯罪の予防又は捜査その他の公共の秩序を維持するための業務、交通の安全を確保するための業務、水路業務その他これらに類する業務を行うために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること
が規定されていた一方で、特別保護地区内において環境大臣等による許可を要しない行為として、法第21条第8項第5号の規定に基づき、改正省令による改正前の自然公園法施行規則第13条第27号において、
○ 国又は地方公共団体が法令に基づきその任務とされている遭難者を救助するための業務(当該業務及び非常災害に対処するための業務に係る訓練を含む。)、犯罪の防止又は捜査その他の公共の秩序を維持するための業務、交通の安全を確保するための業務、水路業務その他これらに類する業務を行うために動力船を使用し、又は航空機を着陸させること
が規定されており、特別地域内と特別保護地区内とで、車馬の使用に関する取扱いが異なっていた。
この点、今般の改正により、改正省令による改正前の自然公園法施行規則第13条第27号を第28号とした上で、規則第13条第27号において、
○ 国又は地方公共団体が法令に基づきその任務とされている遭難者を救助するための業務、犯罪の予防若しくは捜査その他の公共の秩序を維持するための業務又は交通の安全を確保するための業務を行うために車馬を使用すること
が新たに規定され、特別保護地区内においても、一定の業務を行うために車馬を使用する行為については、環境大臣等による許可を要しないこととされた。
3 車馬使用規制道路の運用
(1) 車馬使用規制道路の指定に係る協議等
運用上、環境大臣による車馬の使用を規制する道路(以下「車馬使用規制道路」という。)の指定は、公園計画上に位置付けるとともに、官報に公示して行うこととされた。
この点、車馬使用規制道路に係る内容を含む公園計画が決定し、又は変更される際には、担当の地方環境事務所、都道府県知事部局等から都道府県公安委員会に対し、事前に協議を行うこととされたほか、官報への公示後に通知を行うこととされた。
(2) 環境大臣による指定の対象とはならない道路
運用上、農業を営むために現在車馬を使用することが相当程度行われている道路及び道路法(昭和27年法律第180号)第2条第1項に規定する道路(以下「道路法上の道路」という。)については、環境大臣による車馬使用規制道路の指定の対象とはならないこととされた。
この点、道路法上の道路において車馬の使用を規制する必要性がある場合には、担当の地方環境事務所、都道府県知事部局等は、道路管理者及び都道府県公安委員会等と調整の上、
○ 道路交通法(昭和35年法律第105号)第8条第1項の規定に基づく歩行者用道路等の交通規制の実施を依頼する
○ 道路法第48条の13第3項に規定する歩行者専用道路の指定を依頼する
○ 道路法上の道路について路線を廃止するよう依頼した上で、車馬使用規制道路に指定する
といった対応を行うこととされた。
4 対応上の留意事項
(1) 協議受理時の進達
国立公園等を管轄する署において、地方環境事務所、県知事部局等から前記3(1)の車馬使用規制道路の指定に係る協議を受理した際は、交通管理上必要な意見を付した上で、交通規制課へ進達すること。
当該進達を受けた交通規制課では、主として歩行者が通行する登山道等であっても、道路法上の道路又は道路交通法第2条第1項第1号に規定する「一般交通の用に供するその他の場所」に該当し得ることを踏まえ、対象の道路及びその周辺の道路交通環境、交通規制実施状況等を勘案し、当該地方環境事務所、県知事部局等に交通管理上必要な意見を申し入れること。
(2) 交通規制の検討
国立公園等を管轄する署において、前記3(2)の交通規制の実施の依頼を受けた際には、対象の道路及びその周辺の道路交通環境、交通規制実施状況等を勘案の上、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、又は交通公害その他の道路の交通に起因する障害を防止するため必要があると認めるときは、交通規制課と調整した上で適切な交通規制の実施を検討すること。
5 添付資料
(1) 自然公園法の一部を改正する法律の施行について(令和4年4月1日付け環自国発第2204011号。別添1)
(2) 自然公園法の一部を改正する法律(令和3年法律第29号)の官報の写し及び新旧対照条文(別添2)
(3) 自然公園法施行令の一部を改正する政令(令和3年政令第258号)の官報の写し及び新旧対照条文(別添3)
(4) 自然公園法施行規則の一部を改正する省令(令和4年環境省令第5号)の官報の写し(別添4)
別添1
環自国発第2204011号
令和4年4月1日
各都道府県知事・各地方環境事務所長
釧路・信越・沖縄奄美自然環境事務所長宛て
自然環境局長
(公印省略)
自然公園法の一部を改正する法律の施行について
自然公園法の一部を改正する法律(令和3年法律第29号。以下「改正法」という。)については、令和3年5月6日付けで公布され、自然公園法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(令和3年政令第257号)によって、令和4年4月1日から施行されることとなった。
また、自然公園法施行令の一部を改正する政令(令和3年政令第258号。以下「改正令」という。)は令和3年9月17日付けで、自然公園法施行規則の一部を改正する省令(令和4年環境省令第5号。以下「改正省令」という。)は令和4年3月14日付けで公布され、それぞれ令和4年4月1日から施行されることとなった。
これらの内容等は次のとおりであるので、了知の上、その適切な施行に努められたい。
記
第1 改正の趣旨
少子高齢化・人口減少社会の中で、観光は地方創生の切り札とされており、国立公園及び国定公園(以下「国立公園等」という。)は、その地域の重要な観光資源・地域資源である。今回改正は、訪日外国人旅行客の増加や旅行形態の変化等を踏まえ、国立公園等の地域資源としての価値を向上させ、それを持続的に活用していくことが求められていることを受けて行われたものである。
このため、(1)集団施設地区等の利用拠点(以下「利用拠点」という。)における施設の廃屋化等の課題を踏まえ、利用拠点の質の向上を目的とした地域関係者による一体的な整備改善を促すため、協議会の設置及び利用拠点整備改善計画制度の創設、(2)国立公園等の魅力向上のためには適正なガイドツアー等の開発や提供が重要であることを踏まえ、質の高い自然体験活動の促進を目的とした地域関係者による一体的な事業実施を促すため、協議会の設置及び自然体験活動促進計画制度の創設、(3)公園事業の適切かつ円滑な実施のため、公園事業の譲渡による公園事業者の地位の承継に関する規定を整備するとともに、国立公園事業の決定等に関する審議会への意見聴取事項の見直し、(4)野生動物への餌付け等による国立公園等の利用上の支障に対応するため、利用のための規制の強化、(5)公園管理団体の指定要件の緩和のため、公園管理団体の行う業務の見直し、(6)関係者の連携協力に係る規定及び情報発信に係る規定の追加、(7)違法行為に厳しく対処するため、特別地域の行為規制等に違反した場合の罰則の引上げ等を行うこととした。
なお、以下において、改正前の自然公園法を「旧法」と、改正前の自然公園法施行令を「旧施行令」と、改正前の自然公園法施行規則を「旧施行規則」という。
また、改正後の自然公園法を「新法」と、改正後の自然公園法施行令を「新施行令」と、改正後の自然公園法施行規則を「新施行規則」という。
第2 自然公園法(昭和32年法律第161号)の改正内容
1 関係者の連携協力に係る規定の追加(新法第3条関係)
今回改正は、国立公園等について、公園事業施設の整備改善等による利用拠点の質の向上や質の高い自然体験活動の促進のための地方公共団体や事業者等からなる協議会の設置及び計画の認定に係る制度の創設等を行うこととしていることから、これに合わせて、関係者間の連携を新たに規定した。
2 公園計画の記載事項の追加(新法第7条関係)
公園計画は、公園の適正な運営を行うための基本的な指針であることから、自然体験活動促進計画は公園計画に基づき作成される必要がある。このため、環境大臣が、各国立公園等が有する自然資源の特性や利用実態等を踏まえ、公園計画に質の高い自然体験活動の促進に関する基本的な事項を定めることができることとした。加えて、この任意記載事項を新たに規定することを踏まえ、公園計画における必須記載事項についても、明らかにした。なお、これにより従来の公園計画の内容や構成を変えるものではない。また、利用拠点整備改善計画については、集団施設地区その他の公園の利用拠点における、公園事業に係る施設の整備改善を中心とした計画であることから、公園計画における集団施設地区や公園事業施設の整備方針等に基づき作成される必要がある。
なお、新たな記載事項である質の高い自然体験活動の促進に関する基本的な事項の公園計画における位置づけや記載すべき内容については「国立公園に係る公園計画の作成等について」(令和4年4月1日付け環自国発第2204015号自然環境局長通知)の別紙1「国立公園の公園計画作成要領」等の公園計画に係る関係通知を参照されたい。
3 協議会による公園計画の変更の提案及び公園事業の決定等の提案(新法第8条の2及び第9条の2関係)
今回改正は、利用拠点の質の向上や質の高い自然体験活動の促進に地域の関係者の積極的・主体的な関与を促し、利用拠点の整備改善又は質の高い自然体験活動を促進しようとするものであり、公園計画(利用拠点整備改善計画については、これに加えて、公園事業の決定)に照らして適切なものでなければ利用拠点整備改善計画及び自然体験活動促進計画が認定されないことを踏まえ、公園計画の変更及び公園事業の決定等について、協議会が提案できることとした。また、新施行規則第1条及び第1条の2において、当該提案に係る書面の記載事項について定めるとともに、環境大臣又は都道府県知事は、当該提案に関して必要な書類の提出を求めることができることとした。当該提案に係る具体的な事務については「国立公園の公園計画等の見直し要領」(令和4年4月1日付け環自国発第2204016号自然環境局長通知)及び「国立公園事業の決定等取扱要領」(令和4年4月1日付け環自国発第22040110号自然環境局長通知)についても参照されたい。
4 国立公園事業に係る審議会への意見聴取事項の見直し(新法第9条関係)
国立公園の指定から相当の年数が経過し、既に一定数の国立公園事業が決定されてきている国立公園においては、既に国立公園事業として決定されている道路等を分割・統合して新たな国立公園事業として位置付け直す場合等、新たな開発を伴わないため審議会の意見を聴く実質的な意義に乏しいことがある。このように、国立公園事業の決定等については、審議会の意見を反映すべき事項とそうではない事項が混在している。これを踏まえ、事務の円滑化のため、国立公園事業の決定等のうち、審議会が軽微な事項と認めるものについては、審議会の意見を聴くことを要しないこととした。具体的な内容については令和4年2月7日に開催された中央環境審議会自然環境部会自然公園等小委員会において審議され、「審議会の意見を聴くことを要しない軽微な国立公園事業の決定等について(令和4年4月1日中央環境審議会自然環境部会自然公園等小委員会決定)」としてとりまとめられたので、「国立公園事業の決定等取扱要領」と併せて参照されたい。
5 公園事業の承継に係る規定の追加(新法第12条関係)
特に宿舎に関する公園事業は、経営の悪化等により他の者に経営の権利が譲渡される場合があり、また、ホテル・旅館業界では、専門分野への特化による効率化等のため所有・経営・運営の分離が進んでおり、施設の建設等の実施者と事業の実施者が異なるなど公園事業の実施者を段階に応じて変更することも特に大手不動産会社を中心に一般的になっている。このように、公園事業の経営状況の悪化や事業実施形態の変化等による実質的な事業の譲渡しは現在一般的に行われている。また、前の事業者が一度公園事業を廃止し次の事業者が改めて新規の認可を受けた場合、前の事業者が整備した公園事業施設について、次の事業者に原状回復等を命ずることはできないと解される。これらを踏まえ、円滑な公園事業の実施を図るため、国立公園事業者が国及び公共団体以外の者にその国立公園事業の全部を譲渡する場合において、譲渡人及び譲受人があらかじめその譲渡及び譲受けについて、環境大臣の承認を受けたときは、譲受人は、譲渡人に係る国立公園事業者の地位を承継することとした。なお、国定公園事業に係る承継については、新法第16条第4項に準用規定を設けている。また、新施行規則第6条第1項及び第2項において、申請書の記載事項及び添付書類を定めた。
6 利用拠点の質の向上のための協議会の設置及び利用拠点整備改善計画制度の創設(新法第16条の2から第17条まで、第20条から第23条まで、第33条関係)
(1) 利用拠点整備改善計画制度の意義
近年、国立公園等の利用形態の変化等に伴い、集団施設地区等の利用拠点においては、利用者のニーズに合わなくなった事業の廃止やそれによる施設の廃屋化等が生じている。また、異なる時期に個別の許認可手続を経て新築等がされた施設については、個々の施設としては風致等の保護のための規制等に対応した状態ではあるものの、利用拠点の利用動線や施設配置、街並み景観等について改善できる点がある。
このように、公園事業施設を中核とする利用拠点は、国立公園等の利用者の多くが訪れる場所であり、利用形態に対応した利用拠点の質の向上(廃屋の撤去と跡地の活用等による宿泊・休憩機能等の公園利用に係る機能の強化、地区内の施設配置の見直しによる利用動線の改善や建物の景観デザインの統一等による国立公園等の特色・魅力に応じた快適な利用空間の創造等)は、利用拠点の効果的で、かつ満足度の高い利用につながる。
また、利用拠点は公園事業施設等の集積した区域であり、施設の整備改善を個々に進めるのではなく、一体的に整備改善に係る計画を作成し当該計画に沿って統一的に調和をもってその整備改善を実施することにより、利用動線の改善や機能の強化、街並み景観の改善等が図られる。そのためには、地方自治体や公園事業者等の多様な関係者の積極的・主体的な取組を促し、それぞれの役割や事業内容を調整する場を設けるとともに、調整の結果に基づき共通の認識・方針の下で事業を実施できるようにする必要がある。
このようなことから、国立公園等の利用拠点の質の向上のための整備改善を目的とした利用拠点整備改善計画制度を創設することとしたものである。
概要については(2)のとおりであるが、具体的な運用の考え方については「国立公園における利用拠点整備改善計画取扱要領」(令和4年4月1日付け環自国発第2204012号自然環境局長通知)を参照されたい。
(2) 利用拠点整備改善事業の実施に当たっての手続
① 協議会の組織
地域の多様な関係者の積極的・主体的な取組を促すため、市町村が、公園事業の執行者又は執行予定者、利用拠点整備改善事業の実施に必要な施設や土地の所有者等、その他必要な者による協議会を組織できることとしている。また、都道府県は、国立公園等内の利用拠点を対象として、当該都道府県の区域内の市町村と共同して協議会を組織できることとしている。
また、公園事業の執行者又は執行予定者は、市町村又は都道府県に対して、協議会を組織するよう要請することができることとしている。
② 協議会の運営
市町村又は都道府県が協議会を組織したときは、インターネットの利用等の方法で、その旨を公表するものとしている(公表事項及びその方法については新施行規則第9条の2に定めた。)。また、公園事業の執行者又は執行予定者、施設や土地の所有者等は、市町村又は都道府県に対し、自己を協議会の構成員として加えるよう申し出ることができることとしている。
協議会の構成員は、協議会において協議が調った事項については、その協議の結果を尊重しなければならない。協議会の運営に関して必要な事項は、協議会が定めるものとしているため、協議会の開催方式、回数、合意形成の方法等については、各協議会が定めることとなる。
③ 利用拠点整備改善計画の作成
公園事業に係る施設の整備改善を中心とした利用拠点の質の向上のための利用拠点整備改善計画は、協議会が作成することとしている。計画の記載事項は次のとおりである(新法第16条の3第2項及び新施行規則第9条の4)。
ア 利用拠点整備改善計画の名称
イ 利用拠点整備改善計画を作成した協議会の名称及び構成員の氏名又は名称
ウ 計画期間
エ 利用拠点整備改善計画の区域
オ 利用拠点の現状と課題
カ 計画区域における利用拠点の質の向上のための整備改善に関する基本的な方針
キ 利用拠点整備改善計画の目標
ク 利用拠点整備改善事業の内容、実施主体及び実施時期
ケ 事務の実施体制
コ その他
利用拠点整備改善計画においては、公園事業施設等の外観や色彩についても盛り込まれることが想定されるところ、旧法においても景観法(平成16年法律第110号)に基づく景観計画が定められた区域内における、自然公園法上の特例がある一方、新法第20条第3項等の許可が不要となる場合(同条第9項第1号に掲げる公園事業の執行として行う行為等)については、景観法第16条第1項に基づく届出が必要となる。そのため、円滑な利用拠点整備改善計画の実施のために、利用拠点整備改善計画は、当該地域が景観法に基づく景観計画の区域に含まれる場合には、当該区域における景観計画と適合するものでなければならないこととしている。
④ 利用拠点整備改善計画の認定
協議会が利用拠点整備改善計画を作成したときは、協議会の構成員である市町村又は都道府県及び利用拠点整備改善事業を実施しようとする者は、共同で、環境大臣(国定公園の場合は都道府県知事)の認定を申請することができることとしている。当該申請に係る様式及び添付書類については新施行規則第9条の3に定めた(国定公園の場合は第9条の8)。なお、協議会の構成員のうち、利用拠点整備改善事業を実施しない者(有識者等を想定)については、共同申請者となる必要はない。
環境大臣又は都道府県知事は、次の認定要件のいずれにも適合するものであると認めるときは、利用拠点整備改善計画を認定するものとする。
ア 公園計画に照らして適切なものであること
イ 利用拠点の質の向上に寄与すると認められること
ウ 公園の保護に支障を及ぼすおそれがないこと
エ 円滑かつ確実に実施されると見込まれること
また、環境大臣又は都道府県知事は、必要に応じて、認定に条件を付し、またこれを変更することができることとしている。
なお、環境大臣又は都道府県知事は、計画認定した際にはその概要を公表しなければならないこととしている。公表事項及びその方法については新施行規則第9条の5及び第9条の7において定めた。
認定を受けた利用拠点整備改善計画を変更しようとするときは、環境大臣又は都道府県知事の認定を受ける必要がある。ただし、新施行規則第9条の6で定める軽微な事項に係る変更にあっては届出で足りる。
⑤ 利用拠点整備改善事業の実施
利用拠点整備改善事業が円滑に実施できるようにするため、利用拠点整備改善計画について環境大臣又は都道府県知事の認定を受けたときは、公園事業の認可等を受けたものとみなすとともに、特別地域の許可等を受けることが不要となる特例措置を設けた。特例措置については、利用拠点整備改善計画において、事業の内容、実施主体及び実施時期が明らかにされている場合にのみ、適用される。なお、関係法令の許認可等の手続についても、遺漏なく対応される必要がある。
また、利用拠点整備改善事業の適正な実施を確保するため、認定を受けた利用拠点整備改善計画の変更、認定の取消し、報告徴収及び立入検査が規定されている。
⑥ 国定公園における協議会等に係る準用規定
新法第16条の7において、国定公園における協議会及び利用拠点整備改善計画についての準用規定を設けている。利用拠点整備改善計画の認定主体が都道府県知事となるため、協議会を組織する主体は市町村のみとなっている。また、新法第20条第5項、第21条第5項及び第22条第5項に基づき、都道府県知事は、許可に係る行為が当該国定公園の風致又は景観に及ぼす影響その他の事情を考慮して環境省令で定める行為(国定公園に大きな影響を及ぼし得る大規模な行為又は国際条約に基づき国がその保全に責務に責任を負う国際的な登録地に係る行為)に該当するときは、環境大臣に協議しなければならないこととされている。これを踏まえ、国定公園に関する利用拠点整備改善計画において新法第20条第5項等に規定する環境省令で定める行為が含まれる場合には、国定公園の保護上の観点から、あらかじめ、環境大臣に協議しなければならないこととしている。
7 利用に関する規制における対象行為の追加について(新法第37条、新施行令第6条関係)
野生動物への餌付けや接近行為等については、これにより野生動物が人の利用する空間に容易に出没することにつながり、その結果として国立公園等の利用自体が困難となることにより利用に支障を及ぼすこととなる。具体的な公園利用上の支障としては、人に対する警戒心が低下することによって、野生動物による人や所有物への被害が生じることや、それらの被害防止のために公園利用施設が閉鎖されること等を想定している。このため、野生動物に餌を与えること及び野生動物に著しく接近し、又はつきまとうことであって国立公園等の利用に支障を生ずるおそれのある行為を規制対象とすることとした。
野生動物に餌を与えること等については、行為そのものが公園利用に直接的に支障を及ぼすことは一見して明らかとは言い難いことから、旧法第37条第1項第2号の行為と同様、国又は都道府県の当該職員の指示の対象としている。また、個人の庭先の小鳥の給餌台等、公園利用に支障を生ずるおそれのない行為は規制の対象外となるほか、鳥獣の個体数調整に必要な餌付けや国内希少野生動植物種の保護増殖事業による給餌等については、正当な理由がある行為であり「みだりに」行っているとは判断されないことから、規制の対象外となる。具体的な運用の考え方については「国立公園における利用のための規制取扱要領」(令和4年4月1日付け環自国発第2204014号自然環境局長通知)を参照されたい。
8 質の高い自然体験活動の促進のための協議会の設置及び自然体験活動促進計画制度の創設(新法第42条の2から第42条の7まで、第20条から第23条まで、第33条関係)
(1) 自然体験活動促進計画制度の意義
現状、国立公園等における自然体験活動の機会となるガイドツアー等の大部分が地域の事業者により開発・提供されているが、それらが共通の方針・考え方の下で実施されているものではない。そのため、各公園が有する自然資源の特性や各公園の利用者のニーズを踏まえた、望ましい自然体験活動の開発・提供がされているとは言い難く、また、特定の地域に利用者が集中するオーバーユースや知識が不十分なガイドによるガイドツアーの提供など、質の低下への懸念等の問題も生じている。
国立公園等の魅力を向上させていくためには、事業者によるガイドツアーの提供等を通じて、各公園が有する自然資源の特性等を踏まえた質の高い自然体験活動の機会を確保する必要がある。このために必要な事業としては、グランピングやカヌーなどのガイドツアーの開発や提供、登山道などのフィールド整備、地域の利用ルールの作成や周知、観光案内所やWebサイトなどによる利用者への情報提供、ガイド等の人材育成、自然環境や利用状況のモニタリング等の多様な内容が想定される。これらを担う関係者を確保するとともに、個々の国立公園等の魅力を有効に活用するための基本的な方針を調整・決定し、これに基づきそれぞれの役割を担い、協力することが必要である。加えて、地域内外のガイド事業者等との連携体制の構築により、地域の利用ルールの検討・遵守、利用者指導、自然環境や利用状況のモニタリング等が進められることで、利用の適正化や公園管理の質の向上にもつながることが期待される。
このようなことから、質の高い自然体験活動の促進を目的とした自然体験活動促進計画制度を創設することとしたものである。
概要については(2)のとおりであるが、具体的な運用の考え方については「国立公園における自然体験活動促進計画取扱要領」(令和4年4月1日付け環自国発第2204013号自然環境局長通知)を参照されたい。
(2) 自然体験活動促進事業の実施に当たっての手続
① 協議会の組織
地域の多様な関係者の積極的・主体的な取組を促すため、市町村が、自然体験活動促進事業を実施し、又は実施すると見込まれる者、自然体験活動促進事業の実施に必要な土地の所有者等、その他必要な者による協議会を組織できることとしている。また、都道府県は、当該都道府県の区域内の市町村と共同する場合には、協議会を組織できることとしている。
また、自然体験活動促進事業の実施者又は実施予定者は、市町村又は都道府県に対して、協議会を組織するよう要請することができることとしている。
② 協議会の運営
市町村又は都道府県が協議会を組織したときは、インターネットの利用等の方法で、その旨を公表するものとしている(公表事項及びその方法については新施行規則第15条の10に定めた。)。また、自然体験活動促進事業の実施者又は実施予定者、土地の所有者等は、市町村又は都道府県に対し、自己を協議会の構成員として加えるよう申し出ることができることとしている。
協議会の構成員は、協議会において協議が調った事項については、その協議の結果を尊重しなければならない。協議会の運営に関して必要な事項は、協議会が定めるものとしているため、協議会の開催方式、回数、合意形成の方法等については、各協議会が定めることとなる。
③ 自然体験活動促進計画の作成
質の高い自然体験活動の促進のための自然体験活動促進計画は、協議会が作成することとしている。計画の記載事項は次のとおりである(新法第42条の4第2項及び新施行規則第15条の12)。
ア 自然体験活動促進計画の名称
イ 自然体験活動促進計画を作成した協議会の名称及び構成員の氏名又は名称
ウ 計画期間
エ 自然体験活動促進計画の区域
オ 自然体験活動の促進に関する現状と課題
カ 計画区域における質の高い自然体験活動の促進に関する基本的な方針
キ 自然体験活動促進計画の目標
ク 自然体験活動促進事業の内容、実施主体及び実施時期
ケ 計画区域における適正な利用に係る啓発に関する事項
コ 自然体験活動促進計画に係る事務の実施体制
サ その他
④ 自然体験活動促進計画の認定
協議会が自然体験活動促進計画を作成したときは、協議会の構成員である市町村又は都道府県及び自然体験活動促進事業を実施しようとする者は、共同で、環境大臣(国定公園の場合は都道府県知事)の認定を申請することができることとしている。当該申請に係る様式及び添付書類については新施行規則第15条の11に定めた。なお、協議会の構成員のうち、自然体験活動促進事業を実施しない者(有識者等を想定)については、共同申請者となる必要はない。
環境大臣又は都道府県知事は、次の認定要件のいずれにも適合するものであると認めるときは、利用拠点整備改善計画を認定するものとする。
ア 公園計画に照らして適切なものであること
イ 質の高い自然体験活動の促進に寄与すると認められること
ウ 公園の保護に支障を及ぼすおそれがないこと
エ 円滑かつ確実に実施されると見込まれること
また、環境大臣又は都道府県知事は、必要に応じて、認定に条件を付し、またこれを変更することができることとしている。
なお、環境大臣又は都道府県知事は、計画認定した際にはその概要を公表しなければならないこととしている。公表事項及びその方法については新施行規則第15条の13において定めた。
認定を受けた自然体験活動促進計画を変更しようとするときは、環境大臣又は都道府県知事の認定を受ける必要がある。ただし、新施行規則第15条の14で定める軽微な事項に係る変更にあっては届出で足りる。
⑤ 自然体験活動促進事業の実施
自然体験活動促進事業が円滑に実施できるようにするため、自然体験活動促進計画について環境大臣又は都道府県知事の認定を受けたときは、特別地域の許可等を受けることが不要となる特例措置を設けた。利用調整地区への立入りについても特例措置が設けられているが、特例措置を要する事業が計画される場合には、当該利用調整地区における利用適正化計画との整合を図ることに留意すること。
特例措置については、自然体験活動促進計画において、事業の内容、実施主体及び実施時期が明らかにされている場合にのみ適用される。なお、関係法令の許認可等の手続についても、遺漏なく対応される必要がある。
また、自然体験活動促進事業の適正な実施を確保するため、認定を受けた自然体験活動促進計画の変更、認定の取消し、報告徴収及び立入検査が規定されている。
⑥ 自然体験プログラムの提供における送迎
自然体験プログラム提供者による自家用自動車を用いた自然体験活動実施場所へのプログラム参加者の送迎について、「道路運送法における許可又は登録を要しない運送の態様について」(国自旅第338号平成30年3月30日付け国土交通省自動車局旅客課長通達)の「1.道路運送法上の許可又は登録を要しない運送の態様についての考え方」に示された考え方に従って実施する場合には、道路運送法に基づく許可又は登録を要しない(「宿泊施設及びエコツアー等の事業者が宿泊者及びツアー参加者を対象に行う送迎のための輸送について」(国自旅第239号平成23年3月31日付け国土交通省自動車交通局長通達)の「3.エコツアー等の事業者がそのツアー参加者を対象に行う送迎のための輸送について」についても併せて参考にされたい。)。
ただし、当該運送の形態によっては道路運送法違反となる可能性があることから、自然体験活動促進計画の作成に先立ち、管轄運輸支局等に事前相談することが望ましい。
○運輸支局等相談窓口
https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001404886.pdf
9 公園管理団体の行う業務の見直し(新法第50条関係)
公園管理団体が行うこととされている業務にはその重要性に軽重があることから、当該業務のうち特に重要な業務を行うことができるのであれば、公園管理団体として指定し、国立公園等の管理を実施してもらうことが、地域に密着した公園管理の観点からは望ましい。このため、公園管理団体について、特に重要な業務を適正かつ確実に行うことができると認められる場合には、指定することができるよう規定を整備することとした。
具体的には、公園管理団体として指定する法人が行う業務に係る規定を改め、自然の風景地の保護に資する活動(新法第50条第1号)及び国立公園等の施設の補修その他の維持管理(同条第2号)の二つの業務についてはこれらを実施する能力を有することを必須の要件とし、その他の業務については任意で実施する業務として、これらを実施する能力を必須要件としないこととしている。
また、新施行規則第15条の18において、いわゆる営利企業等に該当する会社及び森林組合法(昭和53年法律第36号)に規定する森林組合を追加するとともに、新法の規定を踏まえて新施行規則第15条の19に定める指定基準について見直しを行った。
10 情報発信に係る規定の追加(新法第66条の2関係)
今回改正は、国立公園等について、公園事業施設の整備改善等による利用拠点の質の向上や質の高い自然体験活動の促進のための地方公共団体や事業者等からなる協議会の設置及び計画の認定に係る制度の創設等を行うこととしており、これらは国内外からの利用者数増加や満足度の向上も意図したものであることから、これに合わせて、利用の増進のための情報の提供等を新たに規定した。
11 特別地域等における違反行為に対する罰則の引上げ(新法第82条関係)
違法な工作物の設置や木竹の伐採・損傷、動物の捕獲等については、国立公園等の根幹である自然環境に不可逆的な悪影響を与えるものであり、大規模な違法行為が行われた場合、国立公園等の風致等の維持に重大な影響が生じ、国立公園等の管理上、また当該国立公園等の根幹に関わる、大きな問題となる。この点、法の行為規制の効果が十分に発揮されていない状況では、法目的である優れた自然の風景地の保護とその利用を達成することはできないことから、厳しい処罰をもって対応することにより、規制の実効性を確保する必要がある。
このため、自然環境の保護に関する他の法制度において中核となる、類似の行為規制違反の例も参考にしつつ、量刑を引き上げることにより、特別地域、特別保護地区及び海域公園地区(以下「特別地域等」という。)における規制の実効性を確保することとした。具体的には新法第20条第3項、第21条第3項又は第22条第3項の規定に違反した場合の罰則について、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」となっている量刑について、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に引き上げた。
第3 自然公園法施行令(昭和32年政令第298号)の改正内容
1 公園事業となる施設の種類の追加(新施行令第1条関係)
近年は電気自動車をはじめとするガソリン等以外を動力源とする乗用車等の普及が進んでおり、国立公園等においても公園利用に供される乗用車等への電力供給のための充電スタンド等、ガソリン等以外の動力源を供給するための施設を整備する必要性が生じている。また、技術の進捗に従い、今後も公園利用者の運送の用に供される乗用車等の新たな動力源の普及も見込まれるところである。このため、公園事業となる施設の種類に、燃料電池自動車に水素を供給するための施設や電気自動車に電気を供給するための給電施設に類する施設を追加することとした。
2 特別地域及び特別保護地区における許可を要する行為の追加(新施行令第3条及び第4条関係)
国立公園等における利用形態の多様化等に伴い、自転車による登山道やその周辺の荒廃等が問題となっている。旧法第20条第3項第17号及び第21条第3項第10号においては、特別地域及び特別保護地区の道路、広場、田、畑、牧場及び宅地以外の地域への車馬、動力船又は航空機の乗り入れが規制されており、当該「車馬」には原動機付き自転車や自転車も含まれる。しかし、当該「道路」には、根拠法や公園計画上の位置付けを問わず人工的に自然を改変した場所であれば該当することから、主として歩行者が通行するような歩道であっても、人工的に自然を改変した場所であれば「道路」に該当することとなる。このため、旧法においては、風致・景観の維持のために必要な場合であっても、歩道は規制対象となる場所に含まれず、車馬の使用規制が行えない状況にあった。このため、登山道のような脆弱な未舗装の歩道において車馬を使用する行為について、許可を要する行為の対象とすることとした。当該行為の許可に係る基準については、旧法第20条第3項第17号の車馬使用規制等の基準も踏まえ、新施行規則第11条第30項に定めた。
車馬の使用を規制する登山道等の指定は、国立公園等の公園計画に位置付けるとともに、官報に公示して行うこととしている。
なお、農業を営むために現在車馬を使用することが相当程度行われている道路及び道路法(昭和27年法律第180号。)上の道路については、車馬の使用の規制の趣旨になじまないため、指定の対象とはならない。道路法上の道路において車馬の使用を規制する必要性がある場合には、道路管理者及び都道府県公安委員会等と調整の上、道路交通法(昭和35年法律第105号)に基づく歩行者用道路の交通規制の実施を依頼する、又は道路法上の道路の路線を廃止した上で自然公園法上の規制対象とする又は道路法上の歩行者専用道路として位置付けし直す対応を行う必要がある。
なお、旧施行令附則第3項(新施行令附則第2項)の国立公園の指定区域に係る旧法第20条第3項第17号に規定する「特別地域内における指定区域での車馬若しくは動力船の使用等」の許可に関する事務は、都道府県実施事務とされていること等から、特別地域の指定道路において車馬を使用する行為に係る許可に関する事務は、都道府県実施事務としている。
また、本改正を踏まえて、新施行規則第13条第27号の特別保護地区における許可を要しない行為として、「国又は地方公共団体が法令に基づきその任務とされている遭難者を救助するための業務、犯罪の予防若しくは捜査その他の公共の秩序を維持するための業務又は交通の安全を確保するための業務を行うために車馬を使用すること」を新たに追加した。当該規制に係る道路の指定に係る考え方や協議先等については「国立公園に係る公園計画の作成等について」及び「国立公園の公園計画等の見直し要領」等の公園計画に係る関係通知を参照されたい。
3 都道府県知事を経由する協議の申出等に係る規定の削除(旧施行令原始附則第6項関係)
国立公園の指定区域においては、環境大臣に対して行う旧法第10条第2項の協議の申出、同条第3項の認可の申請、旧法第20条第3項の許可の申請、旧法第33条第1項の届出等については、指定区域が属する都道府県知事を経由しなければならないこととされていた。しかしながら、都道府県知事を経由したとしても、当該協議の申出等に係る手続は環境大臣が処理するものであるため、申請書等の書類の内容の確認等については、申請者等と地方環境事務所(釧路、信越、沖縄奄美自然環境事務所長を含む。以下同じ。)が直接連絡調整を図ることとなり、申請者等からすれば、地方環境事務所もある中で都道府県知事を経由することは利便性の低下にも繋がるなど実質的な意義に乏しい。また、都道府県においては、本件事務に係る事務負担も大きい状況にある。以上を踏まえ、申請者の利便性を確保するための事務の円滑化及び都道府県の事務の軽減を図るため、都道府県知事を経由する協議の申出等は廃止することとした。
なお、本件経由事務の規定を削除することにより、その申請等の内容によって書類の提出先が異なることとなるため、地方環境事務所又は都道府県の担当部局のいずれかに事前相談があった際、申請書等の提出先となる窓口に相談をするよう申請者等に促すとともに、事前の相談がなく申請書等が提出された場合には、適切な窓口に提出するよう申請者等に促すことにより、申請者等に不利益が生じないよう適切に連携の上、対応されたい。
第4 自然公園法施行規則(昭和32年厚生省令第41号)の改正内容
第2及び第3に掲げる内容の他、自然公園制度を取り巻く状況の変化等を踏まえ、以下に掲げる所要の改正を行った。
1 公園事業の執行の協議又は認可の申請に係る添付書類の変更等(新施行規則第2条第3項及び第4項関係)
①公共団体が執行する公園施設に関する公園事業について、工事の施行を要する場合の、積算の基礎を明らかとした工事費概算書の添付を要しないこととした。
②行為の規模が大きいため、適切に表示できないと認められる場合にあっては、当該施設の規模及び構造に応じて、適切と認められる縮尺の図面をもつて、これらの図面に替えることができることとした(新施行規則第2条第3項を引用する条項についても同様の取扱いとする。)。
③添付を必須とする平面図その他の図面の縮尺について、「2万5千分の1以上」を「2万5千分の1程度」等、一定の縮尺程度の図面でも可能とすることとした。
④構造図及び給排水計画図については、必須の添付書類としないこととし、これらの図面その他の必要な書類を個別に求めることができることとした。
※②、④については新法第20条第3項等の許可申請についての許可申請書を定めた新施行規則第10条においても同様の改正を行った。②に係る改正については新施行規則第10条を引用する関係規定についても同様の取扱いとする。
※国定公園においても同様の取扱いとする。
2 変更の協議又は認可を要しない公園事業の軽微変更事項の追加(新施行規則第3条関係)
新法第10条第6項ただし書に規定する環境省令で定める軽微な変更に、「管理又は経営の方法の変更」及び「公園施設の構造の変更」を追加した(ただし、管理又は経営の変更にあっては令第1条第3号に掲げる宿舎に関する事業であって、特定の者の優先的な使用を確保するものを除き、公園施設の構造の変更にあっては公園施設の規模、色彩又は形態の変更を伴わないものに限ることとした。)。
※国定公園においても同様の取扱いとする。
3 特別地域、特別保護地区及び海域公園地区内の行為の許可基準の変更等(新施行規則第11条関係)
①特別地域等において、「支障木の伐採が僅少であること」が許可基準として既に設けられている工作物の新築、改築又は増築(施行規則第11条第10項から第12項までの規定の適用を受ける工作物の新築、改築又は増築。)の許可基準として、「申請に係る場所が、新法第20条第3項又は第21条第3項の許可を受けて木竹の伐採が行われた後、5年を経過していない場所でないこと(ただし、木竹の伐採が僅少である場合を除く。)」を追加することとした(新施行規則第11条第10項)。
②特別地域等における工作物の新築、改築又は増築(施行規則第11条第1項から第12項までの規定の適用を受ける工作物の新築、改築又は増築以外の工作物の新築、改築又は増築に限る。)の許可基準として、照明装置を用いて特別地域等内の森林又は河川その他の自然物について照明を行うものについては以下に掲げる基準に適合することを追加することとした(新施行規則第11条第13項)。
色彩及び形態がその周辺の風致又は景観と著しく不調和でないこと。
期間及び時間が必要最小限であると認められるものであること。
当該照明を行う範囲が必要最小限と認められるものであること。
動光又は点滅を伴うものでないこと。
野生動植物の生息又は生育上その他の風致又は景観の維持上重大な支障を及ぼすおそれがないものであること。
特別保護地区内の森林又は河川その他の自然物について行うものでないこと。
③特別地域等における広告物その他これに類する物を掲出し、若しくは設置し、又は広告その他これに類するものを工作物等に表示することの許可基準のうち、光源を用いる広告物等の許可基準として、以下に掲げるものを追加することとした(新施行規則第11条第21項)。
照明の範囲が必要最小限であると認められるものであること。
期間及び時間が必要最小限であると認められること。
④特別保護地区内において木竹を損傷すること等の許可基準を学術研究その他公益上必要と認められるもの、地域住民の日常生活の維持のために必要と認められるもの、病虫害の防除、防災若しくは景観の維持その他森林若しくは野生動植物の保護管理のために行われるもの又は測量のために行われるものであって、かつ、申請に係る場所以外の場所においてはその目的を達成することができないと認められるものであることを追加することとした(新施行規則第11条第31項)。
4 特別地域内における許可又は届出を要しない行為の追加等(新施行規則第12条、第13条、第13条の3、第13条の5、第15条)
①特別地域内における許可又は届出を要しない行為として、以下に掲げるものを追加又は変更することとした(新施行規則第12条)。
【追加する事項】
1.既存の電線、電話線若しくは通信ケーブル(以下「電線等」という。)に付帯する工作物を新築、改築又は増築すること(既存の電線等の色彩と同等と認められるものに限る。)
2.環境大臣が指定する地域以外の地域において既存の建築物の屋根面に太陽光発電施設(当該施設の色彩及び形態が、国立公園等の風致の維持に支障を及ぼすおそれがないものとして、環境大臣が指定する色彩及び形態であるものに限る。)を設置すること。
3.国立公園にあっては環境省、国定公園にあっては都道府県が、公園の保護とその適正な利用の推進のために人の立入りを防止するための柵又は当該公園の利用者数を計測するための機器その他の仮設の工作物(高さが3メートル以下であり、かつ、その水平投影面積が3平方メートル以下であるものに限る。)を新築し、改築し、又は増築すること。
4.生業の維持のため、必要な範囲内で竹(高さが50センチメートル以内のものに限る。)を伐採すること。
5.施設又は設備の維持管理を行うため必要な範囲内で竹(高さが3メートル以内のものに限る。)を伐採すること。
6.電線路の維持に必要な範囲内で木竹を伐採すること。(施行規則第12条第15号の規定から、電線路の維持に係る規定は削除した。)
7.道路(主として歩行者の通行の用に供するものを除く。)、鉄道又は軌道の交通の障害となる木竹を伐採すること。
8.牧野その他の草原の維持のために必要な範囲内で竹又はかん木を伐採すること
9.新法第20条第3項第11号の環境大臣が指定する植物(以下「採取等規制植物」という。)の保護増殖のために必要な範囲内で竹又はかん木を伐採すること
10.牧野その他の草原の維持のために必要な範囲内で木竹を損傷すること。
11.採取等規制植物の保護増殖のために必要な範囲内で木竹を損傷すること。
12.農業を営むために必要な範囲内で採取等規制植物を損傷すること。
13.牧野その他の草原の維持のために必要な範囲内で採取等規制植物を損傷すること。
14.採取等規制植物の保護増殖のために必要な範囲内で当該採取等規制植物を損傷すること
15.国、地方公共団体又は特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成16年法律第78号)第2条第1項に規定する特定外来生物(以下「特定外来生物」という。)の防除を目的とする催し(国又は地方公共団体が実施するものであって、あらかじめ、その内容及び実施期間を記載した書面が、国立公園にあっては環境大臣、国定公園にあっては都道府県知事に提出されたものに限る。)に参加した者が、特定外来生物である植物(木竹を除く。)を採取し、又は損傷すること。
16.国、地方公共団体又は特定外来生物の防除を目的とする催し(国又は地方公共団体が実施するものであって、あらかじめ、その内容及び実施期間を記載した書面が、国立公園にあっては環境大臣、国定公園にあっては都道府県知事に提出されたものに限る。)に参加した者が、特定外来生物である動物を捕獲し、若しくは殺傷し、又は当該動物の卵を採取し、若しくは損傷すること。
17.公園管理団体が行う新法第50条第1項各号及び第2項各号に掲げる業務のために必要な行為であって、あらかじめ、その行為の内容及び実施期間を記載した書面が14日前までに国立公園にあっては環境大臣、国定公園にあっては都道府県知事に提出されたもの。
18.国立公園において絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成4年法律第75号)第10条第1項の規定による環境大臣の許可に係る行為として、新法第20条第3項各号に掲げるものを行うこと。
19.絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律第47条第1項に規定する認定保護増殖事業等(以下「認定保護増殖事業等」という。)の実施のために必要な行為として、新法第20条第3項各号に掲げるものを行うこと。
20.特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律第3章の規定による防除の実施のために必要な行為として、新法第20条第3項各号に掲げるものを行うこと。
21.鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号)第28条の2第1項から第5項までの規定による保全事業の実施のために必要な行為として、新法第20条第3項各号に掲げるものを行うこと。
22.鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第9条第1項の規定により、国立公園にあっては環境大臣の許可、国定公園にあっては都道府県知事の許可に係る行為として、新法第20条第3項各号に掲げるものを行うこと。
23.鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第14条の2第1項の規定による指定管理鳥獣捕獲等事業による指定管理鳥獣の捕獲に伴う行為として、新法第20条第3項各号に掲げるものを行うこと。
※その他、現行の施行規則第12条において既に規定されているものであって、上記に掲げる新規規定と重複するものについては、削除する等の規定の整理を行った。
【変更する事項(変更箇所は下線部)】
1.道路その他公衆の通行し、又は集合する場所から20メートル以上の距離にあって、かつ、その水平投影面積が千平方メートル以下である炭がま、炭焼小屋、伐木小屋、造林小屋、畜舎、納屋、肥料だめ等を新築し、改築し、又は増築すること(改築又は増築にあっては、改築又は増築後において、その水平投影面積が千平方メートル以下であるものに限る。)。
2.野生鳥獣の保護増殖のための巣箱、給じ台、給水台等を設置すること。
3.電波法(昭和25年法律第131号)第2条第4号に規定する無線設備を改築し、又は増築(新たに増築する無線設備の高さが、既存の無線設備の高さ又はそれが付帯する工作物の高さのうちいずれか高い方の位置を超えないものに限り、かつ、増築部分の最高部と最低部の高さの差が2メートル以下であるものに限る。)すること。
4.既存の電線等を改築すること又は既存の電線等に沿って電線等を新築若しくは増築すること(既存の電線等の色彩と同等と認められるものに限る。)。
5.変圧器その他の電柱に付帯する設備を改築又は増築すること(当該電柱の高さを超えないものに限る。)。
6.支持物から他の支持物を経ずに需要場所の引込口に至る電線、電話線及び通信ケーブル並びに引込みに要する設備を設置すること。
7.野生鳥獣による人、家畜、農作物、森林又は生態系に対する被害を防ぐためにカメラを設置し、又は柵、金網その他必要な施設(その高さが3メートルを超えない施設であって、道路その他公衆の通行し、又は集合する場所から20メートル以上離れているものに限る。)を新築し、改築し、若しくは増築すること。
8.特定外来生物の防除を行う又は保安の目的で、カメラを設置すること。
9.自家用のために木竹(採取等規制植物であるものを除く。)を択伐(塊状択伐を除く。)すること。
10.「自家用のために木竹を損傷すること」及び「生業の維持のために必要な範囲内で木竹を損傷すること。」のうち、木竹から採取等規制植物は除外した。
11.森林又は野生動植物の保護管理のための標識を掲出し、又は設置すること。
12.宅地内において採取等規制植物を採取し、又は損傷すること。
13.「魚介類を捕獲し、又は殺傷すること。」については削除した。
②特別保護地区内における許可又は届出を要しない行為として、以下に掲げるものを追加又は変更することとした(新施行規則第13条)。
【追加する事項】
1.測量法(昭和24年法律第188号)第10条第1項に規定する測量標又は水路業務法(昭和25年法律第102号)第5条第1項に規定する水路測量標を設置すること。
2.国、地方公共団体又は特定外来生物の防除を目的とする催し(国又は地方公共団体が実施するものであって、あらかじめ、その内容及び実施期間を記載した書面が、国立公園にあっては環境大臣、国定公園にあっては都道府県知事に提出されたものに限る。)に参加した者が、特定外来生物である植物(木竹を除く。)を採取し、又は損傷すること。
3.国、地方公共団体又は特定外来生物の防除を目的とする催し(国又は地方公共団体が実施するものであって、あらかじめ、その内容及び実施期間を記載した書面が、国立公園にあっては環境大臣、国定公園にあっては都道府県知事に提出されたものに限る。)に参加した者が、特定外来生物である動物を捕獲し、若しくは殺傷し、又は当該動物の卵を採取し、若しくは損傷すること。
4.公園管理団体が行う新法第50条第1項各号及び第2項各号に掲げる業務のために必要な行為であって、あらかじめ、その行為の内容及び実施期間を記載した書面を14日前までに国立公園にあっては環境大臣、国定公園にあっては都道府県知事に提出されたもの。
5.危険な木竹を伐採すること。
6.危険な木竹を損傷すること。
7.国又は地方公共団体が法令に基づきその任務とされている遭難者を救助するための業務、犯罪の予防若しくは捜査その他の公共の秩序を維持するための業務又は交通の安全を確保するための業務を行うために車馬を使用すること。
8.国立公園において絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律第10条第1項の規定による環境大臣の許可に係る行為として、新法第21条第3項各号に掲げるものを行うこと。
9.認定保護増殖事業等の実施のために必要な行為として、新法第21条第3項各号に掲げるものを行うこと。
10.特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律第3章の規定による防除の実施のために必要な行為として、新法第21条第3項各号に掲げるものを行うこと。
11.鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第28条の2第1項から第5項までの規定による保全事業の実施のために必要な行為として、新法第21条第3項各号に掲げるものを行うこと。
12.鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第9条第1項の規定により、国立公園にあっては環境大臣の許可、国定公園にあっては都道府県知事の許可に係る行為として、新法第21条第3項各号に掲げるものを行うこと。
13.国立公園において鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第14条の2第5項の規定により環境省が実施する指定管理鳥獣捕獲等事業又は同条第7項の規定により環境省から委託を受けた指定管理鳥獣捕獲等事業による指定管理鳥獣の捕獲に伴う行為として、新法第21条第3項各号に掲げるものを行うこと。
14.国定公園において鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第14条の2第1項の規定により都道府県が実施する指定管理鳥獣捕獲等事業又は同条第7項の規定により都道府県から委託を受けた指定管理鳥獣捕獲等事業若しくは同条第5項の規定により国の機関が実施する指定管理鳥獣捕獲等事業又は同条第7項の規定により国の機関から委託を受けた指定管理鳥獣捕獲等事業による指定管理鳥獣の捕獲に伴う行為として、新法第21条第3項各号に掲げるものを行うこと。
※その他、現行の施行規則第13条において既に規定されているものであって、上記に掲げる新規規定と重複するものについては、削除する等の規定の整理を行うこととした。
【変更する事項】
現行で許可又は届出を要さないこととしている「魚介類を捕獲し、又は殺傷すること」の魚介類について、新法第20条第3項第13号の環境大臣が指定するものを除くこととした。
③海域公園地区内における許可又は届出を要しない行為として、公園管理団体が行う新法第50条第1項各号及び第2項各号に掲げる業務のために必要な行為であって、あらかじめ、その行為の内容及び実施期間を記載した書面が14日前までに国立公園にあっては環境大臣、国定公園にあっては都道府県知事に提出されたものを追加することとした(新施行規則第13条の3)。
④利用調整地区内に立入る際に認定等を要しない軽易な行為等として、以下に掲げるものを追加又は変更することとした(新施行規則第13条の5)。
【追加する事項】
(特別地域内で行われるもので以下に掲げるもの)
1.国立公園にあっては環境省、国定公園にあっては都道府県が、公園の保護とその適正な利用の推進のために人の立入りを防止するための柵又は当該公園の利用者数を計測するための機器その他の仮設の工作物(高さが3メートル以下であり、かつ、その水平投影面積が3平方メートル以下であるものに限る。)を新築し、改築し、又は増築すること。
2.国、地方公共団体又は特定外来生物の防除を目的とする催し(国又は地方公共団体が実施するものであって、あらかじめ、その内容及び実施期間を記載した書面を、国立公園にあっては環境大臣、国定公園にあっては都道府県知事に提出されたものに限る。)に参加した者が、特定外来生物である木竹以外の植物を採取し、又は損傷すること。
3.国、地方公共団体又は特定外来生物の防除を目的とする催し(国又は地方公共団体が実施するものであって、あらかじめ、その内容及び実施期間を記載した書面を、国立公園にあっては環境大臣、国定公園にあっては都道府県知事に提出されたものに限る。)に参加した者が、特定外来生物である動物を捕獲し、若しくは殺傷し、又は当該動物の卵を採取し、若しくは損傷すること。
4.公園管理団体が行う新法第50条第1項各号及び第2項各号に掲げる業務のために必要な行為であって、あらかじめ、その行為の内容及び実施期間を記載した書面を14日前までに国立公園にあっては環境大臣、国定公園にあっては都道府県知事に提出されたもの
5.国立公園において絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律第10条第1項の規定による環境大臣の許可に係る行為として、新法第20条第3項各号に掲げるものを行うこと。
6.認定保護増殖事業等の実施のために必要な行為として、新法第20条第3項各号に掲げるものを行うこと。
7.特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律第3章の規定による防除の実施のために必要な行為として、新法第20条第3項各号に掲げるものを行うこと。
8.鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第28条の2第1項から第5項までの規定による保全事業の実施のために必要な行為として、新法第20条第3項各号に掲げるものを行うこと。
9.鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第9条第1項の規定により、国立公園にあっては環境大臣の許可、国定公園にあっては都道府県知事の許可に係る行為として、新法第20条第3項各号に掲げるものを行うこと。
10.鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第14条の2第1項の規定による指定管理鳥獣捕獲等事業による指定管理鳥獣の捕獲に伴う行為として、新法第20条第3項各号に掲げるものを行うこと。
(特別保護地区内で行われる行為で以下に掲げるもの)
1.国、地方公共団体又は特定外来生物の防除を目的とする催し(国又は地方公共団体が実施するものであって、あらかじめ、その内容及び実施期間を記載した書面が、国立公園にあっては環境大臣、国定公園にあっては都道府県知事に提出されたものに限る。)に参加した者が、特定外来生物である植物(木竹を除く。)を採取し、又は損傷すること。
2.国、地方公共団体又は特定外来生物の防除を目的とする催し(国又は地方公共団体が実施するものであって、あらかじめ、その内容及び実施期間を記載した書面が、国立公園にあっては環境大臣、国定公園にあっては都道府県知事に提出されたものに限る。)に参加した者が、特定外来生物である動物を捕獲し、若しくは殺傷し、又は当該動物の卵を採取し、若しくは損傷すること。
3.公園管理団体が行う新法第50条第1項各号及び第2項各号に掲げる業務のために必要な行為であって、あらかじめ、その行為の内容及び実施期間を記載した書面を14日前までに国立公園にあっては環境大臣、国定公園にあっては都道府県知事に提出されたもの
4.国立公園において絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律第10条第1項の規定による環境大臣の許可に係る行為として、新法第21条第3項各号に掲げるものを行うこと。
5.認定保護増殖事業等の実施のために必要な行為として、新法第21条第3項各号に掲げるものを行うこと。
6.特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律第3章の規定による防除の実施のために必要な行為として、新法第21条第3項各号に掲げるものを行うこと。
7.鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第28条の2第1項から第5項までの規定による保全事業の実施のために必要な行為として、新法第21条第3項各号に掲げるものを行うこと。
8.鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第9条第1項の規定により、国立公園にあっては環境大臣の許可、国定公園にあっては都道府県知事の許可に係る行為として、新法第21条第3項各号に掲げるものを行うこと。
9.国立公園において鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第14条の2第5項の規定により環境省が実施する指定管理鳥獣捕獲等事業又は同条第7項の規定により環境省から委託を受けた指定管理鳥獣捕獲等事業による指定管理鳥獣の捕獲に伴う行為として、新法第21条第3項各号に掲げるものを行うこと。
10.国定公園において鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第14条の2第1項の規定により都道府県が実施する指定管理鳥獣捕獲等事業又は同条第7項の規定により都道府県から委託を受けた指定管理鳥獣捕獲等事業若しくは同条第5項の規定により国の機関が実施する指定管理鳥獣捕獲等事業又は同条第7項の規定により国の機関から委託を受けた指定管理鳥獣捕獲等事業による指定管理鳥獣の捕獲に伴う行為として、新法第21条第3項各号に掲げるものを行うこと。
【変更する事項】
・新施行規則第13条の5第1号に掲げるもののうち、新施行規則第12条において変更又は削除することとしたものについて、同様に変更又は削除することとした。
・新施行規則第13条の5第2号に掲げるもののうち、新施行規則第13条において削除することとしたものについて、同様に変更又は削除することとした。
・新施行規則第13条の5第24号について「環境省、都道府県若しくは公園管理団体の職員又は環境省若しくは都道府県から委託を受けた者が利用調整地区の巡視又は調査を行うこと。」と改正した(変更内容は下線部)。
⑤普通地域内における届出を要しない行為として、以下に掲げるものを追加又は変更することとした(新施行規則第13条の5)。
【追加する事項】
1.既存の建築物の屋根に、屋根の規模を超えない範囲で太陽光発電施設を設置すること(当該太陽光発電施設の色彩が環境大臣が指定する基準に適合するものに限る。)。
2.国立公園にあっては環境省、国定公園にあっては都道府県が、公園の保護とその適正な利用の推進のために人の立入りを防止するための柵又は当該公園の利用者数を計測するための機器その他の仮設の工作物(高さが3メートル以下であり、かつ、その水平投影面積が3平方メートル以下であるものに限る。)を新築し、改築し、又は増築すること。
3.公園管理団体が行う新法第50条第1項各号及び第2項各号に掲げる業務のために必要な行為であって、あらかじめ、その行為の内容及び実施期間を記載した書面を14日前までに国立公園にあっては環境大臣、国定公園にあっては都道府県知事に提出されたもの
4.国立公園において絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律第10条第1項の規定による環境大臣の許可に係る行為として、新法第20条第3項各号に掲げるものを行うこと。
5.認定保護増殖事業等の実施のために必要な行為として、新法第20条第3項各号に掲げるものを行うこと。
6.特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律第3章の規定による防除の実施のために必要な行為として、新法第20条第3項各号に掲げるものを行うこと。
7.鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第28条の2第1項から第5項までの規定による保全事業の実施のために必要な行為として、新法第20条第3項各号に掲げるものを行うこと。
8.鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第9条第1項の規定により、国立公園にあっては環境大臣の許可、国定公園にあっては都道府県知事の許可に係る行為として、新法第20条第3項各号に掲げるものを行うこと。
9.鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第14条の2第1項の規定による指定管理鳥獣捕獲等事業による指定管理鳥獣の捕獲に伴う行為として、新法第20条第3項各号に掲げるものを行うこと。
10.地表から1メートル以下の高さで、広告物等(表示面の面積が一平方メートル以下であるものに限る。)を設置すること(同一敷地内又は同一場所内における広告物等の表示面の面積の合計が5平方メートル以下の場合に限る。)。
11.第14条第1号に規定する基準を超える工作物の新築、改築又は増築(改築又は増築後において同号に規定する基準を超えるものとなる場合における改築又は増築を含む。)以外の工作物の新築、改築又は増築に付帯する行為
【変更する事項】
・新施行規則第15条第1号に掲げるもののうち、第12条において変更又は削除することとしたものについて、同様に変更又は削除することとした。
5 その他の所要の改正(新施行規則第16条及び第20条等)
・新法第17条第3項等に規定する立入検査等をする職員の携帯する身分を示す証明書について、統合様式を整備した(新施行規則第16条及び様式第4)。
・新法、新施行令、新施行規則に規定された事項を踏まえ、環境大臣の権限のうち、地方環境事務所長に委任するものについて見直しを行った(新施行規則第20条)。
・その他、字句の修正等の所要の改正を行った。
第5 その他
1 利用調整地区の指定要件の見直し
利用調整地区制度は、公園利用者に対して一定のルールとコントロールを行うことにより、将来にわたって良好な自然環境を享受するとともに、より深い自然とのふれあいの体験を利用者に提供するために活用していくことを目的に平成14年の自然公園法の改正により創設された制度であるが、今後より一層、質の高い自然体験の機会を提供するための同制度の活用が期待される。また、今般の改正により、質の高い自然体験活動の促進に係る制度が創設されたことも踏まえる必要がある。このため、「国立公園の公園計画作成要領」(平成15年5月28日付環自国発第030528006号自然環境局長通知)において記載されている利用調整地区の指定要件を見直し、これまでの自然植生やサンゴ群集の保護といった自然環境の保全の観点に特化した指定要件を改め、より質の高い自然体験が得られる場を確保するための観点からも利用調整地区を指定できるようにした。
2 その他
旧法、旧施行令及び旧施行規則に基づく告示及び通知について、今回の改正により条項のずれ等が生じるものが多数あるが、これらの告示及び通知については、改正法施行日(令和4年4月1日)以降も条項名等を読み替えて適用することとする。
なお、当該告示及び通知について改正を行う場合には、当該告示及び通知中の条項名等を改正法、改正令及び改正省令の条項名等に、順次改正していくこととしている。
別添2
別添3
別添4