○若年運転者講習事務処理要領の制定について(通達)

令和4年4月21日

達(運免)第236号

[原議保存期間 5年(令和10年3月31日)]

[有効期間 令和10年3月31日まで]

みだし要領を別紙のとおり制定し、令和4年5月13日から施行することとしたので、事務処理上誤りのないようにされたい。

別紙

若年運転者講習事務処理要領

第1 趣旨

道路交通法の一部を改正する法律(令和2年法律第42号。以下「改正法」という。)及び道路交通法施行令の一部を改正する政令(令和4年政令第16号)により、第二種運転免許、大型自動車免許及び中型自動車免許(以下「第二種免許等」という。)の運転免許試験に係る受験資格が改正され、年齢課程に係る特例教習を修了した者については19歳から第二種免許等の運転免許試験を受けることができることとされたところ、この特例により取得した特例取得免許を現に受けている者であって、特例取得免許を最初に受けた日から21歳に達するまでの間に自動車等の運転に関し、改正法による改正後の道路交通法(昭和35年法律第105号。以下「法」という。)の規定等に違反する行為をし、当該行為が一定の基準に該当することとなったものに対し、若年運転者講習の受講が義務付けられることとなったことから、当該講習を実施するに当たっての事務処理要領を定めるものである。

第2 用語の定義

この要領において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 施行規則 道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号)をいう。

(4) 講習 法第108条の2第1項第14号に掲げる講習をいう。

(5) 指定講習機関 法第108条の4第1項に規定する指定講習機関をいう。

(6) 公安委員会 福島県公安委員会をいう。

第3 講習対象者

法第102条の3の基準該当若年運転者とする。

第4 講習場所

講習は、県規則第36条の14の2第1項の規定により公安委員会が指定する場所又は指定講習機関において行うものとする。

第5 講習指導員の要件等

1 公安委員会が実施する講習

公安委員会が実施する講習においては、警察職員の中から次の各号に掲げる要件に該当する者を講習指導員に選任し、講習に従事させるものとする。

(1) 運転適性検査・指導者資格者証の交付を受けていること。

(2) 講習に使用する普通自動車を運転することができる運転免許(仮運転免許を除く。)を現に受けていること。

(3) 運転適性検査等の実務経験が豊富であること。

2 指定講習機関が実施する講習

指定講習機関に関する規則(平成2年国家公安委員会規則第1号)第5条各号に掲げる要件に該当する運転適性指導員を必要数確保させるものとし、これ以外の者を運転適性指導に従事させないものとする。

3 講習指導員の資質の向上

運転免許課長及び指定講習機関は、講習指導員に対する教養及び研修会を随時開催し、知識、指導能力等の向上に努めるものとする。

なお、研修会等の開催に当たっては、心理学等に関する専門家、学識経験者等を招致するなど、その内容の充実に努めるものとする。

4 講習指導員の服装

講習指導員の服装は、活動に便利なもので、かつ、講習指導員としてふさわしいものとする。

第6 講習施設

受講者を収容できる必要な機材を備えた教室等を整備するなど、講習の実施に必要な施設を確保するものとする。

第7 講習用教材

1 視聴覚教材等

性格と運転の概説に関する視聴覚教材を必要数整備するとともに、筆記による検査のために必要な運転適性検査用紙を必要数整備すること。

また、必要に応じ、感情制御能力や自己の運転技能に対する客観的評価能力の養成に資する教本等を使用すること。

2 講習用車両

(1) 講習用車両は普通自動車免許に係る標準試験車と同等以上の普通自動車とする(オートマチック・トランスミッションその他のクラッチの操作を要しない機構がとられておりクラッチの操作装置を有しない普通自動車を含む。)。

(2) 講習に使用する普通自動車については、講習指導員が危険を防止するための応急の措置を講ずることができる装置(補助ブレーキ)を備えさせること。

なお、身体障害者用車両を持ち込む場合も必ず前記の装置を備えたものを持ち込ませること。

(3) 講習用車両には「講習中」の標識を前方又は後方から見やすいように表示させること。

3 録画装置

実車による講習の状況(車内からの走行状況及び講習生の運転姿勢)を記録できるよう、所要の録画装置を整備すること。

4 映像再生機材

実車による講習の状況を録画した映像を用いた指導が実施できるよう、所要の映像再生機材を整備すること。

第8 講習の通知等

1 講習対象者に対する講習の通知

(1) 運転免許課長は、講習対象者に対し、法第108条の3の3及び施行規則第38条の4の2の2第1項の規定に基づき、若年運転者講習通知書(施行規則別記様式第22の11の2の2)により通知するものとする。

(2) 上記(1)の通知(以下「講習通知」という。)は、講習対象者の住所を考慮し、受講の日時及び場所を指定した上で、受講上の注意事項等を記載した書面を添付し、配達証明郵便等で行うものとする。

なお、受講の日時は、若年運転者講習通知書の備考欄に記載するものとする。

(3) 運転免許課長は、若年運転者講習通知書の到達日を配達証明書により確認し、管理するものとする。

(4) 運転免許課長は、講習対象者から指定した受講日等の変更の申出があったときは、希望する受講日等を聴取し、受講日等を変更するものとする。

2 指定講習機関に対する講習対象者の通知

運転免許課長は、指定講習機関に対し、若年運転者講習受講予定者通知書(様式第1号)により、講習対象者を通知するものとする。

3 講習対象者がやむを得ない理由の書類を提出したときの措置

運転免許課長は、施行規則第38条の4の2の2第3項の規定により、講習通知を受けた講習対象者から、やむを得ない理由のあることを証するに足りる書類が指定講習機関に提出されたときは、速やかに指定講習機関からの報告を求め、やむを得ない理由を十分に確認した後、当該通知を受けた日の翌日から起算した期間から当該やむを得ない理由の存する期間を除いた期間が1月を超えることとなるまでの間に講習を受けさせるものとする。

4 講習の移送

(1) 運転免許課長は、講習対象者が他の都道府県に住所を変更していることが判明した場合は、その者に対し速やかに運転免許証の記載事項の変更届出を行うよう指導するとともに、若年運転者講習移送通知書(様式第2号)により、講習対象者の現在の住所地を管轄する都道府県公安委員会に通知するものとする。

(2) 運転免許課長は、他の都道府県公安委員会から講習の移送通知を受けた場合は、上記(1)に準じ、速やかに講習対象者に講習通知をするものとする。

(3) 運転免許課長は、他の都道府県公安委員会から講習通知を受けた講習対象者が県内に住所を変更した場合で、その者から受講の申請を受けたときは、運転免許証の記載事項の変更届出を行ってから受講の申請を行うよう指導するものとする。また、その者から県内への住所変更による運転免許証の記載事項の変更届出を受けた場合は、速やかに旧住所地を管轄する都道府県公安委員会に通知し、講習の移送通知を求めるものとする。

第9 講習の受付等

1 公安委員会が実施する講習の受付

(1) 運転免許課長は、公安委員会において受講する者に対し、若年運転者講習受講申請書(県規則様式第40号の3の2)に、手数料条例第14条第1項及び第22条の規定により福島県収入証紙を貼付させ、若年運転者講習通知書及び運転免許証により、受講日、講習対象者本人であることなどの必要事項を確認した上で受理するものとする。

(2) 上記(1)の受理の際、運転免許課長は、通知手数料納付書(県規則様式第47号)に、手数料条例第15条及び第22条の規定により、福島県収入証紙を貼付させ、受講対象者から通知手数料を徴収するものとする。

2 指定講習機関が実施する講習の受付

(1) 指定講習機関は、当該指定講習機関において受講する者に対し、若年運転者講習受講申請書に、手数料条例第14条及び第22条ただし書の規定により講習手数料を添付させ、若年運転者講習通知書及び運転免許証により、受講日、講習対象者本人であることなどの必要事項を確認した上で受理するものとする。

(2) 上記(1)の受理の際、指定講習機関は、通知手数料納付書に、手数料条例第15条及び第22条の規定により、福島県収入証紙を貼付させたものを受領の上、当該納付書を当該指定講習機関の所在地を管轄する署に提出するものとし、当該署が通知手数料の納付に関する事務を行うものとする。

第10 講習内容等

1 講習時間及び講習科目

講習時間は9時間とし、原則として連続する2日間で行うこととするが、やむを得ず連続で実施することができない場合は、近接した日に第2日目を指定するものとする。また、講習科目については、若年運転者講習細目(別表)により行うものとする。

2 学級の編成

(1) 学級編成の基本

1学級3人の編成を基準とする。

(2) 講習指導員の配置

1学級につき講習指導員1人を配置することを原則とする。

なお、指定講習機関にあっては、法第108条の5第1項の規定により、運転適性指導には運転適性指導員以外の者を従事させることはできないことから、補助者についても運転適性指導員を充てるものとする。

3 運転適性指導

運転適性指導は、筆記による検査、口頭による検査及び普通自動車の運転をさせることにより行う検査に基づき行うものとする。

筆記による検査は、「科警研編73C型」又はこれと同等以上の運転適性診断資料を使用して実施し、これに基づきカウンセリング等の指導を行うこと。

なお、運転適性診断資料は、カウンセリング等の後、受講者本人に交付すること。

第11 若年運転者講習終了証明書の交付

1 運転免許課長は、公安委員会が実施した講習を終了した者に対し、若年運転者講習終了証明書(県規則様式第40号の3の4。別添1)を交付するものとする。

2 指定講習機関は、当該指定講習機関が実施した講習を終了した者に対し、若年運転者講習終了証明書(県規則様式第40号の3の5。別添2)を交付するものとする。

第12 公安委員会への報告

指定講習機関は、講習の終了後、その結果を若年運転者講習結果報告書(様式第3号)により速やかに運転免許課長を経由して公安委員会に報告するものとする。

第13 講習受講済み登録

運転免許課長は、講習を実施し、又は指定講習機関から第12の報告を受けたときは、速やかに講習を終了した者について、別に定める運転者に関する警察情報管理システムに登録、整理等を行うものとする。

第14 指定講習機関に対する指導・監督

運転免許課長は、指定講習機関に対し、随時必要な命令、報告又は資料の提出要求、講習の立会検査等を実施して、指定講習機関における講習が適正かつ確実に行われるよう、指導及び監督に努めるものとする。

第15 各種事故の防止

運転免許課長及び指定講習機関は、講習中の各種事故防止に万全を期すため、講習指導員に特段の配意をさせるものとする。

なお、運転免許課長は、指定講習機関において講習に関して発生した各種事故については、速やかに報告を求めるものとする。

別表

若年運転者講習細目

1日目(5時間)


項目

内容

指導要領

時間

1

運転適性検査(73C型)

運転適性検査(73C型)

講習の目的とその日程について簡単に説明し、直ちに、運転適性検査を実施する。自分の力を出し切るよう指導する。

1時間

2

技能録画①(実車)

講習生の運転姿勢及び運転の映像を様々な道路交通環境下において記録する。

・講習生の運転姿勢を映像として記録する。

・講習生の運転について映像を記録する。

1時間

3

性格と運転の概説(座学)

視聴覚教材や運転適性検査(73C型)の結果により、性格特徴が運転の仕方に表れる可能性があることを理解させる。

・取消処分者講習で実施しているものと同内容

・性格と運転行動の関係について概説を行う。

・運転適性検査(73C型)の結果を講習生に渡した上で、指導・助言を行う。

・運転適性検査の結果における長所については褒める一方、短所については表れやすい運転行動を例示として挙げ、自己の運転行動を見つめ直すきっかけを作る。

1時間

4

運転適性検査の結果及び録画映像に基づく個別指導①(座学)

運転適性検査(73C型)の結果及び技能録画①で録画した映像に基づき、自己の心理的特性や運転技能等を客観的に理解させるとともに、様々な心理的特性と運転行動の関係について理解させる。

・録画映像の観察に先立ち、「技能録画①」における運転について講習生に点数形式で自己評価をさせ、減点要因を講習生に語らせることにより(満点評価した場合には現状維持又はそれ以上を目指すための要因を語らせることにより)、講習生の運転に対する主観的評価を把握する。

・運転適性検査(73C型)の結果及び本項目開始時における自己評価結果を踏まえ、技能録画①において録画した自己の運転状況の映像(一部で構わない。)を観察し、問題(危険性がある運転行為等)があった運転場面について、講習生自身に、何が問題であったのか、自己の心理的特性がどのように運転行動に影響したのか、また、心理的特性の短所について、どのように意識して行動したら補うことができるのかについて、講習指導員とディスカッションすることにより考えさせ、心理的特性が運転行動に与える影響を理解させるとともに、客観的評価と主観的評価の相違を理解させる。

1時間

5

安全運転のための指導①(実車)

実車を講習指導員が同乗した上で運転させ、運転適性検査(73C型)の結果及び「運転適性検査の結果及び録画映像に基づく個別指導①」を踏まえ、講習生の弱点となる場面について重点的に指導を行う。


1時間

2日目(4時間)


項目

内容

指導要領

時間

1

技能録画②(実車)

講習生の運転姿勢及び運転の映像を様々な道路交通環境下において記録する。

・講習生の運転姿勢を映像として記録する。

・講習生の運転について映像を記録する。

1時間

2

運転適性検査の結果及び録画映像に基づく個別指導②(座学)

各講習生の技能録画②で録画した映像に基づき、運転適性検査(73C型)の結果を踏まえることにより、運転行動にどのような変化が生じたかを理解させる。

・録画映像の観察に先立ち、「技能録画②」における運転について講習生に点数形式で自己評価をさせ、減点要因を講習生に語らせることにより(満点評価した場合には現状維持又はそれ以上を目指すための要因を語らせることにより)、講習生の運転に対する主観的評価を把握するほか、運転適性検査(73C型)の結果を踏まえ、講習全般について、どのような点について注意して運転していたのか、講習生に意見を述べさせる。

・自己の心理的特性を踏まえた運転をすることにより、自己の運転行動にどのような変化が生じたのか(可能な限り、技能録画①において録画した映像(一部で構わない。)と技能録画②において録画した映像(一部で構わない。)を比較するなどしてその違いを視覚的にも明らかにする。)を、講習指導員とディスカッションすることによって理解させるとともに、各講習生の運転適性検査(73C型)の結果及び1日目と2日目に実施した自己評価の結果を踏まえた指導を行い、今後も自身の運転を客観的に反省することができるよう意識付けを行う。

1時間

3

安全運転のための指導②(実車)

実車を講習指導員が同乗した上で運転させ、運転適性検査(73C型)の結果及び「運転適性検査の結果及び録画映像に基づく個別指導②」を踏まえ、講習生の弱点となる場面について重点的に指導を行うほか、講習の総まとめとして、交通違反や交通事故につながりやすい運転行動及び心理的特性について解説し、いかなる状況においても安全運転を心掛けるよう指導を行う。


1時間

4

講習全体の振り返り(座学)

講習生に対して発言を促しながら質疑応答を行い、講習全体を通じての感想文をまとめさせる。


1時間

様式第1号(第8関係)

 略

様式第2号(第8関係)

 略

様式第3号(第12関係)

 略

別添1

 略

別添2

 略

若年運転者講習事務処理要領の制定について(通達)

令和4年4月21日 達(運免)第236号

(令和4年5月13日施行)

体系情報
交通部
沿革情報
令和4年4月21日 達(運免)第236号