○ストーカー事案の加害者に関する地域精神科医療等との連携の推進について(依命通達)

令和4年12月28日

達(少対)第581号

[原議保存期間 5年(令和10年3月31日まで)]

[有効期間 令和10年3月31日まで]

みだしのことについて、次のとおり定め、令和5年1月1日から施行することとしたので、所属職員に周知徹底し、的確な運用に努められたい。

なお、ストーカー事案の加害者に関する地域精神科医療等との連携に係る経費等の適切な運用について(平成29年3月22日付け達(生企)第120号。以下「旧通達」という。)は、廃止する。

1 趣旨

ストーカー事案の加害者(以下「ストーカー加害者」という。)に対し、精神科医による治療やカウンセリングを実施する精神医学的・心理学的アプローチ(以下「精神医学的アプローチ等」という。)については、旧通達により運用してきたところであるが、旧通達の有効期間満了に伴い、本通達を発出し、引き続き的確な運用を図るものである。

2 目的

ストーカー加害者の中には、県警察が検挙や警告等の措置を講じても、つきまとい等又は位置情報無承諾取得等を繰り返し、かつ、精神障害やその疑いのある者や、自発的にカウンセリングや治療を求める者がおり、このようなストーカー加害者に対して精神医学的アプローチ等を実施し、その内面に働き掛け、被害者やその家族等に対する支配意識や執着心を取り除くことにより、今後の再犯を防止し、被害者の安全確保を図ることを目的とする。

3 対象者

県警察で対応したストーカー加害者のうち、ストーカー加害者本人やその家族等からカウンセリングや治療に係る要請を受けた場合や警察官がストーカー加害者に対する精神医学的アプローチ等の必要性を認めた場合において、ストーカー加害者本人の情報を県警察から地域の精神科医に提供した上で、精神科医からアドバイスを得ることについて同意を得た者とする。

4 地域精神科医療との連携

(1) 対象者の選定

署長は、対応したストーカー加害者のうち、精神医学的アプローチ等の必要性が認められる者を把握した場合は、少年女性安全対策課長に報告の上、同課長と地域の精神科医と連携した精神医学的アプローチ等の可否について協議する。

(2) 説明及び同意

署長は、カウンセリング・治療について(別紙)を活用し、ストーカー加害者に対し、ストーカー加害者本人の情報を精神科医に提供する必要があることなどを説明し、同意を得た上で、同意書(本人用)(様式第1号)の提出を受ける。

この場合、ストーカー加害者が少年のときは、その保護者に対し、上記内容を説明し、保護者からも同意を得た上で、同意書(家族用)(様式第2号)の提出を受ける。

(3) 精神科医療機関(精神科医)の選定

少年女性安全対策課長は、対象者に関し、居住地域、かかりつけの医療機関を考慮し、最も適当な精神科医療機関(精神科医)を選定し、精神医学的アプローチ等の実施に係る連携を要請する。

なお、対象者が精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第5条に定める精神障害者と認められる場合には、従来の手続によるとともに精神障害の疑いがある場合にも保健所等の関係行政機関と連携して医療機関の選定に当たる。

5 精神科医に対する謝金支給

(1) 支出事由

警察官が精神科医から次のア及びイに掲げる内容のアドバイスを得た場合、精神科医に対して謝金を支払うものとする。

ア 受診前アドバイス

選定した精神科医に連絡し、当該対象者の情報を説明することにより、当該精神科医の専門的見地から得られる当該対象者に係る精神医学的アプローチ等の必要性や警察官が対象者に対応する際の留意事項に関するアドバイスをいう。

なお、精神科医が対象者に対し、カウンセリング等に関する説明を直接行った場合も謝金を支給することができる。

イ 受診後アドバイス

上記アの連絡により、当該対象者が精神科医に受診するに至った後、当該対象者が再度つきまとい等又は位置情報無承諾取得等を行うことがないよう、当該精神科医の専門的見地から得られる警察官が対象者に対応する際の留意事項に関するアドバイスをいう。

当該アドバイスには、警察官が精神科医から直接得る場合のほか、対象者及びその家族等と共に行う会義において得た場合も含む。

(2) 支給金額

上記(1)のアドバイス1回当たり7,900円とする。

(3) 支払回数

支払回数は、上記(1)アに係る受診前のアドバイスを得た場合の1回と上記(1)イに係る受診後のアドバイスを得た場合のうち3回までの計4回を限度とする。

(4) 関係書類の送付

署長は、精神科医から精神医学的アプローチ等に係るアドバイスを得た場合において、謝金の支給を予定するときは、精神科医師等の助言結果報告書(様式第3号)を作成し、少年女性安全対策課長に送付する。

(5) 支出手続

支出に関する事務手続は、少年女性安全対策課で行う。

6 留意事項

(1) 対象者等への説明

精神医学的アプローチ等は、対象者の任意の意思に基づいて実施されるものであり、また、その費用は対象者の自己負担となることから、対象者に説明を行う際には、強制にわたるような言動は厳に慎むとともに、可能な限り、家族等への説明も実施して協力を要請すること。

(2) 関係機関との緊密な連携

精神医学的アプローチ等に当たっては、精神科医療機関等と緊密に連携して情報の共有を図るとともに、対象者及びその家族に対し、同治療の過程で精神科医から得たアドバイスを踏まえた対応を図り、被害者の安全確保に万全を期すこと。

(3) 保護対策の徹底

精神科医又は関係職員が、対象者から加害行為を加えられるおそれがある場合、対象者の検挙等の措置及び精神科医又は関係職員の保護対策を徹底すること。

(4) 秘密の保持

個人情報等が、業務上必要のない者に漏えいすることがないように秘密の保持を徹底すること。

別紙

 略

様式第1号

 略

様式第2号

 略

様式第3号

 略

画像

ストーカー事案の加害者に関する地域精神科医療等との連携の推進について(依命通達)

令和4年12月28日 達(少対)第581号

(令和5年1月1日施行)

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生活安全部
沿革情報
令和4年12月28日 達(少対)第581号