○道路交通法第44条第2項第2号に係る交通規制関係事務等の運用上留意すべき事項について(依命通達)

令和4年10月4日

達(交規、交企、交指)第447号

[原議保存期間 10年(令和15年3月31日まで)]

[有効期間 令和15年3月31日まで]

みだしのことについて、次のとおり定め、令和4年10月4日から施行することとしたので、適切に対応されたい。

なお、道路交通法第44条第2項第2号に係る交通規制関係事務等の運用上留意すべき事項について(令和2年11月20日付け達(交規、交指)第389号。以下「旧通達」という。)は、廃止する。

1 趣旨

道路交通法(昭和35年法律第105号。以下「法」という。)第44条第2項第2号に係る交通規制関係事務等については、旧通達により、駐停車禁止規制の対象から除外する等の措置を講じてきたところであるが、今般、道路交通法の一部を改正する法律(令和4年法律第32号。以下「改正法」という。)、道路交通法施行規則及び自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律の施行に伴う道路交通法施行規則の規定の読替えに関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(令和4年内閣府令第54号。以下「改正府令」という。)等の施行に伴い、新たに本通達を発出し、改正法による改正後の法第44条第2項第2号並びに改正府令による改正後の道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号。以下「府令」という。)第6条の3の2及び第6条の3の3に係る交通規制関係事務等の運用上留意すべき事項を示すものである。

2 地域における関係者の合意

法第44条第2項第2号の規定により、旅客の運送の用に供する自動車が、乗合自動車の停留所又はトロリーバス若しくは路面電車の停留場(以下「停留所等」という。)において、乗客の乗降等のため停車及び駐車(以下「駐停車」という。)を禁止する場所の規制から除外することができることとなるのは、地域住民の生活に必要な旅客輸送を確保するために有用であり、かつ、道路又は交通の状況により支障がないことについて、府令第6条の3の2で定めるところにより、当該駐停車に関係のある者として府令第6条の3の3で定める者(以下「関係者」という。)が合意し、その旨を都道府県公安委員会が公示したものをする場合に限られることとされた。

前記を踏まえ、地域の実情に応じて関係者の合意形成が適切になされるよう、以下の点に留意すること。

(1) 「旅客の運送の用に供する自動車」について(府令第6条の3の2関係)

改正法により、新たに停留所等における駐停車を禁止する場所の規制から除外することができることとなる自動車として、道路運送法(昭和26年法律第183号)上の位置付けのない、

○ 地方公共団体による行政サービスとして住民の無償運送を行う自動車

○ 企業による実証実験として住民の無償運送を行う自動運転バス

○ 病院、介護施設、教育施設等に住民を無償で送迎する自動車

等を想定しているところ、家族、友人の送迎等、私的な運送を行う自動車については、旅客の運送の用に供する自動車には当たらないことに留意すること。

(2) 合意の方法(府令第6条の3の2関係)

府令第6条の3の2第1項の規定により、法第44条第2項第2号に規定する合意は、旅客の運送の用に供する自動車の範囲を明らかにした上で、駐停車をする一又は二以上の停留所等ごとにその名称等を特定し、書面(別添様式)により行うものとする。

また、駐停車をする旅客の運送の用に供する自動車の範囲として、道路運送法上の事業又は運送の種類ごとや、事業者等ごと、事業者等が実施する事業ごと、法第3条に規定する自動車の種類ごと又は車両ごとに合意されることも排除されないことから、交通の安全と円滑を図るため、適切な範囲で合意すること。

旅客の運送の用に供する自動車には、道路運送法上の位置付けがない自動車も含まれることから、合意に係る書面には、必要に応じて、当該自動車を特定する事項(当該自動車の運行主体や当該自動車の車体に表示されている名称等)を適切に記載すること。

(3) 関係者の範囲について(府令第6条の3の3関係)

関係者は府令第6条の3の3各号に掲げる者であるが、同条第5号に規定する「停車又は駐車に関係のあるものとして公安委員会が認める者」とは、道路管理者のほか、必要に応じて、住民の代表や停留所等における駐停車を希望する事業者等を加えるなど配慮すること。

(4) 合意形成の方法

法第44条第2項第2号に規定する駐停車は、停留所等における駐停車を希望する事業者等からの申請等を必要とするものではないが、基本的には、事業者等からの提案又は相談がなされることが想定される。

事業者等から提案又は相談がなされた場合は、道路管理者等と必要な調整を行い、道路運送法施行規則(昭和26年運輸省令第75号)第9条の2に規定する地域公共交通会議、同規則第51条の7に規定する運営協議会又は地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(平成19年法律第59号)第6条に規定する協議会(以下「協議会等」という。)を活用した合意形成を図ること。

これらの協議会等が設置されていない場合には、関係者が一堂に会する場を設けたり、オンライン会議、電子メールによる合意書の送付といった対応を検討し、関係者の円滑な合意形成に努めること。

(5) 公示の方法

法第44条第2項第2号に規定する公示は、別添様式を福島県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の掲示板へ2週間掲示することをもって行うこととする。

3 運用に当たっての留意事項

(1) 県本部への報告

法第44条第2項第2号に係る合意については、交通の安全と円滑の観点から県内での斉一性を図る必要があることから、事業者等から提案又は相談を受けた際は、

○ 当該停留所等の名称及び場所

○ 停車又は駐車をする旅客の運送の用に供する自動車の範囲

○ 停車又は駐車が道路又は交通の状況により支障がないものとなるようにするため必要と認める事項

等を確認し、交通規制課と必要な調整を図った上で行うこと。

(2) 合意した書面の取扱い

合意した内容に係る書面の作成主体について特段の制約はないが、公安委員会が旅客の運送の用に供する自動車の停留所等における駐停車について合意した旨の公示を行う必要があることから、当該書面は各署で受領し、写しを作成した上で、原本を交通規制課へ送付すること。

上記送付を受けた交通規制課では、公安委員会の掲示板へ書面を2週間公示した後、保管するものとする。

(3) 公示以外の方法による周知・徹底

改正法により、道路運送法上の位置付けのない自動車も停留所等に駐停車することができることとなるが、これにより、他の車両の駐停車違反を誘発し、停留所等に乗客の乗降のために駐停車する乗合自動車等の定時性が損なわれるほか、停留所等への進入待ちによる渋滞の発生につながることが懸念される。

前記を踏まえ、停留所等を管理する事業者の協力を得た上で、合意の内容の停留所等への掲示、署ホームページによる周知等、公示以外の適切な方法により、旅客の運送の用に供する自動車が駐停車をする停留所等であること、当該停留所等に駐停車をする旅客の運送の用に供する自動車の範囲等の合意の内容の周知を検討すること。

また、駐車違反取締りに従事する警察官及び交通巡視員並びに駐車監視員に対し、当該合意の内容について周知を図ること。

(4) 安全確保が必要なバス停の取扱い

バスがバス停に停車した際に横断歩道にその車体がかかるもの等、安全確保が必要と認められるバス停については、法第44条第2項第2号の合意対象から除くこと。

(5) 自動運転バスの実証実験に関する対応

従前から、政府の規制改革推進会議における議論を踏まえ、無償の運送を行う自動運転バスの実証実験の実施主体と路線バス事業者との間で、当該実証実験の目的や内容について合意している場合等には、法第44条第2項第1号を適用し、当該自動運転バスによる停留所等への駐停車を可能とする暫定的な運用を行ってきたところである。この点、改正法の施行後は、当該駐停車については同項第2号に規定する合意の対象に含まれることとなることから、今後、同様の駐停車については同号に規定する手続の対象とするとともに、既に実施されている実証実験に伴う駐停車についても、改正法の施行後の早期に同号に規定する手続を行うことができるよう、所要の措置を講じること。

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 略

道路交通法第44条第2項第2号に係る交通規制関係事務等の運用上留意すべき事項について(依…

令和4年10月4日 達(交規、交企、交指)第447号

(令和4年10月4日施行)

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令和4年10月4日 達(交規、交企、交指)第447号