○福島県警察刑事部門任用要綱の制定について(通達)
令和5年3月16日
達(刑総、務、教、地企)第106号
[原議保存期間 10年(令和15年3月31日まで)]
[有効期間 令和15年3月31日まで]
みだし要綱を別紙のとおり制定し、令和5年4月1日から施行することとしたので、適正な運用に努められたい。
なお、福島県警察刑事部門任用要綱の制定について(平成21年6月22日付け達(刑総、務、教、留管、地企)第268号)は、廃止する。
別紙
福島県警察刑事部門任用要綱
第1 目的
この要綱は、刑事部門の業務に専従する巡査部長及び巡査の階級にある警察官(以下「刑事」という。)の選考、教養、任用等に関して必要な事項を定めることを目的とする。
第2 選考委員会の設置等
1 刑事の適正な選考を図るため、県本部に刑事任用選考委員会(以下「選考委員会」という。)を置く。
2 選考委員会は、委員長及び委員をもって組織し、その構成は次のとおりとする。
(1) 委員長 刑事部長
(2) 委員 県本部警務課長(以下「警務課長」という。)、教養課長、地域企画課長、刑事総務課長、捜査第一課長、捜査第二課長、捜査第三課長、組織犯罪対策課長、鑑識課長、科学捜査研究所長及び機動捜査隊長
3 選考委員会の会議は、委員長が必要に応じて招集する。
4 選考委員会の庶務は、刑事総務課において行う。
第3 適任者の推薦
なお、出向者については、警務課長が上申するものとする。
2 刑事適任者推薦書の提出については、必要の都度、委員長が指示するものとする。
第4 適任者の選考
選考委員会は、所属長から上申された者について、選考基準の各条件を総合的に検討して適任者を選考し、警務部長を経て本部長の承認を得るとともに、その結果を上申を行った所属長(本人が異動した場合は異動先の所属長)に通知するものとする。
刑事適任者の選考は、原則として、書類審査によるが、必要に応じて実務考査、面接考査等を行うものとする。
第5 刑事任用教養の実施
2 刑事任用教養は、原則として、刑事任用科教養指導細目により県警察学校において3週間、また、実務修習指導細目により機動捜査隊及び刑事部長が関係署長と協議の上指定する署(以下「指定署」という。)において4週間行うものとする。ただし、運用上支障がある場合には、期間を変更して実施することもあり得る。
なお、指定署の署長(以下「指定署長」という。)は、修習生に旅行命令を発する必要が生じた場合には、その内容を旅行命令権者である修習生の所属長に連絡するものとする。
3 指定署に実務修習指導官を置き、指定署の刑事課長(二課制の署にあっては刑事第一課長、刑事生活安全課制の署にあっては刑事生活安全課長)をもって充てる。
実務修習指導官は、実務修習を効率的に行うための調整の任に当たるものとする。
4 指定署に指導担当者を置き、指定署長が、自署に勤務する、実務経験が豊富であり、かつ、指導力に優れた警部補又は巡査部長の中から指名するものとする。
指導担当者は、修習生と共に勤務することにより、実戦的な教養を行うものとする。
5 修習生は、指定署長の指揮の下、指導担当者と同じ勤務形態で職務執行に当たりながら教養を受けるものとする。
第6 刑事任用教養修了者名簿への登載等
なお、本部長は、教養期間を通じ刑事として適格性がないと判断した修習生については、名簿に登載しないものとする。
2 上記1の調書の送付を受けた所属長は、名簿登載者が他の所属に異動したときには、当該名簿登載者の調書を異動先の所属長に送付するものとする。
3 名簿の有効期間は、調書作成の日から起算しておおむね3年間とする。
第7 刑事の任用
署長は、新たに署員を刑事に任用しようとするときは、名簿登載者から順次任用するものとする。
第8 任用の特例
署長は、自署に名簿登載者がいない場合に、新たに自署員を刑事に任用しようとするときは、刑事部長及び警務部長を経て本部長の承認を受けなければならないものとする。
なお、この場合にあっては、任用後速やかに刑事任用教養又は別途計画する実務研修を受講させるものとする。
第9 名簿からの削除
1 所属長は、名簿登載者について、刑事に任用することが適当でないと認める理由が生じたときは、その旨を本部長に報告するものとする。
2 本部長は、上記1の所属長からの報告等に基づき、名簿に登載しておくことが適当でないと認めたときは、その者を名簿から削除するとともに、その旨を当該所属長に通知するものとする。
別表第1
刑事適任者選考基準
項目 | 基準内容 |
階級 | 原則として、巡査部長以下であること。 |
年齢(制限) | 巡査の階級にある者は40歳以下、巡査部長の階級にある者は45歳以下であること。 |
経験年数 | 初任補修科修了後、1年以上(大卒を除く。)の実務経験を有すること。 |
体力 | 身体強健であること。 |
性格・素質(総合的に判断して適否を決定する。) | ○ 正義感が強く、責任感がある。 ○ 積極的で粘り強い。 ○ 意思強固で忍耐力がある。 ○ 沈着冷静で、感情的に安定している。 ○ 融和協調性がある。 ○ 誠実で、人間味がある。 ○ 研究心が旺盛で、吸収力がある。 ○ 個性が豊かである。 |
素行 | 悪癖がなく、言語及び態度に節度があること。 |
勤務実績等 | 勤務実績及び学業成績が優良であること。 |
志望等 | 捜査係を希望し、又は同係の業務に理解と関心を持っていること。 |
家庭環境 | 家庭円満で、職務に対する家族の理解と協力があること。 |
その他 | 留置担当官、警備課警備隊員、災害対策課特別警ら隊員及び機動隊員(それぞれ経験者を含む。)について優先的に選考すること。 |
別表第2
刑事任用科教養指導細目(3週間)
教授要目 | 教授細目 | 時間 | ||
講義 | 実習 | |||
1 職務倫理の基本・警察改革の精神の徹底 | 誇りと使命感 | 1 | 1 | |
2 適正捜査の在り方及び新たな刑事司法制度の概要 | 1 緻密かつ適正な捜査の推進 | 0.5 | 0.5 | |
2 適正な取調べの在り方 | 0.5 | 0.5 | ||
3 新たな刑事司法制度の概要 | 1 | 1 | ||
3 人身安全関連事案への対応及び犯罪被害者支援 | 1 人身安全関連事案への対応 | 1 | 1 | |
2 犯罪被害者支援 | 1 | 1 | ||
4 各種受傷事故の防止 | 各種受傷事故の防止 | 1 | 1 | |
5 少年事件 | 少年事件 | 1 | 1 | |
6 警察会計 | 警察会計 | 1 | 1 | |
7 情報セキュリティ対策 | 情報セキュリティ対策 | 1 | 1 | |
8 サイバー事案対策 | サイバー事案対処に必要な基礎的知識 | 1 | 1 | |
9 デジタル・フォレンジック | デジタル・フォレンジックの基礎 | 1 | 1 | |
10 捜査手続 | 1 任意捜査 | 1 | 1 | |
2 逮捕(勾留)手続 | 2 | 2 | ||
3 捜索、押収、検証及び身体検査 | 2 | 2 | ||
4 告訴、告発及び自首 | 1 | 1 | ||
5 送致・送付手続 | 1 | 1 | ||
6 事件管理等 | 1 | 1 | ||
11 捜査の基本技能 | 1 聞き込み捜査 | 0.5 | 0.5 | |
2 尾行・張り込みの実務 | 0.5 | 0.5 | ||
3 取調べ要領(供述調書等の作成要領を含む。) | 8 | 1 | 7 | |
12 捜査活動の方法 | 1 手配捜査 | 1 | 1 | |
2 情報分析 | 2 | 1 | 1 | |
3 よう撃、的割捜査 | 0.5 | 0.5 | ||
4 面割捜査 | 0.5 | 0.5 | ||
5 盗品等捜査 | 1 | 1 | ||
13 捜査書類の作成 | 1 捜査書類作成の基本 | 1 | 1 | |
2 被害届 | 1 | 1 | ||
3 実況見分調書 | 3 | 3 | ||
4 捜査報告書 | 1 | 1 | ||
5 逮捕手続書 | 3 | 3 | ||
6 捜索差押えに関する書類 | 2 | 2 | ||
7 令状請求資料及び送致等 | 1 | 1 | ||
14 捜査と公判 | 1 公判手続及び証拠法 | 0.5 | 0.5 | |
2 公判対応、証人出廷 | 0.5 | 0.5 | ||
15 刑事警察総論 | 1 刑事警察の歩みと捜査の在り方 | 0.5 | 0.5 | |
2 捜査の合理化・効率化 | 0.5 | 0.5 | ||
16 組織犯罪対策 | 1 組織犯罪対策 | 1 | 1 | |
2 暴力団対策 | ||||
(1) 暴力団対策 | 1 | 1 | ||
(2) 暴力団犯罪捜査 | 1 | 1 | ||
(3) 特殊詐欺捜査 | 2 | 1 | 1 | |
3 薬物銃器犯罪の取締り | ||||
(1) 薬物犯罪の捜査要領 | 1 | 0.5 | 0.5 | |
(2) 薬物の鑑定要領 | 1 | 0.5 | 0.5 | |
(3) 銃器犯罪の捜査要領 | 2 | 1 | 1 | |
4 国際犯罪捜査 | 1 | 1 | ||
17 各種事件捜査 | 1 強行犯捜査 | 1 | 1 | |
2 特殊犯捜査 | 3 | 1 | 2 | |
3 性犯罪捜査 | 1 | 1 | ||
4 知能犯捜査 | 1 | 1 | ||
5 窃盗犯捜査 | 1 | 1 | ||
18 現場鑑識 | 1 犯罪鑑識 | 2 | 1 | 1 |
2 現場資料発見・採取時の立証措置 | 0.5 | 0.5 | ||
3 鑑定嘱託 | 0.5 | 0.5 | ||
4 DNA型鑑定・DNA型データベース | 1 | 0.5 | 0.5 | |
19 当直事件等対応要領 | 1 現場臨場 | 1 | 1 | |
2 死体取扱要領 | 1 | 1 | ||
20 その他 | 1 入校・修了式 | 2 | 2 | |
2 部外教養 | 1 | 1 | ||
計 | 73 | 44.5 | 28.5 |
別表第3
実務修習指導細目(4週間)
修習場所 | 修習要目 | 修習細目 | 時間 |
機動捜査隊(各分駐隊) | 1 初動捜査要領 | 検索、検問、密行 | 40 |
2 よう撃捜査要領 | 張込み、密行、尾行 | ||
3 職務質問要領 | 職務質問 | ||
指定署 | 1 現場監察及び採証活動要領 | 1 各種事件の現場鑑識採証活動 | 10 |
2 関係書類の作成 | |||
2 初動捜査要領 | 各種事件発生時における初動捜査及び初動措置 | 10 | |
3 各種事件捜査要領 | 凶悪、窃盗、知能、暴力、火災、変死等各種事件の現場における捜査活動と事件処理 | 42 | |
4 被疑者・参考人の実質的な取調べ及び供述調書作成要領 | 1 各種事件の取調べ | 32 | |
2 被疑者供述調書の作成 | |||
3 参考人供述調書の作成 | |||
5 被疑者逮捕に伴う令状請求等各関係捜査書類及び送致書類の実質的まとめ | 1 逮捕状の請求書類作成 | 16 | |
2 逮捕手続書の作成 | |||
3 捜索、差押等の関係書類の作成 | |||
4 送致書類の作成 | |||
6 少年事件の処理要領 | 4 | ||
7 装備資機材の活用整備要領 | 2 | ||
県本部 | 反省・検討会、修了式 | 4 |
様式第1号(第3関係)
略
様式第2号(第6関係)
略
様式第3号(第6関係)
略