○仮運転免許の取消しに関する事務取扱要領の制定について(通達)

令和5年2月15日

達(運免)第37号

[原議保存期間 5年(令和10年3月31日まで)]

[有効期間 令和10年3月31日まで]

みだし要領を別紙のとおり制定し、令和5年2月15日から施行することとしたので、事務処理上誤りのないようにされたい。

なお、仮運転免許の取消しに関する事務取扱要領について(平成29年2月23日付け達(運免)第54号)は、廃止する。

別紙

仮運転免許の取消しに関する事務取扱要領

第1 趣旨

この要領は、道路交通法(昭和35年法律第105号。以下「法」という。)第106条の2の規定による仮運転免許(以下「仮免許」という。)の取消しに関する事務を適正かつ迅速に処理するために必要な事項を定めるものとする。

第2 用語の定義

この要領において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 令 道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)をいう。

(2) 施行規則 道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号)をいう。

(3) 臨時認知機能検査 法第101条の7第1項に規定する検査をいう。

(4) 臨時高齢者講習 法第101条の7第4項に規定する講習をいう。

(5) 臨時適性検査 法第102条第1項から第4項までに規定する検査をいう。

(6) 診断書提出命令 法第102条第1項から第4項までに規定する命令をいう。

第3 仮免許の取消しの基準

仮免許を受けた者が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、その者の仮免許を取り消すことができる。

(1) 次のアからエまでに掲げる病気にかかっている者であることが判明したとき。ただし、アからウまでの病気にかかっている場合において、6月の間自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないと認められるときを除く。

ア 統合失調症

イ 発作により意識障害又は運動障害をもたらす次の(ア)から(ウ)までに掲げる病気

(ア) てんかん(発作が再発するおそれがないもの、発作が再発しても意識障害及び運動障害がもたらされないもの並びに発作が睡眠中に限り再発するものを除く。)

(イ) 再発性の失神(脳全体の虚血により一過性の意識障害をもたらす病気であって、発作が再発するおそれがあるものをいう。)

(ウ) 無自覚性の低血糖症(人為的に血糖を調節することができるものを除く。)

ウ 上記ア及びイのほか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある次の(ア)から(ウ)までに掲げる病気

(ア) そううつ病(そう病及びうつ病を含み、自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないものを除く。)

(イ) 重度の眠気の症状を呈する睡眠障害

(ウ) 上記(ア)及び(イ)のほか、自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈する病気

エ 認知症

(2) 身体に次のアからエまでに掲げる障害が生じている者であることが判明したとき。

ア 目が見えないこと。

イ 体幹の機能に障害があって腰をかけていることができないこと。

ウ 四肢の全部を失ったこと又は四肢の用を全廃したこと。

エ 上記アからウまでのほか、自動車等の安全な運転に必要な認知又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなること(法第91条の規定により条件を付し、又はこれを変更することにより、その能力が回復することが明らかであるものを除く。)。

(3) アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者であることが判明したとき。

(4) 仮免許を受けた者が違反行為をし、よって交通事故を起こして人を死亡させ、若しくは傷つけ、又は建造物を損壊したとき。

(5) 仮免許を受けた者が次のアからタまでに掲げる違反行為をしたとき。

ア 救護義務違反(法第117条)

イ 酒酔い運転(法第117条の2第1項第1号)

ウ 麻薬等運転(法第117条の2第1項第3号)

エ 妨害運転(著しい交通の危険)(法第117条の2第1項第4号)

オ 無免許運転(法第117条の2の2第1項第1号)

カ 酒気帯び運転(法第117条の2の2第1項第3号)

キ 過労運転等(上記ウに該当するものを除く(法第117条の2の2第1項第7号)。)

ク 妨害運転(交通の危険のおそれ)(法第117条の2の2第1項第8号)

ケ 共同危険行為(法第117条の3)

コ 携帯電話使用等(交通の危険)(法第117条の4第2号)

サ 最高速度違反(一般道路で毎時30キロメートル(高速自動車国道及び自動車専用道路は毎時40キロメートル)以上超過したものに限る(法第118条第1項第1号)。)

シ 積載物重量制限超過(積載物の重量の制限として定められた数値の2倍以上の重量の積載をして大型自動車、中型自動車、準中型自動車又は大型特殊自動車を運転する行為に限る(法第118条第2項第1号)。)

ス 大型自動車等無資格運転(法第118条第1項第3号(法第85条第5項から第10項までに係る部分に限る。))

セ 仮運転免許違反(法第118条第1項第4号)

ソ 無車検車両運転(道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第58条第1項)

タ 無保険車両運転(自動車損害賠償保障法(昭和30年法律第97号)第5条)

(6) 上記(5)の行為に係る重大違反唆し等をしたとき。

(7) 人の死傷(治療期間が15日以上であるもの又は後遺障害が存するものに限る。)に係る道路外致死傷をしたとき。

(8) 人の死傷に係る道路外致死傷が故意によるとき又は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(平成25年法律第86号)第2条から第4条までの罪に当たる行為をしたとき。

(9) 都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)から臨時認知機能検査又は臨時高齢者講習の通知を受けた者が、当該通知を受けた日の翌日から起算した期間(臨時認知機能検査又は臨時高齢者講習を受けないことについて令第37条の6の5で定めるやむを得ない理由のある者にあっては、当該期間から当該事情の存する期間を除いた期間)が通算して1月を超えることとなるまでに、当該通知に係る臨時認知機能検査又は臨時高齢者講習を受けないと認めるとき。

(10) 公安委員会から、診断書提出命令を受けた者が、当該命令に違反したと認めるとき、又は臨時適性検査の通知を受けた者が、当該通知に係る適性検査を受けない(当該臨時適性検査の通知が仮免許を受けた者から適性検査を受けたい旨の申出があり、その申出に理由があると認めて当該適性検査を行うこととした場合を除く。)と認めるとき。ただし、診断書提出命令に応じないこと又は臨時適性検査を受けないことについて、やむを得ない理由がある場合を除く。

第4 仮免許の取消事務の処理

1 仮免許を受けた者に病気又は障害があることが判明した場合

仮免許を受けた者に上記第3(1)から(3)までに掲げる病気又は障害があることを発見し、又は認知した場合は、別に定める臨時適性検査等該当者発見報告書により運転免許課長に速報すること。

2 本県居住者が仮免許の取消基準に該当する場合

署長又は高速道路交通警察隊長(以下「署長等」という。)は、上記第3(4)から(9)までに掲げる仮免許の取消基準に該当する交通事故を取り扱った場合又は同基準に該当する交通違反を検挙した場合で、当該事案の内容を検討した結果、仮免許を取り消すことが適当と認めるときは、次により処理すること。

(1) 仮運転免許取消事案検挙速報(様式第1号)に所要事項を記載するとともに、同速報の「20弁明の要旨」欄には、処分対象者の弁明を録取して記載し、それを運転免許課長へ速報して仮免許の取消しについて指示を受けること。

なお、この場合の弁明の録取は、法的には必要とされていないが、処分対象者は、後に運転免許(以下「本免許」という。)の拒否又は停止処分を受ける場合が多いことから、その適正な処分執行を確保するために行うものである。

(2) 上記(1)の速報を受けた運転免許課長は直ちに仮免許取消しについて検討し、その結果を署長等に回答すること。

(3) 上記(2)により運転免許課長から仮免許の取消基準に該当する旨の回答を受けた署長等は、仮運転免許取消し処分通知書(施行規則別記様式第19の4)を作成して被処分者に交付するとともに、運転免許証返納届(福島県道路交通規則(昭和35年福島県公安委員会規則第14号)様式第20号)により仮運転免許証を確実に返納させること。

(4) 上記(3)の返納された仮運転免許証は、関係資料と共に、取消処分仮運転免許証送付書(様式第2号)により運転免許課長に送付すること。

3 他の都道府県居住者が仮免許の取消基準に該当する場合

(1) 上記2(1)の事案の速報は、県内に居住する者と同様に行うこと。

(2) 運転免許課長は、その者の住所地を管轄する都道府県警察の行政処分担当課長に電話により通報し、仮免許取消処分の執行のための出頭日時、場所等を問い合わせ、折り返し署長等へ回答すること。

(3) 上記(2)の回答を受けた署長等は、当該回答に基づき、出頭通知書(様式第3号)を作成して対象者に交付すること。

(4) 上記(3)の対象者の仮運転免許証は、住所地を管轄する公安委員会に返納することとなるので、本県警察においては、返納を受けないこと。

第5 仮免許取消処分上の留意事項

1 仮免許の取消しの基準に該当することとなった者が他の本免許を現に受けている者であるときは、本免許についても行政処分がなされることとなるので、その手続も速やかに行うこと。

また、現に本免許を有しない者であっても、将来本免許を受けることとなった場合に拒否、保留等の処分が必要となるときがあるので、違反行為等に係る関係資料は正確に処理すること。

2 人身交通事故の場合において、被処分者の不注意の程度が「軽い」場合には、不処分となることもあり得るので、過失の認定を慎重に行うこと。

様式第1号(第4関係)

 略

様式第2号(第4関係)

 略

様式第3号(第4関係)

 略

仮運転免許の取消しに関する事務取扱要領の制定について(通達)

令和5年2月15日 達(運免)第37号

(令和5年2月15日施行)

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交通部
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令和5年2月15日 達(運免)第37号