○死体取扱時における貴重品の適正な取扱い等について(依命通達)

令和5年8月1日

達(捜一)第305号

[原議保存期間 3年(令和9年3月31日まで)]

[有効期間 令和9年3月31日まで]

先般、他県警察において、単独第1臨場した警察官が死体取扱現場に残されていた現金を領得する事案や、担当警察官が死体取扱現場から引き上げて警察署に保管中の現金を窃取する事案が発生した。この種事案の再発防止を図るため、死体取扱現場における現金、有価証券、貴金属その他貴重品(以下単に「貴重品」という。)の取扱い等については下記のとおりとするので、適正な取扱い等に万全を期されたい。

1 死体取扱現場における活動について

(1) 在署幹部の対応

在署幹部は、死体取扱現場に警察官を単独で臨場させるときは、次の措置を講じて取扱いの適正を確保すること。

ア 人命救助や捜査の観点から行う生死の別の確認を行わせ、死亡を確認したときは、直ちに死体及びその周辺の映像を高度警察情報通信基盤システム(PⅢ)により送信させるなどして、現場の正確な状況を把握すること。

イ 貴重品の確認作業、家屋内の調査等を単独で行わないよう指示すること。

(2) 署検視官の対応

死体取扱現場に臨場した署検視官は、臨場した他の警察官に対して、貴重品の確認作業、家屋内の調査等を必ず複数人で行うよう指示すること。

2 死体取扱現場における貴重品の取扱いについて

(1) 貴重品の発見報告

署検視官は、死体取扱現場において貴重品を発見した場合には、発見した貴重品の品名、数量等を在署幹部に報告すること。

(2) 死体取扱現場で遺族等に引渡しができる場合の取扱い

署検視官は、死体取扱現場で発見された貴重品について、調査等が完了した場合には、当該現場において遺族等(遺族その他貴重品を引き渡すことが適当と認められる者をいう。以下同じ。)に確実に引き渡すこと。

(3) 死体取扱現場で遺族等に引き渡すことができない場合

署検視官は、貴重品に係る調査等が死体取扱現場で完了しなかった場合及び当該現場において遺族等に貴重品を引き渡すことができない場合には、在署幹部に対し、その旨を報告するとともに、報告を受けた在署幹部は、当該貴重品を残置することが適当でないと認めるときは、当該貴重品のうち保管が必要なものを指定して、警察施設に引き上げさせること。

また、当該貴重品を当該現場に残置させる場合には、当該現場等を施錠することで盗難等を防止することができることを確認し、当該現場等を施錠した鍵を警察施設に引き上げさせること。

3 警察施設に引き上げた貴重品等の取扱いについて

署長は、引き上げた貴重品等(上記2(3)の貴重品及び鍵をいう。以下同じ。)を保管及び管理する責任者(以下「保管責任者」という。)として、死体取扱担当課の警部(以下「刑事課長等」という。)及び当直責任者(宿日直責任者を含む。以下「当直責任者等」という。)を指定すること。

保管責任者は、引き上げた貴重品等を施錠可能な保管庫(証拠品保管庫を除く。)に適切に保管すること。

保管庫の鍵は執務時間内は刑事課長等が、執務時間外は当直責任者等が管理することとし、保管責任者は、貴重品等の保管及び出納の状況を貴重品等保管簿(様式第1号)及び貴重品等出納簿(様式第2号)へ確実に記録させるとともに、実物を突合確認すること。

4 保管責任者が不在の場合の措置

署長は、刑事課長等が入校等により長期不在となる場合、死体取扱担当課の警部補を指定し貴重品等の保管及び管理を代行させること。

5 貴重品等保管簿の備付け

署長は、貴重品等保管簿(様式第1号)及び貴重品等出納簿(様式第2号)を備え付けるものとし、保存期間を3年とする。

様式第1号

 略

様式第2号

 略

死体取扱時における貴重品の適正な取扱い等について(依命通達)

令和5年8月1日 達(捜一)第305号

(令和5年8月1日施行)

体系情報
刑事部
沿革情報
令和5年8月1日 達(捜一)第305号