○緊急時における医師の搬送等に関する協力について(通達)

令和5年12月15日

達(地企、総指、交企、交機、高速)第447号

[原議保存期間 5年(令和11年3月31日まで)]

[有効期間 令和11年3月31日まで]

みだしのことについて、次のとおり定め、令和5年12月14日から運用することとしたので、誤りのないようにされたい。

なお、緊急時における医師の搬送等に関する協力について(平成18年8月8日付け達(地企、地安、交企、交機、高速)第270号)は、廃止する。

1 趣旨

県警察においては、県内における緊急医療への支援措置の一環として、医療機関からの要請を受け、医師が運転又は乗車している車両を警察車両で緊急誘導を実施することから、必要な対応要領について定めるものである。

2 定義

緊急誘導とは、医療機関からの要請を受け、医師が運転又は乗車している車両(以下「被誘導車両」という。)を目的地まで安全かつ円滑に到着させるため、道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)第13条第2項に基づき、緊急自動車である交通取締用自動車又は警ら用無線自動車(以下「パトカー」という。)によって被誘導車両を誘導しながら走行することをいうものとする。

3 緊急誘導の判断基準

(1) 医師による緊急の手術又は緊急の治療のため、医療機関から要請があること。

(2) 医療機関に医師を搬送する手段がないこと。

4 緊急誘導に対する基本的対応要領

(1) 医療機関から、緊急手術又は緊急の治療のため、被誘導車両の緊急誘導を要請された場合は、事案の緊急性・妥当性、業務運営上の支障の有無等を総合的に判断して、緊急誘導を実施するものとする。

(2) 総合運用指令課通信指令室長(以下「通信指令室長」という。)は、緊急誘導の要請を集約し、緊急誘導の必要性を判断するものとする。

(3) 緊急誘導は、原則として、交通機動隊(以下「交機隊」という。)又は高速道路交通警察隊(以下「高速隊」という。)が対応するものとする。ただし、交機隊及び高速隊が緊急誘導に対応できない場合には、署が実施するものとする。この場合において、緊急誘導先が隣接署管内である場合は、出発地を管轄する署が緊急誘導を実施するものとする。また、緊急誘導の経路が数署にまたがる場合は、誘導経路を管轄する関係所属間で引き継ぐものとする。

(4) 緊急誘導に使用する車両は、パトカーを使用するものとする。ただし、パトカーにより対応できない場合には、交通取締用自動二輪車(白バイ)で緊急誘導するものとする。

(5) 被誘導車両は、医師が運転又は乗車している車両とする。ただし、医療機関において、他に医師を搬送する手段・方法がなく、特に要請がある場合には、パトカーに同乗させることができるものとする。

(6) 緊急誘導の範囲は、県内とする。ただし、緊急の対応が必要で、他に手段・方法がなく、かつ、特に要請があった場合には、他県警察と連携を図るものとする。

5 緊急誘導要請の受理

(1) 110番通報による要請

ア 通信指令室長は、緊急誘導の必要性が認められる場合には、誘導の理由、出発地、出発予定時間、緊急誘導の経路、緊急誘導先、医師、被誘導車両等について総合運用指令課長に報告し、指揮を受けるとともに、緊急指令により交機隊、高速隊又は関係署に対して通報するものとする。また、通信指令室長は、110番通報以外の方法により、医師の緊急誘導に関する報告を受理した場合にも、同様の対応を図るものとする。

イ 執務時間外においては、総合運用指令課指令官が通信指令室長に準じた対応を図るものとする。

(2) 加入電話等による要請

ア 県本部総合宿日直で受理した場合

県本部総合宿日直責任者は、直ちに通信指令室に引き継ぐものとする。

イ 署で受理した場合

署長は、緊急誘導の理由、出発地、出発予定時間、緊急誘導の経路、緊急誘導先、医師、被誘導車両等について聴取し、通信指令室に通報するものとする。

ウ 交機隊及び高速隊で受理した場合

交機隊長及び高速隊長は、署で受理した場合に準じた対応を図るものとする。

6 緊急誘導要請に対する対応要領

(1) 通信指令室での対応要領

通信指令室長は、関係所属から報告される実施の可否、出発地、出発予定時間、誘導車両、緊急誘導先、引継先までの所要時間等の情報を一元管理するとともに、必要により、緊急誘導の経路、引継予定時間等緊急誘導に必要な事項を調整するものとする。また、通信指令室長は、緊急誘導の経路が数署にまたがる場合において、関係所属間の調整を図るものとする。

(2) 交機隊及び高速隊での対応要領

交機隊長及び高速隊長は、通信指令室から緊急誘導の実施について指令を受理した場合は、緊急誘導実施の可否、誘導車両、緊急誘導先までの所要時間等について通信指令室に通報するとともに、緊急誘導の実施に必要な事項について指揮するものとする。

なお、高速隊は、交機隊及び署と無線系統が異なることに配意し、緊密な連携を図ること。

(3) 署での対応要領

署長は、通信指令室から緊急誘導の実施について指令を受理した場合は、緊急誘導実施の可否、誘導車両、引継場所までの所要時間等について通信指令室に通報するとともに、緊急誘導の実施に必要な事項について指揮するものとする。

7 実施上の留意事項

(1) 緊急誘導の任務に従事する者は、緊急誘導に先立ち、被誘導車両運転手の運転免許証、運転歴等を聴取するとともに、車間距離の保持、交通事故防止等について十分に指導すること。

(2) 緊急誘導に当たっては、交通量、車両の流れ、道路状況等を十分に勘案するとともに、緊急自動車としての要件、最高速度等の関係規定を遵守すること。また、追随する被誘導車両の安全走行に十分配意すること。

(3) 緊急誘導中は、常に被誘導車両の追随状況を把握するとともに、主要交差点、建物等の通過及び緊急誘導の終了に当たっては、その都度、通信指令室に連絡すること。

(4) 緊急誘導の要請を受理したことにより、全て対応するとの誤解を招くことのないよう言動には十分注意すること。

(5) 緊急誘導の必要性がないと判断される場合には、パトカーの公共性等を簡潔に説明して断ること。

(6) 交機隊長、高速隊長及び署長は、緊急誘導に関する指導・教養を徹底し、要請があった場合には適切に対応できるよう配意すること。

8 報告

総合運用指令課長は、緊急誘導を実施した場合において、緊急誘導実施結果報告書(別記様式)により、本部長に報告するものとする。

別記様式

 略

緊急時における医師の搬送等に関する協力について(通達)

令和5年12月15日 達(地企、総指、交企、交機、高速)第447号

(令和5年12月14日施行)

体系情報
地域部
沿革情報
令和5年12月15日 達(地企、総指、交企、交機、高速)第447号