○地域警察における高齢者保護活動推進要領の制定について(依命通達)

令和5年12月20日

達(地企)第459号

[原議保存期間 3年(令和9年3月31日まで)]

[有効期間 令和9年3月31日まで]

対号 令和元年12月2日付け達(地企)第403号「福島県地域警察運営に関する訓令の制定について(通達)」

みだし要領を別紙のとおり制定し、令和6年1月1日から施行することとしたので、実効の挙がるよう積極的な推進に努められたい。

別紙

地域警察における高齢者保護活動推進要領

第1 趣旨

この要領は、地域警察が対号に基づき、独居高齢者、高齢者夫婦等世帯及びその他保護を必要とする高齢者(以下「独居高齢者等」という。)を対象として従来実施してきた奉仕保護活動及び高齢者を各種事件・事故や災害等から守り、あわせて住民と警察の良好な関係を確保する高齢者保護のための諸活動(以下「高齢者保護活動」という。)に当たり必要な事項を定めるものとする。

第2 活動推進要領

1 独居高齢者等に対する奉仕保護活動推進要領

(1) 活動の意義

地域警察官は、巡回連絡等を通じ、独居高齢者等の生活実態、要望・意見等を掌握するとともに、事件・事故や災害等の被害防止及び独居高齢者等の安心・安全の確保のため、個々の対象者に応じたきめ細かな助言及び指導を行うものとする。

(2) 対象者

ア 独居高齢者

おおむね65歳以上の一人暮らしの高齢者をいう。

イ 高齢者夫婦等世帯

共に年齢65歳以上の二人暮らしの夫婦、親子、兄弟姉妹、他人同士等の世帯をいう。

ウ その他の要保護高齢者

独居高齢者及び高齢者夫婦等世帯には該当しないが、特に高齢者保護活動を行うことが必要と認められるおおむね65歳以上の高齢者をいう。

(3) 対象者の区分

ア A対象者

上記(2)アからウまでのうち、次のいずれかに該当する者を対象者とする。

(ア) 事件及び事故の被害者となるおそれがある者

(イ) 近隣に保護者がいない者

(ウ) 近隣に保護者がいるが、保護能力又は意思がないため、何らかの警察措置を要すると認められる者

イ B対象者

独居高齢者等のうち、A対象者以外の高齢者とする。

(4) 要保護性の判断基準

地域警察官は受持区の独居高齢者等について、おおむね次の事項を勘案し、対象者の区分を決定するものとする。

ア 近親者等の居住地までの距離、所要時間及び音信の状況

イ 健康状態、持病の有無及びその程度

ウ 認知症等の有無又はその程度

エ 過去における保護歴

オ その他事件、事故及び災害の被害を受けやすい要因

(5) 掌握すべき事項

地域警察官は、巡回連絡等の地域警察活動を通じ、対象者に関する次の事項について掌握するものとする。

ア 人定事項

イ 居住・生活等の実態に関する事項

ウ 健康状態

エ 近親者等の連絡先と連絡方法に関する事項

オ 福祉関係者等の連絡先と連絡方法に関する事項

カ 警察に対する要望・意見等に関する事項

キ その他高齢者の保護に関して必要な事項

(6) 指導・助言事項

地域警察官は、対象者に対し、次の事項について指導・助言を行うものとする。

ア 各種事件被害及び交通事故防止に関する事項

イ 火災、水難その他災害の被害防止に関する事項

ウ 犯罪、事故、災害等発生時の応急措置要領及び緊急時の連絡方法

エ その他必要と認められる事項

(7) 活動基準

ア A対象者

対象者の要保護性の程度に応じて、巡回連絡等の頻度を設定し、積極的な高齢者保護活動を推進するものとする。

イ B対象者

対象者の実情に応じて、巡回連絡等の地域警察活動により高齢者保護活動を推進するものとする。

(8) 資料の整備

地域警察官は、奉仕保護活動により掌握した事項、活動実施状況等については、他部門で実施する高齢者保護関連施策の基礎資料となるものであることを踏まえ、対号に規定する奉仕保護活動簿に確実に資料化するものとする。

2 地域警察活動における高齢者保護活動

(1) あらゆる地域警察活動を通じた高齢者保護活動

地域警察官は、巡回連絡等を通じて実施する奉仕保護活動のみならず、警ら、立番等の街頭活動や各種会合・行事等、高齢者と接するあらゆる機会において、適切な高齢者保護活動を行うものとする。

(2) 高齢者保護のための広報・啓発活動

地域警察官は、ミニ広報紙、交番速報その他あらゆる広報媒体を活用し、高齢者に対しては事件、事故、災害等の被害防止及び社会参加等について積極的に広報啓発活動を行うものとする。

また、地域住民に対しては、高齢者保護のための地域基盤の醸成並びに警察施策への理解及び協力について広報啓発活動を行うものとする。

(3) 高齢者の社会参加への支援活動

高齢者の年齢、健康状態、生活実態等から社会参加することが望ましい対象者に対しては、対象者の意思を尊重しつつ、警察や関係機関・団体等が実施する地域防犯活動、交通安全活動等の社会奉仕活動やスポーツ・文化活動等への参加を促進するための助言、指導等の側面的支援に配意する。

3 活動上の留意事項

(1) 高齢者の見識や経験を尊重しつつ、身体機能や認知機能の低下といった高齢者の特性に配意した活動を推進すること。

(2) 各活動単位や在署幹部等との情報共有を図り、一体的な活動を推進するほか、他課(係)及び関係機関と連携し適切な活動を推進すること。

(3) 活動に当たっては、対象者の私生活の干渉に渡らないように配意するとともに、職務上知り得た個人情報等の取扱いについては、法令等にのっとり、その保護に努めること。

第3 幹部の責務

1 街頭活動時間の確保

高齢者保護活動は、主として巡回連絡、警ら等の街頭活動時間に行われることから、在署幹部は、地域警察官の活動状況を把握し、適切かつ実効性のある活動が行われるよう、街頭活動時間の確保及び計画的な活動の管理に配意すること。

2 教養

地域警察官に対して、高齢者保護活動の目的、重要性、地域警察が果たすべき役割等について教養し、その認識を高めること。

3 施策の総合性への配意

高齢者保護活動は地域警察全体の任務であることを認識し、各活動単位の相互の連携による一体的な活動が行われるよう配意すること。

また、他課(係)、自治体、福祉関係者等関係機関との連携を図り、それらが行う高齢者保護関連施策に地域警察官を積極的に関与させるなど、当該施策の総合的な推進に配意すること。

第4 報告

高齢者保護に係る施策や、地域警察官の活動好事例については、適宜の方法により積極的に報告すること。

地域警察における高齢者保護活動推進要領の制定について(依命通達)

令和5年12月20日 達(地企)第459号

(令和6年1月1日施行)

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令和5年12月20日 達(地企)第459号