○犯罪被害者支援公費負担制度運用要領の制定について(通達)

平成28年3月25日

達(県サ)第99号

みだしのことについては、別紙のとおり制定し、平成28年4月1日から施行することとしたので、効果的かつ適正な運用に努められたい。

1 制定の趣旨

これまで、犯罪被害者の精神的・経済的負担等の軽減を図るため、診断書料、性犯罪被害に伴う初診料及び緊急避妊等処置料、司法解剖等遺体の搬送料等の公費負担制度の適切な運用に努めてきたところであるが、この度、殺人事件等被害に係るハウスクリーニング費用を公費負担に加えるなど公費負担制度の拡充を図ったことから、関係通達を整理統合し、新たに定めるものである。

2 運用要領

(1) 医療機関受診経費等の公費負担運用要領(別紙1)

(2) 司法解剖等遺体の公費搬送等運用要領(別紙2)

(3) 一時避難場所等の利用経費の公費負担運用要領(別紙3)

(4) ハウスクリーニング費用の公費負担運用要領(別紙4)

3 要領の要点

(1) 各要領共通

公費負担の範囲、対象事件等を定めるとともに、公費負担を執行する際は、県民サービス課長に事前連絡することとした。

(2) 医療機関受診経費等の公費負担運用要領関係

診断書及び死体検案書の公費負担を行う場合は、あらかじめ見積書を徴するとともに、支出事務手続は署庶務係又は会計課で行うこととした。

(3) 司法解剖等遺体の公費搬送等運用要領関係

解剖を実施した場所から遺族等が希望する自宅等までの搬送とするが、公費搬送の区間は県内に限るものとした。

(4) 一時避難場所等利用経費の公費負担運用要領関係

犯罪被害者等の安全を確保するため、ホテル、旅館等の宿泊費用(食事代等は除く。)を公費負担するための諸手続を定めた。

(5) ハウスクリーニング費用の公費負担運用要領関係

殺人事件等の現場が被害者宅等である場合の清掃費用を公費負担するための諸手続を定めた。

4 運用上の留意点

(1) 公費負担対象事件が発生した際には、公費負担のできる基準を満たすかどうかを確認し、県民サービス課長へ事前連絡すること。また、公費負担を行う場合は、犯罪被害者等及び関係機関に対して公費負担制度の説明を十分に行い、了解を得た上で実施し、後日紛議を生じさせないようにすること。

(2) 所属職員に対して、各運用要領の適正かつ積極的な運用を図るための教養を実施し、周知徹底に努めること。

5 関係通達の廃止

次の通達は、廃止する。

(1) 診断書等経費の公費負担制度の実施について(平成14年3月22日付け達(総相)第60号)

(2) 性犯罪被害者支援公費負担運用要領の制定について(平成25年3月15日付け達(県サ)第93号)

(3) 司法解剖等遺体の公費搬送等の実施について(平成18年3月23日付け達(総相)第86号)

(4) 犯罪被害者等の一時避難場所の確保に要する経費の公費負担について(平成20年3月24日付け達(県サ)第91号)

別紙1

医療機関受診経費等の公費負担運用要領

1 趣旨

殺人、強盗、強制性交等、傷害等の身体犯及び交通事故事件の被害者並びにその家族又は遺族(以下「犯罪被害者等」という。)は、その事件の性質上、事件を立証するための診断書等の提出及び被害事実の証明を求められ、また、性犯罪被害者は、事案そのものによる被害に加え、必要な医療行為に係る経費の負担など様々な経済的負担を強いられている状況にある。そのため、これら医療機関受診に係る経費の一部を公費負担することにより、犯罪被害者等の経済的負担の軽減を図るとともに、二次的被害の防止ひいては性犯罪被害の潜在化を防止しようとするものである。

2 公費負担の範囲

(1) 診断書(死亡診断書を含む。)料

犯罪被害者1人につき1通分の額とする。ただし、負傷の部位により複数の医療機関で診察を要した場合は、それぞれの医療機関ごとに1通分の額とし、後日当初の診断に変更が生じた場合も同様とする。

(2) 死体検案書料

原則として遺体1体につき1通分の額とする。

(3) 性犯罪被害者に係る医療費の一部

別表1に掲げる診療項目等。ただし、公的医療保険は適用しない。

3 公費負担対象事件

別表2のとおり

4 公費負担の除外

犯罪被害者等に対する公費負担は、次のいずれかに該当する場合は、原則として、これを行わないものとする。ただし、当該事件・事故を管轄する署長及び高速道路交通警察隊長(以下「署長等」という。)が、公費負担を行わないことが社会通念上適切でないと認めるときは、この限りでない。

(1) 犯罪被害者等と加害者との間に次に掲げる親族関係がある場合。ただし、性犯罪被害者に係る公費負担のときは、この限りでない。

ア 夫婦(婚姻の届出はしていないが、事実上婚姻と同様の関係があると認められる場合を含む。)

イ 直系血族

ウ 三親等内の親族又は同居の親族

(2) 犯罪被害者等が集団的又は常習的に暴力的不法行為を行う組織又は集団に属しているとき。

(3) 犯罪被害者等の責めに帰すべき重大な理由があるとき又は虚偽の申告の疑いがあるとき。

(4) 犯罪被害者等が公費負担を希望しないとき又は加害者若しくはその関係者から費用の支払いを受けたとき。

(5) その他社会通念上、公費負担することが不適切と認められるとき。

5 公費負担の手続

(1) 診断書料及び死体検案書料

ア 署長等は、公費負担の対象となる事案が発生したときは、犯罪被害者等及び医療機関に対して公費負担について説明を行い、両者の了解を得た上で、犯罪被害者等に対し診断書等経費見積書(様式第1号)及び公費負担医療費等請求書(様式第2号。以下「請求書」という。)(以下これらを「見積書等」という。)を交付するものとする。

イ 医療機関から見積書等を受領したときは、署の会計課(係)(以下「署会計係」という。)又は高速道路交通警察隊の庶務係に提出するものとする。

ウ 見積書等の提出を受けたときは、署会計係にあっては、見積書等を確認の上、診断書又は死体検案書の経費の支出に関する事務手続を行い、高速道路交通警察隊の庶務係にあっては、当該見積書等を確認の上、関係書類とともに会計課に送付するものとする。

(2) 性犯罪被害者に係る医療費の一部

ア 署長は、公費負担の対象となる事案が発生したときは、性犯罪被害者及び医療機関に対して公費負担について説明を行い、両者の了解を得た上で、性犯罪被害者等に対して請求書を交付するものとする。ただし、精神疾患の診療について公費負担しようとするときは、専門的見地の必要性を判断するため、事前に電話等により県民サービス課長と協議するものとする。

イ 公費負担の適用範囲内であることを確認した上で、医療機関から請求書を受領したときは、速やかに署会計係に提出するものとする。

ウ 請求書の提出を受けた署会計係においては、請求書を確認の上、性犯罪被害者に係る医療費の一部負担の支出に関する事務手続を行うものとする。

6 県本部への報告

公費負担の対象となる事案を認知した署長等は、県民サービス課長へ事前に連絡するとともに、診断書及び死体検案書の公費負担にあっては事件・事故に係る受理番号を記載した診断書等経費見積書の写しを、性犯罪被害者に係る医療費の一部負担にあっては犯罪事件受理番号を記載した請求書及び被害届の写しをそれぞれ送付するものとする。

7 留意事項

(1) 性犯罪被害者に係る医療費の一部負担については、診断書料の公費負担と併せて運用できるとともに、公的医療保険の対象となる診療のみを受診する場合であっても、公費負担の対象となる医療費については、その全額を公費負担することとなるので、公的医療保険を適用しないよう注意すること。

なお、公費負担に係る診療の終了後も診療を継続する場合は、医療機関に公的医療保険の適用を申し出るように教示し、経済的な負担軽減を図ること。

(2) 職員が犯罪被害者等に付き添い医療機関を受診する場合は、当該職員が医療機関に本制度の趣旨を説明し、見積書等を交付するなど、犯罪被害者等の負担軽減に努めること。特に、性犯罪被害者が医療機関を受診するときは、初診又は再診にかかわらず、できる限り女性の職員等が付き添い、被害者の状況に応じて、当該職員が被害状況、負傷部位等を医師及び看護師にあらかじめ説明するなど、性犯罪被害者の精神的負担の軽減を図ること。

(3) 性犯罪被害者に対しては、県警察のカウンセリング制度を教示し、精神的負担の軽減に努めること。また、被害直後においては動揺が激しく、自身の精神状態に関心を向けることが困難な場合が多いことから、適切な時期にカウンセリングの利用希望を再確認すること。

(4) 性感染症検査は、原則として初診を受けた医療機関で実施することとし、一定期間経過した後でなければ正確な検査結果が得られない場合があるので、性犯罪被害者に対して適切な教示を行うように努め、できる限り3か月以内に本制度に係る性感染症検査を受けるよう勧めること。

なお、検査結果確認時の再診料は、公費負担の対象とならないので留意すること。

(5) 医療機関が薬剤の支給を院外処方で行う場合は、当該医療機関及び当該薬局に対して本制度を説明し、それぞれから請求書を受領すること。

(6) 各署で支出する金額については、別途に予算配分するので、県民サービス課長への報告に漏れがないようにするとともに、犯罪被害者等が既に医療機関受診経費を支払っている場合など本制度の適用に疑義がある場合には、県民サービス課長と協議すること。

別表1

公費負担ができる範囲(性犯罪被害者に係る医療費の一部)

診療項目等

内容

1 初診料

時間外加算等を含む。

2 再診料

時間外加算等を含む(3の診療に要する費用について公費負担する際に生じる再診料に限る。ただし、性感染症検査の結果確認に伴う再診料を除く。)

3 診療に要する費用





(1) 緊急避妊

1回のみ

(2) 妊娠状態を確認するための検査

1回のみ

(3) 人工妊娠中絶

1回のみ(施術費用に限る。ただし、関連する入院費用等を除く。)

(4) 負傷に伴う医学的処置及び薬剤等の支給

初診時の1回のみ(産婦人科医による治療行為に限る。)

(5) 膣洗浄

初診時の1回のみ

(6) 精液の有無に関する検査

初診時の1回のみ

(7) 性感染症検査

ア HIV感染症

イ B型肝炎

ウ クラミジア感染症

エ 淋病

オ 梅毒

各検査項目につき1回のみ(1回目で診断できない場合に限り2回まで適用できる。)

(8) 精神疾患の診療

県民サービス課長との事前協議の上、必要と認められた場合に限る。

4 処方箋料

3の診療に要する費用(公費負担する際に生じる処方箋料に限る。)

別表2

公費負担対象事件

対象経費

対象事件(罪種)

・診断書料

(死亡診断書を含む。)

・死体検案書料

1 身体犯

(1) 殺人罪(刑法(明治40年法律第45号)第199条の罪)(未遂を含む。)

(2) 強盗致死傷罪(刑法第240条。未遂を含む。)

(3) 強盗・強制性交等致死罪(刑法第241条第3項。未遂を含む。)

(4) 強制わいせつ等致死傷罪(刑法第181条。未遂を含む。)

(5) 傷害致死罪(刑法第205条)

(6) 傷害罪(刑法第204条)

(7) (1)から(6)までのほか、致死又は致傷の結果が生じた結果的加重犯の事件(刑法第211条の罪を除く。)

2 交通事件関係

ひき逃げ事件(道路交通法(昭和35年法律第105号)第72条第1項前段違反に係る罪(自動車損害賠償責任保険(共済)が適用されるものを除く。))

性犯罪被害者に係る医療費の一部(別表1に掲げる診療項目等)

1 強盗・強制性交等罪(刑法第241条。未遂を含む。)

2 強制性交等罪(刑法第177条。未遂を含む。)

3 強制わいせつ罪(刑法第176条。未遂を含む。)

4 準強制わいせつ罪及び準強制性交等罪(刑法第178条。未遂を含む。)

5 監護者わいせつ罪及び監護者性交等罪(刑法第179条。未遂を含む。)

6 強制わいせつ致傷罪、強制性交等致傷罪、準強制わいせつ致傷罪、準強制性交等致傷罪、監護者わいせつ致傷罪及び監護者性交等致傷罪(刑法第181条)

7 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成11年法律第52号)第4条の罪、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第60条第1項及び第2項(第34条第1項第7号に係るものに限る。)の罪、福島県青少年健全育成条例(昭和53年福島県条例第30号)第34条第1項及び第3項第2号の罪等で署長が必要と認めるもの

様式第1号

 略

様式第2号

 略

別紙2

司法解剖等遺体の公費搬送等運用要領

1 趣旨

県警察において取り扱う司法解剖又は行政解剖を終了した遺体について、死者の尊厳に配慮するため、専門業者に霊きゅう車を使用しての遺体搬送及び死化粧程度の遺体修復に係る業務を委託し、その経費を公費負担することによって、遺族の精神的・経済的負担の軽減を図るものである。

2 公費搬送の範囲

公費搬送は、解剖を実施した場所から遺族又は遺体の引渡しを受け、火葬埋葬を行うことを申し出た者(以下「遺族等」という。)が希望し、かつ、当該事件・事故を管轄する署長又は高速道路交通警察隊長(以下「署長等」という。)が適当と認める場所(以下「搬送先」という。)までとする。

なお、公費搬送の区間は福島県内に限り、かつ、一般道路を使用した搬送であることから、遺族等が県境を越える搬送及び高速道路等を使用した搬送を希望した場合は、その県境を越える搬送及び高速道路等を使用した経費は遺族等の負担となることを説明し、後日紛議が生じないようにすること。

また、航空機又は船舶により遺体を搬送する場合にも、県内の空港又は海港までとする。

3 公費搬送等の除外

公費搬送及び公費遺体修復(以下「公費搬送等」という。)を行うまでの間において、次のいずれかに該当することが判明した場合は、原則として、公費搬送等は行わないものとする。ただし、署長等が、公費搬送等を行わないことが社会通念上適切でないと認めるときは、この限りでない。

(1) 遺族等が公費搬送等を希望しないとき。

(2) 死者が集団的又は常習的に暴力的不法行為を行う組織又は集団に属していたとき。

(3) 死者の責めに帰すべき重大な理由があるなど公費搬送等をすることが社会通念上妥当でないと認めるとき。

(4) 加害者又はその関係者から費用の支払いを受けたとき。

(5) その他社会通念上、公費搬送等を行うことが不適切と認められるとき。

4 公費搬送等の手続

(1) 署長等は、原則として、死体の状況、現場の状況等から判断して明らかに犯罪死体と認められる遺体を解剖に付す場合は、公費搬送等事前検討票・結果報告書(別記様式)に所要の事項を記載の上、公費搬送の適否を判断し、県民サービス課長へ送付するものとする。

(2) 署長等は、公費搬送を決定した場合は、県本部が委託した業者(以下「委託業者」という。)に搬送開始予定時間、搬送先等遺体搬送に関する事項を連絡するものとする。

なお、委託業者の連絡先については、県民サービス課長が当該署長等に連絡するものとする。

(3) 遺体修復は、委託業者が、委託業者の営業所、搬送先の遺族宅、葬儀会場など適宜の場所において行うものとする。

5 県本部への報告

(1) 公費搬送等に係る対象事件を認知した署長等は、県民サービス課長へ事前に連絡するものとする。

(2) 署長等は、公費搬送等が終了したことを確認した場合は、速やかに県民サービス課長へ公費搬送等事前検討票・結果報告書を送付するものとする。

6 留意事項

(1) 遺族等が公費搬送等を辞退した場合は、遺族等の意向を尊重すること。

(2) 遺族等の手配による専門業者との連絡調整により、遺族の心情に配意した遺体の引渡し等ができる場合及び交通事故事件に伴う遺体搬送等の費用が自賠責保険や任意保険の適用になる場合は、原則として本制度は適用しない。

別記様式

 略

別紙3

一時避難場所等の利用経費の公費負担運用要領

1 趣旨

犯罪被害者又はその家族及び遺族(以下「犯罪被害者等」という。)は、犯罪又は犯罪に類する行為(以下「犯罪等」という。)によって、自宅が被害現場となり物理的に居住困難な場合や精神的な二次的被害を受けるおそれがある場合のほか、加害者が未検挙であるため再被害を受ける危険性があるなど、自宅に居住することが困難な場合がある。そのため、一時的に安全な居住場所を確保し、その費用を公費負担することにより、犯罪被害者等の保護及び再被害の防止を図るとともに、犯罪被害者等の精神的・経済的負担の軽減を図るものである。

2 公費負担の範囲

(1) 一時避難場所として使用できる施設は、ホテル、旅館、ウィークリーマンション等の有料宿泊施設とする。ただし、公的施設への避難が可能な場合は、公的施設を優先させるものとする。

(2) 一時避難場所等の利用経費は、ホテル等の宿泊に要する経費(消費税を含む。以下「宿泊料」という。)とし、食事代等は含まないものとする。

(3) 宿泊期間は、原則として、14日以内として実施するものとする。ただし、事件の内容及び犯罪被害者等の心情を考慮し、署長及び県本部事件主管課長(以下「署長等」という。)が必要と認めたときは、県民サービス課長と協議して宿泊期間を延長することができるものとする。

3 公費負担対象者

公費負担対象者は、次のいずれかに該当し、かつ、自ら居住場所の確保又は公的施設への避難が困難なため、一時的に居住場所を確保する必要がある犯罪被害者等とする。ただし、ストーカー・配偶者からの暴力事案に係る犯罪被害者等を除く。

(1) 福島県警察再被害防止要綱(平成19年10月1日付け達(刑総、務、県サ、生企、地企、交企、公)第343号)第2の規定により、再被害防止対象者に指定された者

(2) 自宅が犯罪等の現場となった場合など物理的に居住が困難な状況となった者又は平穏な生活が阻害されるなど精神的な二次的被害を受けるおそれがある者

(3) (1)及び(2)以外で、加害者が未検挙であるなどにより再被害を受けるおそれがある者

(4) 署長等が一時的に安全な居住場所を確保する必要があると認めた者

4 公費負担の除外

犯罪被害者等に対する公費負担を行うまでの間において、次のいずれかに該当することが判明した場合は、原則として、公費負担は行わないものとする。ただし、署長等が公費負担を行わないことが社会通念上適切でないと認めるときは、この限りでない。

(1) 犯罪被害者等と加害者との間に次に掲げる親族関係があるとき。

ア 夫婦(婚姻の届出はしていないが、事実上婚姻と同様の関係があると認められる場合を含む。)

イ 直系血族

ウ 三親等内の親族又は同居の親族

(2) 犯罪被害者等が集団的又は常習的に暴力的不法行為を行う組織又は集団に属しているとき。

(3) 犯罪被害者等の責めに帰すべき重大な理由があるとき又は虚偽の申告の疑いがあるとき。

(4) 犯罪被害者等が公費負担を希望しないとき。

(5) その他社会通念上、公費負担することが不適切と認められるとき。

5 公費負担の手続

(1) 署長等は、公費負担の対象となる事案が発生したときは、犯罪被害者等に対して公費負担について説明を行い、犯罪被害者等の意向を確認した上で、公費負担の必要性を認めた場合は、一時避難場所利用申請書(様式第1号)に一時的に避難する有料宿泊施設(以下「一時避難施設」という。)が作成した見積書を添付して、県民サービス課長に申請するものとする。

なお、犯罪被害者等及び一時避難施設の担当者に対しては、あらかじめ公費負担する旨を口頭で明確に伝え了解を得ること。

(2) 支出手続については、県民サービス課が行うことから、署長等は、宿泊終了後一時避難施設が作成した一時避難場所利用請求書(様式第2号)を県民サービス課長に送付するものとする。

6 県本部への報告

公費負担対象事案を認知した署長等は、県民サービス課長へ事前に連絡するものとする。

7 留意事項

(1) 署長等は、対象となる事案発生後速やかに対応できるよう、自署管内での有料宿泊施設に対する協力と連携体制を確保するとともに、協力要請を行う際には、犯罪被害者等に係る個人情報の保護に細心の注意を払うなど、後日紛議が生じないようにすること。

(2) この制度は、犯罪被害者等自らが居住する場所を確保することが困難な場合又は公的施設への避難が困難な場合の措置であることから、有料宿泊施設以外の施設の利用が可能な場合は、当該施設の利用を優先させることとなるが、本制度の適用に疑義がある場合には、県民サービス課長と協議すること。

様式第1号

 略

様式第2号

 略

別紙4

ハウスクリーニング費用の公費負担運用要領

1 趣旨

犯罪被害者及びその家族又は遺族(以下「犯罪被害者等」という。)は、犯罪による直接的な被害に加え、犯罪被害者が自宅において加害者から危害を加えられて負傷した場合等は、飛び散った血痕、吐しゃ物等が払拭されていない部屋の清掃費用の負担を強いられるなど、二次的な被害を受けている現状にある。そのため、これら清掃作業を専門業者に委託し、その経費を公費負担することによって、犯罪被害者等の精神的かつ経済的な負担の軽減を図るものである。

2 公費負担の範囲

3の公費負担対象事件に係る自宅等(犯罪被害者の自宅又は犯罪被害者の親族が居住する家(県内に所存するものであって、原則として、継続して犯罪被害者又は犯罪被害者の遺族が居住するものに限る。)をいう。)の清掃作業(血痕、吐しゃ物、排泄物、異臭の除去等)に必要な経費について、予算の範囲内で定める額とし、犯罪行為によって破損した建具、家具等の交換、修復等に要する経費は含まないものとする。

3 公費負担対象事件

公費負担対象事件は、次に掲げる罪に係る事件及び県民サービス課長がハウスクリーニング費用の公費負担を認める事件のうち平成28年4月1日以降に認知した事件とする。ただし、自宅等が犯罪被害現場となった事件に限る。

(1) 殺人罪(刑法(明治40年法律第45号)第199条の罪)(未遂を含む。)

(2) 強盗致死罪(刑法第240条後段の罪)(未遂を含む。)

(3) 強盗・強制性交等致死罪(刑法第241条第3項の罪に係る事件)

(4) 強制わいせつ等致死罪(刑法第181条の罪(人を死亡させた場合に限る。))

(5) 逮捕等致死罪(刑法第221条の罪(人を死亡させた場合に限る。))

(6) 傷害致死罪(刑法第205条の罪)

4 公費負担基準

犯罪被害者等に対する公費負担を行うまでの間において、次のいずれかに該当することが判明した場合は、原則として、公費負担は行わないものとする。ただし、公費負担を行わないことが社会通念上適切でないと認めるときは、この限りでない。

(1) 犯罪被害者等と加害者との間に親族関係等の密接な関係があり、公費負担が加害者に利するおそれがあると認められるとき。

(2) 犯罪被害者等が集団的又は常習的に暴力的不法行為を行う組織又は集団に属しているとき。

(3) 犯罪被害者等の責めに帰すべき重大な理由があるとき。

(4) 犯罪被害者等が公費負担を希望しないとき又は加害者若しくはその関係者から費用の支払いを受けたとき。

(5) 犯罪被害者等が犯罪行為を容認していたとき。

(6) その他社会通念上、公費負担を行うことが不適切と認められるとき。

5 公費負担の手続

(1) 署長は、公費負担の対象となる事件が発生したときは、犯罪被害者等に対して公費負担について説明を行い、了解を得た上で、ハウスクリーニング実施申請書(別記様式)により、県民サービス課長にハウスクリーニングの実施申請を行うものとする。

(2) (1)の申請を受けた県民サービス課長は、県本部事件主管課長とハウスクリーニングの実施時期等について、協議するものとする。

(3) 支出手続については、県民サービス課において行うこととなるが、委託した専門業者によるハウスクリーニング作業が終了したときは、当該専門業者が作成した委託完了届(任意様式)及び請求書を県民サービス課長に送付するものとする。

6 県本部への報告

公費負担対象事件を認知した署長は、当該事件に係る清掃作業の必要性を認めたときは、県民サービス課長へ事前に連絡するものとする。

7 留意事項

(1) 本制度を犯罪被害者等に教示する際は、その後の捜査状況等も含め総合的に勘案して公費負担を決定することから、申請を行っても必ずしも支出されるとは限らないものであることを説明し、理解を得ること。

(2) ハウスクリーニングの実施に当たっては、署長が指定する職員を立ち会わせること。

(3) ハウスクリーニングの公費負担について疑義が生じた場合は、県民サービス課長と協議すること。

(4) これまでも、本要領に定める対象事件を始め、各種犯罪被害現場では、職員が犯罪被害者等の心情に配意し、可能な限り復元に努めた上で引渡しを行ってきたところであり、今後もこれら警察としての基本的な対応は何ら変わるものではないこと。

別記様式

 略

別紙5

カウンセリング費用の公費負担運用要領

1 趣旨

この要領は、犯罪による精神的被害又は犯罪被害に起因する不安や悩み等を抱える犯罪被害者及びその家族又は遺族等(以下「犯罪被害者等」という。)の精神的・経済的負担を軽減し、ひいては犯罪被害の潜在化を防止するため、犯罪被害者等に係るカウンセリング費用の公費負担について必要な事項を定め、その適正かつ円滑な運用を図るものである。

2 公費負担の対象者

次に掲げる犯罪の犯罪被害者等を対象とする。ただし、犯罪被害者等が公費負担を希望しない場合、虚偽申告の疑いがある場合又は被害者が集団的に若しくは常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある組織に属しているなど、社会通念上公費負担が適切でないと認める場合には、対象としないものとする。

(1) 身体犯事件

ア 殺人罪(刑法(明治40年法律第45号)第199条。未遂を含む。)

イ 強盗致死傷罪(刑法第240条。未遂を含む。)

ウ 強盗・強制性交等罪及び強盗・強制性交等致死罪(刑法第241条。未遂を含む。)

エ 強制性交等罪(刑法第177条。未遂を含む。)

オ 強制わいせつ罪(刑法第176条。未遂を含む。)

カ 準強制わいせつ罪及び準強制性交等罪(刑法第178条。未遂を含む。)

キ 監護者わいせつ罪及び監護者性交等罪(刑法第179条)

ク 強制わいせつ等致死傷罪(刑法第181条)

ケ 傷害致死罪(刑法第205条)

コ 傷害罪(刑法第204条)のうち、被害者が全治1か月以上の重傷害を負ったもの

サ 上記以外で、致死又は致傷の結果が生じた結果的加重犯の事件のうち、被害者が全治1か月以上の重傷害を負ったもの

シ 前各号に掲げるもののほか、署長が必要と認めるもの

(2) 交通事故事件

ア ひき逃げ事件(車両等の交通による人の死傷があった場合において、道路交通法(昭和35年法律第105号)第72条第1項前段に規定する措置を講じなかった違反に係るもの)

イ 交通死亡事故

ウ 全治3か月以上の交通事故

エ 前各号に掲げるもののほか、署長又は高速道路交通警察隊長(以下「署長等」という。)が必要と認めるもの

3 公費負担の対象となるカウンセリング

精神科医等の医師又は臨床心理士(犯罪被害者支援又は治療に関する研修を受けるなど、十分な知識を有する者が望ましい。以下「実施者」という。)が、犯罪被害者等の精神的被害の回復に効果があると認めた診療又はカウンセリングとする。

4 公費負担の範囲

公費負担の範囲は別表のとおりとし、その全額を支出する。

なお、この要領における公費負担は、犯罪被害の発生日を問わず、本要領の発出日以降に実施者に初めて受診したカウンセリングに係る費用について適用する。

5 公費負担の回数

原則として1人につき4回を限度とする。

6 公費負担の手続

(1) 署長等は、公費負担を決定したときは、医療機関、心理相談機関、薬局等(以下「医療機関等」という。)に対して公費負担をする旨を通知するとともに、犯罪被害者等に対し、カウンセリング費用等請求書(別記様式。以下「請求書」という。)を交付するものとする。ただし、専門的見地からカウンセリングの必要性を判断するため、事前に電話等により県民サービス課長に協議するものとする。

(2) 犯罪被害者等が医療機関等を受診するときは、初診時及び必要と認められる再診時においてできる限り被害者支援要員等が付き添い、医療機関等に対する本制度の説明、請求書の受領等を行うものとする。その際、犯罪被害者等の状況に応じて、付き添った職員が被害状況等を実施者にあらかじめ説明し、被害者本人が被害状況等を繰り返し説明することで生じる精神的負担を軽減するものとする。

(3) 署長等が公費負担を決定した時は、予算執行手続のため、事前に署会計課(係)(以下「署会計係」という。)又は高速道路交通警察隊庶務係に報告するものとする。

(4) 担当者は、公費負担の適用範囲等を確認した上で請求書を受領し、その後速やかに署会計係又は高速道路交通警察隊庶務係に提出するものとする。

(5) 請求書の提出を受けたときは、署会計係にあっては、請求書を確認の上、支出に関する事務手続を行うものとし、高速道路交通警察隊庶務係にあっては、当該請求書を確認の上、関係書類とともに会計課に送付するものとする。

7 県本部への報告

公費負担の対象となる事案を認知した署長等は、県民サービス課長へ事前に連絡するとともに、受領した請求書に事件・事故に係る犯罪事件受理番号を記載し、その写しと被害届等の写しをそれぞれ送付するものとする。

8 留意事項

(1) 公的医療保険の対象となる診療のみを受診する場合であっても、公費負担の対象となる医療費については、その全額を県費で支出するので、公的医療保険を適用しないよう注意すること。

なお、犯罪被害者等が本制度による支援の終了後も医療機関において診療を継続する場合は、医療機関に公的医療保険の適用を申し出るよう教示し、その経済的負担の軽減を図ること。

(2) 犯罪被害者等に対して本制度の趣旨、公費負担の範囲等を十分に説明し、後日紛議を生じないようにすること。

(3) 公費負担対象者が少年である場合には、当該少年の保護者又はこれに代わるべき者に対しても本制度の趣旨を説明し、十分理解を得ること。

(4) 医療機関が薬剤の支給を院外処方で行う場合は、医療機関及び薬局に対して本制度を説明し、それぞれから請求書を受領すること。

(5) 各署で支出する金額については、別途予算を配分するので、県民サービス課長への報告に漏れがないようにすること。

(6) 本制度は、別紙1から別紙4までに定めた各種公費負担と併せて運用できるので、誤りのないようにすること。また、犯罪被害者等が既にカウンセリング費用を支払っているなど、本制度の運用に疑義がある場合には、県民サービス課長と協議すること。

(7) 署長等は、所属職員に対する教養を行い、本制度を周知徹底すること。

別表

公費負担の範囲

項目

内容

1 初診料

・ 初診料には、時間外加算等を含む。

2 診療料

・ 精神科専門療法に係る費用に限る。

3 心理検査料

・ 臨床心理・神経心理検査に係る検査料に限る。

4 投薬関係費用

・ 2の診療料について公費負担をする際に生じる処方箋料、薬剤料等に限る。

5 再診料

・ 再診料は3回まで適用し、時間外加算等を含む。

・ 2の診療料について公費負担をする際に生じる再診料に限る。

6 カウンセリング費用

・ 公的医療保険の対象とならないカウンセリングに係る費用に限る。

別記様式

 略

犯罪被害者支援公費負担制度運用要領の制定について(通達)

平成28年3月25日 達(県サ)第99号

(平成29年7月14日施行)

体系情報
警務部
沿革情報
平成28年3月25日 達(県サ)第99号
平成29年7月14日 達(県サ)第229号