○通学路における合同点検の実施について(依命通達)

令和3年7月14日

達(交規、交企、交指)第251号

[原議保存期間 5年(令和9年3月31日まで)]

[有効期間 令和9年3月31日まで]

みだしのことについて、次のとおり定め、令和3年7月14日から実施することとしたので、実効性のある交通安全対策を推進されたい。

1 趣旨

通学路の交通安全対策については、別紙1「通学路の交通安全の確保に向けた対策の推進について」(平成31年3月28日付け警察庁丁規発第64号)等に基づき、教育機関や道路管理者など、関係機関との連携による危険箇所の合同点検等を実施して必要な安全対策を講じてきたところであるが、去る6月には、千葉県において下校途中の小学生の列にトラックが衝突し、5人が死傷する交通事故が発生するなど、全国的に、通学路における交通安全を脅かす交通事故が後を絶たない情勢にある。

こうした情勢を受け、警察庁において文部科学省及び国土交通省と連携して対応策を検討した結果、今般、別紙2「通学路における合同点検等実施要領」(以下「実施要領」という。)が作成され、文部科学省から各都道府県・指定都市教育委員会学校安全主管課長等に対して別添1の通知文書が、また、国土交通省から各地方整備局道路部長等に対して別添2の通知文書が、それぞれ発出され、教育委員会及び学校が主体となり、警察及び道路管理者と連携して、通学路における合同点検を実施することとなった。

これに基づき、県内各署においても、管内の教育委員会、学校及び道路管理者と連携し、実施要領に従って、通学路における合同点検を実施し、実効性のある交通安全対策を推進するものである。

2 実施対象、実施期間及び実施内容

実施要領のとおり

3 報告要領

別途指示する。

4 留意事項

(1) 合同点検に向けた助言及び情報共有

実施要領3(2)のとおり、学校が、「見通しのよい道路や幹線道路の抜け道になっている道路など車の速度が上がりやすい箇所や大型車の進入が多い箇所」、「過去に事故に至らなくても、ヒヤリハットの事例があった箇所」、「保護者、見守り活動者、地域住民等から市町村への改善要請があった箇所」等を危険箇所としてリストアップし、実施要領3(3)のとおり、教育委員会が、域内の学校からの報告を受け、危険箇所を取りまとめるとともに、学校、PTA、道路管理者及び地元警察署による合同点検の実施を調整することとされていることから、各署においてはこれに協力すること。

特に、効果的かつ効率的な合同点検となるよう、危険箇所の抽出、取りまとめ等に関し、必要に応じて助言及び情報提供を行うこと。

(2) 対策案の検討等における助言

実施要領3(4)のとおり、教育委員会及び学校は、相互に連携し、対策必要箇所について、道路管理者及び地元警察署から技術的な助言を得ながら、対策案を検討・作成することとされていることから、これに協力すること。

特に、交通安全施設等の整備、交通規制の実施及び交通指導取締りにのみとらわれることなく、広い視点に立って、学校関係者、スクールガード等の見守り活動者による登下校時の保護活動の実施や通学路の変更等を含め、ハード及びソフトの両面から有効な対策が検討されるよう、助言すること。

(3) 早期の安全対策の推進

実施要領3(5)のとおり、教育委員会、学校、道路管理者及び地元警察署は、対策案に従って計画的に対策を実施することとされていることから、各署はできる限り速やかに所要の対策を講じること。

(4) 効果的な交通規制と交通事故抑止に資する交通指導取締りの推進

警察による対策の検討・実施に当たっては、通学路及びその周辺の道路構造、交通実態、沿道環境等を踏まえ、交差点における局所的な対策のみならず、路線ごとの低速度規制や区域ごとのゾーン30を積極的に検討し、地域住民、道路利用者等の合意形成を図りながら、道路管理者と連携して、通学路等における速度抑制対策を推進するとともに、登下校時間帯に限った車両通行禁止をはじめとする各種交通規制を的確に実施すること。

また、当該規制の実効性を確保するため、当該規制の入口等における積極的な指導・警告を行い、違反をさせないようにするとともに、可搬式速度違反自動取締装置を活用した効果的な速度違反取締りを行うなど、登下校時間帯に重点を置いた、真に交通事故抑止に資する交通指導取締りを推進すること。

(5) 警察に対する要望等への的確な対応

特に、学校、住民等から警察になされる交通規制の要望については、合同点検等に従事する交通規制担当者にとどめることなく、各級幹部が積極的に関与し、各署において情報を共有の上、対応を検討すること。

また、要望された交通規制が実施困難な場合でも、他の交通規制により危険箇所の安全を確保することが可能なときには、これを実施するなど、通学路の交通安全対策を的確に推進すること。

(6) 部門間における情報共有

合同点検の結果、防犯面における対策案の提示があった場合には、生活安全部門や地域部門等に情報提供するなど、適切に対応すること。

別紙1

平成31年3月28日

警察庁丁規発第64号

通学路の交通安全の確保に向けた対策の推進について(通達)

通学路における交通安全の確保については、緊急合同点検を実施し、その結果を受けた対策を推進してきたところであるが、別紙のとおり、今年度以降についても、関係省庁において相互に連携して通学路の交通安全の確保に取り組むこととした。

そこで、各都道府県警察においては、関係機関等と連携の上、下記のとおり実効が上がる通学路対策の推進に努められたい。

1 通学路の交通安全の確保に向けた今後の取組

(1) 緊急合同点検結果に基づく対策の着実な実施

昨年度に実施した緊急合同点検の結果に基づく対策で、短期的に実施可能な対策については、学校、教育委員会及び道路管理者等と連携し、速やかに対応するとともに、対策の実施に当たり地域住民との調整や予算措置等期間を要するものについては、学校関係者等とも連携して地域住民や道路利用者等の合意形成を図るほか、計画的な予算措置に取り組むなど、対策の着実な実施を図ること。

(2) 合同点検の定期的な実施

通学路については、これまでにも、交通安全総点検の候補路線の一つとして安全点検が行われてきたところであるが、今年度以降においても、通学路の交通安全の確保に向けた取組が地域において継続的に行われるよう、学校、教育委員会、保護者及び道路管理者等関係者の幅広い参画を得て、交通安全総点検の一環として通学路の合同点検を定期的に実施すること。

(3) 地域における推進体制の構築

交通安全総点検については、各地域において、交通安全総点検実行委員会や各市区町村等の交通対策協議会等の活用により、行われてきたところであるが、今後実施する合同点検についても、これらの既存組織や先般の緊急合同点検を通じて構築された枠組みを活用するなど、関係機関と連携して継続的な取組が可能となる推進体制を構築すること。

2 推進上の留意事項

(1) 効果的な合同点検の実施

合同点検を実施するに当たっては、積雪地帯や沿岸部などの気候・地勢、道路交通の状況及び通学実態等の地域の特性を踏まえ、それぞれの特性に応じた課題を設定するほか、児童、保護者等通学路を実際に利用している者に合同点検への参加を求めるなど、合同点検が効果的なものとなるよう努めること。

(2) 交通規制の見直しの推進

合同点検を通じて、通学実態に応じた通行禁止規制の規制時間の見直しや廃校に伴う交通規制の廃止など、通学路の利用実態に応じた交通規制となるよう見直しを図ること。

(3) 積極的な情報の発信

点検結果や対策実施状況について、関係機関と連携の上、インターネットや広報誌等の各種広報媒体を活用し、地域住民、道路利用者等に対して積極的な情報発信を行うこと。

なお、通学路対策として新たに交通規制を実施する場合は、当該交通規制に関する情報について、各種広報媒体を活用した積極的な広報を実施するなど、地域住民や道路利用者に対する周知を図ること。

3 警察庁への報告

(1) 緊急合同点検結果を受けた対策の進捗状況の報告

昨年度の緊急合同点検結果を受けた対策の進捗状況については、今年度以降も年度毎の進捗状況を調査する予定であるので、対策の進捗状況を把握しておくこと。

(2) 合同点検の実施状況に関する報告

今年度以降に各都道府県警察において実施した通学路の合同点検についても、当分の間、その実施状況を調査する予定であるので、合同点検の実施状況を把握しておくこと。

なお、報告要領については後日通知する。

(3) 施策等に関する報告

各都道府県警察が実施した合同点検で効果的なものについては、事例集として紹介し、情報共有を図ることとしているので、合同点検等に関して新たに通学路対策に関する協議会を設置した場合や好事例、先進的事例と認められる施策を実施した場合については、その都度申報形式で当課に報告すること。

別紙2

通学路における合同点検等実施要領

文部科学省

国土交通省

警察庁

1.実施対象

市町村(特別区を含む。以下同じ。)立小学校の通学路

※通学路は、各学校又は教育委員会において指定しているものを指す。

なお、国立及び私立の小学校及び公立特別支援学校小学部の通学路についても、各学校及び学校設置者の判断により、市町村立小学校に準じて実施する。また、市町村立小学校以外の公立学校並びに小学校以外の国立学校及び私立学校についても、地域や学校の実情等を勘案し、必要に応じて実施するものとする。

2.実施期間

下記3.(3)については令和3年9月末目途に、(4)については同年10月末目途にそれぞれ実施する。

ただし、地域の実情等により期間内の実施が困難な場合、遅くとも令和3年12月末までに、それぞれ実施する。

3.実施内容

(1) 実施体制(参考1)

平成25年12月6日「通学路の交通安全の確保に向けた着実かつ効果的な取組の推進について」(文部科学省、国土交通省、警察庁)に基づき、各市町村で構築している推進体制を活用することを基本とする。

(2) 学校による危険箇所のリストアップ(参考2)

学校は、在校児童から得られた情報を活用するとともに、保護者、スクールガード等の見守り活動者及び自治会等の協力を得て、次のような観点も踏まえた通学路の点検を行い、危険箇所をリストアップし、教育委員会に報告する。

・見通しのよい道路や幹線道路の抜け道になっている道路など車の速度が上がりやすい箇所や大型車の進入が多い箇所

・過去に事故に至らなくても、ヒヤリハットの事例があった箇所

・保護者、見守り活動者、地域住民等から市町村への改善要請があった箇所

など

なお、これまでも危険箇所の点検や合同点検等を実施していることも踏まえ、直近の合同点検の調査結果等から上記の観点を踏まえた再確認ができる場合には、通学路の危険箇所の現地調査は今回新たに求めない等効率的・効果的な対応を行う。

(3) 合同点検の実施及び対策必要箇所の抽出(参考3)

市町村教育委員会は、域内の学校からの報告を受け、危険箇所を取りまとめるとともに、学校、PTA、道路管理者及び地元警察署による合同点検の実施を調整する。合同点検を実施する際には、できる限り地域住民等の意見を得るものとし、必要に応じて学校から自治会の協力を得る。

合同点検を完了し、学校、道路管理者及び地元警察署で協議の上、対策の実施について検討する箇所を対策必要箇所として抽出する。

なお、これまでも学校、道路管理者及び地元警察署が合同で通学路の点検等を積み重ねてきていることを踏まえ、これらの合同点検等の蓄積を十分に活用した効率的・効果的な対応を行う観点から、既に(2)に示した観点で合同点検等が行われている場合には、その結果を活用し新たな合同点検を行わない等地域の実情を踏まえた対応を行う。

(4) 対策案の検討・作成

市町村教育委員会及び学校は、相互に連携し、また、PTA等の協力を得て、(3)で抽出した対策必要箇所について、道路管理者及び地元警察署から技術的な助言を得ながら、対策案を検討・作成し、地域住民の理解を得た上で、対策案の内容に応じて、道路管理者及び地元警察署に対して要望を行う。

(5) 対策の実施

市町村教育委員会、学校、道路管理者及び地元警察署は、(4)で作成した対策案に従って計画的に対策を実施する。その際、市町村教育委員会及び学校は、保護者等と連携を図るものとする。

なお、対策の実施に当たっては、防犯、防災等の側面にも留意する(上記(4)についても同じ)。

(6) 留意事項

上記(4)及び(5)の対策の検討・実施等に当たっては、ソフト対策も含めて対策を検討し、可能なものから速やかに実施すること。

4.実施状況の報告

合同点検の実施状況及びそれに基づく対策案の検討・作成の状況については、教育委員会で取りまとめ、文部科学省に報告する。国は、報告を受けた各市町村等の対策必要箇所や対策案の内容を取りまとめる。報告要領等については、別途連絡する。

5.その他

過去に危険箇所の指摘がありつつも、継続的に関係機関等で認識されていない課題が見られるところ、危険箇所や対策必要箇所については、児童・保護者、地域住民、関係機関の認識を高め、広く協力を得られるよう、地域の実情等に応じ、具体的な対策の予定の有無に関わらず、可能な限り幅広く、各市区町村のホームページ等に公表等することが望ましい。

(参考1)

[別紙]

平成25年12月6日

文部科学省

国土交通省

警察庁

通学路の交通安全の確保に向けた着実かつ効果的な取組の推進について

これまで、通学路における交通安全の確保については、緊急合同点検を実施し、その結果を受けた対策を推進するとともに、平成25年5月31日には文部科学省、国土交通省、警察庁による今後の取組に関する通知を発出したところであり、緊急合同点検に基づく対策の実施後においても、各地域において定期的な合同点検の実施や対策の改善・充実等の取組を継続して推進することが重要である。

そこで、その取組を着実かつ効果的に実施するために必要と考える基本的な進め方を下記のとおり文部科学省、国土交通省、警察庁でとりまとめたので、地方自治体等に通知した上で、引き続き通学路の交通安全の確保に取り組むこととする。

1.推進体制の構築

地域ごとに通学路の交通安全の確保に向けた取組の基本的方針を策定するとともに、策定した基本的方針に基づく取組を継続して推進するため、関係者で構成し、定期的に開催する協議会を設置する等推進体制を構築する。

推進体制の構成は、通学路における安全対策の関係機関となる、教育委員会、学校、PTA、警察、道路管理者を含めることを基本とし、必要に応じて自治会代表者や学識経験者等を加える。推進体制については、市区町村単位で構成することが望ましい。

なお、緊急合同点検時に構築した体制等既存組織がある場合は、これを活用する。

2.基本的方針の策定

1で構築した推進体制においては、各地域の実情を踏まえた合同点検や対策の改善・充実等の取組を着実かつ効果的に実施するため、緊急合同点検の枠組みを活用する他、以下の内容を含む取組の基本的方針を策定する。

(1) 合同点検の実施方針

合同点検の実施時期、合同点検の体制、合同点検の実施方法等を定める。

合同点検の実施時期については、緊急合同点検の実施状況や周辺環境の変化等を踏まえ、毎年実施や複数年ごとの実施等、地域の実情に応じて適切に設定する。合同点検の体制は、緊急合同点検と同様に教育委員会、学校、保護者、警察、道路管理者を含む体制とすることを基本とする。

なお、点検の実施に当たっては、通学路の変更箇所や周辺環境に変化のあった範囲を対象とすることの他、地域の実情に応じて、積雪時の危険箇所や自転車通学と輻輳する箇所を重点的に点検すること等、効率的・効果的な方法を検討することが望ましい。

(2) 通学路安全確保のためのPDCAサイクルの実施方針

合同点検の実施・対策の検討、対策の実施、対策効果の把握、その結果を踏まえた対策の改善・充実を一連のサイクルとして繰り返し実施すること(PDCAサイクル)が継続的な安全性向上のために必要であることから、これらを取組の基本的な考え方として定める。

なお、対策の検討、対策の実施、対策効果の把握については、関係者間で連携・協議の上行う。

3.公表等

(1) 基本的方針の公表

基本的方針を策定した際には、地域住民、道路利用者等の協力を得るため、推進体制の構成及び基本的方針をまとめたものを、市区町村のホームページや広報誌等を活用して、適切に情報発信する。

なお、基本的方針の名称については、全国で統一されていることが望ましいと考えることから、「(○○市区町村)通学路交通安全プログラム」とすることを推奨する。ただし、既に地域で同様の基本的方針を定めており、独自の名称がある場合はこの限りではない。

(2) 対策箇所図、対策一覧表の作成・公表

合同点検によって抽出した対策必要箇所について、関係機関で認識を共有するため、対策箇所図及び対策一覧表を作成し、公表する。

(参考2)

通学路の点検の実施及び危険箇所の把握・抽出に当たっての観点

1.これまでの観点

(1) 「登下校時における幼児児童生徒の安全確保について」(平成17年12月6日17文科ス第333号)の別紙 第1「②通学路における要注意箇所の把握と周知徹底」

○通学路に関し、保護者や警察、自治会などの関係者の間で共通認識を得ておくべき事項としては次のようなものが考えられる。

・危険・要注意箇所

道路が狭い、見通しが悪い、人通りが少ない、やぶや路地、倉庫、空地など人が身を隠しやすい場所が近い、大型車が頻繁に通る 等

(2) 学校安全参考資料「『生きる力』をはぐくむ学校での安全教育」(文部科学省、平成31年改訂)別表 3 通学の安全管理(1)「通学路の設定」および(2)「通学路の安全確保」より一部抜粋

(通学路の設定)

○通学路の条件

・横断箇所に横断歩道、信号機が設置されたり、警察官、交通安全指導員、地域ボランティア、保護者等の誘導が行われたりしている

・できるだけ歩車道の区別がある

・歩車道の区別がない場合、交通量(自転車も含む)が多い、車両の走行スピードが速い、大型車両の往来がある、路側帯が狭い(通行する児童生徒等と車両が接近する)などの道路は避ける

・見通しが悪い、頻繁に車両が右左折する、車両の複雑な動きがある交差点は避ける

・ガードレールが未整備の歩道は避ける

・登下校の時間帯にゴミ収集車や荷物搬入の大型車両など、特定の車両の出入りや通行量が増加する場所は避ける など

(通学路の安全確保)

○安全確保のための方策

・通学路の表示や標識、注意喚起や安全行動を促す表示類を適切な箇所に設置する

・場所や状況により交通規制を要請する

・警察からの交通事故に関する情報(発生箇所、事故状況など)を適宜入手し、安全管理・安全教育に活用する など

2.今回要請する観点

① 見通しのよい道路や幹線道路の抜け道になっている道路など車の速度が上がりやすい箇所や大型車の進入が多い箇所

② 過去に事故に至らなくても、ヒヤリハットの事例があった箇所

③ 保護者、見守り活動者、地域住民等から市町村への改善要請があった箇所 など

(参考3)

通学路の合同点検フロー

画像

[別添1]

令和3年7月9日

3教参学第8号

通学路における合同点検の実施について(依頼)

先般、千葉県八街市において下校中の児童の列にトラックが突っ込み、5名が死傷する痛ましい事故が発生しました。

各学校においては、日頃より通学路の安全点検を実施していただいており、児童の安全確保に万全を期していただいているところですが、今回このような事故が起きたことを受け、通学路における交通安全を一層確実に確保することが重要であることから、文部科学省、国土交通省及び警察庁の3省庁が連携して対応策を検討し、今般、別紙のとおり「通学路における合同点検等実施要領」(以下「実施要領」という。)を作成しました。

これは、今回の事故に鑑み、危険箇所の取りまとめにあたっては、

・見通しのよい道路や幹線道路の抜け道になっている道路など車の速度が上がりやすい箇所、大型車の進入が多い箇所

・過去に事故に至らなくてもヒヤリハット事例があった箇所

・保護者、見守り活動者、地域住民等から市町村への改善要請があった箇所

などの観点についての確認が必要との考えに立ったものです。

つきましては、当実施要領に沿って、上記の観点を踏まえた通学路の合同点検等を通じ、関係機関の連携による通学路の安全対策を講じていただくようお願いします。

なお、各市町村においては、これまでも学校、教育委員会、道路管理者及び地元警察署と通学路の合同点検等を積み重ねてきていることから、全ての通学路に対する一斉の再点検を改めて求めるものではなく、上記の観点を踏まえた補完的なものとして、子供の視点にも配慮しながら、これまでの合同点検等の蓄積を十分に活用し、地域の実情を踏まえた効率的・効果的な対応をお願いします。

また、児童生徒の安全確保のための効率的・効果的な実施の観点から、また、教員の必要以上の負担とならないよう、その実施に当たっては、通学路の道路管理者や地元警察署との協働によること、また、例えばスクールガード等の見守り活動者の力をお借りするなどの方策を積極的に御検討願います。

各都道府県・指定都市教育委員会学校安全主管課におかれては域内の市町村教育委員会及び所管の学校に対し、この趣旨について周知していただくとともに、各学校において適切な対応がなされるよう御指導をお願いします。各都道府県私立学校主管課におかれては所轄の私立学校に対し、附属学校を置く各国公立大学法人担当課におかれては管下の附属学校に対し、この趣旨について周知くださるようお願いします。

なお、本依頼に基づく実施状況について御報告いただくこととしておりますが、報告の時期及び内容については、別途連絡いたします。

また、本件については、別添のとおり、国土交通省及び警察庁から関係機関に対しても同様に通知されていることを申し添えます。

(別紙)

通学路における合同点検等実施要領

文部科学省

国土交通省

警察庁

1.実施対象

市町村(特別区を含む。以下同じ。)立小学校の通学路

※通学路は、各学校又は教育委員会において指定しているものを指す。

なお、国立及び私立の小学校及び公立特別支援学校小学部の通学路についても、各学校及び学校設置者の判断により、市町村立小学校に準じて実施する。また、市町村立小学校以外の公立学校並びに小学校以外の国立学校及び私立学校についても、地域や学校の実情等を勘案し、必要に応じて実施するものとする。

2.実施期間

下記3.(3)については令和3年9月末目途に、(4)については同年10月末目途にそれぞれ実施する。

ただし、地域の実情等により期間内の実施が困難な場合、遅くとも令和3年12月末までに、それぞれ実施する。

3.実施内容

(1) 実施体制(参考1)

平成25年12月6日「通学路の交通安全の確保に向けた着実かつ効果的な取組の推進について」(文部科学省、国土交通省、警察庁)に基づき、各市町村で構築している推進体制を活用することを基本とする。

(2) 学校による危険箇所のリストアップ(参考2)

学校は、在校児童から得られた情報を活用するとともに、保護者、スクールガード等の見守り活動者及び自治会等の協力を得て、次のような観点も踏まえた通学路の点検を行い、危険箇所をリストアップし、教育委員会に報告する。

・見通しのよい道路や幹線道路の抜け道になっている道路など車の速度が上がりやすい箇所や大型車の進入が多い箇所

・過去に事故に至らなくても、ヒヤリハットの事例があった箇所

・保護者、見守り活動者、地域住民等から市町村への改善要請があった箇所

など

なお、これまでも危険箇所の点検や合同点検等を実施していることも踏まえ、直近の合同点検の調査結果等から上記の観点を踏まえた再確認ができる場合には、通学路の危険箇所の現地調査は今回新たに求めない等効率的・効果的な対応を行う。

(3) 合同点検の実施及び対策必要箇所の抽出(参考3)

市町村教育委員会は、域内の学校からの報告を受け、危険箇所を取りまとめるとともに、学校、PTA、道路管理者及び地元警察署による合同点検の実施を調整する。合同点検を実施する際には、できる限り地域住民等の意見を得るものとし、必要に応じて学校から自治会の協力を得る。

合同点検を完了し、学校、道路管理者及び地元警察署で協議の上、対策の実施について検討する箇所を対策必要箇所として抽出する。

なお、これまでも学校、道路管理者及び地元警察署が合同で通学路の点検等を積み重ねてきていることを踏まえ、これらの合同点検等の蓄積を十分に活用した効率的・効果的な対応を行う観点から、既に(2)に示した観点で合同点検等が行われている場合には、その結果を活用し新たな合同点検を行わない等地域の実情を踏まえた対応を行う。

(4) 対策案の検討・作成

市町村教育委員会及び学校は、相互に連携し、また、PTA等の協力を得て、(3)で抽出した対策必要箇所について、道路管理者及び地元警察署から技術的な助言を得ながら、対策案を検討・作成し、地域住民の理解を得た上で、対策案の内容に応じて、道路管理者及び地元警察署に対して要望を行う。

(5) 対策の実施

市町村教育委員会、学校、道路管理者及び地元警察署は、(4)で作成した対策案に従って計画的に対策を実施する。その際、市町村教育委員会及び学校は、保護者等と連携を図るものとする。

なお、対策の実施に当たっては、防犯、防災等の側面にも留意する(上記(4)についても同じ)。

(6) 留意事項

上記(4)及び(5)の対策の検討・実施等に当たっては、ソフト対策も含めて対策を検討し、可能なものから速やかに実施すること。

4.実施状況の報告

合同点検の実施状況及びそれに基づく対策案の検討・作成の状況については、教育委員会で取りまとめ、文部科学省に報告する。国は、報告を受けた各市町村等の対策必要箇所や対策案の内容を取りまとめる。報告要領等については、別途連絡する。

5.その他

過去に危険箇所の指摘がありつつも、継続的に関係機関等で認識されていない課題が見られるところ、危険箇所や対策必要箇所については、児童・保護者、地域住民、関係機関の認識を高め、広く協力を得られるよう、地域の実情等に応じ、具体的な対策の予定の有無に関わらず、可能な限り幅広く、各市区町村のホームページ等に公表等することが望ましい。

(参考1)

[別紙]

平成25年12月6日

文部科学省

国土交通省

警察庁

通学路の交通安全の確保に向けた着実かつ効果的な取組の推進について

これまで、通学路における交通安全の確保については、緊急合同点検を実施し、その結果を受けた対策を推進するとともに、平成25年5月31日には文部科学省、国土交通省、警察庁による今後の取組に関する通知を発出したところであり、緊急合同点検に基づく対策の実施後においても、各地域において定期的な合同点検の実施や対策の改善・充実等の取組を継続して推進することが重要である。

そこで、その取組を着実かつ効果的に実施するために必要と考える基本的な進め方を下記のとおり文部科学省、国土交通省、警察庁でとりまとめたので、地方自治体等に通知した上で、引き続き通学路の交通安全の確保に取り組むこととする。

1.推進体制の構築

地域ごとに通学路の交通安全の確保に向けた取組の基本的方針を策定するとともに、策定した基本的方針に基づく取組を継続して推進するため、関係者で構成し、定期的に開催する協議会を設置する等推進体制を構築する。

推進体制の構成は、通学路における安全対策の関係機関となる、教育委員会、学校、PTA、警察、道路管理者を含めることを基本とし、必要に応じて自治会代表者や学識経験者等を加える。推進体制については、市区町村単位で構成することが望ましい。

なお、緊急合同点検時に構築した体制等既存組織がある場合は、これを活用する。

2.基本的方針の策定

1で構築した推進体制においては、各地域の実情を踏まえた合同点検や対策の改善・充実等の取組を着実かつ効果的に実施するため、緊急合同点検の枠組みを活用する他、以下の内容を含む取組の基本的方針を策定する。

(1) 合同点検の実施方針

合同点検の実施時期、合同点検の体制、合同点検の実施方法等を定める。

合同点検の実施時期については、緊急合同点検の実施状況や周辺環境の変化等を踏まえ、毎年実施や複数年ごとの実施等、地域の実情に応じて適切に設定する。合同点検の体制は、緊急合同点検と同様に教育委員会、学校、保護者、警察、道路管理者を含む体制とすることを基本とする。

なお、点検の実施に当たっては、通学路の変更箇所や周辺環境に変化のあった範囲を対象とすることの他、地域の実情に応じて、積雪時の危険箇所や自転車通学と輻輳する箇所を重点的に点検すること等、効率的・効果的な方法を検討することが望ましい。

(2) 通学路安全確保のためのPDCAサイクルの実施方針

合同点検の実施・対策の検討、対策の実施、対策効果の把握、その結果を踏まえた対策の改善・充実を一連のサイクルとして繰り返し実施すること(PDCAサイクル)が継続的な安全性向上のために必要であることから、これらを取組の基本的な考え方として定める。

なお、対策の検討、対策の実施、対策効果の把握については、関係者間で連携・協議の上行う。

3.公表等

(1) 基本的方針の公表

基本的方針を策定した際には、地域住民、道路利用者等の協力を得るため、推進体制の構成及び基本的方針をまとめたものを、市区町村のホームページや広報誌等を活用して、適切に情報発信する。

なお、基本的方針の名称については、全国で統一されていることが望ましいと考えることから、「(○○市区町村)通学路交通安全プログラム」とすることを推奨する。ただし、既に地域で同様の基本的方針を定めており、独自の名称がある場合はこの限りではない。

(2) 対策箇所図、対策一覧表の作成・公表

合同点検によって抽出した対策必要箇所について、関係機関で認識を共有するため、対策箇所図及び対策一覧表を作成し、公表する。

(参考2)

通学路の点検の実施及び危険箇所の把握・抽出に当たっての観点

1.これまでの観点

(1) 「登下校時における幼児児童生徒の安全確保について」(平成17年12月6日17文科ス第333号)の別紙 第1「②通学路における要注意箇所の把握と周知徹底」

○通学路に関し、保護者や警察、自治会などの関係者の間で共通認識を得ておくべき事項としては次のようなものが考えられる。

・危険・要注意箇所

道路が狭い、見通しが悪い、人通りが少ない、やぶや路地、倉庫、空地など人が身を隠しやすい場所が近い、大型車が頻繁に通る 等

(2) 学校安全参考資料「『生きる力』をはぐくむ学校での安全教育」(文部科学省、平成31年改訂)別表 3 通学の安全管理(1)「通学路の設定」および(2)「通学路の安全確保」より一部抜粋

(通学路の設定)

○通学路の条件

・横断箇所に横断歩道、信号機が設置されたり、警察官、交通安全指導員、地域ボランティア、保護者等の誘導が行われたりしている

・できるだけ歩車道の区別がある

・歩車道の区別がない場合、交通量(自転車も含む)が多い、車両の走行スピードが速い、大型車両の往来がある、路側帯が狭い(通行する児童生徒等と車両が接近する)などの道路は避ける

・見通しが悪い、頻繁に車両が右左折する、車両の複雑な動きがある交差点は避ける

・ガードレールが未整備の歩道は避ける

・登下校の時間帯にゴミ収集車や荷物搬入の大型車両など、特定の車両の出入りや通行量が増加する場所は避ける など

(通学路の安全確保)

○安全確保のための方策

・通学路の表示や標識、注意喚起や安全行動を促す表示類を適切な箇所に設置する

・場所や状況により交通規制を要請する

・警察からの交通事故に関する情報(発生箇所、事故状況など)を適宜入手し、安全管理・安全教育に活用する など

2.今回要請する観点

① 見通しのよい道路や幹線道路の抜け道になっている道路など車の速度が上がりやすい箇所や大型車の進入が多い箇所

② 過去に事故に至らなくても、ヒヤリハットの事例があった箇所

③ 保護者、見守り活動者、地域住民等から市町村への改善要請があった箇所 など

(参考3)

通学路の合同点検フロー

画像

[別添2]

令和3年7月9日

国道国技第106号

国道交安第16号

通学路における交通安全の更なる確保について

通学路における交通安全の確保については、平成24年の登校中の児童等の列に自動車が突入する事故等を受けて実施した緊急合同点検や、「通学路の交通安全の確保に向けた着実かつ効果的な取組の推進について」(平成25年12月6日付、文部科学省、国土交通省、警察庁)に基づき、各市町村における推進体制により継続的な取組を推進してきたところである。

しかしながら、令和3年6月に見通しの良い直線道路で下校中の児童の列にトラックが衝突し5名が死傷するなど、通学路における痛ましい事故が後を絶たない。

このことから、国土交通省、文部科学省、警察庁が連携し、通学路における交通安全を一層確保する取り組みとして合同点検を実施することとした。

ついては、貴管理道路においても、別紙に示す「通学路における合同点検等実施要領」に基づき、下記事項に留意の上、積極的に取り組まれたい。

また、貴管内の都道府県、政令市に対して、本通知の内容を周知するとともに、実施要領に基づき、通学路の交通安全の確保に積極的に取り組むよう依頼されたい。あわせて、都道府県から管内の市町村(政令市を除く)に対し、本通知の内容を周知・依頼するようお願いされたい。

点検の結果等の報告時期、報告内容等については、別途通知する。

なお、本通知については、文部科学省及び警察庁とも調整済みである。

参考に、別添1に文部科学省、別添2に警察庁より発出された文書を示す。

1.合同点検の実施について

合同点検に先立ち学校が実施する危険箇所のリストアップについては、今回の事故に鑑み、これまでの観点に加えて

・見通しのよい道路や幹線道路の抜け道になっている道路など車の速度が上がりやすい箇所や大型車の進入が多い箇所

・過去に事故に至らなくても、ヒヤリハットの事例があった箇所

・保護者、見守り活動者、地域住民等から市町村への改善要請があった箇所などの観点についても確認することとされている。

合同点検の実施にあたっては、危険箇所のとりまとめが完了した市町村教育委員会より、道路管理者等に対して、合同点検の日程等に係る調整がなされることとされており、道路管理者におかれては、速やかに対応すること。また、上述の観点も加えた合同点検が効果的・効率的に進められるよう、市町村教育委員会及び学校との連携を図り、学校に対して子供の交通安全確保に関する助言や情報提供等を積極的に行うこと。

2.対策案の検討・作成やその実施

合同点検結果を踏まえ、市町村教育委員会及び学校が、道路管理者及び警察との協議の上対策必要箇所を抽出し、道路管理者及び警察等からの技術的助言を得ながら対策案を検討・作成することとされているので積極的に対応すること。その際、学校、PTA、警察、道路管理者等によるハード・ソフト両面の対策を総合的に検討し、より効果的な対策となるよう留意すること。なお、対策案の検討・作成にあたっては、地域の交通安全を早期に確保する観点から、関係機関が実施する即効性の高いソフト対策も積極的に活用し、可能なものから速やかに実施すること。

3.地域住民との調整にあたっての連携・協力

対策案の検討にあたり必要となる地域住民等との調整については、市町村教育委員会及び学校がPTAと連携のもと主体的に取り組むこととされているが、道路管理者においても、市町村教育委員会、学校等と十分に連携・協力を図ること。

(別紙)

通学路における合同点検等実施要領

文部科学省

国土交通省

警察庁

1.実施対象

市町村(特別区を含む。以下同じ。)立小学校の通学路

※通学路は、各学校又は教育委員会において指定しているものを指す。

なお、国立及び私立の小学校及び公立特別支援学校小学部の通学路についても、各学校及び学校設置者の判断により、市町村立小学校に準じて実施する。また、市町村立小学校以外の公立学校並びに小学校以外の国立学校及び私立学校についても、地域や学校の実情等を勘案し、必要に応じて実施するものとする。

2.実施期間

下記3.(3)については令和3年9月末目途に、(4)については同年10月末目途にそれぞれ実施する。

ただし、地域の実情等により期間内の実施が困難な場合、遅くとも令和3年12月末までに、それぞれ実施する。

3.実施内容

(1) 実施体制(参考1)

平成25年12月6日「通学路の交通安全の確保に向けた着実かつ効果的な取組の推進について」(文部科学省、国土交通省、警察庁)に基づき、各市町村で構築している推進体制を活用することを基本とする。

(2) 学校による危険箇所のリストアップ(参考2)

学校は、在校児童から得られた情報を活用するとともに、保護者、スクールガード等の見守り活動者及び自治会等の協力を得て、次のような観点も踏まえた通学路の点検を行い、危険箇所をリストアップし、教育委員会に報告する。

・見通しのよい道路や幹線道路の抜け道になっている道路など車の速度が上がりやすい箇所や大型車の進入が多い箇所

・過去に事故に至らなくても、ヒヤリハットの事例があった箇所

・保護者、見守り活動者、地域住民等から市町村への改善要請があった箇所

など

なお、これまでも危険箇所の点検や合同点検等を実施していることも踏まえ、直近の合同点検の調査結果等から上記の観点を踏まえた再確認ができる場合には、通学路の危険箇所の現地調査は今回新たに求めない等効率的・効果的な対応を行う。

(3) 合同点検の実施及び対策必要箇所の抽出(参考3)

市町村教育委員会は、域内の学校からの報告を受け、危険箇所を取りまとめるとともに、学校、PTA、道路管理者及び地元警察署による合同点検の実施を調整する。合同点検を実施する際には、できる限り地域住民等の意見を得るものとし、必要に応じて学校から自治会の協力を得る。

合同点検を完了し、学校、道路管理者及び地元警察署で協議の上、対策の実施について検討する箇所を対策必要箇所として抽出する。

なお、これまでも学校、道路管理者及び地元警察署が合同で通学路の点検等を積み重ねてきていることを踏まえ、これらの合同点検等の蓄積を十分に活用した効率的・効果的な対応を行う観点から、既に(2)に示した観点で合同点検等が行われている場合には、その結果を活用し新たな合同点検を行わない等地域の実情を踏まえた対応を行う。

(4) 対策案の検討・作成

市町村教育委員会及び学校は、相互に連携し、また、PTA等の協力を得て、(3)で抽出した対策必要箇所について、道路管理者及び地元警察署から技術的な助言を得ながら、対策案を検討・作成し、地域住民の理解を得た上で、対策案の内容に応じて、道路管理者及び地元警察署に対して要望を行う。

(5) 対策の実施

市町村教育委員会、学校、道路管理者及び地元警察署は、(4)で作成した対策案に従って計画的に対策を実施する。その際、市町村教育委員会及び学校は、保護者等と連携を図るものとする。

なお、対策の実施に当たっては、防犯、防災等の側面にも留意する(上記(4)についても同じ)。

(6) 留意事項

上記(4)及び(5)の対策の検討・実施等に当たっては、ソフト対策も含めて対策を検討し、可能なものから速やかに実施すること。

4.実施状況の報告

合同点検の実施状況及びそれに基づく対策案の検討・作成の状況については、教育委員会で取りまとめ、文部科学省に報告する。国は、報告を受けた各市町村等の対策必要箇所や対策案の内容を取りまとめる。報告要領等については、別途連絡する。

5.その他

過去に危険箇所の指摘がありつつも、継続的に関係機関等で認識されていない課題が見られるところ、危険箇所や対策必要箇所については、児童・保護者、地域住民、関係機関の認識を高め、広く協力を得られるよう、地域の実情等に応じ、具体的な対策の予定の有無に関わらず、可能な限り幅広く、各市区町村のホームページ等に公表等することが望ましい。

(参考1)

[別紙]

平成25年12月6日

文部科学省

国土交通省

警察庁

通学路の交通安全の確保に向けた着実かつ効果的な取組の推進について

これまで、通学路における交通安全の確保については、緊急合同点検を実施し、その結果を受けた対策を推進するとともに、平成25年5月31日には文部科学省、国土交通省、警察庁による今後の取組に関する通知を発出したところであり、緊急合同点検に基づく対策の実施後においても、各地域において定期的な合同点検の実施や対策の改善・充実等の取組を継続して推進することが重要である。

そこで、その取組を着実かつ効果的に実施するために必要と考える基本的な進め方を下記のとおり文部科学省、国土交通省、警察庁でとりまとめたので、地方自治体等に通知した上で、引き続き通学路の交通安全の確保に取り組むこととする。

1.推進体制の構築

地域ごとに通学路の交通安全の確保に向けた取組の基本的方針を策定するとともに、策定した基本的方針に基づく取組を継続して推進するため、関係者で構成し、定期的に開催する協議会を設置する等推進体制を構築する。

推進体制の構成は、通学路における安全対策の関係機関となる、教育委員会、学校、PTA、警察、道路管理者を含めることを基本とし、必要に応じて自治会代表者や学識経験者等を加える。推進体制については、市区町村単位で構成することが望ましい。

なお、緊急合同点検時に構築した体制等既存組織がある場合は、これを活用する。

2.基本的方針の策定

1で構築した推進体制においては、各地域の実情を踏まえた合同点検や対策の改善・充実等の取組を着実かつ効果的に実施するため、緊急合同点検の枠組みを活用する他、以下の内容を含む取組の基本的方針を策定する。

(1) 合同点検の実施方針

合同点検の実施時期、合同点検の体制、合同点検の実施方法等を定める。

合同点検の実施時期については、緊急合同点検の実施状況や周辺環境の変化等を踏まえ、毎年実施や複数年ごとの実施等、地域の実情に応じて適切に設定する。合同点検の体制は、緊急合同点検と同様に教育委員会、学校、保護者、警察、道路管理者を含む体制とすることを基本とする。

なお、点検の実施に当たっては、通学路の変更箇所や周辺環境に変化のあった範囲を対象とすることの他、地域の実情に応じて、積雪時の危険箇所や自転車通学と輻輳する箇所を重点的に点検すること等、効率的・効果的な方法を検討することが望ましい。

(2) 通学路安全確保のためのPDCAサイクルの実施方針

合同点検の実施・対策の検討、対策の実施、対策効果の把握、その結果を踏まえた対策の改善・充実を一連のサイクルとして繰り返し実施すること(PDCAサイクル)が継続的な安全性向上のために必要であることから、これらを取組の基本的な考え方として定める。

なお、対策の検討、対策の実施、対策効果の把握については、関係者間で連携・協議の上行う。

3.公表等

(1) 基本的方針の公表

基本的方針を策定した際には、地域住民、道路利用者等の協力を得るため、推進体制の構成及び基本的方針をまとめたものを、市区町村のホームページや広報誌等を活用して、適切に情報発信する。

なお、基本的方針の名称については、全国で統一されていることが望ましいと考えることから、「(○○市区町村)通学路交通安全プログラム」とすることを推奨する。ただし、既に地域で同様の基本的方針を定めており、独自の名称がある場合はこの限りではない。

(2) 対策箇所図、対策一覧表の作成・公表

合同点検によって抽出した対策必要箇所について、関係機関で認識を共有するため、対策箇所図及び対策一覧表を作成し、公表する。

(参考2)

通学路の点検の実施及び危険箇所の把握・抽出に当たっての観点

1.これまでの観点

(1) 「登下校時における幼児児童生徒の安全確保について」(平成17年12月6日17文科ス第333号)の別紙 第1「②通学路における要注意箇所の把握と周知徹底」

○通学路に関し、保護者や警察、自治会などの関係者の間で共通認識を得ておくべき事項としては次のようなものが考えられる。

・危険・要注意箇所

道路が狭い、見通しが悪い、人通りが少ない、やぶや路地、倉庫、空地など人が身を隠しやすい場所が近い、大型車が頻繁に通る 等

(2) 学校安全参考資料「『生きる力』をはぐくむ学校での安全教育」(文部科学省、平成31年改訂)別表 3 通学の安全管理(1)「通学路の設定」および(2)「通学路の安全確保」より一部抜粋

(通学路の設定)

○通学路の条件

・横断箇所に横断歩道、信号機が設置されたり、警察官、交通安全指導員、地域ボランティア、保護者等の誘導が行われたりしている

・できるだけ歩車道の区別がある

・歩車道の区別がない場合、交通量(自転車も含む)が多い、車両の走行スピードが速い、大型車両の往来がある、路側帯が狭い(通行する児童生徒等と車両が接近する)などの道路は避ける

・見通しが悪い、頻繁に車両が右左折する、車両の複雑な動きがある交差点は避ける

・ガードレールが未整備の歩道は避ける

・登下校の時間帯にゴミ収集車や荷物搬入の大型車両など、特定の車両の出入りや通行量が増加する場所は避ける など

(通学路の安全確保)

○安全確保のための方策

・通学路の表示や標識、注意喚起や安全行動を促す表示類を適切な箇所に設置する

・場所や状況により交通規制を要請する

・警察からの交通事故に関する情報(発生箇所、事故状況など)を適宜入手し、安全管理・安全教育に活用する など

2.今回要請する観点

① 見通しのよい道路や幹線道路の抜け道になっている道路など車の速度が上がりやすい箇所や大型車の進入が多い箇所

② 過去に事故に至らなくても、ヒヤリハットの事例があった箇所

③ 保護者、見守り活動者、地域住民等から市町村への改善要請があった箇所 など

(参考3)

通学路の合同点検フロー

画像

通学路における合同点検の実施について(依命通達)

令和3年7月14日 達(交規、交企、交指)第251号

(令和3年7月14日施行)

体系情報
交通部
沿革情報
令和3年7月14日 達(交規、交企、交指)第251号