○110番映像通報システム運用管理要領の制定について(通達)
令和4年11月15日
達(総指)第486号
[原議保存期間 5年(令和10年3月31日まで)]
[有効期間 令和10年3月31日まで]
みだし要領を別紙のとおり制定し、令和4年11月15日から施行することとしたので、事務処理上誤りのないようにされたい。
別紙
110番映像通報システム運用管理要領
第1 目的
この要領は、110番通報その他の緊急通報を行った者に対し、スマートフォン又はタブレット端末を用いて、事件・事故その他の警察事象に対する初動的な措置に必要な映像又は画像の送信を求めることが可能となる110番映像通報システム(以下「本システム」という。)の使用に関し、必要な事項を定めることにより、本システムの効率的かつ適正な運用管理を図ることを目的とする。
第2 用語の定義
この要領において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
1 110番通報等
110番通報その他の緊急通報をいう。
2 通報者
110番通報等を行った者をいう。
3 映像通報
通報者又は職員が、本システムを用いて通信指令課に対して映像又は画像を送信することをいう。
4 映像等ファイル
映像通報に用いられた映像データ又は画像データを保存したデータ情報をいう。
5 受理端末
本システムの一部として通信指令課に設置された次の端末装置をいう。
(1) 映像通報の受理を行うためのタブレット型端末装置
(2) 映像通報の受理、統計処理等を行うためのノート型端末装置
6 事案情報
各映像通報に関する情報と映像等ファイルを関連付けて保存したデータ情報をいう。
7 認証情報
ユーザID、生体情報及びパスワードをいう。
8 生体情報
ユーザIDと組み合わせて用いる利用者の指紋の特徴に関する情報をいう。
9 ワンタイムURL
受理端末から通報者が用いているスマートフォン又はタブレット端末(以下「スマートフォン等」という。)の電話番号又はメールアドレス宛てに、SMS(ショート・メッセージ・サービス)又は電子メールにて通知する、限られた回数かつ限られた時間のみ本システムに接続することが可能となる接続制限付きURLをいう。
10 アクセスコード
本システムへのアクセスを認証するために入力する文字列をいう。
11 職員用URL
職員が、本システムにアクセスするために用いるURLをいう。
第3 運用管理体制
1 運用管理責任者
(1) 県本部に運用管理責任者を置き、通信指令課長をもって充てる。
(2) 運用管理責任者は、110番映像通報システム運用管理要領(令和5年3月23日付け警察庁丙生企発10号ほか。以下「警察庁要領」という。)に定める警察庁運用管理責任者及び警察庁システム管理責任者と連絡を密にし、県本部における本システムの効率的かつ適正な運用及び管理に係る企画、指導、調整その他必要な事項(警察庁要領第3の4(1)に定める本部システム管理責任者の行う事項を除く。)を行う。
2 運用管理者
(1) 県本部に運用管理者を置き、通信指令課指令官及び副指令官をもって充てる。
(2) 運用管理者は、運用管理責任者の任務を補佐するとともに、運用管理責任者の下、県本部の受理端末の運用及び管理(警察庁要領第3の4(2)に定める本部システム管理者の行う事項を除く。)、映像通報の受理に係る指揮、統計処理等を担当する。
3 受理担当者
(1) 県本部に受理担当者を置き、通信指令課において、通信指令業務を担当する職員をもって充てる。
(2) 受理担当者は、映像通報の受理を担当する。
第4 運用
1 映像通報の受理
(1) 受理担当者は、110番通報等の受理中において、通報内容から映像通報を求める必要があると認めたときには、
○ 通報者が映像通報を安全に行うことができる状況にあること。
○ 通報者がカメラ機能を備えたスマートフォン等を用いていること及び当該スマートフォン等の電話番号が通知されていること。
を確認し、原則として事前に運用管理者に報告した上で、通報者に対し映像通報に係る各種留意事項について説明し、その同意を得て映像通報を依頼することとする。
(2) 受理担当者は、上記(1)の確認及び報告を行った上で、通報者が用いているスマートフォン等の電話番号(電話番号を用いることができない場合は、メールアドレス)宛てにワンタイムURLを送信し、当該スマートフォン等のカメラ機能の起動を依頼することにより映像通報の受理を開始すること。ただし、第4の4(1)ウに定めるアクセスコードによる認証機能を適用している場合は、通報者に対しアクセスコードの入力を求めること。
なお、ワンタイムURLの送信先電話番号(又はメールアドレス)を入力した後、送信ボタンを押下する前に、入力情報に誤りがないか再度確認するなど、誤送信を防止すること。
(3) 受理担当者は、映像通報が開始された後、通報者に対し、撮影する対象、範囲等を伝え、映像通報を継続する必要性がなくなったときに、映像通報を終了することを伝えることとする。
2 運用管理者による指揮
運用管理者は、受理担当者が映像通報の受理を適切に行うため、次の事項を指揮しなければならない。
(1) 通報者が映像通報を安全に行うことができる状況にあることを確認した上で、映像通報を求めること。
(2) 通報者から次の事項についての任意の同意を得て実施すること。
ア 通報者は、撮影又は送信する映像又は画像に係る著作権を放棄すること。
イ 本システムは、通報者のスマートフォン等のGPS機能を用いて、位置情報を取得すること。
ウ 通報者は、公の場所等の自由に立ち入れる場所において肉眼で見える範囲を撮影するなど、第三者のプライバシーを不当に侵害することがない撮影をすること。
エ 通報者の映像又は画像の送信に係るデータ通信料金は、通報者が負担すること。
3 留意事項
(1) 受理担当者は、通報者からの聴取内容、スマートフォン等の位置情報等と送信を受けた映像又は画像との間に矛盾点がないかを確認するなど、110番通報等の内容の正確な把握に努めること。
(2) 受理担当者は、受理した110番通報等が虚偽通報であると認めた場合、第三者のプライバシーを不当に侵害するなど不適切な方法で撮影された映像が送信されていると認めた場合等、映像通報の継続が不適当であると認めた場合は、速やかに映像通報を終了すること。
(3) ワンタイムURLの誤送信を認知した場合は、ワンタイムURLの破棄や誤送信の相手方への連絡など、速やかに必要な措置を講じること。
4 職員による映像通報の利用
(1) 利用手順
ア 運用管理責任者は、業務上映像通報を行う可能性のある職員に対し、事前に職員用QRコードを印字出力した紙片を閲覧させるなどして、映像通報に使用するスマートフォン等に職員用URLを登録させること。
イ 映像通報を利用する職員は、事前に(事前に連絡するいとまがない場合は、利用後速やかに)運用管理者に対し、本システムの利用について報告すること。
ウ 映像通報を利用する職員は、職員用URLを登録したスマートフォン等を用いて職員用URLにアクセスし、アクセスコードを入力して映像通報を開始すること。
エ 職員用URLについては、別途連絡する。
(2) 留意事項
ア 職員による映像通報については、原則として、初動警察活動に必要な範囲内で行うことができることとする。
イ 運用管理責任者は、職員用URLを与えられた職員に対し、当該職員用URLを適正に管理するよう指導すること。
ウ 職員は、職員用URLの流出を認知した場合等、職員用URLの不適切な利用が見込まれる状況を認知した場合には、速やかに当該職員用URLを破棄する必要があることから、運用管理者を経由して運用管理責任者へ速やかに報告すること。
エ 職員は、個人所有の携帯電話機により映像通報を行うことが想定される場合には、福島県警察情報セキュリティに関する対策基準の細目の制定について(令和6年3月18日付け達(情)第154号)第7の1(2)カ(イ)に基づき、あらかじめ所属長の許可を受けること。
オ 職員は、個人所有の携帯電話機に、本システムが発行した職員用URL(職員専用の常時アクセス可能なURLをいう。)以外の管理対象情報を保存しないこと。
カ 職員は、異動等により職員用URLの保存が不要となった場合は、速やかに削除すること。
キ 職員は、職員用URLが第三者に窃取されないよう適切に管理すること。
ク 職員は、高度警察情報通信基盤システム等の他の映像伝送手段がない場合に限り、本システムを使用すること。
5 受理体制の確保
運用管理責任者は、警察庁運用管理責任者が通知した運用停止期間その他やむを得ない事情がある場合を除き、常時、映像通報が受理できるよう本システムを運用及び管理しなければならない。
6 運用状況の管理
運用管理責任者は、通信指令課に設置された受理端末の運用状況を適切に管理しなければならない。
第5 管理
1 情報セキュリティの確保
(1) 運用管理責任者は、本システムの情報セキュリティを確保するため、必要な措置を講じなければならない。
(2) 運用管理責任者は、情報セキュリティインシデントに係る被害を防止するなど情報セキュリティを確保するため必要があると認めたときは、アクセスコードによる認証機能を適用することができる。
2 端末の操作
運用管理責任者は、別に定めがある場合を除き、運用管理者及び受理担当者(以下「運用管理者等」という。)以外の者に受理端末を操作させてはならない。
第6 情報セキュリティ等
1 情報セキュリティ
本システムにおける情報セキュリティに係る事項については、福島県警察情報セキュリティに関する訓令(平成30年県本部訓令第1号)等情報セキュリティポリシーの定めるところによる。
2 管理対象情報の分類
本システムにおいて取り扱う管理対象情報の分類については、次のとおりとする。
管理対象情報の分類 | 機密性 | 完全性 | 可用性 |
2(中) | 2(高) | 1(低) |
3 事案情報の取扱い
(1) 事案情報は、法令に基づく場合を除き、原則として当該事案情報に係る初動警察活動又は統計処理に必要な範囲内で使用することとする。
(2) 事案情報は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)、福島県情報公開条例(平成12年福島県条例第5号)等にのっとり、適切に取り扱わなければならない。
4 映像等ファイルの自動削除
映像等ファイルは、取得した日の翌日から起算して7日間を経過した後に自動的に削除することとする。
ただし、法令に基づく開示要請があった場合、違法行為があった場合その他特別の理由のある場合は、映像等ファイルを外部記録媒体に保存することができることとする。
5 映像等ファイルの保存
映像等ファイルを外部記録媒体に保存する場合は、運用管理責任者から当該保存についての許可を受けた者が組織で保有する外部記録媒体を用いて行うこととし、福島県警察情報セキュリティに関する対策基準(令和6年3月18日付け達(情、務、生企、地企、刑総、交企、公)第153号第8の1(2)ウに基づき、当該外部記録媒体を適正に管理しなければならない。
第7 認証情報の管理
1 認証情報の登録等
運用管理責任者は、本システムの適正な運用及び管理を行うため、運用管理者及び受理担当者に係る認証情報の登録、変更及び抹消並びに必要な権限の付与を行うものとする。
2 留意事項
運用管理責任者は、登録した認証情報を適切に管理するとともに、当該認証情報が不要となった場合には、当該認証情報を用いて受理端末が使用されないように必要な措置を講じなければならない。
第8 認証方法等
1 認証方法
受理端末の起動方法は、原則として生体情報によるものとする。ただし、生体情報によることが困難な者の認証を行うときその他運用管理責任者が必要と認めたときは、パスワードを用いた認証によることができる。
2 留意事項
運用管理者及び受理担当者は、パスワードを適正に管理しなければならない。
第9 統計情報の取得
運用管理者は、受理端末において、本システムで通信指令課が取り扱った事案の統計に係る情報を取得することができる。
第10 システム障害認知時の措置
運用管理者は、障害を認知した場合、東北管区警察局福島県情報通信部機動通信課へ連絡すること。
第11 教養・訓練
運用管理責任者は、本システムの特殊性に鑑み、本システムの運用及び管理に係る全ての職員に対し、本システムの利用方法等について必要な教養を行うとともに、適宜必要な訓練を実施しなければならない。