○持続可能な交通規制の推進に向けた5か年計画等の策定について(依命通達)

令和6年2月19日

達(交規)第32号

[原議保存期間 5年(令和11年3月31日まで)]

[有効期間 令和11年3月31日まで]

対号 令和5年11月22日付け達(交規)第416号「持続可能な交通規制の推進について」

みだしのことについては、下記のとおり策定し、令和6年4月1日から施行するので、対応に万全を期されたい。

1 目的

厳しい財政状況の中で、将来にわたって必要な交通安全施設等を整備し、適切な維持管理を継続するためには、中長期的視点に立ったストックの適切な管理を強力に推進し、抜本的なコストの合理化を行っていく必要がある。

対号通達に示した持続可能な交通規制の考え方を実現するため、令和6年度から令和10年度までの5か年を具体的なストック削減目標期間として設定するとともに、削減のための指針を定め、実効性のある取組の推進を目的とする。

2 持続可能な交通安全施設等の整備

(1) 基本的な考え方

老朽化して非効率となった設備を廃止して、新しい設備におきかえることにより、集中化、効率化を実現するスクラップアンドビルドという考え方は、持続可能な交通安全施設等の整備においても有効であることから、スクラップアンドビルドを基本的な考え方として、信号機、大型標識柱、規制標識柱、規制標示毎に削減目標を設定した。

(2) 削減目標の設定

交通安全施設等の削減については、下表の計画に基づき取り組むものとする。

なお、信号機については廃止数(意思決定を廃止し信号設備すべてを撤去すること)、大型標識柱については撤去数(標識板及び基礎も撤去)、規制標識柱及び規制標示については、管理本(距離)数の削減を目標とする。


5か年計画(令和6~10年度)

単年度計画

信号機

120基以上廃止

24基以上廃止

大型標識柱

150基以上撤去

30基以上撤去

規制標識柱

5189本以上削減

1038本以上削減

規制標示

150km以上削減

30km以上削減

ア 信号機

県内には、令和6年1月末現在4,006基の信号機が設置されているが、交通環境の変化等により、信号機を設置している場所が信号機設置の指針に該当しなくなった信号機については、廃止を検討すること。特に一灯点滅式信号機については、一時停止の交通規制その他の安全対策による措置を講じ廃止を推進すること。

5年間での信号機廃止目標は、120基(現ストック数の3.0%)以上とし、1年毎に24基以上の廃止を目標とする。

なお、信号機を廃止しない場合でも、背面灯器や信号柱の削減等により、信号機の合理化を検討すること。

また、信号制御機については、令和10年度まで毎年100基の更新を目標とする。

イ 大型標識柱

県内には、令和6年1月末現在3,297基の大型標識柱が設置されているが、主に最高速度や駐車禁止に係る大型標識や灯火の大型標識は、路側標識に切り替えるなど撤去を推進すること。

5年間での大型標識柱の撤去目標は、150基(現ストック数の4.5%)以上とし、1年毎に30基以上の撤去を目標とする。

ウ 規制標識柱・規制標示

県内には、令和6年1月末現在103,777本の規制標識柱(路側式・共架式)、約1,998kmの路面標示が設置されているが、特に最高速度、追い越しのための右側部分はみ出し通行禁止(以下「はみ禁」という。)、駐車禁止、特例特定小型原動機付自転車・普通自転車の歩道通行可(以下「自歩可」という。)については、交通実態に即した交通規制の見直しを図るとともに、規制標識柱の設置間隔等の見直しも行い、規制標識柱・規制標示のストックを削減すること。

5年間での削減目標は、規制標識柱5,189本(現ストック数の5%)以上、規制標示150km(現ストック数の7.5%)以上とし、1年毎に規制標識柱1,038本以上、規制標示30km以上の削減を目標とする。

(3) 各警察署単位の目標

各警察署の信号機及び規制標識柱の削減目標については、別表「信号機廃止及び規制標識柱削減計画」のとおりとする。

なお、大型標識柱の撤去、規制標示の削減目標については、各警察署毎の目標は定めず、県警察全体として取り組むべき目標とする。

3 具体的な推進施策

(1) 推進要領

具体的な削減への取組については、別添「交通安全施設等の削減への取組指針」により行うこと。

(2) 交通安全施設等の新設・増設

交通安全施設等を新設・増設した場合は、ストック数が増加し、削減目標に対しマイナスに影響することから、交通規制基準に則り、交通量等の調査を綿密に実施し、真に必要な交通規制、交通安全施設等か厳正に判断するとともに、スクラップアンドビルドの考え方に基づき、例えば、新設・増設等したい場合、不要な施設等を同等数以上減らすといった手法により、交通安全施設等の集中化、効率化に努めること。

また、道路管理者による道路改良等により、新たに必要になる交通規制についても、真に必要な交通安全施設等か厳正に判断するとともに、スクラップ箇所も検討すること。

4 規制標示のサイズダウンによるコストの合理化について

規制標示については、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(昭和35年総理府・建設省令第3号以下「標識標示令」という。)の別表第六及び交通規制基準に示されているとおりであり、今まで本県では一律に上限サイズの規制標示を用いてきたところであるが、サイズダウンによるコストの合理化を図るため、下表のとおり改めることとする。

なお、詳細な施工方針については、別添「交通安全施設等の削減への取組指針」を参考とされたい。


現行施工状況

改正施工方針

停止線

0.45m幅で施工

0.30m又は0.45m幅で施工

横断歩道又は自転車横断帯あり

0.30m幅で施工

0.20m又は0.30m幅で施工

止まれ文字(施工距離換算)

18.48mで施工

14.20m(縮小版)又は18.48mで施工

5 道路管理者によるオーバーレイ・区画線更新・道路改良情報の積極的把握

道路管理者によるオーバーレイ・区画線更新情報の把握は、はみ禁や自転車横断帯等の廃止検討の契機となる。

また、警察発注の標示更新工事等との重複工事回避のためにも、積極的にそれらの情報を収集するとともに、入手した情報については、各署及び交通規制課で共有すること。

また、道路改良等により不要となる大型標識、規制標識又は規制標示についても、道路管理者との連携を密にし、撤去の失念、放置等の防止を図ること。

6 交通安全施設等の点検

交通安全施設等の点検については、「福島県警察における交通安全施設の管理に関する訓令」に基づき、常時点検、定期点検及び特別点検を実施しているところであるが、この機会を通じて、交通実態に適合していない交通規制や老朽化の著しい交通安全施設等の発見に努めること。

発見した交通安全施設等については、削減を念頭に、交通規制の見直しや設置方法の見直しを検討すること。

7 交通規制情報管理システムの活用

(1) 調査・点検

交通規制情報管理システム(以下「システム」という。)を活用することで、耐用年数が経過した規制標識柱や長年更新されておらず必要性の低下した横断歩道を抽出することが可能であることから、システムを効果的に活用し、合理的かつ効率的に調査・点検を実施すること。

また、調査結果については、重複点検の予防等、業務の効率化のため、システムへの確実な入力を行うこと。

(2) 標識・標示工事申請

システムで工事業者へ委託発注する標識・標示工事申請(以下「工事申請」という。)が可能であるが、工事申請に当たっては、持続可能な交通安全施設等の考え方に基づき、真に必要なもののみとなるように精査すること。

また、工事申請については、コスト削減の観点から標示工事、大型標識柱の撤去、基礎撤去が必要な規制標識柱、取り外しが危険な高所等の共架標識の撤去等を基本とし、警察職員による自主撤去、自主取付等の自主工事で対応が可能なものについては、自主工事により行うよう努めること。

なお、自主工事を実施した際は、写真撮影、自主工事登録をシステムに確実に実施するとともに、必ず交通規制課に報告すること。

また、取外した標識板や金具等について、再利用が可能なものについては安易に廃棄することなく、適切に管理すること。

8 受傷事故等の防止

自主工事に当たっては、道路を通行する車両等に注意を払うことはもとより、高所作業であることを常に意識し、安定した場所への三脚、梯子等の設置や、ヘルメット等の確実な装着により、転落・落下等による受傷事故の絶無を期すこと。

また、標識板の自主工事後は、強風や振動等の影響による落下防止のため、留め具に緩み等がないこと必ず確認すること。

9 その他

本施策については、警察庁への報告等をはじめとして、実績が数値化されることに留意のうえ、調査・点検等を推進すること。

また、各署に共有すべき効果的な取組を実施した場合等は、適宜、交通規制課宛てに交通情報報告すること。

別表

信号機廃止及び規制標識柱削減計画


No.

警察署

(分庁舎)

信号機

規制標識柱

令和5年度現況(基)

削減目標

令和5年度現況(本)

削減目標

5か年(本)

単年度(本)

5か年(本)

単年度(本)

県北

1

福島

479

14


11,790

590

118

2

(川俣)

25

1

750

38

8

3

福島北

142

4

3,197

160

32

4

(桑折)

49

2

1,401

70

14

5

伊達

129

4

3,306

165

33

6

二本松

79

2

3,923

196

39

県南

7

郡山

392

11

10,047

502

100

8

郡山北

189

6

3,641

182

36

9

(本宮)

78

2

1,746

87

17

10

須賀川

180

5

5,765

288

58

11

白河

236

7

6,732

337

67

12

石川

76

2

1,949

97

19

13

棚倉

63

2

1,755

88

18

14

田村

89

3

2,037

102

20

15

(小野)

40

2

1,351

68

14

会津

16

会津若松

303

9

6,040

302

60

17

(会津美里)

46

2

1,426

71

14

18

猪苗代

64

2

1,919

96

19

19

喜多方

137

4

3,807

190

38

20

会津坂下

65

2

1,683

84

17

21

南会津

42

1

2,061

103

21

相双

22

いわき中央

420

13

7,974

399

80

23

いわき東

162

5

4,010

201

40

24

いわき南

112

3

2,446

122

24

25

南相馬

152

5

5,241

262

52

26

双葉

100

3

2,687

134

27

27

(浪江)

40

1

1,738

87

17

28

相馬

115

3

3,355

168

34


29

高速隊

2

0


合計


4,006

120

24

103,777

5,189

1,038

※ 信号機削減目標が5か年で1~4基の所属にあっては、単年度目標とすれば1以下になるため各所属毎の単年度目標は設定しないが、早期に目標を達成に向け、1基以上の廃止を目標とすること。

別添

交通安全施設等の削減への取組指針

1 交通規制の見直し

次の項目に該当するものについては、見直し(廃止)を検討すること。

項目

内容

(1) 信号機

ア 信号機設置の指針に該当しない場合

イ 一時停止の交通規制その他の対策により代替が可能な場合

既存の信号機を廃止しない場合においては、下記の合理化(撤去)を検討すること。

ア 必要性が認められない信号灯器(背面灯器等)

イ 交通流の変化に伴う半感応設備の見直し(定周期化に伴う感知器柱の撤去)

ウ 信号設備の見直しに伴う信号柱の集約化

(2) 通行止め(大型等・大貨等)

ア バイパス新設等、道路交通環境の変化や大型車を必要とした施設等がなくなり、大型車の通行がなくなった場合

イ 通行許可申請が多数ある場合

ウ 車両制限令(昭和36年政令第265号)第5条及び第6条(幅の制限)で規制される場合

(3) 特定小型原動機付自転車・自転車及び歩行者用道路

ア 歩道の整備や周辺の学校の移転等をはじめとした道路交通環境の変化があった場合

イ 通過交通がなく、生活交通のみである場合

(4) 指定方向外進行禁止(以下「指方外」という。)

一方通行や車両通行止め規制等が行われている交差点に設置され、当該規制の補完的な役割を果たしているもの(いわゆる「サービス指方外」)について、次の項目に該当するものについては、見直し(廃止)を検討すること。

ア 交差点を直進した先に、車両進入禁止や車両通行止め標識が設置されており、通常の注意を払えばそれらの標識が確認できる場合

イ 交差点を右左折した先に、車両進入禁止や車両通行止め標識が設置されており、通常の注意を払えばそれらの標識が確認できる場合

ウ 複数の指方外標識又は補助標識が並置されており、その規制する意味が理解しづらい場合(例えば、「大貨等とそれ以外の車両」や「7時―8時と8時―7時(規制が適用されない時間の表示)」等)

(5) 横断歩道

ア 交通規制基準に示された対象道路の基準に適合していない場合で、特に、車道幅員が3.5m未満の道路に設置されている場合

イ 市街地100m、非市街地200m未満の間隔で設置されている場合

ウ 交差点の主道路側に2本連続して設置されている場合

エ 小中学校の統廃合等により横断歩行者が減少した場合

オ 付近の大規模施設等が閉鎖したことにより横断歩行者が減少した場合

カ 車の交通量が少ない道路又は横断需要の少ない場所に設置してある場合

(6) 追越しのための右側部分はみ出し通行禁止(以下「はみ禁」という。)

ア 交通規制基準に示された対象道路に該当しない場合

イ 30km/h以下の最高速度規制を実施している道路

ウ 規制区間が3km以上の場合(区間の見直し)

エ 道路拡幅により道路の左側の幅員が6mをこえる場合

オ 交通量が少ない又は見通しが効き、はみ禁による交通事故が想定されない場合

カ 交通量等交通実態から追越しが行われる可能性が低いなど、はみ禁を規制している必要がない場合

なお、道路管理者によるオーバーレイ実施時に黄色実線から白色破線に見直すことが効率的であることから、オーバーレイ情報を積極的に収集し、道路管理者と協議すること。

(7) 進行方向別通行区分

ア 進行方向別通行区分規制が30mを超えて実施されている場合(30mに変更すること。)

イ 進路変更を禁止する必要がない場合

ウ 直進左折レーン、直進右折レーンのみであるなど、進行方向別通行区分により進行方向を規制せずとも、右左折方法違反等が成立する場合

なお、進行方向別通行区分に関する道路標示に関して、

◯ 車線境界線(白色実線)は30mまで

◯ 進行方向の実線矢印は同一車線に2個まで(それより多くする場合は予告の破線矢印)

◯ 単車線に設置は不要(交通規制の必要がない)

ことに留意すること。

(8) 駐停車禁止路側帯

ア 道路幅員が狭小であり、駐車車両の右側に3.5m以上の余地がなく、駐停車禁止路側帯がなくとも、無余地駐車にあたる場合

イ 駐停車を禁止してまで路側帯における歩行者等の通行場所を確保する必要性がなく、かつ、駐車禁止規制が実施されているため、駐停車禁止路側帯がなくとも、指定駐車禁止違反等が成立する場合

ウ 一方通行の規制が実施されている道路で、右側に駐停車禁止路側帯が設置されており、駐停車禁止路側帯がなくとも、左側端に沿わない放置違反等が成立する場所

エ 歩道のない道路で、単に歩行者の通行場所を強調するために標示されていると考えられる場合

(9) 最高速度

ア 交通規制基準に示された対象道路に該当しない場合

イ 歩道の整備や周辺の学校の移転を始めとした道路交通環境に変化があった場合

ウ 実勢速度と規制速度に大きな乖離が見られる場合

(10) 一時停止

交通実態に配意のうえ、次の項目に該当するものについては、交通規制の見直し(廃止)を検討すること。ただし、住民要望があるなど、安全対策が必要な交差点として、規制継続の必要が認められた交差点は除く。

ア 1方向の規制

(ア) 地域交通が主で通過交通がほとんどみられない丁字路交差点の突き当たり側に実施している場合

(イ) 通過交通が少なく、中央分離帯が設置された優先道路に対し実施している場合

イ 全方向の規制

交差点に進入する全ての方向を実施している場合(この場合、交通規制基準に従い、従道路側のみ)

ウ その他

(ア) 一方通行路と相互通行路が交差する交差点において、相互通行路側に実施(2方向)している場合(一方通行路側(1方向)への見直し)

(イ) 中央線が設置された優先道路に接続する生活道路で、通過交通が少なく、横断歩道と併設している場合

(ウ) 通過交通がない地域交通のための幅員3.0m以下の道路で交差道路が明らかに広幅員(おおむね2倍以上)の場合

(エ) ドットラインにより交差点の存在が明示されている場合

(11) 二段停止線

二段停止線については、交通整理の行われている交差点において、二輪及び軽車両の安全を確保する目的で設置されてきたが、四輪車の前に無理に出ようとしてすり抜けを誘発する可能性があることから、見直し(廃止)を検討すること。

(12) 駐車禁止

ア 交通閑散な住宅街等で駐車禁止の交通規制を実施する必要性が認められない場合

イ 道路幅員が狭小であり、駐車車両の右側(路側帯部分を除く。)に3.5m以上の余地がなく、駐車禁止規制がなくとも、無余地駐車にあたる場合

ウ 通過交通の想定されない袋小路や湾岸突堤部等、他の交通への影響が限定的と認められる場合

(13) 特例特定小型原動機付自転車・普通自転車歩道通行可

ア 有効幅員が3.0m未満の歩道に実施している場合

イ 勾配の急な歩道に実施している場合

ウ 自転車の歩道通行が歩行者の通行に支障がある場合

エ 普通自転車専用通行帯や矢羽根型路面表示が整備されている道路の歩道に実施している場合

(14) 自転車横断帯

自転車は、車道又は歩道のいずれかを通行していても、自転車横断帯がある場合は、自転車横断帯で道路を横断しなければならず、場合によっては自転車に不自然かつ不合理で危険な横断を強いることになるため、次のいずれかに該当する場合を除き交通規制の見直し(廃止)を検討すること。

ア 自転車道が整備されている区間内

イ 特例特定小型原動機付自転車・普通自転車の歩道通行部分が指定されている区間内

ウ 自転車が通行できない構造の横断歩道橋の付近で自転車の交通量が多い交差点等に設置されている自転車横断帯

エ 交差点に進入することが危険であり、歩道に誘導することが必要と考えられる交差点に設置されている自転車横断帯

なお、歩行者用信号機に設置してある「歩行者・自転車専用」の標示板についても廃止に併せて原則撤去すること。

2 大型標識柱等の見直し

項目

内容

(1) 大型標識柱から路側標識柱への見直し

大型標識柱については、次のいずれかに該当する場合は、路側標識柱への見直しを行うこと。

ア 片側1車線である等、路側標識でも視認性が確保できる場合

イ 道路改良等により、大型標識柱の移設が必要になった場合

ウ 規制の短縮、廃止等により、大型標識に設置された標識板を取り外す必要がある場合

なお、除雪等による損傷予防に効果が認められる大型標識についてはこの限りでない。

(2) 大型灯火標識から大型反射標識への見直し

大型灯火標識は、原則、大型反射標識への見直しを行うこと。

なお、ライトシャワー型の横断歩道標識の場合、現場におけるその他の照明の有無、明るさを勘案し、標識の撤去に伴い新たに街路灯等が必要と認められる場合は、その必要性を道路管理者等に働き掛けるなど、関係機関と連携すること。

3 路側標識の削減

項目

内容

(1) 設置間隔の見直し

原則として、交通規制基準に従って交差点ごとに設置するが、市街地等で交差点が密に連続しているなど、道路環境や交通実態等により、設置間隔を検討できる場合には、次により区間標識の設置間隔の見直しを行い路側標識柱を削減すること。

なお、自歩可及び駐車関係道路標識を除いて、最長1.0kmを基本とするが、道路形状によっては、それ以上の間隔でも可能とする。また、これまで最長の設置間隔を越えて標識が設置されてきた交通規制については、その交通規制の必要性についても検討すること。

ア 速度標識

原則始点・終点標識を設置し、区間内標識については必要な間隔とすること。

規制標示については、規制標識が設置されていれば、設置は不要であることから、特に必要である場合を除き、設置しないこと。

イ 自歩可標識

原則始点・終点標識のみ設置することとし、標識板を更新する際は縮小版標識を用いること。区間内は、標示を原則とし、標識から標示への置き換えを図ること。

ウ 駐車関係道路標識

駅前、商業施設付近など駐車違反が常態化しやすい場所を除き、

(ア) 市街地

100~200m付近の交差点を過ぎた地点

(イ) 非市街地

最長400m以内の交差点を過ぎた地点

に設置を検討すること。

エ はみ禁

原則として、道路標示により実施することとなっていることから、始点・終点標識以外の区間内標識の撤去を行うこと。

(2) 路側標識の共架及び統廃合

非舗装路面に建柱された標識については、風雨や除雪等により基礎が露出し、傾斜するなど、自然倒壊しやすいことから、次により見直すこと。

ア 共架式への見直し

信号柱、電柱、街路灯等への共架を積極的に検討すること。

なお、道路附属物に共架する際は道路管理者に、やむを得ず民地内の電柱に共架する際は民地所有者に承諾を得ること。

イ 標識の統廃合

最寄りに複数の標識が設置してある場合は、交通規制基準の併設の要領により、標識の統合を検討すること。ただし、統合により標識の視認性が低下することのないよう、次により設置場所に注意すること。

(ア) 車両通行止め等の丸形の標識は、右左折する車両からの視認性を考慮し、交差点の外側に設置

(イ) 一方通行(326-A)標識は、交差点内又は交差点に接した地点に設置(ただし、車両進入禁止標識と併設する場合は、交差点の外側の近接した地点)

(ウ) 一時停止標識で、標識の視認性が良好であるにも関わらず、道路の両側等に複数標識が設置されている場合は単一場所に設置

(エ) 横断歩道標識は、横断歩道標示の側端を基本とし、同標示との一体性を損なわない範囲に設置

(3) 縮小版標識の活用

交通規制基準により、道路の設計速度、道路の形状又は交通の状況により必要がある場合には、2/3倍まで縮小できるとされていることから、標識板の更新の際は、次の基準で縮小版標識への見直しを行うこと。

ア 歩車道が分離されていない幅員が5.5m未満の道路(中央線なし)又は幅員4.0m以下の一方通行道路に設置する標識

イ 自歩可の始点・終点標識

ウ 一時停止又は横断歩道標識と併設する終点標識

4 規制標示のサイズダウンによるコストの合理化

項目

内容

(1) 停止線

道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(昭和35年総理府・建設省令第3号以下「標識標示令」という。)では、停止線の幅について0.30m幅又は0.45m幅とされているところ、本県では、0.45m幅で一律施工してきた。

しかし、停止線は特に、除雪、車両の発進停止による摩耗が顕著であり、更新頻度が高いことから、次に応じて、0.30m幅又は0.45m幅を選択すること。

ア 0.45m幅での施工を基本とする場所

(ア) 国道4、6、13、49号等の主要国道や自動車専用道路

(イ) 実勢速度が60km/h以上である場所

(ウ) 停止線の摩耗が轍部分のみである等局所的であるなどして0.45m幅だった場所を0.30m幅で更新すると支障がある場所(この場合、全体的に摩耗するのを待つか道路管理者と連携を図り、オーバーレイ施工時等に幅を縮小させることを検討すること。)

イ 0.30m幅での施工を基本とする場所

(ア) 速度50km/h以下の最高速度規制がされており、かつ、実勢速度がそれに見合っている又は低い場所

(イ) 道路幅員5.5m未満(中央線なし)の道路又は通過交通の少ない生活道路

ウ 停止線を消去すべき場所

(ア) 信号機、一時停止、横断歩道が設置されていない場所

(イ) 停止線の意思決定がない踏切の手前に設置された場所(当県には停止線のみの意思決定が伴う設置はないことに留意すること。)

※ 公安委員会設置でない不適切な停止線も存在しており、消去については設置者にもその趣旨を説明のうえ調整及び再発防止を図ること。

(2) 横断歩道又は自転車横断帯あり(以下「ダイヤマーク」という。)

標識標示令では、ダイヤマークの幅は0.20m幅又は0.30m幅とされているが、本県では、0.30m幅で一律施工してきた。しかし、ダイヤマークは施工距離が長く、単路であれば4箇所設置しているためコストが高い。

原則として、新設又は摩耗に伴う更新時には、全ての場所を0.20m幅での施工を行うこと。

なお、0.30m幅のダイヤマークの部分的な更新等、0.20m幅で更新すると不都合が生じる場所についてはこの限りではない。

※ ダイヤマークの更新が不要な場所

ア 一時停止が設置されている場所

イ 信号機が設置されている場所

(3) 止まれ文字

交通規制基準により、止まれ文字の寸法が定められており、本県では、その寸法に従い施工距離換算18.48mで一律施工してきた。

しかし、止まれ文字は法定外表示であるとともに、本県では設置していない場所も多数存在しているほか、除雪、車両の発進停止による摩耗が顕著となりがちであることから、原則として、新設又は摩耗に伴う更新時には、全ての場所を施工距離換算14.20mでの施工を行うこと。

なお、18.48mの部分的な更新等、14.20mで更新すると不都合が生じる場所や事故防止対策上必要な場所についてはこの限りではない。

持続可能な交通規制の推進に向けた5か年計画等の策定について(依命通達)

令和6年2月19日 達(交規)第32号

(令和6年4月1日施行)

体系情報
交通部
沿革情報
令和6年2月19日 達(交規)第32号