○インターネット利用に起因する児童の犯罪被害等防止に関する取組の推進について(依命通達)

令和6年2月29日

達(少対、サ対)第106号

[原議保存期間 3年(令和9年3月31日まで)]

[有効期間 令和9年3月31日まで]

みだしのことについては、次のとおり実施することとしたので、効果的な取組の推進に努められたい。

なお、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」に基づく対策の推進について(令和3年5月14日付け達(少対、生環)第183号。以下「旧通達」という。)は廃止する。

1 趣旨

インターネット利用に起因する児童の犯罪被害等防止に関する取組については、これまで旧通達に基づいて推進してきたところであるが、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境を更に整備するため、関係機関・団体と連携し、引き続き各種取組を推進するものである。

2 保護者に対する啓発活動の強化

(1) フィルタリング等利用の一層の促進

関係機関・団体等と連携し、あらゆる機会を通じて、保護者に対して、フィルタリングやペアレンタルコントロール機能(保護者が青少年のインターネット利用について把握し、その発達段階に応じて保護者の選択によりインターネット利用をコントロールできる技術的手段をいう。以下同じ。)に対する理解を幅広く浸透させ、フィルタリング及びペアレンタルコントロール機能の利用の更なる促進を図ること。

また、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(平成20年法律第79号。以下「法」という。)に基づき保護者において携帯電話端末等の使用者が青少年である旨を携帯電話インターネット接続役務提供事業者及びその契約代理店(以下「携帯ISP等」という。)に申し出る義務があること等について周知啓発を実施すること。

(2) 学校等と連携した効果的な啓発

学校や教育委員会等と連携の上、進学・進級時における保護者説明会等、多くの保護者が参加する学校行事等の機会を有効に活用し、児童の犯罪被害や非行を防止するための対策等について啓発活動を実施するとともに、説明会等に参加できない保護者に対しても、啓発資料が確実に配布されるよう学校等の協力を得るなどして、より多くの保護者に啓発の効果が行き渡るように努めること。

(3) 最新の情勢を踏まえた分かりやすい啓発

スマートフォン等の利用に係る児童の犯罪被害や非行の実態、タブレット端末、携帯ゲーム機、携帯音楽プレーヤー等の児童が利用する機器に応じた適切な管理方法、各事業者が提供するフィルタリング及びペアレンタルコントロール機能等の活用、家庭でのルールづくり等について、可能な限り最新の情報に基づいた内容とし、具体的な事例に基づき、保護者にとって分かりやすい説明に配意すること。

3 携帯ISP等に対する要請

法に基づく青少年確認義務、説明義務、フィルタリングサービス提供義務及び有効化措置義務の徹底を携帯ISP等に要請すること。

また、福島県青少年健全育成条例(昭和53年福島県条例第30号)第29条の2においては、下記の事項について具体的に規定されていることから、それらについても指導を徹底をすること。

(1) 携帯ISP等は、青少年又は保護者に対し、フィルタリング有効化措置の内容を説明した上で、これらの事項を記載した書面若しくは記録した電磁的記録を交付しなければならない(同条第1項)

(2) フィルタリング有効化措置を希望しない保護者は、携帯ISP等に対し当該措置を適用しない理由書を提出しなければならない(同条第2項)

(3) 携帯ISP等は、フィルタリング有効化措置を適用しない契約を締結した場合には、その書面等を保存しなければならない(同条第3項)

4 児童に対する情報モラル教育の推進

SNSに起因する被害児童数は、高い水準で推移しているが、被害事例を見ると、多くの児童がインターネット上で知り合った者と接触することに抵抗を感じていないほか、インターネット上における個人情報の公開や、不正なアプリケーションのダウンロードによる端末・利用者情報等の外部送信の危険性に対する認識が希薄であることがうかがえる。

他方、インターネット上での不適切な書き込みや画像等の投稿により、児童が検挙・補導される事案が発生しているところ、児童がインターネットの特性や自己の行為の重大性を十分に認識できずに安易に行動することが危惧されるところである。

このような情勢を踏まえ、次に掲げる事項に留意の上、児童に対する情報モラル教育を推進すること。

(1) 具体的な事例に基づく啓発

非行防止教室等において、具体的な被害事例や非行事例を基に、インターネットの特性や危険性について啓発するとともに、教職員が活用できるような最新の事例や対策に関する情報を学校に提供するなど、児童の情報モラルを向上させるための取組を推進すること。

(2) 児童の発達段階に応じた分かりやすい啓発

携帯ゲーム機等の利用により、低年齢児童が被害に遭う事例もみられることから、児童がその発達段階に応じて適切にインターネットを利用できるよう、児童の年齢等を踏まえた分かりやすい啓発に努めること。

5 関係機関・団体、事業者等との連携の強化

(1) 効果的な体制の構築

取組の推進に当たっては、学校等の関係機関や携帯ISP等の関係事業者と、相互に連携した取組が推進できるよう効果的な体制の構築に努めること。

(2) ボランティアの活用等

ア サイバー防犯ボランティアの効果的活用

サイバー防犯ボランティアに対し、実際のSNSの書き込み内容を示すなどして児童被害の実態を説明し、インターネット利用に起因する児童被害防止対策が急務であることを認識させ、サイバー防犯ボランティアの知見を活用した適正なインターネットの利用方法に関する教育活動やサイバーパトロールによる不適切な書き込み等の発見、SNS事業者等への削除依頼等の環境浄化活動を行ってもらうなど、サイバー防犯ボランティアの効果的な活用に努めること。

イ 少年警察ボランティアの効果的活用

少年警察ボランティアに対し、委嘱時の研修や各種会議等において、インターネット利用に起因する児童の犯罪被害等の実態のほか、インターネットの特性や危険性について幅広く情報提供を行うとともに、街頭補導等の活動の機会を利用した啓発活動の実施を促すなど、少年警察ボランティアの効果的な活用に努めること。

(3) 職員の知識の向上等

少年の健全育成を目的とした啓発活動を積極的に行っているインターネット関連事業者もあることから、必要に応じて、専門的知識のあるこれらの事業者に協力を求め、連携した啓発活動を実施するとともに、警察職員を対象とした研修会等に講師として招致するなどして、職員の知識の向上にも努めること。

6 その他

本取組における実施結果については、「犯罪抑止活動等報告管理システム」等により申報すること。

インターネット利用に起因する児童の犯罪被害等防止に関する取組の推進について(依命通達)

令和6年2月29日 達(少対、サ対)第106号

(令和6年2月29日施行)

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令和6年2月29日 達(少対、サ対)第106号