○令和6年における重点的な重大交通事故防止対策の推進について(依命通達)
令和6年1月4日
達(交企、交規、交指、運免)第1号
[原議保存期間 1年(令和7年3月31日まで)]
[有効期間 令和7年3月31日まで]
みだしのことについては、次により実施することとしたので、効果が上がるよう推進されたい。
記
1 趣旨
令和5年中の県内の交通事故発生状況は、令和4年と比べて発生件数、死傷者数ともに増加し、特に交通事故に占める飲酒運転の割合が過去10年で最も高くなり、全国ワースト2位となったほか、全国一斉の自転車乗車用ヘルメット着用率調査では、着用率が4.3%(全国ワースト5位)となるなど、県内の交通情勢は非常に厳しい状況にある。
よって、このような交通情勢を踏まえ、交通事故分析の結果に基づく重点的な対策を講じることにより、令和6年中の重大交通事故防止を図るものである。
2 交通事故分析結果に基づく交通事故の特徴
(1) 過去5年間(令和元年~令和5年)の特徴
ア 高齢者が多くを占める
全交通事故死者の59.5%(160人)が高齢者で、その内46.3%(74人)が歩行中に被害にあっている。また、重傷事故でも全重傷者の43.8%(932人)が高齢者となっている。
イ 薄暮・夜間における重大交通事故の発生が多い
全交通死亡事故の48.3%(125件)が夜間に発生しており、その内27.2%(34件)が日没後1時間以内に発生している。また、重傷事故でも30.1%(596件)が夜間に発生し、その内28.4%(169件)が日没後1時間以内に発生している。
ウ 交差点での発生が多い
全交通死亡事故の38.6%(100件)が交差点で発生しているほか、重傷事故でも60.9%(1,208件)が交差点で発生している。
エ 道路横断中の重大交通事故が多い
人対車両の死者103人のうち、58.3%(60人)が道路横断中に亡くなり、その内36.7%(22人)が横断歩道上で発生し、重傷事故でも66.5%(428人)が道路横断中の発生で、その内54.4%(233人)が横断歩道上で発生している。
オ 死亡事故では、シートベルトの着用率が低い
四輪車乗車中の死者は114人で、35人(30.7%)がシートベルトを着用しておらず、うち68.6%(24人)がシートベルトを正しく着用していれば、救命効果があったと思われる。
(2) 令和5年の特徴
ア 飲酒運転による交通事故の増加
交通事故に占める飲酒運転の割合は2.0%であり、昨年比で0.3ポイント増加したほか、飲酒運転による死者数が3人増加している。
イ 自転車乗車用ヘルメットの着用率の低迷
7月に実施した全国一斉の自転車乗車用ヘルメット着用率調査では、着用率は4.3%(全国ワースト5位)であり、自転車が関与する交通事故における自転車乗車用ヘルメットの着用率は、他の年代に比べて高校生が低い状況にある。
3 重点推進項目
前記2の分析の結果から、令和6年においても
・ 高齢者の交通事故防止
・ 薄暮時と夜間の交通事故防止
・ 交差点における交通事故防止
・ 横断歩行者の保護
・ シートベルト・チャイルドシート着用の徹底
の5項目を重点推進項目とし、重点推進項目の県民への定着を図るため
「交通安全 ふくしま 5つ星作戦」
を継続するとともに「交通安全ふくしま5つ星フクレンジャー」を活用した各種施策を推進することとした。
4 特別重点推進項目
前記3重点推進項目に加え、下記2項目を特別重点推進項目として推進する。
(1) 飲酒運転防止対策
(2) 自転車乗車用ヘルメット着用促進
5 具体的推進事項
(1) 高齢者の交通事故防止
ア 高齢歩行者対策
・ 歩行者シミュレータ等を活用した参加・体験・実践型の交通安全教育
・ 安全指導高齢者の積極的な把握と個別訪問指導による具体的な交通安全指導
イ 高齢運転者対策
・ 危険予測トレーニング装置や交通安全教育用ドライブレコーダを活用した参加・体験・実践型の交通安全教育
・ 安全運転サポート車を活用した交通安全教室の開催
・ 安全運転相談窓口や安全運転相談ダイヤル「#8080」の広報啓発と積極的な活用促進
・ 運転免許証を自主返納した高齢者に対する地域包括支援センターとの連携による生活支援連絡制度の活用
(2) 薄暮時と夜間の交通事故防止
ア 前照灯の早めの点灯と対向車や先行車がいない状況での前照灯の上向き点灯、前照灯のこまめな切替えの励行
イ 夜光反射材の着用や照明器具の活用促進
(3) 交差点における交通事故防止
ア 信号無視、指定場所一時不停止等の交差点関連違反の取締り強化
イ 信号機、道路標識及び道路標示等の適正な整備と維持管理
(4) 横断歩行者の保護
ア 横断歩行者等妨害等違反の取締り強化
イ 安全な横断方法についての周知・広報
(5) シートベルト・チャイルドシート着用の徹底
ア 座席ベルト装着義務違反、幼児用補助装置使用義務違反の取締り強化
イ 全席シートベルト着用及びチャイルドシートの適正使用についての広報啓発
(6) 飲酒運転防止対策
ア 一斉検問やミニ検問等による飲酒運転取締りの強化
イ 飲酒運転の悪質性・危険性についての広報啓発の強化
ウ 酒類提供飲食店と連携したハンドルキーパー運動の普及啓発
(7) 自転車乗車用ヘルメット着用促進
ア 街頭における声かけと交通安全指導の励行
イ 高等学校及び高校生に対する働き掛けの強化
ウ 悪質・危険な交通違反に対する指導取締りの推進
5 留意事項
(1) 関係機関・団体との連携の強化
関係機関・団体に対し、県内の交通情勢や管内の交通事故実態などに関する情報を積極的に発信し、それぞれの立場で自主的に、地域、職場、家庭などにおいて交通安全意識の啓発活動が展開されるよう努めること。
(2) あらゆる広報媒体を活用した効果的な交通安全対策の推進
POLICEメールふくしま、インターネット(SNSを含む。)、ラジオ、広報誌、チラシ等あらゆる広報媒体を活用し、適時適切な情報発信を実施すること。
(3) 受傷事故防止の徹底
交通指導取締りや関係機関・団体と合同で行う街頭啓発活動においては、幹部の具体的な指揮の下、現場責任者が勤務員に対し明確に任務を付与するほか、装備資機材を有効に活用して活動に従事する者全員の受傷事故防止に万全を期すこと。
6 報告
本通達による各種対策の実施状況等については、随時交通情報報告により関係各課に報告すること。