○継続補導実施要領の制定について(依命通達)
令和6年5月30日
達(少対)第338号
[原議保存期間 5年(令和12年3月31日まで)]
[有効期間 令和12年3月31日まで]
みだし要領を別紙のとおり制定し、令和6年6月1日から施行することとしたので、効果的な活動の推進に努められたい。
なお、継続補導実施要領の制定について(令和4年12月21日付け達(少対)第563号)は、廃止する。
別紙
継続補導実施要領
1 趣旨
継続補導については、福島県警察少年警察活動に関する訓令(平成20年県本部訓令第2号。以下「訓令」という。)に基づき実施しているところであるが、その要領を明確にして、適切な運用を図るもの。
2 継続補導の意義
少年の非行の防止を図るため、特に必要と認められる場合には、保護者の同意(特定少年の場合は本人。以下同じ)を得た上で、家庭、学校、交友その他の環境について相当の改善が認められるまでの間、本人に対する指導、助言その他の補導を継続的に実施することをいう。
3 対象少年の選定等
(1) 対象少年
訓令第21条第1項に規定される
ア 少年相談に係るもの
イ 触法少年であって少年法第6条の6第1項の規定により送致すべき者又は児童福祉法第25条第1項の規定により通告すべき者に該当しないもの
ウ 14歳未満のぐ犯少年であって児童福祉法第25条第1項の規定により通告すべき者に該当しないもの
エ 不良行為少年
について、継続補導が必要と認められ、かつ、保護者の同意を得た少年を対象少年とする。
(2) 対象少年の選定
少年相談や少年事案等を取り扱った職員は、少年の家庭環境や交友関係、事案内容等により継続補導の要否を総合的に判断し、対象少年を選定すること。
(3) 少年及び保護者に対する説明等
継続補導の対象少年と認められる少年が、速やかに適切な助言・指導やカウンセリングを受けられるよう、継続補導の概要についての説明を行い、保護者の同意を得ること。
(4) 対象外の少年への対応
犯罪少年及び前記規定により継続補導の対象とされていない少年については、警察において必要な捜査・調査を行い、関係機関に送致等された後は、当該機関における措置に委ねられることとなるため、継続補導の対象とならないが、捜査・調査と並行して、本人又はその保護者への助言や学校等への連絡等の必要な措置を行うことは可能であるから、適時適切な助言等を行うこと。
また、関係機関による措置が執られた後、若しくは関係裁判所等の終局処分決定後に不良行為などを行い、継続補導の対象少年と認められた場合には、その対象となり得ることに留意すること。
なお、保護者からの支援の求めがあるときは、関係機関に対し、本活動の趣旨及び保護者が支援を求めていることを連絡し、協力要請があった場合に限り支援活動を行うものとする。
4 対象少年の指定手続
少年の居住地を管轄する署(以下「該当署」という。)において、前記3(1)に規定する少年を認めた場合は、担当者欄を空欄とした少年事案処理簿(少年事案処理簿及び少年カードの様式について(令和4年12月21日付け達(少対)第561号)別記様式第1号。以下「事案処理簿」という。)を作成し、署長指揮を受けた上で、その写しを少年女性安全対策課少年保護係(以下「保護係」という。)に送付すること。
5 実施担当者
少年女性安全対策課長は、福島県警察少年サポートセンター員(以下「サポートセンター員」という。)から実施担当者を指定すること。
ただし、少年の居住地その他の事情により、サポートセンター員以外の職員が継続補導に当たることが適切であると認められるときは、少年サポートセンターの指導の下に、当該職員を実施担当者として指定すること。
6 実施担当者の指定手続
(1) 実施担当者の指定
ア 事案処理簿の送付を受けた少年女性安全対策課長は、前記5の規定に基づいて実施担当者を指定し、該当署に連絡すること。
イ 該当署においては、事案処理簿の担当者欄に実施担当者の氏名等を記載するとともに、継続補導・支援簿(訓令様式第6号。以下「支援簿」という。)を作成して、署長に報告し、写しを保護係に送付すること。
(2) 実施担当者の変更
ア 異動等により実施担当者を変更する場合は、少年及び保護者に説明して同意を得た上で、事案処理簿により担当者を変更し支援を継続する旨の署長指揮を受け、写しを保護係に送付すること。
イ この場合において、少年女性安全対策課長及び該当署は、前記6(1)の規定に基づき後任の実施担当者指定に係る手続を執ること。
7 記録の作成
対象少年及び保護者等に各種支援を行った場合は、その都度、支援状況を支援簿に記録すること。
この場合において、実施担当者がサポートセンター員の場合は、支援簿の写しを該当署に送付することとするので、該当署においては、その支援状況を確認し、記録を保管すること。また、実施担当者が該当署の署員である場合は、支援簿の署長決裁後、写しを保護係に送付した上、記録を保管すること。
8 終結の手続
継続補導の必要がなくなった場合は、事案処理簿により署長の指揮を受け、写しを保護係に送付すること。
なお、実施担当者がサポートセンター員の場合は、継続補導の必要がないと判断した経緯について支援簿により該当署に報告すること。
9 留意事項
(1) 各種支援に対する保護者の同意
対象少年に対して各種支援を行う場合は、その都度、確実に保護者連絡を行い、同意を得ること。
(2) 個々の実態に応じた対応
対象少年やその保護者等の日常生活の支障とならないよう、招致面接指導のほか、家庭訪問による指導等、個々の実態に応じた方法で実施すること。
(3) 関係機関・団体との連携
適切な実施のため必要がある時は、学校関係者、その他関係機関・団体と連携した活動を実施すること。
ただし、これらの者と協力して活動を行う場合には、対象少年のプライバシーに配慮する必要性に鑑み、確実に保護者の同意を得ること。
(4) 少年カウンセリングアドバイザーの活用
支援に関して、専門家からの助言・指導の必要がある場合には福島県警察カウンセリングアドバイザー運用要綱の制定について(令和6年4月30日付け達(県サ、少対)第297号)に定める少年カウンセリングアドバイザー(以下「アドバイザー」という。)を活用すること。
なお、アドバイザーの活用については、事前に保護係に連絡すること。
(5) 組織的な対応
終結等の判断については、学校や医療機関等関係機関との関係についても十分配意するなど、組織的な対応を図ること。
(6) 少年警察補導員活動費の活用
必要に応じ、少年警察補導員活動費(食糧費)の執行を検討すること。
10 その他
(1) 対象少年の把握
学校等との情報交換を積極的に行い、継続補導の対象となる少年の把握に努めること。
(2) 少年に手を差し伸べる立ち直り支援活動の推進
少年に手を差し伸べる立ち直り支援活動の実施要領の制定について(令和6年4月11日付け達(少対)第252号)に基づく活動は、継続補導と位置付けされているが、対象少年の選定手続等が異なることから、それぞれの活動についての理解を深め、効果的な活動を推進すること。
(3) 記録の保存期間
支援簿の保存期間は、継続補導を開始した年から起算して暦年で5年とする。