○犯罪組織の構成員等に対する課税措置の促進について(通達)

令和6年4月16日

達(組対)第266号

[原議保存期間 5年(令和12年3月31日まで)]

[有効期間 令和12年3月31日まで]

みだしについて、次のとおり定め、令和6年4月16日から実施することとしたので、運用上誤りのないようにされたい。

なお、暴力団構成員等に対する課税措置の促進について(令和元年5月10日付け達(組対)第172号)は、廃止する。

1 課税措置通報制度の目的

課税措置通報制度は、警察活動を通じて把握した犯罪組織の構成員等による合法、非合法を問わないあらゆる所得について税務当局に通報し、税務当局が適切な課税及び徴収措置を執ることによって、犯罪組織の資金源を封圧することを目的とする。

2 通報に当たっての留意事項等

(1) 犯罪組織の構成員等に関する重点的な通報

犯罪組織の資金獲得活動に効果的に打撃を与えるため、犯罪組織の構成員等に関する通報を積極的に行うものとし、特に、犯罪組織の首領等に関する通報を重点的に行うこと。

(2) 幅広かつ積極的な通報

企業等からの賛助金、寄付金等の名目で得た所得など、直ちにその取得行為を犯罪行為として立証し難い所得であっても、脱税容疑があるものについては、積極的に通報すること。

(3) 税務当局との緊密な連携

通報した事案について、税務当局から資料提供の要請等があった場合は、捜査に支障のない範囲で積極的に協力すること。

3 税務職員に対する危害防止措置の徹底

(1) 税務職員に対する危害の防止措置

税務当局から要請があった場合は、積極的に警察官を現場に派遣し、警戒に従事させるなど、犯罪組織の構成員等からの危害防止措置を講じること。

また、税務当局から要請がない場合であっても、犯罪組織の構成員等から危害を加えられるおそれがあると認められる場合は、その旨を税務当局へ連絡した上で、同様の措置を講じること。

(2) 税務職員に対する危害発生時の措置

税務職員が、犯罪組織の構成員等から危害を加えられた場合は、速やかに検挙措置を執るとともに、同種事案が再発しないよう危害防止措置の徹底を図ること。

4 連絡体制

上記の通報及び危害防止措置を執るに当たっては、平素から税務当局と緊密な連絡を保つよう配意すること。

5 保秘の徹底

課税措置通報は、税務当局による税務調査等を開始するための「端緒」であり、通報の事実や内容等が外部に漏れた場合、税務調査等に支障を及ぼす可能性があることから、あらゆる場面において保秘の徹底を図ること。

また、税務調査等の終了後であっても、通報事実等が公になった場合、今後の税務調査等への対抗策を講じられる可能性があることから、保秘の徹底を図ること。

6 教養

組織犯罪対策に従事する捜査員のみならず、生活安全部門等の関係する職員に課税措置の持つ意義及びその必要性を十分認識させるとともに、課税措置に必要な税務関係知識について教養を徹底し、課税措置通報制度の効果的な運用を図ること。

犯罪組織の構成員等に対する課税措置の促進について(通達)

令和6年4月16日 達(組対)第266号

(令和6年4月16日施行)

体系情報
刑事部
沿革情報
令和6年4月16日 達(組対)第266号