○福島県警察再被害防止要綱の制定について(通達)
令和6年10月8日
達(刑総、県サ)第462号
[原議保存期間 5年(令和12年3月31日まで)]
[有効期間 令和12年3月31日まで]
みだし要綱を別紙のとおり制定し、令和6年10月8日から施行することとしたので、適正な運用に努められたい。
なお、福島県警察再被害防止要綱の制定について(令和4年5月27日付け達(刑総、県サ、生企、交企、公)第287号)は、廃止する。
別紙
福島県警察再被害防止要綱
第1 目的
本要綱は、犯罪の被害者等が、加害者から再び危害を加えられる事態を防止するため、被害者等の保護に関して必要な事項を定めることを目的とする。
第2 用語の定義
用語の意義は、次の各号のとおりとする。
1 被害者等
犯罪の被害者又はその親族をいう。
2 加害者
検挙した当該犯罪の被疑者をいう。
3 主管部長
再被害防止措置を講じる必要がある事件の捜査を主管する県本部の部長をいう。
4 主管庶務担当課長
県本部の事件捜査を担当する部の庶務担当課長をいう。
5 実施署
再被害防止措置実施署をいう。
第3 再被害防止対象者
被害者等のうち、犯罪の手口、動機及び組織的背景、加害者と被害者等との関係、加害者の言動その他の状況から、加害者の再犯により、生命又は身体に関する犯罪被害を受けるおそれが大きく、組織的かつ継続的な再被害防止措置を講じる必要があるとして、主管部長が指定する者をいう。ただし、保護対策実施要綱(令和6年7月29日付け達(組対)第397号)の保護対象者を除く。
また、被害者等以外の関係者(捜査を行うに当たり関係を有することとなる全ての者をいう。)について、被疑者の逆恨み等により加害行為の対象となるおそれがあり、保護措置を実施する必要がある場合には、本要綱を準用して、必要な措置を講ずるものとする。
第4 再被害防止対象者の指定
1 指定上申
(1) 犯罪の被疑者を検挙した署又は県本部の事件主管課の長は、被害者等を再被害防止対象者に指定する必要を認めた場合には、主管庶務担当課長を経て主管部長に上申するものとする。
(2) 被害者等からの相談、関係機関からの通報等を受理した場合には、当該相談等に関係する所属の長は、再被害防止対象者について指定の要否を検討し、その必要を認めたときは、主管庶務担当課長を経て主管部長に上申するものとする。
2 指定
(1) 主管部長は、上記1による上申があった被害者等が、再被害防止対象者に該当すると認める場合には、当該被害者等を同対象者に指定するものとする。
(2) 上記(1)により当該被害者等を同対象者に指定するときは、併せて当該対象者及び加害者の住居地、勤務地等を勘案し、一の署を実施署に指定するとともに、指定期間を通知するものとする。
第5 再被害防止措置の体制
再被害防止措置は、原則として、次の分担により、相互に緊密な連携を保ち、実施するものとする。
1 主管庶務担当課長
主管庶務担当課長は、加害者の釈放等に関する情報を把握するほか、再被害防止措置の実施に必要な関連情報を集約及び分析するとともに、実施署長を指導するものとする。
2 実施署
(1) 実施署長
実施署の署長は、再被害防止措置について、総合的な体制を確立するとともに関係所属と連携の上、同措置の実施に当たるものとする。
(2) 実施署担当者
実施署長が指定した同署に所属する警部以上の階級にある者は、同署長の指揮を受け、再被害防止措置の実施及び関係所属との連絡調整に当たるものとする。
3 県民サービス課長
県民サービス課長は、再被害防止対象者の指定及び再被害防止措置の実施について、主管庶務担当課長からの連絡によりその状況を把握するとともに、同課長に対し、本要綱の運用及び被害者等支援に関連する事項について助言及び協力するものとする。
第6 再被害防止措置の実施
1 関連情報の収集等
実施署長は、再被害防止措置の実施に必要な関連情報を収集するものとする。
なお、関連情報は、適正に管理し、秘密を厳守すること。
2 再被害防止対象者に対する措置
実施署長は、再被害防止対象者への連絡体制を確立し、要望等を把握するとともに、非常時の通報要領、自主警戒等について防犯指導を行い、必要に応じ、所要の警戒措置を実施するものとする。
なお、加害者の釈放等に関する情報その他の関連情報について、再被害防止対象者から教示を求められた場合又は再被害防止のために必要な場合には、当該関連情報を教示すること。
3 加害者に対する措置
実施署長は、加害者の動向把握を行うほか、必要に応じ、指導警告等の措置を実施するものとし、刑罰法令に触れる行為を認知した場合には、厳正に対処するものとする。
第7 指定の期間、解除等
1 指定期間
指定期間は指定の日から1年間とする。ただし、加害者の未決勾留期間及び自由刑の執行期間は算入しない。
2 指定の解除
指定期間を経過したときは、指定が解除されたものとみなす。
3 延長等の上申
(1) 指定期間の延長
実施署長は、指定期間の延長について、指定期間経過前にその要否を検討し、延長の必要があると認めるときは、期間を定めて、主管庶務担当課長を経て主管部長に上申するものとする。
(2) 指定期間内の解除
実施署長は、指定期間内であっても、再被害防止対象者の指定の必要がなくなったと認めるときは、指定の解除について、主管庶務担当課長を経て主管部長に上申するものとする。
4 決定
主管部長は、上記3の延長等の上申を受けたときは、再被害防止対象者の指定期間の延長又は指定期間内の解除の要否を決定するものとする。
第8 連携
1 刑事施設等
主管庶務担当課長は、再被害防止措置の実施に当たり、検察庁、刑事施設(刑務所、少年刑務所及び拘置所をいう。また、受刑者を収容する少年院を含む。)、地方更生保護委員会及び保護観察所と連携するものとする。
2 都道府県警察
実施署長は、再被害防止措置を実施する上で関係を有する署が他の都道府県警察に属する場合には、主管庶務担当課長を経て当該都道府県警察の本部担当課長を通じ当該署長に協力を依頼するものとし、他県警察から協力の依頼を受けたときは、誠実にこれに当たるものとする。
第9 報告
署長は、年間における再被害防止対象者の指定状況等について、定期的又は随時に刑事総務課長へ報告するものとする。