○「第二次銃器対策推進5か年計画」の策定について(通達)

令和6年10月7日

達(組対、生企)第460号

[原議保存期間 5年(令和12年3月31日まで)]

[有効期間 令和12年3月31日まで]

みだしのことについては、次のとおりであるから、計画に盛り込まれた実施施策を積極的に推進されたい。

1 第二次銃器対策推進5か年計画について

令和元年7月、銃器対策推進会議において、第一次となる「銃器対策推進5か年計画」(以下「旧計画」という。)が策定され、それ以降、中長期的な視点から戦略的に諸施策を実施してきたところであるが、この度、旧計画を継承し、引き続き政府を挙げた総合的な対策を講じることを目的に「第二次銃器対策推進5か年計画」(別添。以下「新計画」という。)が策定されたものである。

2 概要

新計画については別添のとおりであるが、主な警察関係部分の概要は次のとおりである。

(1) 銃器摘発体制の強化と取締関係機関の連携の緊密化

ア 取締り体制の強化

(ア) 「組織犯罪対策要綱」に基づき、暴力団をはじめとする犯罪組織が管理し、又は隠匿する銃器に関する情報を一元的に集約するとともに、分析した情報を基に犯罪組織の弱体化及び壊滅に向けた統一的な戦略を立案した上で、一体的で効率的な取締りを推進する。

(イ) 各都道府県警察における銃器対策、薬物対策、暴力団対策、国際組織犯罪対策等の関係部門の連携と情報共有を図り、組織の総合力を発揮した違法銃器の取締りを推進する。

(ウ) 銃器捜査員の知識・技術等のレベルアップを図るため、各種捜査手法や装備資機材の効果的活用方策等を内容とした実戦的教養を継続して実施する。

イ 関係機関による連携の緊密化

取締関係機関との積極的な情報交換を行い、合同摘発の促進を図るとともに、最近の密輸実態を踏まえた実戦的な合同訓練等を実施する。

(2) 銃器犯罪に対する徹底した捜査・調査と厳格な処理

ア 銃器を使用した凶悪犯罪等について、検挙活動を強力に推進するとともに、あらゆる法令を効果的に適用して厳罰化を図る。

イ 銃器犯罪は暴力団をはじめとする犯罪組織により組織的・計画的に敢行されることが多いことから、徹底した突き上げ捜査と広範な捜索の実施により、事件の全容解明と違法銃器の摘発、押収に努める。

ウ 銃器密売事犯をはじめとする銃器犯罪に係る犯罪収益の解明を図り、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律による犯罪収益の剝奪を図る。

(3) 水際対策の的確な推進

ア 摘発の徹底と関係機関との連携強化

(ア) 地方出入国在留管理局、税関等の関係機関と連携し、密輸入事犯の容疑者等に関する事前旅客情報等を活用するほか、関係機関との情報交換による銃器情報の収集、共同捜査を促進し、水際対策の連携強化を図る。

(イ) 違法銃器の摘発に向けた情報収集を強化し、水際における密輸入事犯等の摘発を徹底するとともに、摘発・押収した銃器の流通経路、犯行形態の分析、突き上げ捜査を徹底し、密輸組織及び密売ルートの解明を強力に推進する。

(ウ) テロリスト等が銃器を国外から持ち込む可能性や個人輸入等により発射機能のあるモデルガンが国内に流入する可能性も念頭に置き、関係機関との緊密な連携により水際対策の強化を図る。

イ 関係団体、企業等に対する協力の要請

(ア) 運輸関係団体や漁業関係団体との協力会議を開催し、協力要請を行う。また、銃器事犯・密輸に関する情報を必要に応じて提供する。

(イ) 水際監視協力員が出席する連絡協議会、研修会等を開催し、監視の強化及び不審情報の積極的な提供を要請する。

(4) 国内に潜在する銃器の摘発等

ア 暴力団の関与する銃器事犯の取締り強化

組織犯罪対策部門による違法銃器に関する情報の一元的管理や各都道府県警察間の連携を強化し、国内に潜在する銃器事犯の取締りを推進する。

特に、六代目山口組と神戸山口組、絆會、池田組との対立抗争による発砲事件が続発するなど、暴力団によるとみられる銃器発砲事件は地域社会の大きな脅威となっていることから、暴力団が組織的に管理し、又は隠匿する拳銃等の情報収集を徹底するとともに、反復した捜索等により、暴力団が関与する銃器の摘発・押収を強力に推進する。

イ テロ対策の推進等

(ア) テロリストやローン・オフェンダーその他不特定多数の者に危害を加えるおそれのある者によるテロ等重大事案の未然防止に向けた情報収集及び分析活動を強化し、自作の銃砲等の銃器の密造、使用等に関する情報を入手した場合は、その危険度に応じて、的確な措置を講じる。

(イ) 火薬を含む爆発物の違法な製造、使用等を未然に防止するため、関係省庁・関係機関と連携し、爆発物原料となり得る化学物質を販売管理する事業者等に対する管理者対策を推進する。

ウ 銃器密造等防止対策の推進

3Dプリンターを利用して製造した銃器及び改造が可能なモデルガン、準空気銃等の流通実態やガンマニア等に関する情報収集に努め、密・改造事犯の取締りを強化する。

エ インターネット上の銃器対策の推進

ECサイトやSNS等に対するサイバーパトロールのほか、国民からの情報提供やインターネット・ホットラインセンター(IHC)からの通報等による違法銃器に関する情報収集活動を推進するとともに、銃器の製造、売買等に関する違法情報を入手した場合は、不法所持に係るあおり・唆しを含め、違法行為に対する厳正な取締りを実施する。

オ 猟銃等の厳格な審査と指導の徹底

(ア) 猟銃、空気銃、クロスボウ等の所持に関する許可申請に対しては、各調査により厳正に審査を実施するとともに、既に許可を受けている者に対しても、その使用実績や保管状況等を確認するための検査を厳格に実施し、不適格者や不要な銃の排除に努める。また、長期間にわたって使用実績がないと認めた場合には、所持許可の取消しを厳正に行う。

(イ) 猟銃等講習会及び技能講習の開催等を通じ、猟銃等の適正管理や取扱いの基本等についての指導を行う。

(5) 国民の理解と協力の確保

ア 違法銃器根絶に向けた啓発活動の推進

(ア) 最近の銃器情勢や銃器対策について積極的に広報するほか、関係機関、団体と連携しつつ、マスメディア、インターネット、広報誌等の様々な媒体、各種行事等の機会を活用するなどして、違法銃器の排除と銃器事犯の根絶を広く国民に呼び掛け、意識の高揚を図るための広報啓発活動を推進する。

(イ) 「拳銃110番報奨制度」、「匿名通報事業」の活用や軍用拳銃の発見届出を促す広報啓発活動を積極的に推進し、国内に潜在する銃器情報の収集に努める。

イ 国内への銃器密輸等防止に向けた対外広報の実施

関係機関と連携し、港湾・空港関係団体等の協力を得るなどして、増加する来日外国人による我が国への銃器持込みも含め、銃器密輸防止のための広報を積極的に実施する。

3 添付資料

第二次銃器対策推進5か年計画

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「第二次銃器対策推進5か年計画」の策定について(通達)

令和6年10月7日 達(組対、生企)第460号

(令和6年10月7日施行)

体系情報
刑事部
沿革情報
令和6年10月7日 達(組対、生企)第460号