○過量服薬による少年の非行等の防止に向けた関係機関等との連携強化について(依命通達)

令和6年12月3日

達(少対、生企)第532号

[原議保存期間 3年(令和10年3月31日まで)]

[有効期間 令和10年3月31日まで]

みだしのことについて、次のとおり実施することとしたので、効果的な対策を推進されたい。

1 趣旨

昨今、本来の使用量を逸脱して一般用医薬品等を過剰に摂取した少年が非行に及び、また、犯罪被害に遭う状況が生じており、本年には、未成年者誘拐の被害者である高校生が、市販薬を多量に服用したことによる急性薬物中毒で死亡する事案等も発生したところである。このような状況を防止するためには、警察と医薬品の販売等に関係する薬局開設者、店舗販売業者及び配置販売業者(以下「医薬品販売業者」という。)をはじめ、関係機関、関係団体との連携を強化し、更なる対策を推進することが必要である。

今般、警察庁から厚生労働省に対し、別添1のとおり、医薬品販売業者がとるべき措置を盛り込んだ要請を行い、同省においても別添2及び3のとおり、所管の都道府県等関係部(局)及び関係団体に対して必要な措置を講ずるよう周知されたことから、これらの趣旨・内容を十分に踏まえ、連携強化を図るものである。

2 医薬品販売業者との連携強化

(1) 万引き防止対策の徹底

過量服薬を繰り返す少年及びそのような少年に一般用医薬品を譲り渡している者の中には、一般用医薬品を販売店から万引きをすることにより調達している者が確認されているところである。万引き防止については、万引き防止に向けた総合的な対策の強化について(令和6年5月1日付け達(生企、少対、地企、刑総)第300号)に基づく総合的な対策を推進しているところであるが、今般の厚生労働省からの周知を踏まえ、医薬品販売業者と連携した対策を強化すること。

なお、医薬品販売業者において、医薬品のうち、過量服薬の懸念の強い商品によっては、

○ 購入者の手が直接届かない場所、従業員が常駐する場所から目に付きやすい場所に配置・陳列

○ 店頭に複数個陳列せず、商品カードや空箱で対応

○ 防犯タグ等の万引き防止機器の取り付け

○ 短期間での棚卸し等在庫管理の徹底

といった対応を執るよう依頼すること。

(2) 警察への通報への適切な対応

医薬品販売業者が万引きを認知した場合はもとより、通常必要であると考えられる回数を超える頻度で過量服薬に用いられるおそれのある医薬品を購入するといった顧客の不審動向がある場合には、速やかに警察に通報するよう要請し、このような通報を受理した際には適切に対応すること。

(3) 「濫用等のおそれのある医薬品」の適正販売の確認

厚生労働省令により、医薬品販売業者が厚生労働大臣が指定する「濫用等のおそれのある医薬品」を販売する際には、

○ 氏名と年齢(高校生以下への販売時のみ)

○ 他の店舗からの購入等の状況

○ 購入理由(適正使用のために必要な数量以上の購入希望時のみ)

を確認し、その結果を踏まえ、適正な使用のために必要と認められる数量に限り販売することとされていることから、適切に遵守されているかを確認すること。

(4) 最新の情勢に関する情報提供

少年による過量服薬については、上記(3)の「濫用等のおそれのある医薬品」として指定されていない医薬品が使用されている場合もあることから、少年による過量服薬の情勢について医薬品販売業者に適宜情報提供をすること。

3 自治体関係部局、医師会、薬剤師会等との連携強化

(1) 情報共有体制の構築

対策に当たっては、管内各市町村の関係部局、医師会、薬剤師会等との連携も有効であると考えられることから、これらの関係機関・団体との情報共有体制の構築に努めること。また、医薬品の不正な譲渡しについては、処方箋により入手する医薬品が違法に授与、転売される事例も確認されていることから、医療機関や薬局等にも適切な情報提供を行うこと。

(2) 適切な相談窓口の紹介等

街頭補導をはじめとする警察活動において、過量服薬を行っている少年を認知した場合に、特に精神保健への専門的な対応が必要であると考えられる際には、必要に応じて、精神保健福祉センター、保健所、各自治体の精神保健相談窓口等の適切な相談先を紹介すること。この際、個別の状況に応じ、相談窓口の担当者につなぐまで対応するなど、丁寧な対応に留意すること。

4 学校及び教育委員会との連携強化

(1) 情報共有

管内の学校及び教育委員会(以下「学校等」という。)に対し、学校警察連絡協議会等を通じて、少年による過量服薬の情勢、有害性、危険性等について積極的に情報提供するとともに、学校における生徒指導の強化及び生徒による過量服薬を把握した場合における早期連絡を要請し、警察と学校等の連携を一層強化すること。

(2) 薬物乱用防止教室の充実強化

少年による過量服薬を防止するためには、少年が過量服薬の有害性・危険性について正しい知識を持ち、医薬品を適切に利用する意識を向上させる必要があることから、各学校に設置されている学校薬剤師と緊密に連携するなどして、実態を踏まえた薬物乱用防止教室の充実に努めること。

別添1

警察庁丁人少発第1325号

令和6年10月30日

/厚生労働省医薬局総務課長/厚生労働省医薬局医薬安全対策課長/ 殿

警察庁生活安全局人身安全・少年課長

過量服薬による少年の非行等の防止に向けた連携強化の依頼について

昨今、本来の使用量を逸脱して一般用医薬品等を過剰に摂取した少年が非行に及び、また、犯罪被害に遭う状況が生じており、未成年者誘拐の被害者である高校生が市販薬を多量に服用したことによる急性薬物中毒で死亡する事案や、過量服薬願望のある中学生が睡眠導入剤提供の誘惑によりわいせつ目的で誘拐される事案などが発生しているところです。

このような情勢の中、過量服薬による少年非行等の防止に向けては、都道府県等の関係部局及び関係団体等と警察の緊密な連携が重要と考えられます。

また、過量服薬を繰り返す少年及びそのような少年に一般用医薬品を譲り渡している者の中には、一般用医薬品を販売店から万引きをすることにより調達をしている者が確認されており、こうした供給源を根絶すべく、万引き防止に向けた販売店の協力も不可欠です。

つきましては、こうした趣旨を御理解いただき、都道府県等の関係部局、薬局開設者、店舗販売事業者、配置販売事業者及び関係団体に対し、下記の点に御理解・御協力を賜りますよう、周知・指導方についてお願い申し上げます。

1 一般用医薬品を販売する薬局開設者等への要請

(1) 万引き防止対策の徹底

医薬品のうち、過量服薬の懸念の強い商品によっては、

○ 購入者の手が直接届かない場所、従業員が常駐する場所から目に付きやすい場所に配置・陳列

○ 店頭に複数個陳列せず、商品カードや空箱で対応

○ 防犯タグ等の万引き防止機器の取り付け

○ 短期間での棚卸し等在庫管理の徹底

といった対応を執ること。

(2) 警察への通報

万引きを認知した場合には、警察へ届け出ることはもとより、通常必要であると考えられる回数を超える頻度で過量服薬に用いられるおそれのある医薬品を購入するといった顧客の不審動向がある場合には、速やかに警察に通報すること。

(3) 「濫用等のおそれのある医薬品」の適正販売

厚生労働大臣が指定する「濫用等のおそれのある医薬品」の販売・授受に当たっては、厚生労働省令により定められた方法を遵守すること。

2 都道府県等の関係部局及び関係業界団体等への要請

少年による過量服薬防止対策を推進するため、警察と情報共有体制を構築するなど連携強化に努めること。

別添2

医薬総発1030第4号

医薬安発1030第2号

令和6年10月30日

各(/都道府県/保健所設置市/特別区/)衛生主管部(局)長 殿

厚生労働省医薬局総務課長

厚生労働省医薬局医薬安全対策課長

(公印省略)

過量服薬による少年の非行等の防止に向けた警察庁からの協力依頼について

今般、警察庁生活安全局人身安全・少年課長より、別添のとおり、「過量服薬による少年の非行等の防止に向けた連携強化の依頼について」(警察庁丁人少発第1325号令和6年10月30日付け警察庁生活安全局人身安全・少年課長通知)が発出され、過量服薬による少年の非行等の防止にかかる協力依頼がなされたところ、御了知の上、貴管内関係事業者に対し周知方御協力お願いいたします。

なお、本協力依頼にかかる内容については、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)に基づく医薬品販売にかかる販売規制のみならず、広く防犯や若年者による医薬品の不適正な入手の防止をはかる観点からのものであることを念のため申し添えます。

[別添]

警察庁丁人少発第1325号

令和6年10月30日

/厚生労働省医薬局総務課長/厚生労働省医薬局医薬安全対策課長/ 殿

警察庁生活安全局人身安全・少年課長

過量服薬による少年の非行等の防止に向けた連携強化の依頼について

昨今、本来の使用量を逸脱して一般用医薬品等を過剰に摂取した少年が非行に及び、また、犯罪被害に遭う状況が生じており、未成年者誘拐の被害者である高校生が市販薬を多量に服用したことによる急性薬物中毒で死亡する事案や、過量服薬願望のある中学生が睡眠導入剤提供の誘惑によりわいせつ目的で誘拐される事案などが発生しているところです。

このような情勢の中、過量服薬による少年非行等の防止に向けては、都道府県等の関係部局及び関係団体等と警察の緊密な連携が重要と考えられます。

また、過量服薬を繰り返す少年及びそのような少年に一般用医薬品を譲り渡している者の中には、一般用医薬品を販売店から万引きをすることにより調達をしている者が確認されており、こうした供給源を根絶すべく、万引き防止に向けた販売店の協力も不可欠です。

つきましては、こうした趣旨を御理解いただき、都道府県等の関係部局、薬局開設者、店舗販売事業者、配置販売事業者及び関係団体に対し、下記の点に御理解・御協力を賜りますよう、周知・指導方についてお願い申し上げます。

1 一般用医薬品を販売する薬局開設者等への要請

(1) 万引き防止対策の徹底

医薬品のうち、過量服薬の懸念の強い商品によっては、

○ 購入者の手が直接届かない場所、従業員が常駐する場所から目に付きやすい場所に配置・陳列

○ 店頭に複数個陳列せず、商品カードや空箱で対応

○ 防犯タグ等の万引き防止機器の取り付け

○ 短期間での棚卸し等在庫管理の徹底

といった対応を執ること。

(2) 警察への通報

万引きを認知した場合には、警察へ届け出ることはもとより、通常必要であると考えられる回数を超える頻度で過量服薬に用いられるおそれのある医薬品を購入するといった顧客の不審動向がある場合には、速やかに警察に通報すること。

(3) 「濫用等のおそれのある医薬品」の適正販売

厚生労働大臣が指定する「濫用等のおそれのある医薬品」の販売・授受に当たっては、厚生労働省令により定められた方法を遵守すること。

2 都道府県等の関係部局及び関係業界団体等への要請

少年による過量服薬防止対策を推進するため、警察と情報共有体制を構築するなど連携強化に努めること。

別添3

医薬総発1030第3号

医薬安発1030第1号

令和6年10月30日

公益社団法人 日本薬剤師会 会長 殿

厚生労働省医薬局総務課長

厚生労働省医薬局医薬安全対策課長

(公印省略)

過量服薬による少年の非行等の防止に向けた警察庁からの協力依頼について

今般、警察庁生活安全局人身安全・少年課長より、別添のとおり、「過量服薬による少年の非行等の防止に向けた連携強化の依頼について」(警察庁丁人少発第1325号令和6年10月30日付け警察庁生活安全局人身安全・少年課長通知)が発出され、過量服薬による少年の非行等の防止にかかる協力依頼がなされたところ、貴団体におかれてもご協力いただけますようお取りはからいのほど、よろしくお願いいたします。

なお、本協力依頼にかかる内容については、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)に基づく医薬品販売にかかる販売規制のみならず、広く防犯や若年者による医薬品の不適正な入手の防止をはかる観点からのものであることを念のため申し添えます。

[別添]

警察庁丁人少発第1325号

令和6年10月30日

/厚生労働省医薬局総務課長/厚生労働省医薬局医薬安全対策課長/ 殿

警察庁生活安全局人身安全・少年課長

過量服薬による少年の非行等の防止に向けた連携強化の依頼について

昨今、本来の使用量を逸脱して一般用医薬品等を過剰に摂取した少年が非行に及び、また、犯罪被害に遭う状況が生じており、未成年者誘拐の被害者である高校生が市販薬を多量に服用したことによる急性薬物中毒で死亡する事案や、過量服薬願望のある中学生が睡眠導入剤提供の誘惑によりわいせつ目的で誘拐される事案などが発生しているところです。

このような情勢の中、過量服薬による少年非行等の防止に向けては、都道府県等の関係部局及び関係団体等と警察の緊密な連携が重要と考えられます。

また、過量服薬を繰り返す少年及びそのような少年に一般用医薬品を譲り渡している者の中には、一般用医薬品を販売店から万引きをすることにより調達をしている者が確認されており、こうした供給源を根絶すべく、万引き防止に向けた販売店の協力も不可欠です。

つきましては、こうした趣旨を御理解いただき、都道府県等の関係部局、薬局開設者、店舗販売事業者、配置販売事業者及び関係団体に対し、下記の点に御理解・御協力を賜りますよう、周知・指導方についてお願い申し上げます。

1 一般用医薬品を販売する薬局開設者等への要請

(1) 万引き防止対策の徹底

医薬品のうち、過量服薬の懸念の強い商品によっては、

○ 購入者の手が直接届かない場所、従業員が常駐する場所から目に付きやすい場所に配置・陳列

○ 店頭に複数個陳列せず、商品カードや空箱で対応

○ 防犯タグ等の万引き防止機器の取り付け

○ 短期間での棚卸し等在庫管理の徹底

といった対応を執ること。

(2) 警察への通報

万引きを認知した場合には、警察へ届け出ることはもとより、通常必要であると考えられる回数を超える頻度で過量服薬に用いられるおそれのある医薬品を購入するといった顧客の不審動向がある場合には、速やかに警察に通報すること。

(3) 「濫用等のおそれのある医薬品」の適正販売

厚生労働大臣が指定する「濫用等のおそれのある医薬品」の販売・授受に当たっては、厚生労働省令により定められた方法を遵守すること。

2 都道府県等の関係部局及び関係業界団体等への要請

少年による過量服薬防止対策を推進するため、警察と情報共有体制を構築するなど連携強化に努めること。

過量服薬による少年の非行等の防止に向けた関係機関等との連携強化について(依命通達)

令和6年12月3日 達(少対、生企)第532号

(令和6年12月3日施行)

体系情報
生活安全部
沿革情報
令和6年12月3日 達(少対、生企)第532号