○被害防止計画に基づく対象鳥獣の捕獲等に従事する者及び認定鳥獣捕獲等事業者の捕獲従事者からの事業に対する被害を防止するためのライフル銃の所持許可申請への対応について(依命通達)
令和7年2月14日
達(生企)第44号
[原議保存期間 5年(令和12年3月31日まで)]
[有効期間 令和12年3月31日まで]
鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律(平成19年法律第134号。以下「鳥獣被害防止特措法」という。)第4条第1項の被害防止計画(以下「被害防止計画」という。)に基づく対象鳥獣の捕獲等(同条第2項第4号に規定する対象鳥獣の捕獲等をいう。以下同じ。)に従事する者(以下「被害防止計画捕獲従事者」という。)及び鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号。以下「鳥獣保護管理法」という。)第18条の2の認定を受けた鳥獣捕獲等事業者(以下「認定鳥獣捕獲等事業者」という。)の捕獲従事者(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行規則(平成14年環境省令第28号)第19条の2第2項第6号に規定する捕獲従事者をいう。以下同じ。)から、銃砲刀剣類所持等取締法(昭和33年法律第6号。以下「銃刀法」という。)第5条の2第4項第1号に規定する「事業に対する被害を防止するためライフル銃による獣類の捕獲を必要とする者」としてライフル銃の所持許可の申請があった場合については、下記のとおり取り扱われたい。
記
1 審査要領
(1) 基本的な考え方
ア 被害防止計画捕獲従事者について
市町村が被害防止計画捕獲従事者にライフル銃を使用して対象鳥獣の捕獲等に従事させる場合、ライフル銃を使用して当該対象鳥獣の捕獲等に従事する必要があると認められる者は、銃刀法第5条の2第4項第1号に規定する「事業に対する被害を防止するためライフル銃による獣類の捕獲を必要とする者」に当たり、銃刀法第4条第1項の規定に基づくライフル銃の所持許可の対象となり得る。
イ 認定鳥獣捕獲等事業者の捕獲従事者について
認定鳥獣捕獲等事業者が、鳥獣保護管理法第7条の2の第二種特定鳥獣管理計画(以下「第二種特定鳥獣管理計画」という。)が定められている区域において、当該区域内の農林水産業に従事する者又は都道府県、市町村若しくは農業協同組合等の農林水産業に関する法人(以下「農林水産業者等」という。)から農林水産業に係る被害を防止するために委託を受け、又は同法第14条の2第7項に基づき指定管理鳥獣捕獲等事業の委託を受けて、その捕獲従事者にライフル銃を使用して鳥獣の捕獲等に従事させる場合、ライフル銃を使用して当該鳥獣の捕獲等に従事する必要があると認められる者は、銃刀法第5条の2第4項第1号に規定する「事業に対する被害を防止するためライフル銃による獣類の捕獲を必要とする者」に当たり、銃刀法第4条第1項の規定に基づくライフル銃の所持許可の対象となり得る。
(2) 所持許可の対象
被害防止計画捕獲従事者及び認定鳥獣捕獲等事業者の捕獲従事者
(3) 所持許可の申請先
上記(2)の者がライフル銃の所持許可を受けようとするときは、銃刀法第4条第1項の規定に基づき、その者の住所地を管轄する署宛てに申請することとなる。
(4) 所持許可に当たっての確認事項
ア 被害防止計画捕獲従事者の場合
(ア) ライフル銃の所持許可を受けようとする申請者から、市町村が作成した被害防止計画及び別添様式第1号「推薦書」の提出を求め、当該申請者が被害防止計画捕獲従事者であり、かつ、ライフル銃を使用して対象鳥獣の捕獲等に従事する必要があるものと認められていることを確認すること。
(イ) 被害防止計画及び推薦書については、銃砲刀剣類所持等取締法施行規則(昭和33年総理府令第16号。以下「銃刀法施行規則」という。)第11条第1項第4号に規定する書類(銃刀法第5条の2第4項第1号に規定する「事業に対する被害を防止するためライフル銃による獣類の捕獲を必要とする者」であることを明らかにした書類)として取り扱うこと。
イ 認定鳥獣捕獲等事業者の捕獲従事者の場合
(ア) ライフル銃の所持許可を受けようとする申請者から、都道府県知事が作成した第二種特定鳥獣管理計画又は鳥獣保護管理法第14条の2第1項の実施計画(以下「実施計画」という。)及び認定鳥獣捕獲等事業者が作成した別添様式第2号「推薦書」の提出を求め、当該申請者が認定鳥獣捕獲等事業者の捕獲従事者であり、かつ、ライフル銃を使用して捕獲等に従事する必要があるものと認められていることを確認すること。
(イ) 認定鳥獣捕獲等事業者が、第二種特定鳥獣管理計画又は実施計画に定められた区域において、農林水産業者等から農林水産業に係る被害を防止するための獣類の捕獲等に関する委託を受け、又は指定管理鳥獣捕獲等事業の委託を受けていることを確認すること。
(ウ) 第二種特定鳥獣管理計画又は実施計画及び推薦書については、銃刀法施行規則第11条第1項第4号に規定する書類(銃刀法第5条の2第4項第1号に規定する「事業に対する被害を防止するためライフル銃による獣類の捕獲を必要とする者」であることを明らかにした書類)として取り扱うこと。
(5) ライフル銃の保管・管理の状況の確認
ア 保管場所
当該ライフル銃の保管については、個人保管を原則とする。
イ 管理方法
銃刀法第10条の4第1項の規定に基づき、所持許可に係るライフル銃は、所持許可を受けた者が自ら保管しなければならないが、一方で、当該ライフル銃は、市町村による捕獲等又は認定鳥獣捕獲等事業者の事業としての捕獲等に従事するために所持許可を受けたものであることから、以下の方法等により、市町村又は認定鳥獣捕獲等事業者及び所持許可を受けた者において適切な保管・管理がなされていることを署において確認すること。
(ア) ライフル銃の所持許可を受けた者は、捕獲等の出動命令があった場合又は射撃の練習若しくは修理等正当な理由のため当該ライフル銃を持ち出すことができることとし、ライフル銃の出し入れ状況を別添様式第3号「ライフル銃管理票」に記録すること。
(イ) ライフル銃の所持許可を受けた者は、ライフル銃管理票について、市町村又は認定鳥獣捕獲等事業者の責任ある立場の者により定期的な確認を受けること。
(ウ) ライフル銃の所持許可を受けた者が、当該ライフル銃を使用して、被害防止計画捕獲従事者と認定鳥獣捕獲等事業者の捕獲従事者の複数の立場で活動する場合には、一つのライフル銃管理票をもって、それぞれの市町村と認定鳥獣捕獲等事業者の責任ある立場の者により、定期的な確認を受けること。
2 許可の条件
(1) 被害防止計画捕獲従事者の場合
被害防止計画捕獲従事者に許可をする場合には、銃刀法第4条第2項の規定に基づき当該ライフル銃を使用(携帯、運搬及び発射)できる場合を、被害防止計画を定めた市町村における有害鳥獣駆除に従事する場合又は修理等正当な理由に基づく場合に限定するなど、被害防止計画に基づく対象鳥獣の捕獲等の実態に合わせた条件を付すこと。
(2) 認定鳥獣捕獲等事業者の捕獲従事者の場合
認定鳥獣捕獲等事業者の捕獲従事者に許可をする場合には、銃刀法第4条第2項の規定に基づき当該ライフル銃を使用(携帯、運搬及び発射)できる場合を、認定鳥獣捕獲等事業者の事業として現に委託を受けている事業の実施地域における有害鳥獣駆除に従事する場合又は修理等正当な理由に基づく場合に限定するなど、認定鳥獣捕獲等事業者による鳥獣の捕獲等の実態に合わせた条件を付すこと。(例えば、「ライフル銃の使用等は、●年●月●日から●年●月●日までの間の●●県●●区域における●●(認定鳥獣捕獲等事業者名)の業務として行う●●(シカ、イノシシなど)の捕獲に従事する場合に限る。」等と記載する。)。
また、許可後に認定鳥獣捕獲等事業者に対する事業の委託が解除により消滅し、又は別の区域における事業を受託したため、同区域でライフル銃を使用する必要が生じた場合には、許可の条件の書換えが必要となることから、猟銃・空気銃所持許可証(以下「許可証」という。)の書換申請を行わせること。(事業の委託が解除された場合には、既に記載された当該事業に係る条件を横線で消した上で「●月●日解除」と記載する。)。
なお、別の区域における事業を受託して条件の書換えを行う場合には、前記1(4)イの要件を満たしていることを確認すること。
(3) 被害防止計画捕獲従事者及び認定鳥獣捕獲等事業者の捕獲従事者のいずれにも該当する場合
1丁のライフル銃を使用して被害防止計画捕獲従事者と認定鳥獣捕獲等事業者の捕獲従事者の複数の立場で鳥獣の捕獲等を行うことが可能であるところ、このような場合には、前記2(1)及び(2)と同様の要領により、条件を追加するなど、許可証の書換えにより対応すること。
4 事故防止のための指導
(1) 保管・管理の徹底
ライフル銃の所持許可を受けた者の住所地を管轄する署(以下「管轄署」という。)は、ライフル銃の所持許可を受けた者に対して毎年開催する銃砲等検査などの機会を通じて、ライフル銃管理票の提出を求め、当該ライフル銃が適切に保管・管理されているか確認すること。
(2) 危害の発生の予防
管轄署は、銃砲等検査などの機会を通じて、ライフル銃の所持許可を受けた者に対し、銃刀法第10条の2の規定に基づいて射撃の練習を励行させたり、必要な知識の習得に努めさせるなど、当該所持許可に係るライフル銃による危害の発生の予防に努めること。
(3) 法令の遵守
管轄署は、ライフル銃の所持許可を受けた者に対し、銃刀法のみならず、鳥獣保護管理法第9条第8項の規定に基づく従事者証の携帯や火薬類取締法(昭和25年法律第149号)など、関係法令の遵守にも万全を期すよう注意喚起すること。
4 留意事項
(1) 適任者の推薦への適切な対応
市町村及び認定鳥獣捕獲等事業者は、前記1(4)の推薦を行うに当たり、鳥獣による農業等の事業の被害を防止するため、ライフル銃による獣類の捕獲をする人材を中・長期的な視点を持って育成・確保するとともに、適当な人物が推薦されることを確保する観点から、現に当該市町村又は認定鳥獣捕獲等事業者の監督の下で、猟銃を使用して鳥獣の捕獲等に従事している者と話し合い、又は自らの判断で、適任者を推薦するので、相談又は申請があった場合は、ライフル銃の所持許可に係る一連の手続を教示するなど、適切に対応すること。
(2) 所持許可の取消し等
ア 被害防止計画捕獲従事者の場合
被害防止計画捕獲従事者でなくなった場合、当該ライフル銃に係る所持許可については、銃刀法第11条第1項第5号に該当し、取消しの対象となるので、必要な手続をとること。
なお、取消し事由に該当する場合であって、他人の生命又は財産に対する危険を防止するため必要があると認めるときは、銃刀法第11条第7項の規定に基づき、取消し前に当該ライフル銃の提出を命じて仮領置を行うなど、その状況に応じて、適切に対応すること。
イ 認定鳥獣捕獲等事業者の捕獲従事者の場合
認定鳥獣捕獲等事業者の捕獲従事者でなくなった場合、鳥獣保護管理法第18条の10の規定により認定鳥獣捕獲等事業者の認定が失効し若しくは取り消された場合又は認定鳥獣捕獲等事業者に対する事業の委託が消滅し、他の事業の委託を受けないことが明らかとなった場合は、当該ライフル銃に係る所持許可については、銃刀法第11条第1項第5号に該当し、取消しの対象となるので、必要な手続をとること。ただし、事業の委託が消滅した場合にあっては、将来の委託を受ける見込み等を考慮して所持許可の取消しを行わないことができる。
また、当該ライフル銃の所持許可の更新時において、当該認定鳥獣捕獲等事業者が現に第二種特定鳥獣管理計画が定められている区域において、当該区域内の農林水産業者等からの委託、又は指定管理鳥獣捕獲等事業の委託を受けておらず、委託を受ける見込みがない場合、当該許可の更新は行わないこと。
なお、取消し事由に該当する場合であって、他人の生命又は財産に対する危険を防止するため必要があると認めるときの対応については、前記4(2)アのとおりである。
ウ 被害防止計画捕獲従事者及び認定鳥獣捕獲等事業者の捕獲従事者のいずれにも該当する場合
被害防止計画捕獲従事者及び認定鳥獣捕獲等事業者の捕獲従事者のいずれでもなくなった場合には、当該ライフル銃に係る所持許可については、銃刀法第11条第1項第5号の規定に該当し、取消しの対象となるので、必要な手続をとること。
なお、取消し事由に該当する場合であって、他人の生命又は財産に対する危険を防止するため必要があると認めるときの対応については、前記4(2)アのとおりである。
別添様式第1号
略
別添様式第2号
略
別添様式第3号
略