○特定少年に対する留置管理部門における運用上の留意事項について(依命通達)
令和7年4月1日
達(留管)第176号
[原議保存期間 3年(令和11年3月31日まで)]
[有効期間 令和11年3月31日まで]
みだしのことについては、次のとおりであるので、事務処理上誤りのないようにされたい。
記
1 趣旨
留置管理部門において、少年法(昭和23年法律第168号。以下「法」という。)で規定された特定少年(18歳以上の少年)に対して、その特性に留意して適正に対応するもの。
2 法における留置管理部門に関する規定
(1) 法第67条第2項
法第67条第2項では、法第49条第1項及び第3項の規定は、特定少年の被疑事件(法第20条第1項又は法第62条第1項の決定があったものに限る。)の被疑者及び特定少年である被告人については、適用しないとしている。
ア 対象となる特定少年
(ア) 特定少年の被疑事件の被疑者
法第20条第1項(検察官への送致)又は法第62条第1項(検察官への送致についての特例)の決定があった者に限る。
(イ) 特定少年である被告人
イ 上記の特定少年に適用しない規定
(ア) 少年の被疑者又は被告人は、他の被疑者又は被告人と分離して、なるべく、その接触を避けなければならない(法第49条第1項)。
(イ) 留置施設においては、少年を成人と分離して収容しなければならない(法第49条第3項)。
(2) 法第67条第4項
法第67条第4項では、法第56条第1項の規定は、特定少年については、適用しないとしている。
法第56条第1項では、懲役又は禁錮の言渡しを受けた少年に対しては、特に設けた刑事施設又は刑事施設若しくは留置施設内の特に分界(分隔)を設けた場所において、その刑を執行するとしている。
3 留意事項
(1) 法第67条第2項の規定は、人単位でなく事件単位で適用されるので、検察官送致の決定がなされていない被疑事件において、被疑者である特定少年を留置する場合には、当該特定少年が既に別の被疑事件で検察官送致の決定をされていたとしても、法第67条第2項は適用されないため、法第49条第3項の規定に基づき、20歳以上の者とは分離して留置する必要があることに注意をすること。
(2) 特定少年については、20歳以上の者と分離せずに留置できる規定となってはいるが、特定少年の被留置者を20歳以上の者と同室に収容する場合には、できるだけ少年の健全育成という観点で問題のある特性を有する20歳以上の者を避けるなどの配意をすること。
4 その他
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第286条では、少年院送致に付された特定少年の少年院仮退院者の留置又は釈放に係る判断のため地方更生保護委員会又はその委員による調査について、特定少年以外の少年院仮退院者と同様に、留置業務管理者に対し、記録、書類、意見書及び報告書の提出を求めることができるとしているので、調査依頼があった場合は協力すること。