○大規模災害発生時における対処能力の強化について(依命通達)
令和7年4月22日
達(災対)第236号
[原議保存期間 5年(令和13年3月31日まで)]
[有効期間 令和13年3月31日まで]
大規模災害発生時には、災害の種別、規模等に応じて県本部、署等に所要の規模の災害警備本部等が設置され、当該災害警備本部等の種別に応じ、本部長、署長等が県警備本部長又は署警備本部長(以下「警備本部長」という。)として災害警備活動の指揮に当たるほか、県機動隊等の警備部隊、広域緊急援助隊等(以下「広緊隊等」という。)が被災地に派遣されることとなる。効果的な災害警備活動を実施するためには、被災状況を可能な限り正確に把握した上で、対処能力を有する適切な部隊を投入する必要があることから、次のとおり、被災地における災害警備活動の強化を図ることとしたので、遺憾のないようにされたい。
なお、大規模災害発生時における対処能力の強化について(令和3年3月3日付け達(災対)第58号)は、廃止する。
記
1 現地指揮所の設営
緊急事態等における福島県警察の初動措置に関する訓令(平成28年県本部訓令第21号。以下「訓令」という。)において、警備本部長は、緊急事態等の態様、規模、被災状況等により必要があると認めるときは、現地指揮所を設置することとされている。
被災地を管轄する署は、交通規制、問合せの対応で忙殺されていたり、部隊活動を要する場所から遠距離に位置していたりするなどにより、現地指揮所足り得ない可能性があることから、警備本部長は、必要に応じ署以外の場所への新たな現地指揮所の設営を遅滞なく判断し、同所において所要の措置を講じること。
2 指揮支援班の派遣
警備本部長は、効果的な部隊投入の決定等に資するため、下記の(1)から(4)の任務を行わせるべく、必要に応じ現地指揮所ごとに指揮支援班を派遣することとする。
(1) 被災情報の収集・分析
被災地における救出・救助活動等に資するため、被災状況、道路状況等部隊活動に必要な情報を収集・分析すること。
(2) 部隊の選定及び部隊活動計画の策定
指揮支援班は、上記(1)を踏まえ、部隊装備・技術等を勘案しながら部隊を選定し、部隊活動計画を策定すること。またその際は次の(4)の関係機関との連携・調整について留意すること。
(3) 部隊活動の報告・記録
警備本部長が最新の被災情報、部隊活動等を把握し続けることが県及び市町村との連携に重要であることから、指揮支援班は、警備本部長に対する迅速な報告を徹底するとともに確実な記録化に努めること。
(4) 関係機関との連携・調整
大規模災害発生時には、警察のみならず各種機関が災害警備活動に当たることとなる。その際は、県、市町村等様々なレベルで関係機関同士の連携・調整が図られることとなるところ、指揮支援班においては、被災現場の直近で活動するという特殊性を踏まえ、被災情報、部隊の配置場所等に関し、消防、自衛隊等と必要な連携・調整に努めること。
3 指揮支援班の人選
(1) 指揮支援班の班長の人選
指揮支援班の班長は、警備本部長の命により、指揮支援班の運用はもとより、広緊隊等に対する適切な支援、関係機関との活動調整等を行うことが求められる。そこで、警備本部長は、原則警視以上の階級であって、災害に関する知見や指揮能力等を有する者を班長として人選すること。
(2) 指揮支援班の班員の人選
指揮支援班の班員は、班長とともに現地指揮に専従する必要があること、班長の指揮を待つことなく自ら判断・指示する可能性があること等から、警備本部長は、
○ 被災現場で救出救助活動等に当たる部隊の幹部又は隊員を派遣しない
○ できる限り多く警部以上の警察官を派遣する
などを考慮し、班員として適切な能力を有する者を人選すること。
4 被災情報の収集に関する留意事項
大規模災害においては、災害の規模感を早期に把握することが重要である。そこで、警備本部長は、指揮支援班を通じた被災情報の収集に加えて、必要に応じて、災害警備本部等から直轄の情報班を被災現場に派遣する、派遣が適切でない場合には同情報班にかかる情報の集約に専従させるなど、早期に全体像を把握するための能動的な情報収集に努めること。