○警察庁に対するDNA型鑑定業務実施要領の制定について(依命通達)

令和7年12月17日

達(科捜、鑑)第564号

[原議保存期間 5年(令和13年3月31日まで)]

[有効期間 令和13年3月31日まで]

みだしのことについては、警察庁において別添のとおり実施することとしたので、誤りのないように運用されたい。

なお、警察庁に対するDNA型鑑定業務実施要領の制定について(依命通達)(令和6年3月19日付け達(科研、鑑)第160号)は、廃止する。

別添

警察庁におけるDNA型鑑定業務実施要領

第1 目的

この要領は、警察庁が行うDNA型鑑定業務(以下「本業務」という。)に関し、必要な事項を定め、もってDNA型鑑定業務の適正な運用を図ることを目的とする。

第2 運用体制

本業務は、警察庁刑事局犯罪鑑識官(以下「警察庁犯罪鑑識官」という。)が管理する検査施設において、警察庁犯罪鑑識官が行う。

第3 本業務の趣旨及び内容

1 趣旨

本業務は、警察庁において被疑者資料に係るDNA型鑑定を行い、当該鑑定に係る被疑者DNA型記録の作成、対照、整理保管という一連の業務を効率的に実施することにより、犯罪捜査に資するものとする。

2 内容

(1) 警視庁、道府県警察本部若しくは方面本部の犯罪捜査を担当する課(課に準ずるものを含む。)の長又は警察署長(以下「警察署長等」という。)から嘱託を受けた被疑者資料に係るDNA型鑑定を行う。

(2) (1)のDNA型鑑定により、その特定DNA型が判明したときは、DNA型記録取扱規則(平成17年国家公安委員会規則第15号)及びDNA型記録取扱細則(平成17年警察庁訓令第8号)に基づき、被疑者DNA型記録の作成、対照、整理保管等を行う。

第4 鑑定体制

1 鑑定員

本業務におけるDNA型鑑定(以下「本鑑定」という。)に係る鑑定員については、「DNA型鑑定の運用に関する指針」(「DNA型鑑定の運用に関する指針について(通達)」(令和6年3月29日付け警察庁丙鑑発第14号ほか)別添。以下「指針」という。)3の例によるものとする。

2 検査施設、鑑定方法等

本鑑定に係る検査施設、鑑定方法等については、指針4の例によるものとする。

第5 鑑定資料

1 対象となる資料

本鑑定の対象となる資料は、指針5の例により被疑者から任意提出を受けた口腔内細胞のうち、警察庁犯罪鑑識官が都道府県警察へ配付する口腔内細胞採取キット(以下「採取キット」という。)で採取されたもの(以下「鑑定資料」という。)に限る。

2 鑑定資料に係る留意事項

(1) 採取キットの取扱い

ア 保管等

警察庁犯罪鑑識官から配付された採取キットは、直射日光が当たる場所や高温多湿となる場所を避けて保管し、圧迫、摩擦等により同キットの包装袋等が破損しないようにすること。

イ 使用前の確認

採取キットを使用する際は、同キットの包装袋に表示されている使用期限や破損の有無を確認し、使用期限が経過したものや包装袋等が破損しているものは使用しないこと。

また、採取キットに同封されたマニュアルをよく確認し、鑑定資料の汚染防止及び同一性の確保に努めること。

ウ 管理

警察庁犯罪鑑識官が配付する採取キットに装着されているろ紙(以下「FTAカード」という。)には、独自のバーコードを付しており、警察庁犯罪鑑識官では、これを用いて鑑定資料を管理しているため、採取キットは、必ず警察庁犯罪鑑識官が配付したものを用いること。

エ 廃棄

使用後の採取キット(FTAカードを除く。)は、警察署等において適正に廃棄すること。

(2) 鑑定資料の提出を受ける際の留意事項

被疑者から提出を受ける口腔内細胞については、警察庁犯罪鑑識官が配付した採取キットを用いた場合、DNA型鑑定に必要な分だけ採取するため、証拠物として保管又は還付すべき残余資料は生じない。

このため、被疑者に対しては、あらかじめ、残余資料は生じない旨説明を行った上で、任意提出書と併せて所有権放棄書を徴すること。

なお、FTAカードは、鑑定終了後、警察庁犯罪鑑識官において廃棄する。

(3) 捜査員に対する指導・教養の徹底

鑑定資料の汚染防止及び同一性の確保を図るため、鑑定資料を取り扱う捜査員に対し、採取キットの使用要領及び(2)の留意事項について、指導・教養を徹底すること。

第6 鑑定嘱託

1 鑑定嘱託可能数の指定

DNA型鑑定の効率的かつ持続的な実施のため、警察庁犯罪鑑識官において各都道府県警察ごとに1年間に鑑定嘱託できる数(以下「嘱託可能数」という。)を指定するので、指定された嘱託可能数の範囲内で嘱託すること。

なお、指定された嘱託可能数を超えて嘱託しようとする場合は、事前に警察庁犯罪鑑識官と協議すること。

2 速やかな鑑定嘱託

被疑者資料採取後は、速やかに鑑定嘱託書を作成し、鑑定嘱託すること。

なお、警察庁犯罪鑑識官では、特定の鑑定資料のみを優先して鑑定することはしないことから、短期間で鑑定結果を必要とする場合は、自都道府県の科学捜査研究所と協議の上、同所への鑑定嘱託を検討すること。

3 嘱託方法

警察署長等が警察庁犯罪鑑識官に対して本鑑定に係る嘱託を行うときは、次のいずれかの方法によるものとする。

(1) 郵送用の封筒に、4(1)から(3)までに掲げる送付資料を同封の上、送付する方法

(2) 警察庁犯罪鑑識官の執務時間中に、鑑定嘱託書等を警察庁犯罪鑑識官が管理する検査施設に直接持ち込む方法

4 送付資料

(1) 鑑定嘱託書

(2) DNA型鑑定事務連絡表

(3) 採取キットに同封された専用の収納袋に封入した鑑定資料

5 鑑定嘱託書及びDNA型鑑定事務連絡表の作成に関する留意事項

(1) 鑑定嘱託書及びDNA型鑑定事務連絡表の作成

警察署長等は、警察庁犯罪鑑識官が配付した最新の「鑑定嘱託書等作成支援ソフト」を用いて別添資料1及び2に定める様式で作成すること。

(2) その他

ア 警察署長等は、作成した鑑定嘱託書及びDNA型鑑定事務連絡表に記載漏れや誤記等がないか確実に点検・確認を行った上で鑑定嘱託すること。

イ 「鑑定嘱託書等作成支援ソフト」を用いて作成する鑑定嘱託書には、鑑定資料名の欄に口腔内細胞を付着させたFTAカードのバーコード番号を併せて記載し、同嘱託に基づき作成する鑑定書の鑑定資料名の欄にも同バーコード番号を記載することとしている。

これにより、鑑定資料の同一性を確保することとしているが、同様に、任意提出書、領置調書(甲)及び所有権放棄書の品名欄にもバーコード番号を併せて記載すること。

【記載例】

口腔内細胞(カード番号NPA○○○○○○○に付着させた被疑者○○○○のもの)若干

6 鑑定嘱託書等の郵送に関する留意事項

(1) 郵送用の封筒は、警察庁犯罪鑑識官が配信する印刷用データを利用して封筒の印刷を行い、差出人(住所、所属、担当者名等)についても明記すること。

(2) 複数の送付資料を一つの封筒で郵送する場合は、封筒表面に鑑定嘱託件数を明記するとともに、鑑定嘱託別に小分けにして同封するなど、送付資料の紛失や混在を防止するための措置を講じること。

(3) 送付資料は、簡易書留郵便により送付することとし、発送の際は、問合せ番号等が記載された受領証を確実に受領すること。

7 鑑定資料等の返送

(1) 警察庁犯罪鑑識官では、鑑定嘱託を受け付ける際、書類等の不足、誤記及び鑑定資料の取り違えの有無を確認し、送付資料に不備があり返送すべきと判断した場合は、その理由を記載した返送書と共に、送付されてきた送付資料も全て返送することとしている。

なお、返送した鑑定資料は、未鑑定の資料であるため、返送理由となった不備を修正した上で、再度、警察庁犯罪鑑識官に対して鑑定嘱託を行うなど適切に取り扱うこと。

(2) 警察庁犯罪鑑識官において鑑定資料が収納されている袋を開封した結果、不備を認め返送したものについては、同資料を再度鑑定に付すことはできないので、鑑定の必要がある場合は、改めて被疑者から口腔内細胞の提出を受けるなど適切な措置を講じること。

第7 鑑定

1 鑑定結果の通知

警察庁犯罪鑑識官が本鑑定を行ったときは、鑑定書を作成し、これを当該鑑定に係る嘱託を行った警察署長等に簡易書留郵便により送付するものとする。

2 鑑定書等の取扱い及び保管

鑑定書等の取扱い及び保管については、指針6の例によるものとする。

第8 警察共通基盤システムによるDNA型照会業務等に必要な情報の提供

警察署長等が警察庁犯罪鑑識官に対して鑑定嘱託を行い、警察庁犯罪鑑識官において鑑定書を作成したときは、警察署長等及び警察庁犯罪鑑識官は、警視庁又は道府県警察本部の科学捜査研究所長(以下「科学捜査研究所長」という。)が「警察共通基盤システムによるDNA型照会業務実施細則」(令和5年12月15日付け警察庁丁鑑発第2874号ほか別添。以下「実施細則」という。)第6に定める「対照結果の確認等」、第8に定める「被疑者DNA型記録及び遺留DNA型記録の訂正」及び第9に定める「被疑者DNA型記録及び遺留DNA型記録の抹消」に係る業務等を行うために必要となる情報を、それぞれ次により提供するものとする。

1 警察署長等の措置

警察署長等は、警察庁犯罪鑑識官に対して鑑定嘱託を行ったときは、当該嘱託に係る鑑定嘱託書の控え及びDNA型鑑定事務連絡表の控えを、その都道府県警察の科学捜査研究所長に送付するものとする。

2 警察庁犯罪鑑識官の措置

警察庁犯罪鑑識官は、鑑定書を作成したときは、当該鑑定書の控えを、警察庁WANシステム等により、その都道府県警察の警察署長等が当該作成に係るDNA型鑑定の嘱託を行った都道府県警察の科学捜査研究所長に送信するものとする。

なお、科学捜査研究所長は、実施細則第6の1に基づき、「該当した場合の結果の確認」を行う必要があるときは、警察庁犯罪鑑識官に当該鑑定に係る分析記録の控えの送信を依頼することができる。

この場合、警察庁犯罪鑑識官は、当該依頼に係る分析記録の控えを警察庁WANシステム等により当該科学捜査研究所長に送信するものとする。

別添資料1

 略

別添資料2

 略

警察庁に対するDNA型鑑定業務実施要領の制定について(依命通達)

令和7年12月17日 達(科捜、鑑)第564号

(令和7年12月17日施行)

体系情報
刑事部
沿革情報
令和7年12月17日 達(科捜、鑑)第564号