○所有者の判明しない犬又は猫その他の動物を拾得したとして申告を受けた場合等の取扱要領の制定について(依命通達)
令和8年1月19日
達(会)第20号
[原議保存期間 5年(令和13年3月31日まで)]
[有効期間 令和13年3月31日まで]
みだし要領を別紙のとおり制定し、令和8年1月19日から施行することとしたので、運用上誤りのないようにされたい。
別紙
所有者の判明しない犬又は猫その他の動物を拾得したとして申告を受けた場合等の取扱要領
第1 総則
1 趣旨
この要領は、所有者の判明しない犬又は猫その他の動物を拾得したとして申告を受けた場合等の取扱いに関し必要な事項を定めるものとする。
2 定義
この要領における用語の意義は、次の各号に定めるところによる。
(1) 拾得
遺失物法(平成18年法律第73号。以下「法」という。)第2条第2項に規定する拾得をいう。
(2) 遺失届
遺失物法施行規則(平成19年国家公安委員会規則第6号。)第5条第1項に規定する遺失届をいう。
(3) 負傷動物
動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号。以下「動物愛護管理法」という。)第36条第1項に規定する疾病にかかり、又は負傷した犬、猫等の動物をいう。
(4) 特定動物等
動物愛護管理法第25条の2に規定する特定動物及び特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成16年法律第78号。以下「外来生物法」という。)第2条で定める特定外来生物(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令(平成17年政令第169号。以下「外来生物法施行令」という。)附則第2条の表に掲げる特定外来生物(以下「条件付特定外来生物」という。)を除く。)を総称したものをいう。
(5) 保健所等
県等(県及び地方自治法(昭和20年法律第67号)第252条の22第1項の中核市をいう。)が設置する保健所及び動物愛護管理法第37条の2に規定する動物愛護センター(支所を含む。)をいう。
3 関係法令解釈上の留意事項
(1) 野生動物や屋外にいても逸走したものではない動物は、法における「逸走した家畜」に該当しない。
(2) 法第4条第3項では、動物愛護管理法第35条第3項の規定による所有者の判明しない犬又は猫の引取りの求め(以下「引取りの求め」という。)を行った拾得者については、拾得をした物件の速やかな警察署長への提出等を規定した法第4条第1項及び第2項を適用しないこととされている。これは、警察署等では動物の飼養や保管に関し専門的な職員及び施設・設備を有しておらず、動物愛護管理法の趣旨を踏まえれば、保健所等において当該犬及び猫を取り扱うことが適切であるからで、拾得したとして申告を受けた犬又は猫の取扱いに当たっては、保健所等と連携を図るなど、この趣旨を踏まえて対応する必要がある。
(3) 動物愛護管理法第35条第3項において、保健所等が所有者の判明しない犬又は猫の引取りを「その拾得者その他の者」から求められた場合に、これを引き取らなければならない(周辺の生活環境が損なわれる事態が生ずるおそれがないと認められる場合その他の引取りを求める相当の事由がないと認められる場合として環境省令で定める場合には、その引取りを拒否することができる。)旨が規定されていることから、警察職員が職務中に当該犬又は猫を自ら拾得した場合、当該警察職員は、「その拾得者その他の者」として保健所等に引取りの求めを行うことができる。
(4) 動物愛護管理法第35条第3項において準用される保健所等が所有者の判明しない犬又は猫の引取りを拒否できる場合(以下「引取拒否事由」という。)である「引取りを求める相当な事由がないと認められる場合として環境省令で定める場合」とは、動物の愛護及び管理に関する法律施行規則(平成18年環境省令第1号。以下「動物愛護管理法施行規則」という。)第21条の3各号のいずれかに該当する場合である。動物愛護管理法施行規則第21条の3第1号の「周辺の生活環境が損なわれる事態」とは、当該犬又は猫に起因した騒音又は悪臭の発生、毛の飛散、多数の昆虫の発生等とされていることから、このような事態が生ずるおそれがないと認められる場合は、保健所等はその引取りを拒否することができることとなる。(なお、例としては地域住民の十分な理解の下に飼い主のない猫への不妊去勢と給餌・排せつ物の管理などを実施する活動により共生している猫などの場合が想定されている。)同第2号の「引取りを求める相当な事由がないと認められる場合として県等の条例、規則等に定める場合」とは、保健所等が、地域の実情を踏まえ規定する必要がある場合に、条例、規則等を制定することとされている。
(5) 法第37条第1項第1号では、3か月以内に遺失者が判明しない場合において、所有権を取得する者がないとき、警察署長が保管する法第35条第2号から第5号に掲げる物件を除く物件について、法第35条第1号に該当するものは国に、それ以外のものは県に帰属することが規定されていることから、当該規定は、動物についても当然に適用される。
第2 警察共通基盤システムの使用
次の業務は、原則として別に定める「警察共通基盤システムによる遺失物等情報管理業務」(以下「システム」という。)を使用して行うものとする。
(1) 遺失届の有無の確認
(2) 第3―1―(3)の一時預り控書、一時預り書及び動物一時預り受領書の作成
第3 個別の拾得事案の取扱い
1 犬又は猫の取扱い
(1) 遺失届等の確認
犬又は猫を拾得したとして申告を受けたときは、以下について確認及び調査を行うこと。
ア 遺失届の有無の確認
イ 鑑札、その他の公務所又は公私の団体により発行された所有者に関する情報が記載された書面等(以下「鑑札等」という。)及び動物愛護管理法第39条2第1項に規定するマイクロチップ(以下「マイクロチップ」という。)等が付いているときの所有者又は飼い主(以下「所有者等」という。)の調査
ウ 保健所等に対する所有者等からの問合せの有無の確認
なお、マイクロチップに電磁的方法により記録された識別番号から判明した犬又は猫の所有者に関する情報は、所有権を証明するものではないため、マイクロチップの装着を確認できた場合やマイクロチップによって所有者に関する情報が得られた場合であっても、動物愛護管理法第35条に規定する所有者の判明しない犬又は猫に該当する場合もあることに留意すること。
他方、鑑札等がなく遺失者等の特定に至らない場合は、法第2条第1項の「物件」に該当しない可能性もあることから、取扱いについて慎重に検討すること。
(2) 遺失者等への返還
(1)の確認及び調査の結果、遺失者又は所有者等が判明したときは、法に基づき拾得をした物件として提出を受け、遺失者又は所有者等に速やかに返還すること。
(3) 引取りの措置
(1)の確認及び調査の結果、遺失者又は所有者等が判明しない場合は、拾得をした者に対して、動物愛護管理法第35条の趣旨並びに法に基づく拾得及び動物愛護管理法に基づく引取りの求めの手続等について十分説明すること。その上で、署へ引取りを依頼されたときは、保健所等が定める引取拒否事由に明らかに該当しないことが認められる場合に限り、警察が一時預りをし、その後保健所等へ引き渡すことは差し支えない。この場合において、保健所等が引き取るまでの間、当該犬又は猫を一時的に預かるとともに、一時預り控書(別記様式第1号)及び一時預り書(別記様式第2号)を作成の上、一時預り書を拾得をした者に対して交付すること。また、保健所等へ引き渡す前に遺失者等が判明した場合は、その者が当該犬又は猫の遺失者等であることを確認の上、動物一時預り受領書(別記様式第3号)と引換えに返還すること。
なお、保健所等で定める引取拒否事由に該当するほか、保健所等が警察で一時的に預かった犬又は猫の引取りを拒否される見込みが少なからずある場合は、可能な限り、拾得した者本人から保健所等へ問い合わせをしてもらうよう十分説明を行い理解を得ること。
(4) (3)を踏まえた上で、拾得をした者が3か月経過後に所有権の取得を希望するときは、法に基づき、拾得をした物件として提出を受けること。
(5) 法第9条に規定する売却等、法第10条に規定する処分又は民法第240条に規定する拾得者の所有権の取得に至った場合は、拾得者等に対して、以下の義務等に基づく所有権取得後の手続等の確認のため、環境大臣指定登録機関への連絡を促すなどして、後日紛議が生じないようにすること。
ア 犬又は猫にマイクロチップが装着されていない場合、所有権取得者は、マイクロチップの装着に努める義務があること(動物愛護管理法第39条の2第2項)。
イ 犬又は猫にマイクロチップが装着されている場合、所有権取得者は、所有者の情報を変更する義務があること(動物愛護管理法第39条の6等)。
2 負傷動物等の取扱い
負傷動物等を発見又は拾得したとして申告を受けたときは、発見又は拾得した者に対して、動物愛護管理法第36条に基づく通報を行うよう説明すること。この場合において、発見又は拾得した者が自ら通報を行うことを原則とするが、休日、夜間等で保健所等が閉庁などやむを得ない事情により、動物愛護管理法第36条に基づく通報を自ら行うことができないときは、可能な限り、当該発見者の面前において、保健所等の担当者と連絡を取り、その対応を確認すること。
なお、休日、夜間等の対応について、保健所等の担当者との連絡手段についてあらかじめ確認しておくこと。
また、前記第3―1―(1)―ア及びイの確認及び調査を実施し、所有者等が判明したときは、法の定めにより拾得した物件として取り扱い、遺失者又は所有者等に返還することは差し支えない。
3 特定動物等の取扱い
(1) 遺失届等の確認
特定動物等を拾得したとして申告を受けたときは、当該特定動物等に該当する遺失届の有無を確認すること。
(2) 特定動物等への該当の有無の確認
特定動物等は、法第35条第1号の「法令の規定によりその所持が禁止されている物」に該当するため、特定動物等への該当の有無について、環境省ホームページ等で確認すること。また、特定動物等であるか否か判断がつかない場合は、特定動物については保健所等、特定外来生物については福島県自然保護課又は東北地方環境事務所に確認を依頼するとともに、該当する場合は、許可を出したと考えられる行政機関に対し、許可の有無の確認及び所有者がいる場合にはその氏名や連絡先等の確認を依頼すること。
なお、特定動物等であって、犯罪の証拠品に該当すると判明した場合は、捜査担当部門と緊密な連携を図ること。
(3) 遺失者への返還
(1)の確認の結果、該当する遺失届がある場合であって、許可を有している場合は、拾得した物件として提出を受け、遺失者に速やかに返還すること。
(4) 所有権を取得するために保管に応じた場合等の措置
(1)の確認の結果、該当する遺失届がない場合において、拾得したとして提出を受けたときは、特定動物については保健所等に、特定外来生物については福島県自然保護課又は東北地方環境事務所に、当該特定動物等の保管を委託する、保管方法等について技術的助言を求める、又は適切な保管委託先についての紹介を受ける等により、当該特定動物等を適切に保管すること。
(5) 処分する場合の措置
法第10条により当該特定動物等を処分する場合には、遺失物法施行令(平成19年政令第21号。)第4条第2項に基づき行うこと。
(6) 帰属後の措置
法第37条第1項第1号に基づき、公告した後3か月以内に遺失者が判明しない場合において、所有権を取得する者がいないときは、所有権が国(その所有又は所持の取締りに関する国の行政機関。具体的には、動物愛護管理法及び外来生物法を所管する環境省。)に帰属するため、帰属後の処分について、特定動物等にあっては東北地方環境事務所と協議すること。
4 条件付特定外来生物の取扱い
(1) 遺失届等の確認
条件付特定外来生物を拾得したとして申告を受けたときは、当該条件付特定外来生物に該当する遺失届の有無を確認すること。
(2) 条件付特定外来生物への該当の有無の確認
条件付特定外来生物は、外来生物法施行令原始附則第2条の規定により、一定の者が条件を満たした場合は、飼養等の禁止について定めた外来生物法第4条を適用しないこととされていることから、原則として法第35条第1号の「法令の規定によりその所持が禁止されている物」に該当しないため、条件付特定外来生物への該当の有無について、環境省ホームページ等で確認すること。また、条件付特定外来生物であるか否か判断がつかない場合は、福島県自然保護課又は東北地方環境事務所に確認を依頼すること。
なお、条件付特定外来生物であって、犯罪の証拠品に該当すると判明した場合は、捜査担当部門と緊密な連携を図ること。
(3) 遺失者への返還
(1)の確認の結果、該当する遺失届がある場合であって、販売若しくは頒布の目的での飼養等ではない場合又は飼養等の許可を有している場合は、拾得した物件として提出を受け、遺失者に速やかに返還すること。
(4) 所有権を取得するために保管に応じた場合等の措置
(1)の確認の結果、該当する遺失届がない場合において、拾得した物件として提出を受けたときは、前記第3―3―(4)の規定を準用し対応すること。
(5) 処分する場合の措置
法第10条に基づき当該条件付特定外来生物を処分する場合には、遺失物法施行令第4条第1項ただし書に基づき行うこととなるが、条件付特定外来生物は外来生物法第9条により放出等が禁止されていることから、必ずこれを引き渡すことが適当と認められる者に引き渡すこと。
(6) 帰属後の措置
法第37条第1項第1号に基づき、公告した後3か月以内に遺失者が判明しない場合において、所有権を取得する者がいないときは、所有権が県に帰属するため、帰属後の処分について、福島県自然保護課と協議すること。
5 1から4以外の動物の取扱い
(1) 遺失届の確認
犬又は猫、負傷動物等、特定動物等及び条件付特定外来生物以外の動物を拾得したとして申告を受けたときは、当該動物に該当する遺失届の有無を確認すること。
(2) 遺失者への返還
(1)の確認の結果、該当する遺失届がある場合は、拾得した物件として提出を受け、遺失者に速やかに返還すること。
(3) 所有権を取得するために保管に応じた場合等の措置
(1)の確認の結果、該当する遺失届がない場合において、拾得者に飼育する意思があるときは、法に基づき拾得した物件として提出を受けること。
(4) 所有権を放棄する場合の措置
(1)の確認の結果、該当する遺失届がない場合において、拾得者に飼育する意思がなく、拾得したとして提出を受けたときは、保健所等の関係機関に当該動物の保管を委託する、保管方法等について技術的助言を求める、又は適切な保管委託先についての紹介を受ける等により、当該動物を適切に保管すること。
(5) 処分する場合の措置
法第10条に基づき当該動物を処分する場合には、遺失物法施行令第4条第1項ただし書に基づき、引き渡すことが適当と認められる者への引渡し、又は法令の範囲内で同種の野生動物の生息地において放つことのいずれかの方法によって行うこと。また、法令の範囲内で同種の野生動物の生息地において放つ場合は、動物の種類によっては、その処分方法により生態系が崩れるおそれがあることなどから、福島県自然保護課等に助言を求めること。
(6) 帰属後の措置
法第37条第1項第1号に基づき、公告した後3か月以内に遺失者が判明しない場合において、所有権を取得する者がいないときは、所有権が県に帰属するため、帰属後の処分について、保健所等の関係機関と協議すること。
別記様式第1号
略
別記様式第2号
略
別記様式第3号
略