○組織犯罪捜査における適正捜査の再徹底について(依命通達)

令和8年1月29日

達(組対)第47号

[原議保存期間 5年(令和13年3月31日まで)]

[有効期間 令和13年3月31日まで]

昨年7月、大阪府警察の組織犯罪対策部門の捜査員が、匿名・流動型犯罪グループによる職業安定法違反事件(以下「本件」という。)の捜索差押(以下「捜索等」という。)中に被疑者の腹部を複数回殴打するなどの暴行を加えたとして特別公務員暴行陵虐容疑で逮捕されるなどの事案が発生した。

警察組織を挙げて匿名・流動型犯罪グループ対策に取り組んでいる中で、このような事案があれば、警察捜査に対する信用を著しく失墜させるだけでなく、捜索等において得られた客観証拠の証拠能力を揺らがせ、犯罪の立証に支障を来すおそれがある。

この点、本件捜査については、捜査における指揮命令系統が適切に機能していなかったほか、捜索等に際し、適正捜査に係る指揮・指示が不徹底であったことに加え、捜査上の不適切行為に対する自浄機能が発揮されなかったこと等の問題点が明らかとなっている。

関係所属においては、これらの問題点を踏まえ、同種事案の再発を防止するため、下記事項に留意しつつ、組織犯罪捜査における適正捜査の再徹底に努められたい。

1 適正捜査の再徹底

(1) 適正捜査を確保するための指揮命令系統の確立

捜査幹部は、組織犯罪捜査において、適正な捜査を確保するための資質や技量を備えた捜査主任官を据えた指揮命令系統を確立した上で、当該指揮命令系統を通じた適時適切な捜査指揮を徹底すること。

(2) 適切な捜索体制の編成及び捜索等の現場で起こり得る事態を想定した具体的指示等

捜査幹部は、捜索等の対象となる被疑者の属性や規模に応じて捜索現場全体を掌握して適時適切な指揮ができる階級の者を現場責任者とするとともに、サイバー対策部門や情報通信部門と緊密に連携を図るなどして、捜査対象に応じた適正な証拠品の押収のための捜索体制を編成すること。

また、捜索等に係る捜査方針を当該捜査に従事する捜査員に周知徹底するとともに、当該捜査に際して起こり得る事態に対する対応要領について、事案に即した具体的な指示をすること。

(3) 現場責任者による捜索等の進捗状況の的確な把握

捜査幹部は、現場責任者に対し、当該任務が現場全体を掌握し、捜索等の進捗状況等を的確に把握し、これに応じた捜査指揮を行うことであり、単に他の捜査員と同様の作業に従事することではないことを十分に認識させるとともに、現場での捜査指揮に当たり、判断に迷う場合等は、時期を失せず、捜査幹部へ指揮伺いをさせること。

2 昨今の情勢を踏まえた指導教養

組織犯罪対策課は、匿名・流動型犯罪グループが警察対策用の情報共有アプリを開発しているなど、犯罪組織による情報通信技術の活用に係る昨今の犯罪情勢等を踏まえて、適正な証拠収集が行われるよう、スマートフォンをはじめとする情報通信機器の押収要領や最新の資機材を有効活用した解析方法等について、捜査員らに継続的な指導・教養を実施すること。

3 適正捜査の確保に向けた環境整備

(1) 捜査員の意識の醸成

捜査員に対し、個人の基本的人権を尊重し、かつ公正誠実に捜査の権限を行使しなければならないことや、対峙する被疑者等の姿勢・態度に惑わされることなく、冷静周密に状況を判断して適正に捜査することの重要性について、継続的に教養を行うなど、個々の捜査員の意識の醸成に繋がる取組を推進すること。

(2) 自浄機能の強化

捜査員が捜査上の不適切行為を見聞きするなどした場合には、上司等への報告はもとより、刑事総務課に捜査に関する現場捜査員等の相談・意見等の窓口が設置されており、同窓口へ通報をした現場捜査員等は組織的に保護されることについて周知を図るなど、捜査上の不適切行為に関する情報が、早期に組織へ共有され、必要な対応がなされるよう、自浄機能の強化のための取組を推進すること。

組織犯罪捜査における適正捜査の再徹底について(依命通達)

令和8年1月29日 達(組対)第47号

(令和8年1月29日施行)

体系情報
刑事部
沿革情報
令和8年1月29日 達(組対)第47号