○妨害運転等の悪質・危険な運転に対する厳正な対処について(依命通達)
令和8年3月24日
達(交企、交規、交指、運免)第178号
[原議保存期間 5年(令和13年3月31日まで)]
[有効期間 令和13年3月31日まで]
みだしのことについては、次のとおりであるので、諸対策を一層推進されたい。
なお「妨害運転等の悪質・危険な運転に対する厳正な対処について」(令和2年6月18日付け達(交企、交指、運免、交規)第254号。)については廃止する。
記
1 趣旨
妨害運転等の悪質・危険な運転に対する諸対策については、これまで「妨害運転等の悪質・危険な運転に対する厳正な対処について(依命通達)」(令和2年6月18日付け達(交企、交指、運免、交規)254号。以下「旧通達」という。)により指示していたところであるが、道路交通法の一部を改正する法律(令和2年法律第42号)により、妨害運転に対する罰則の創設等が行われてからもなお、全国的には、妨害運転等に起因する交通死亡事故が継続的に発生している情勢を踏まえ、妨害運転等の悪質・危険な運転の抑止と厳正な指導取締りの徹底を図るものである。
2 広報啓発活動の推進
以下の内容について、ウェブサイト、SNS、広報紙等の各種媒体、交通情報板、各種交通安全イベントや交通安全教室等の場を効果的に活用し、広報啓発を推進すること。
また、その際には、地域交通安全活動推進委員、交通安全活動推進センター、交通ボランティア等との協力、地方運輸局、道路管理者、各自治体、その他交通関係機関・団体等との緊密な連携を図ること。
(1) 他の車両等の通行を妨害する目的で、急ブレーキ禁止違反や車間距離不保持等の違反を行うことは、厳正な取締りの対象となり、最大で3年の拘禁刑に処せられるほか、前記違反行為を行い著しい交通の危険を生じさせた場合は、最大で5年の拘禁刑に処せられるとともに、妨害運転をした者は運転免許の取消処分の対象となること。
また、このような悪質・危険な運転により人を死傷させた場合には、危険運転致死傷罪(妨害目的運転)等にも当たる場合があり、さらに厳罰に処せられ得ること。
(2) 自動車の運転者が全ての交通参加者に対し、「思いやり・ゆずり合い」の気持ちを持った運転を行う必要があること(速度に応じた適切な車両通行帯の利用、追越しをしようとする車への配慮、高速自動車国道において車種別に法定速度が異なることへの理解等を含む。)。
(3) 妨害運転を受けるなどした場合、サービスエリアやパーキングエリア等、交通事故に遭わない場所に避難するとともに車外に出ることなく110番通報すること。
(4) ドライブレコーダーが、被害を受けたことの認定に役立ち、かつ、被害防止にもつながること。
3 更新時講習及び安全運転管理者等に対する講習等における教育の推進
(1) 更新時講習等における教育
更新時講習等においては、妨害運転等の悪質性・危険性と結果の重大性及びこのような行為に対しては厳正な取締りが行われること、妨害運転を受けた時の対処法等の上記2に記載する事項を説明するとともに、更新時講習等に使用する教本や資料等に、これら特に周知すべき事項を分かりやすく記載するよう努めること。
また、運転免許の新規取得に係る教習においても、これらの点について教習が行われるよう、自動車教習所に対する指導を行うこと。
(2) 更新時講習等における運転適性検査による安全指導
違反を行った者に対する違反運転者講習等の更新時講習等において実施することとされている運転適性についての診断と指導において、運転者本人に自己の運転特性等を自覚させるとともに、その検査結果に基づいた安全指導を適切に行うこと。
(3) 安全運転管理者等に対する講習における教育
安全運転管理者等に対する講習においては、上記3(1)と同様に、妨害運転罪について説明し、各事業所等において、安全運転管理者等により、妨害運転等の抑止のための交通安全教育等が行われるよう努めること。
4 妨害運転等に対する厳正な指導取締りの徹底
(1) 厳正な指導取締りの徹底
他の車両等の通行を妨害する目的で行われる悪質・危険な運転が関係する事案を認知した場合には、客観的な証拠資料の収集等を積極的に行い、妨害運転罪や危険運転致死傷罪(妨害目的運転)等のあらゆる法令を駆使して、厳正な捜査の徹底を期すこと。
(2) 県本部に対する速報
上記4(1)の事案を認知した場合には、交通指導課に速報すること。
(3) 積極的な交通指導取締り
妨害運転等の悪質・危険な運転を未然に防止するため、車間距離不保持、進路変更禁止違反、急ブレーキ禁止違反等の道路交通法違反について、積極的な交通指導取締りを推進すること。
5 妨害運転等を行う悪質・危険な運転者に対する行政処分の実施
(1) 迅速かつ確実な行政処分の上申
妨害運転をした者は、当該行為のみで運転免許の取消処分の対象となることから、このような運転を行う悪質・危険な運転者を早期に道路交通の場から排除するため迅速かつ確実な行政処分の上申を行うこと。
また、妨害運転罪や危険運転致死傷罪(妨害目的運転)等の適用が困難な場合であっても、悪質・危険な運転に起因し暴行、傷害、脅迫、器物損壊等(以下「関連行為」という。)が伴う場合には、当該関連行為の実態や、これまでの同人の行政処分の前歴や違反歴等、その者に認められる心理的不適格性を推定せしめる外部的事実を踏まえながらこれを評価し、その結果として、同人について、今後、自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあると認めたときは、危険性帯有(道路交通法第103条第1項第8号)の対象者として、適切に行政処分の上申を行うこと。
(2) 事案発生の際の運転免許課への報告
妨害運転(著しい交通の危険)によって交通事故を起こして人を死亡させ、又は傷つけた場合については、運転免許の効力の仮停止の対象となるほか、妨害運転(著しい交通の危険)及び妨害運転(交通の危険のおそれ)の違反行為は仮運転免許の取消処分の対象となることから、各署・各隊にあっては、妨害運転に関係する事案を認知した場合には、運転免許課に速報すること。