○詐欺電話の防止に係る取組及びなりすまし(特殊)詐欺等の被害防止に向けた関係団体等への働き掛けの更なる推進について(依命通達)
令和8年3月12日
達(生企)第141号
[原議保存期間 3年(令和11年3月31日まで)]
[有効期間 令和11年3月31日まで]
みだしのことについて、次により効果的に推進されたい。
記
1 趣旨
全国における令和7年中のなりすまし(特殊)詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知件数は42,900件、被害額は約3,241億円と認知件数・被害額共に過去最悪の被害となり、極めて深刻な情勢である。
なりすまし(特殊)詐欺については、当初接触ツールの約8割が電話であり、犯行に利用された電話番号の約7割を国際電話番号が占めている。また、当初接触ツールとして携帯電話の利用が前年と比べ2倍以上増加しているほか、警察官等をかたり捜査(優先調査)名目で現金等をだまし取る、いわゆるニセ警察詐欺による被害が顕著である。さらに、20~30代の被害者の認知件数が2倍以上増加しており、若い世代の被害が拡大している状況にある。
SNS型投資・ロマンス詐欺については、バナー等広告やダイレクトメッセージが当初接触手段の7割以上を占めているほか、被害金等交付形態として暗号資産送信型の被害が2倍以上に急増しており、また、幅広い年代に被害が及んでいる状況にある。
なりすまし(特殊)詐欺の犯行手口を踏まえれば、犯人からの電話を直接受けないことで被害の大部分を防止することが可能であると考えられるところ、詐欺電話の防止に係る取組を強力に推進することが効果的である。
同時に、なりすまし(特殊)詐欺、SNS型投資・ロマンス詐欺その他の詐欺(以下「なりすまし詐欺等」という。)の被害防止を一層推進するためには、自分自身もいつかはだまされるとなりすまし詐欺等の被害を自分事として捉え、県民一人ひとりが被害に遭わないための具体的な対策を講じることが重要である。県民の行動変容を促すためには、ひとり警察のみならず、社会全体で取り組んでいくことが効果的であり、県民の生活に深く関連する公的機関や事業者を含む関係団体、自治体、自治会、民間事業者等の警察以外の主体による取組を喚起することが不可欠である。
以上を踏まえ、下記の点に留意しつつ、詐欺電話の防止に係る取組及びなりすまし詐欺等の被害防止に向けた関係団体等への働き掛けを強力に推進するものである。
2 詐欺電話の防止に係る取組
(1) 携帯電話対策
携帯電話に対する犯人からの電話を直接受けないための対策として、詐欺電話や国際電話を自動で遮断する機能等を実装した、なりすまし詐欺等の被害防止に有効な携帯電話用アプリケーションの普及を図るため、警察庁において、令和7年12月より「特殊詐欺対策アプリに係る警察庁推奨制度」(別添1)を開始した。
今般、警察庁推奨アプリの認定及び県民への普及に向けた取組の推進について(令和8年3月12日付け)のとおり、警察庁推奨アプリを認定したことから、ウェブサイト・SNS・ポスター・チラシ等各種広報媒体を活用するほか、巡回連絡・戸別訪問・防犯講習・広報啓発イベント等個別かつ直接的な働き掛けが可能な各種警察活動や各種イベントの機会を通じて、県民に警察庁推奨アプリの利用を推奨し、普及促進に努めること。
(2) 固定電話対策
固定電話に対する犯人からの電話を直接受けないための対策については、これまで、今後の特殊詐欺対策の重点取組事項について(令和6年3月19日付け達(組対、生企、少対、サ対)第164号)、なりすまし詐欺に悪用される国際電話番号からの着信を受けないための対策の推進について(令和6年9月24日付け達(生企)第435号)及び国際電話の利用休止促進に向けた関係団体、自治体等への働き掛けについて(令和6年3月19日付け達(生企)第322号)に基づき推進してきたところであり、国際電話の利用休止申込みや自動通話録音、警告音声、迷惑電話番号からの着信拒否等の防犯機能を有する機器の設置が促進されているところである。
しかし、依然として固定電話をなりすまし詐欺の当初接触ツールとして悪用する手口や国際電話番号が犯行に利用されている実態が顕著であることから、引き続き上記通達に基づく取組を強力に推進すること。
3 なりすまし詐欺等の被害防止に向けた関係団体等への働き掛け
警察庁においては、別添2及び3の依頼文のとおり、関係団体等へ警察庁推奨アプリの普及促進に向けた働き掛けを行うところ、各関係所属においても、当該依頼文を参考に、防犯協会、職域の防犯団体、防犯ボランティア団体等の関係団体、自治体、自治会、民生委員、児童委員、社会福祉協議会等の公的機関、顧客宅を戸別訪問している郵便局や信用金庫、宅配・宅食業者、デイサービス等介護事業者等の高齢者と関係の深い団体、民間事業者のほか、高齢者の孫世代に対する働き掛けや被害者の年齢層が20~30歳代に広がっていることも考慮した啓発を想定して各種学校、経済団体等も含め、幅広い団体に対し、自らの構成員や従業員等に向けた
・ なりすまし詐欺等の欺罔の手口の特徴
・ 犯行に頻繁に利用されているツールやプラットフォーム
・ 警察庁推奨アプリの利用や国際電話利用休止といった具体的に講じるべき対策
・ 実際に被害に遭われた方からのメッセージ
等の広報啓発の実施を要請し、県民一人ひとりが、自分自身もいつかはだまされるとなりすまし詐欺等の被害を自分事として捉え、ひとり警察のみならず、社会全体で、なりすまし詐欺等の被害防止に向けた取組が推進されるよう、機運醸成に努めること。