○古物営業法等の解釈運用基準について(依命通達)

令和8年5月29日

達(生企)第306号

[原議保存期間 10年(令和19年3月31日まで)]

[有効期間 令和19年3月31日まで]

古物営業法(昭和24年法律第108号)等の解釈及び運用の基準については、古物営業法等の解釈運用基準等について(令和7年8月20日付け警察庁丙生企第61号)等により示達されていたところ、このたび、盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律(令和7年法律第75号)が本年6月1日から全面施行されることなどを受け、同基準が別添のとおり改正されたことから、同改正内容を関係事業者にも周知の上、古物営業法等の解釈及び運用に遺漏のないようにされたい。

別添

古物営業法等の解釈運用基準

古物営業法(昭和24年法律第108号。以下「法」という。)、古物営業法施行令(平成7年政令第326号。以下「令」という。)及び古物営業法施行規則(平成7年国家公安委員会規則第10号。以下「規則」という。)の施行に関し必要な解釈及び運用の基準は次のとおりとする。

本解釈及び運用の基準で使用される用語は、特に説明がされている場合を除き、法、令及び規則で使用されている用語である。(例:「仮設店舗」とは、法第5条第1項第5号に規定する仮設店舗をいう。「身分証明書等」とは、規則第15条第1項に規定する身分証明書等をいう。)

目次

第1 目的(法第1条関係)

第2 古物(法第2条第1項関係)

第3 古物営業(法第2条第2項関係)

第4 許可の基準(法第4条関係)

第5 許可の手続及び許可証(法第5条関係)

第6 許可の取消し(法第6条関係)

第7 閲覧等(法第8条の2関係)

第8 競り売りの届出(法第10条関係)

第9 古物競りあっせん業者の届出(法第10条の2関係)

第10 許可証等の携帯等(法第11条関係)

第11 標識の掲示等(法第12条関係)

第12 管理者(法第13条関係)

第13 営業の制限(法第14条関係)

第14 確認等及び申告(法第15条関係)

第15 帳簿等への記載等(法第16条~第18条関係)

第16 品触れ(法第19条関係)

第17 盗品及び遺失物の回復(法第20条関係)

第18 差止め(法第21条関係)

第19 古物競りあっせん業者の遵守事項等(法第21条の2~法第21条の4関係)

第20 古物競りあっせん業者に係る認定(法第21条の5関係)

第21 外国古物競りあっせん業者に係る認定(法第21条の6関係)

第22 競りの中止(法第21条の7)

第23 立入り及び調査(法第22条関係)

第24 指示(法第23条関係)

第25 営業の停止等及び聴聞の特例(法第24条及び法第25条関係)

第26 情報の提供(法第26条関係)

第1 目的(法第1条関係)

法の目的は、古物商が盗品等を取り扱う蓋然性が極めて高いという特殊性から、古物営業そのものを警察の監督下におき、盗品等の売買を阻止し、又は、その発見に努め、被害者の保護にあたるとともに、犯罪の検挙を容易にし、犯罪の予防を図り、国民生活の安寧を維持し、もって公共の福祉を増進することにある。

第2 古物(法第2条第1項関係)

1 「使用」の意義等

(1) 法第2条第1項中「使用」とは、物品をその本来の用法に従って使用することをいう。例えば、衣類についての「使用」とは着用することであり、自動車についての「使用」とは運行の用に供することであり、美術品についての「使用」とは鑑賞することであり、商品券についての「使用」とは、これを交付等して商品の給付等を受けることである。

(2) 法第2条第1項中「使用のために取引されたもの」とは、自己が使用し、又は他人に使用させる目的で購入等されたものをいう。したがって、小売店等から一度でも一般消費者の手に渡った物品は、それが未だ使用されていない物品であっても「古物」に該当する。例えば、消費者が贈答目的で購入した商品券や食器セットは、「使用のために取引されたもの」に該当する。

(3) 法第2条第1項中「幾分の手入れ」とは、物品の本来の性質、用途に変化を及ぼさない形で修理等を行うことをいう。例えば、絵画については表面を修補すること、刀については研ぎ直すことである。

2 金券類

(1) 法第2条第1項中「商品券」とは、当該証票を提示、交付等して商品の交付等を受けることができる証票をいい、百貨店等の商品券のほか、ビール共通券、図書カード、全国おこめ券等が含まれる。また、同項中「乗車券」とは、当該証票を提示、交付等して電車、列車、バス等に乗車することができる証票をいい、普通乗車券のほか、特急券、指定席券、電車やバスの回数乗車券等が含まれる。

(2) 令第1条第2号中「興行場」とは、映画、演劇、音楽、スポーツ、演芸又は観せ物を公衆に見せ、又は聞かせる場所をいう。また、同号中「美術館、遊園地、動物園、博覧会の会場」に類する「不特定かつ多数の者が入場する施設若しくは場所」とは、博物館、水族館、植物園等をいい、鉄道の駅や競馬場等の公営競技場はこれに該当しない。

(3) 令第1条第4号イに掲げるものには鉄道会社が発行し、乗車券などと交換可能なチケット類が、同号ロに掲げるものにはテレホンカード等が、同号ハに掲げるものにはタクシークーポン等が、同号ニに掲げるものには自動車専用道路の回数券等がそれぞれ含まれる。

3 大型機械類

(1) 令第2条第2号の「航空機」には、固定翼の航空機のほか、回転翼の航空機(ヘリコプター)、滑空機(グライダー)等が含まれる。

(2) 令第2条第3号の「鉄道車両」とは、鉄道の客車、貨車、機関車等をいい、索道(ロープウェイ等)等の車両はこれに含まれない。

(3) 令第2条第4号に該当する機械であるためには、

① 「コンクリートによる埋め込み、溶接、アンカーボルトを用いた接合」又は「これらと同等以上の強度を有する接合方法」により土地又は建造物に固定して用いられるものであること。

② 「容易に取り外すことができない状態」で土地又は建造物に固定して用いられるものであること。

③ 重量が1トンを超えるものであること。

の3要件を同時に満たさなければならない。

このうち、①の「コンクリートによる埋め込み、溶接、アンカーボルトを用いた接合」と「同等以上の強度を有する」接合方法とは、相当程度の外圧や自然力に対し、「コンクリートによる埋め込み、溶接、アンカーボルトを用いた接合」と同程度以上の耐性を有する接合方法をいう。なお、「アンカーボルト」とは、末端が二叉に分かれた埋込ボルトをいう。

また、②の「容易に取り外すことができない状態」で固定されているとは、①の要件を満たすことを前提として、更に外圧以外の何らかの作為を加えても取り外すことが困難な状態で固定されていることをいう。

例えば、アンカーボルトにより土地又は建造物に固定されて用いられる1トンを超える機械であって、①及び③の要件を満たすものであっても、当該機械とアンカーボルトを締め付けるナットがコンクリート等により覆い隠されておらず、露出しているため、そのナットを弛めれば容易に取り外すことができるようなものは、②の要件を欠き、令第2条第4号に掲げる機械には該当しない。

(4) 令第2条第5号の「自走することができるもの」とは、人力、電気、原動機その他動力の種類を問わず、その場所を移動できる構造又は装置を有するものをいう。したがって、油圧ショベル等原動機等を内蔵している機械のほか、自転車のように人力によってその場所を移動できる構造を有するものもこれに含まれる。

また、「けん引されるための装置」とは、車輪やけん引のためのフック等をいう。

4 使用することができない物品

社会通念上、本来の使用目的での使用ができなくなった物品は、古物に該当しない。ただし、当該物品が希少かつ鑑賞的価値を有し、歴史的な美術品と客観的に判断される場合等においては、規則第2条第1号の美術品類等として古物に該当し得る場合もある。

また、本来の使用目的での使用ができない廃製品も古物に該当しない。この判断は主観的に使用不可能又は不要であるのみならず、客観的に使用不可能と判断されて初めて廃製品となる。

5 部分品の取扱い

物品の部分品は、当該部分品のみでは本来の使用目的で使用できない場合もあるが、当該部分品が、通常備えている機能を有していれば、部分品単体でも古物に該当する。

例えば、規則第2条では、自動車、自動二輪車、原動機付自転車及び自転車類について、古物の区分に「部分品を含む」としているため、これらの部分品については当該区分に応じて本人確認や帳簿記載を行う必要がある。

第3 古物営業(法第2条第2項関係)

1 「営業」の意義

法第2条第2項各号中「営業」とは、一般に営利の目的をもって同種類の行為を反復継続して行うことをいい、この判断は、行為の実情に即して客観的になされるべきである。

営利目的ありと認められるためには、一つ一つの行為について、現実に、かつ積極的な利得のあることを必要とせず、一連の行為を包括的にみて利益をあげ得るものであることだけで十分である。したがって、法第2条第2項各号の営業者は、営利目的を有する者に限られることになり、営利を目的としない者は、たとえ、その営業内容が同項各号の営業と同様であっても、法における営業の概念には該当しないことから許可又は届出は必要としない。例えば、古物の買取り等を行い、当該古物を第三者に寄付、無償譲渡する場合については、古物の買取り等を行う営業とは認められないことから「古物営業」に該当しないと判断される。

また、その行為が、その者が主として行う本業、本職である場合だけでなく、臨時的に行う副業、内職等というべき場合においても、それは法にいう営業と認められる。

2 第1号関係

(1) 法第2条第2項第1号中「委託を受けて」とは、ある法律行為又は事実行為をすることを他人から依頼され、それを引き受けてという意味であって、民法(明治29年法律第89号)上の委任(民法第643条)と同じ意味である。

この委託関係は、受任者の多少に関わらず、その裁量によって事務を処理させるのであるから、単に仲介だけをする斡旋とは異なる。

(2) 法第2条第2項第1号中「自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けること」とは、あくまでも自己が売却した物品を当該売却の相手方から第三者を介在させず直接買い受けることに限られる。すなわち、例えば、AがBに売却した物品をBがCに売却又は委託した上で、AがCから買い受ける行為はこれに該当しない。

なお、ここでいう「自己」とは、法的人格を一にすることをいい、例えば、A県に甲営業所を、B県に乙営業所を有する法人の場合、甲営業所で売却した物品の売却の相手方から当該物品を乙営業所で買い受けることも、「自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けること」に該当する。

(3) 法第2条第2項第1号中「古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行う営業」には、「古物を売却すること」及び「自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けること」の双方の行為を行っているが、それ以外の行為を行っていない営業もこれに該当する。

3 第2号関係

法第2条第2項第2号の「古物市場」とは、複数の古物商が来集し、当該古物商間における古物の円滑な取引のために利用される場所であり、「古物市場主」とは、古物市場を複数の古物商にその取引の場として提供し、その取引を円滑に行わせることにより、入場料、手数料等を徴収する形態の営業を行う者である。

したがって、古物商間の取引に利用させるため場所を提供している者であっても、無料で提供している場合はもちろん、室料等を徴収しているが、それが単なる場所の提供の代価にとどまり、古物商間の取引の遂行に一切関与しないような場合は、古物市場主には該当しない。

4 古物営業の該当性

(1) リサイクルショップ、バザー、フリーマーケット等における取引

いわゆるリサイクルショップやバザー、フリーマーケット、インターネット上のフリマサイト等において行われている取引が古物営業に該当するかどうかについては、その取引の実態や営利性等に照らし、個別具体的に判断する必要がある。

例えば、無償又は引取料を徴収して引き取った古物を修理、再生等して販売する形態のリサイクルショップは、法第2条第2項第1号の「古物を売却すること」のみを行う営業として法の規制の対象から除外されるが、古物の買取りを行っている場合には、古物営業に該当する。

一方、いわゆるバザーやフリーマーケットについては、その取引されている古物の価額や、開催の頻度、古物の買受けの代価の多寡やその収益の使用目的等を総合的に判断し、営利目的で反復継続して古物の取引を行っていると認められる場合には、古物営業に該当する。

(2) 古物の下取りに伴う商品の値引き

ア 新品を販売する業者が、下取りとして古物を引き取る場合、通常古物の買取りを行うものであるから、これを業として行えば法第2条第2項第1号の古物営業に該当するが、当該取引行為が、いわゆる「サービスとして行う値引き」としてとらえることができるときは、古物営業に該当しない。

イ 新品の販売に伴う下取り行為が、次の要件をすべて満たす場合は、「サービスとして行う値引き」に該当する。

(ア) 形式的要件

下取りした古物の対価として金銭等を支払うのではなく、販売する新品の本来の売価から一定金額が差し引かれる形での経理上の処理が行われていること。

(イ) 実質的要件

a 下取りが、顧客に対するサービスの一環であるという当事者の意思があること。

b 下取りする個々の古物の市場価格を考慮しないこと。

ウ 運用上の留意事項

(ア) 新品の販売を伴わず、古物の対価として事後に新品購入時に使用できるクーポン券やポイントを交付する行為については、イ(イ)の要件を満たしていることを前提として、当該クーポン券やポイントが、当該交付をした相手方本人に限り使用でき、かつ、当該古物と同種の物品を購入する際に使用できる場合に限り、「新品の販売に伴う下取り行為」として取り扱う。

(イ) 下取りする古物に関して、年式、型式、傷の有無等により価格差を設ける場合には、実質的要件を満たさない。

5 古物競りあっせん業(法第2条第2項第3号及び第5項関係)

(1) 「あつせん」の意義

法第2条第2項第3号における「あつせん」とは、インターネット・オークション事業者について、古物を売却しようとする者と古物を買い受けようとする者とが、当該事業者の提供するシステムを利用することにより、競りの結果として相互に結び付くという機能が生じることを指すものである。

(2) 「競りの方法」の意義

法第2条第2項第3号中「競りの方法」とは、多数人に対し、お互いの提示条件を知ることができる状態で買受けに係る申出をさせ、最も有利な価格での買受けの申入れ者を決定する方法をいう。したがって、買受けに係る申出をする者がお互いの提示条件を知ることができないものや、古物を買い受けようとする者が売却しようとする者を募るものは、該当しない。

ア 令第3条第1項中「その者から送信された古物に関する事項」とはいわゆる出品情報を、同項中「その買受けの申出に係る金額」とは入札額等をそれぞれ指す。

イ 令第3条第1項中「電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供」することの意義については、ウェブサイトに掲載することを指す。

(3) 古物競りあっせん業における「営業」の意義

法第2条第2項第3号中「営業」とは、第3の1のとおりであるが、具体例としては、出品料、落札手数料、システム利用料等その名称の如何を問わず、利用者からインターネット・オークションに係る対価を徴収している場合が「営業」に当たる。したがって、サイトのバナー広告により収入を得ており、利用者からインターネット・オークションに係る対価を徴収していない場合には、ここでいう「営業」には当たらない。

また、いわゆるe-マーケット・プレース(インターネットを利用して事業者間の取引を電子的に処理する電子商取引市場をいう。以下同じ。)等に複数の事業者が参加し、参加する個々の事業者が散発的に古物を売却した場合でも、e-マーケット・プレース等の全体から見て、古物の売買をしようとする者のあっせんを反復継続して行うことに至らなければ、「営業」には当たらない。

(4) 「古物競りあつせん業者」の範囲

法は日本国内で適用されるものであるから、法第2条第5項に規定する「古物競りあつせん業者」は、日本国内に「営業の本拠となる事務所」(法第10条の2第1項)を有する者に限られる。この場合、「事務所」(営業の活動の拠点となっている施設又は施設の区画された部分をいう。以下同じ。)が日本国内に1つある場合には当該事務所が、複数ある場合にはそれらのうち主たるものが、それぞれ「営業の本拠となる事務所」に当たる。

第4 許可の基準(法第4条関係)

1 第1号関係

法第4条第1号該当の有無については、原則として、規則第1条の3第3項第1号ハ、第2号ハ及び第3号ロの市区町村の長の証明書による書面審査により判断すること。

ただし、外国人については、当該市区町村長の証明書が交付されないため、当該書類を添付させることを要しない。

2 第2号関係

(1) 「刑に処せられ」とは、当該刑の宣告(略式命令により罰金刑に処せられた場合は、当該略式命令の告知)を受け、その刑が確定したものをいい、執行猶予付きの拘禁刑も当然これに含まれる。

刑の執行猶予の言い渡しを受けてその期間が経過した者又は大赦若しくは特赦を受けた者は、「刑に処せられ」た者には該当しない。

(2) 「その執行を終わり」とは、その刑の執行を受け終わったという意味であり、仮釈放した者は仮釈放期間が終了したときに刑の執行を受け終わったこととなる。また、「執行を終わった日から起算して5年」は、受刑の最終日の翌日から起算する。

(3) 「執行を受けることがなくなつた」とは、刑が確定した後、刑の執行を受けることなく一定期間を経過したため刑の時効が完成した場合、恩赦により刑の免除を受けた場合等をいう。刑の執行猶予期間が満了した場合や、大赦又は特赦の場合には、刑の言渡し自体がその効力を失うことになるので、5年の経過を待つまでもなく資格を回復することになり、ここにいう「執行を受けることのなくなつた」場合には該当しない。

(4) 法第4条第2号該当の有無については、申請者の本籍地の市区町村長に対する前科照会により判断すること。

3 第3号関係

(1) 法第4条第3号には、次のようなものが該当する。

○ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。以下「暴対法」という。)第2条第6号に規定する暴力団員(以下単に「暴力団員」という。)

○ 暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

○ 暴力団以外の犯罪的組織の構成員で、当該組織の他の構成員の検挙状況等(犯罪率、反復性等)から見た当該組織の性格により、強いぐ犯性が認められる者

○ 過去10年間に暴力的不法行為等(規則第1条)を行ったことがあり、その動機、背景、手段、日常の素行等から見て強いぐ犯性が認められる者

(2) 法第4条第3号該当の有無については、申請者の氏名(フリガナを含む。)、性別及び生年月日を所定の電磁的方法により記録したデータ(以下「申請者データ」という。)を添えて、暴力団対策主管課に対し、暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者に該当するか否かを照会するほか、必要に応じ、2(4)の前科照会の結果、部内資料、家族又は知人に対する聞き込みによる日常の素行の調査等により、総合的にぐ犯性を判断すること。

4 第4号関係

(1) 法第4条第4号中の暴対法第12条の規定による命令を受けた者とは、指定暴力団員に暴力的要求行為(同法第2条第7号)をするよう依頼したり、指定暴力団員による暴力的要求行為をその現場で助けたため、公安委員会から再発防止命令や中止命令を受けた者をいう。

(2) 法第4条第4号中の暴対法第12条の6の規定による命令を受けた者とは、同法第12条の5で禁止される準暴力的要求行為を行ったため、公安委員会から中止命令や再発防止命令を受けた者をいう。

なお、準暴力的要求行為とは、指定暴力団等(暴対法第2条第5号)に所属していない者が、その指定暴力団等の名刺やバッジを借りるなどして、人に対して指定暴力団等の威力を示し、不当な要求を行う行為をいう(同条第8号)。

(3) 法第4条第4号中の暴対法第12条の4第2項の規定による指示を受けた者とは、指定暴力団等の暴力団員から準暴力的要求行為を行うよう求められた者のうち、当該暴力団員と元々密接な関係を有すること等から、そのまま放置すれば準暴力的要求行為を行いかねないために、公安委員会から準暴力的要求行為をしてはならない旨の指示を受けた者をいう。

(4) 法第4条第4号該当の有無については、申請者データを添えて暴力団対策主管課に対し照会すること。

5 第5号関係

法第4条第5号中「住居」とは、人が居住して日常生活に用いている家屋等の場所をいい、その居住は永続的か一時的かは問わない。住居を転々としておらず、他人の住居を中心に日常生活を送っていると認められる場合は、「住居の定まらない者」には該当しない。

6 第9号関係

法第4条第9号中「営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者」とは、未成年者の中で親権者又は後見人から営業を営むことについて許可された者(未成年者登記を要する)以外の者をいう。

7 第10号関係

法第4条第10号の「第13条第1項の管理者を選任すると認められないことについて相当な理由がある」場合とは、管理者として選任しようとする者を具体的に決定していない場合や管理者として選任しようとする者が当該営業所又は古物市場に勤務しておらず、又は当該営業所又は古物市場において責任ある職に就いている者でなく、当該営業所又は古物市場に係る管理者の職務を適切に遂行することが到底期待できない場合等である。

8 第11号関係

法第4条第11号中「役員」とは、法人において、その業務の執行、業務の監査等の権限を有する者をいい、株式会社の取締役及び監査役、指名委員会等設置会社(会社法(平成17年法律第86号)第2条第12号)の執行役、持分会社の業務を執行する社員、一般社団法人及び一般財団法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)第2条第1号)並びに公益社団法人及び公益財団法人(公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号)第2条第1号及び第2号)の理事及び監事等をいう。

また、法の対象となる「役員」は、登記されているかによらず、法人の根拠法令において役員としての権限を有する者をいう。

第5 許可の手続及び許可証(法第5条関係)

1 営業所(法第5条第1項第2号関係)

(1) 「営業所」とは、人の営業の本拠であって、営業全般についての法律的事実的行為の責任の所在場所をいう。

したがって、営業上必要な帳簿や商品を保管する事務所、店舗等を含めた意味である。

行商のみを行う者については、その住所又は居所を営業所とみなして営業所と同等の責任の所在場所としている。

(2) 主たる営業所は、会社法上の本店と一致する場合が多いと思われるが、他の事業の営業を併せて行っている場合等であって、古物営業に係る営業の中心となる営業所が会社法上の支店であるときは、主たる営業所が会社法上の本店と一致しない場合もあり得る。

(3) その他の営業所とは、主たる営業所の所在する都道府県の区域内に所在するものだけでなく、古物営業を行う全ての営業所をいう。

古物営業を行う全ての営業所とは、古物の買受けのみを行う営業所、古物の売却のみを行う営業所を含む。

2 許可申請書に記載する古物の区分(法第5条第1項第3号関係)

(1) 規則第2条第4号中「自動車」とは、道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第1項第9号に規定する自動車のうち同法第3条に規定する大型自動二輪車及び普通自動二輪車以外のものをいい、道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第3条に規定する軽自動車又は小型自動車であって三輪又は四輪のものを含む。

(2) 規則第2条第5号の「自動二輪車」とは、道路交通法第3条に規定する大型自動二輪車及び普通自動二輪車をいい、道路運送車両法第3条に規定する軽自動車又は小型自動車であって二輪のものを含む。

また、同号中「原動機付自転車」とは、道路交通法第2条第1項第10号に規定する原動機付自転車をいう。

(3) 規則第2条第4号、第5号又は第6号の「部分品」とは、自動車、自動二輪車、原動機付自転車又は自転車の一部を構成する物品であって、これらの一部を構成して用いられるものをいう。

(4) 令第2条第1号の「総トン数20トン未満の船舶及び端舟その他ろかいのみをもって運転し、又は主としてろかいをもって運転する舟」は、規則第2条第9号の機械工具類に含まれる。

3 行商(法第5条第1項第5号関係)

(1) 「行商」の意義

法第5条第1項第5号の「行商」とは、古物商が営業所以外の場所で行う古物の取引をいう。

したがって、

① 自動車のセールスマン等が取引の相手方の住所又は居所において行う古物の売買

② 古物市場において古物商間で行う古物の取引

③ いわゆる展示即売会における古物の売却

④ 仮設店舗における古物の売買

等は全て行商に含まれる。

(2) 「仮設店舗」の意義

仮設店舗とは、営業所以外の場所に仮に設けられる店舗であって、容易に移転することができるものをいい、その営業の責任の所在場所が固定されていないものであり、例えば、催事場等のブース、車両を駐車して店舗として用いる出店、屋台等が想定される。

一定の期間に限らずその場所で継続的に営業を行うために設けられるものについては、法第14条の趣旨に鑑み認められない。

(3) 古物を売却する自動販売機

ア 古物商の設置に係る古物を売却する機能のみ有する自動販売機については、その売却の形態に鑑み、「仮設店舗」に該当するものと解する。

したがって、当該自動販売機を設置しようとする古物商は、許可申請書に行商をする者である旨を記載している必要があり、許可申請書に行商をする者である旨を記載していない場合は、その点について変更届出書を提出しなければならない。

イ 自動販売機を設置する際には、個々の自動販売機に標識を掲示しなければならない。

ウ 自動販売機を設置する古物商又はその代理人等は、当該自動販売機により古物を売却するときには、許可証又は行商従業者証を携帯しなければならず、取引の相手方から求められたときには、許可証等を提示しなければならない。

法第11条第3項の許可証等の提示義務については、自動販売機に古物商又はその代理人等の連絡先を記載し、連絡を受けた場合には、速やかに自動販売機の設置場所に赴いて許可証等を提示できるようにするなど、これらの義務を適切に履行することができる体制が確保されるよう指導すること。

エ なお、法第16条及び規則第18条により、古物を引き渡した相手方の住所、氏名等の帳簿等への記載義務が課されている美術品類、時計・宝飾品類等の古物は、自動販売機により売却することはできないと解される。

4 URLの届出(法第5条第1項第6号関係)

(1) 許可申請書へのURL等の記載義務

古物商に係る古物営業の許可を受けようとする者は、ウェブサイトを利用して古物の取引をしようとする場合は当該ウェブサイトの送信元識別符号(以下「URL」という。)を、それ以外の場合はその旨を、許可申請書の記載事項として公安委員会に届け出なければならない。(法第5条第1項本文及び第6号)。

法第5条第1項第6号中「国家公安委員会規則で定める通信手段」は、「取引の相手方と対面しないで使用できる通信手段」である。(規則第2条の2)。

ア 法第5条第1項第6号中「電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によつて直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい、放送又は有線放送に該当するものを除く。・・・)により公衆の閲覧に供」することは、ウェブサイトに掲載することを指す。

イ 法第5条第1項第6号中の「国家公安委員会規則で定める通信手段」として定められた「取引の相手方と対面しないで使用できる通信手段」(規則第2条の2)とは、電話、電子メール、郵便等非対面で使用できる通信手段をいう。

ウ 法第5条第1項第6号中「自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号その他の符号」とは、ウェブサイトのURLを指す。

エ 古物の売買、交換等の申込みの誘引が行われていないウェブサイトは、法第5条第1項第6号に規定する「取り扱う古物に関する事項を・・・公衆の閲覧に供し、その取引の申込みを・・・受ける方法」を用いることには当たらないので、URLの届出対象とはならない。

また、個々の情報ごとに無作為にURLが割り当てられ、古物商が一定のURLを反復継続して用いることができないインターネット上の掲示板に、古物取引に関する情報を掲載する場合も、URLの届出対象とはならない。

(2) URLの記載上の留意事項

許可申請書にウェブサイトのURLを記載する場合には、英字を活字体で記入するほか、誤読されやすい文字等に適宜ふりがなをふらなければならない(規則別記様式第1号)。

ただし、ワープロソフト等によりURLを印字した別紙を許可申請書に添付する場合は、URLを記載してふりがなをふる必要はない。

(3) 許可申請書の添付書類

ア ウェブサイト利用取引を行おうとする場合にあっては、規則第1条の3第3項第5号に規定する資料を許可申請書に添付することとされている。

イ 規則第1条の3第3項第5号中「当該古物に関する事項に係る自動公衆送信の・・・送信元識別符号・・・を使用する権限のあることを疎明する資料」には、申請者がプロバイダ等からそのウェブサイトのURLの割当てを受けた際の通知書の写し等が該当する。

これらの資料を紛失、汚損等した場合は、株式会社日本レジストリサービスの「WHOIS」で公開されている情報で所要の疎明ができるならば、当該情報を印刷した書面を提出することもできる。

ウ イの通知書に申請者に係るID・パスワードが記載されている場合には、これらが消除された写しを提出することが望ましいので、この旨を周知すること。

また、仮に申請者が当該ID・パスワードが記載されたものを持参した場合には、申請者に対しその旨を教示すること。

(4) 営業の方法に係る変更の届出

既に許可を受けている古物商が、新たにウェブサイトを利用した古物の取引を開始したとき又は届出済みのURLを変更したときも、(1)と同様の届出が必要となる。

5 役員に関する添付書類(法第5条第1項第7号関係)

(1) 法人の役員のうち、日本国内に居住していない者については、住民票の写しに代わる書面として、外国政府が発行した住民票の写しに準ずる書面、身分証明書の写し等の添付を求めること。

(2) 法人の役員のうち、登記事項証明書に記載がない者がいる場合には、定款、役員名簿、議事録等の提出を求め、当該法人の役員について特定すること。

6 不許可の場合の手続(法第5条第3項関係)

法第5条第3項の規定による許可をしない旨の通知に係る理由付記は、具体的な事実を摘示して行うこと。

7 許可証の再交付(法第5条第4項関係)

法第5条第4項の「許可証」を「亡失」した場合とは、紛失、盗取等により許可証の所在が不明になった場合をいい、同項の「許可証が滅失」した場合とは、焼失等により許可証が物理的に消滅した場合をいう。

8 株式会社の新設分割に伴う古物営業法上の手続

(1) 新規許可の要否

新設分割により新たに設立される新会社は、分割元の株式会社とは別法人であることから、分割元の株式会社の有していた古物商の許可を承継することができない。

したがって、新会社が古物営業を行うためには、新会社自身による新規許可を要することとなる。

(2) 設立中の法人による許可申請の可否

分割元の株式会社が行っていた古物営業を新設分割による新会社が引き継ぐ場合には、設立後、直ちに古物営業を行うことができるよう、新設分割による設立中の法人による許可申請を、法令に定められた申請の形式上の要件に適合する申請であると認めることとして差し支えない。

(3) 設立中の法人による許可申請の手続

新設分割による設立中の法人による許可申請においては、許可申請書の「申請者」欄及び「氏名又は名称」欄には、例えば、「○○株式会社(設立中)」と記載することとなる。また、申請書には「定款及び登記事項証明書」を添付することが定められているところ、「定款」については、新設分割する会社により正式に作成されていることを要する。「登記事項証明書」については、登記が行われなければ存在しないが、申請者である法人の確認を行うため提出を義務付けているものであることから、新設分割による設立中の法人及び分割計画の確認を行うことができる書類(取締役会議事録の写し、分割計画書に対する株主総会の承認に関する議事録の写し等)の提出を「登記事項証明書」の提出と解することができる。

なお、新設分割による設立中の法人に対して許可を与える場合においては、許可証には「○○株式会社(設立中)」と記載するなどしてその旨を明記して交付し、法人設立後、登記事項証明書の提出を受けて申請どおりに設立がなされたか否かを確認し、許可証の書換えを行うこと(書換え申請による。)。

(4) 分割元の株式会社による許可証返納の要否

分割元の株式会社は、古物営業を廃止したときは、遅滞なく許可証を返納しなければならない。

9 株式会社の吸収合併に伴う許可手続

吸収合併とは、会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社(存続会社)に承継させるものであるが、古物営業許可は、対人許可であることから、消滅会社が有していた許可を存続会社に承継することはできない。

存続会社に古物営業の許可がない場合、存続会社は合併前の状態で古物営業許可申請を行い、許可を受け、合併後に役員変更等の変更届を行うべきである。また、合併後は、消滅会社の許可証の返納義務が生じる。

第6 許可の取消し(法第6条関係)

1 許可の取消しを行うべき公安委員会

許可の取消しは、主たる営業所又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会が行うものとする。

複数都道府県の区域内に営業所を有する古物商又は古物市場主(以下「古物商等」という。)の許可を取り消す場合には、その調査に当たり、関係する公安委員会は、相互に必要な協力を行うこと。

2 簡易取消し(法第6条第2項及び第3項関係)

(1) 必要な調査

古物商等に対して法第6条第2項に規定する取消しの手続を開始するに当たっては、

○ 古物商等の住所や営業所等の関係場所への現地確認

○ 許可申請時に届け出た電話番号への電話連絡

○ 簡易書留等の追跡調査が可能な郵便の発出

をそれぞれ実施するなど所要の措置を実施し、古物商等の所在や営業所等の関係場所を確知できないことを確認すること。

(2) 公告の方法等

法第6条第2項の規定に基づく公告をする場合は、各都道府県の官報サービスセンターへ掲載依頼を行うこと。

法第6条第2項の規定に基づく公告の後に古物商等から申出がなく、許可を取り消した場合は、古物商等の所在が不明であることを踏まえ、

○ 法第6条第2項の規定に基づき古物商等の許可を取り消したこと

○ 行政不服審査法(平成26年法律第68号)第82条第1項の規定に基づく教示内容

○ 行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)第46条第1項の規定に基づく教示内容

について公告すること。当該公告についても、各都道府県の官報サービスセンターへ掲載依頼を行うこと。

第7 閲覧等(法第8条の2関係)

1 公安委員会のURL等の供覧義務

公安委員会は、ウェブサイトを利用して古物の取引をする古物商について、その氏名又は名称、当該ウェブサイトのURL及び許可証の番号を、自己のウェブサイトに掲載するものとされている(法第8条の2第1項)。

ウェブサイトへの掲載は、当該古物商の許可をした公安委員会のウェブサイトにおいて行うものとする。

法第8条の2第1項中「電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供する」ことの意義については、第5の4(1)アを参照のこと。

2 掲載内容の更新

ウェブサイトに掲載されているURL等に変更があった場合には、公安委員会は、遅滞なく、その掲載内容を更新するものとされている(法第8条の2第2項)。

掲載内容の更新は、特段の事情がない限り、古物商よりURL等の届出があった日から20日以内に行うようにすること。ただし、掲載内容の更新は「遅滞なく」行うものとされているので、合理的な理由により20日より遅滞することは許容されている。

第8 競り売りの届出(法第10条関係)

1 「競り売り」の意義

「競り売り」とは、多数人に対し、お互いの提示条件を知ることができる状態で買受けに係る申出をさせ、最も有利な価格での買受けの申入れ者を決定する取引方法をいう。

売買価格につき多数の者を競争させて、そのうちで最も有利な価格を申し出た者を相手として売買契約を締結する全ての場合を含むべきものと解すべきであって、通常は1人の売り手が多数の買い手に価格を競争させる競り上げの場合を指すことが多いが、売り手が一方的に価格を下げながら買い手を求める「たたき売り」の場合も競り売りに含まれる。

また、ウェブサイト上で、古物商が古物を示して、参加者がお互いの提示条件を知ることができる状態で値段を競り上げる行為は競り売りに該当するが、お互いの提示金額が分からないよう、買受け希望金額を紙に書いて箱に投入させ、後に最高金額を示した者に買受させる行為は入札であり、競り売りではない。

2 届出の方法

法第10条第1項の競り売りの届出については、その日時及び場所が確定しており、かつ、実施されることが確実である限り、複数の競り売りについて一括して届け出ることも許容される。

ただし、届出後、予定が変更となった場合には、速やかに届出書の提出先である警察署にその旨を届け出る必要がある。

3 ウェブサイトを利用した競り売りの届出(法第10条第3項及び第4項関係)

(1) 競り売りの届出義務(法第10条第3項関係)

古物商は、ウェブサイトを利用して古物の競り売りをしようとする場合には、あらかじめ、当該ウェブサイトのURL、競り売りをしようとする期間及び規則第8条第2項に規定する事項を公安委員会に届け出なければならないこととされている。

法第10条第3項中「国家公安委員会規則で定める通信手段」は、「取引の相手方と対面しないで使用できる通信手段」と定められている(規則第2条の2)。

ア 法第10条第3項中「電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供」することの意義については、第5の4(1)アを参照のこと。

イ 法第10条第3項中「自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号その他の符号」の意義については、第5の4(1)ウを参照のこと。

ウ 法第10条第3項中「競り売りをしようとする期間」については、引き続き6月以上営業を休止していることが許可の取消事由に含まれている(法第6条第3号)ことを踏まえ、6月を上限とするよう指導すること。

エ 規則第2条の2中「取引の相手方と対面しないで使用できる通信手段」の意義については、第5の4(1)イを参照のこと。

(2) 届出義務の例外(法第10条第4項関係)

法第10条第4項中「古物競りあつせん業者が行うあつせんを受けて」とは、インターネット・オークションに出品することを指す。

古物商がインターネット・オークションに出品して競り売りを行う場合に競り売りの届出は必要ないこととされているのは、古物競りあっせん業者からは、別途そのURL等の届出を受けることとされているので、古物商から重ねてURL等の届出を受けなくとも、インターネット・オークションに出品されている古物を把握し、盗品等に相当するものがあるかどうかを確認することが可能であるからである。

(3) 競り売り届出書の記載要領

競り売り届出書にURLを記載する場合の留意事項については、第5の4(2)を参照のこと(規則別記様式第10号の2)。

第9 古物競りあっせん業者の届出(法第10条の2関係)

1 営業開始の届出義務(法第10条の2第1項関係)

古物競りあっせん業者は、営業開始の日から2週間以内に、営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会に、氏名又は名称、住所又は居所、事務所の名称及び所在地のほか、規則第9条の2第4項に規定する事項を記載した届出書を提出しなければならないこととされている。

(1) 規則第9条の2第4項第1号中「営業を示すものとして使用する名称」とは、「○○オークション」、「□□□市場」といった、インターネット・オークションのサイト名等をいう。

(2) 届出書にURLを記載する場合の留意事項については、第5の4(2)を参照のこと(規則別記様式第11号の2)。

2 廃止又は変更の届出義務(法第10条の2第2項関係)

営業開始の届出書を提出した古物競りあっせん業者は、古物競りあっせん業を廃止したとき、又は当該届出書の記載事項に変更があったときは、公安委員会(公安委員会の管轄区域を異にして営業の本拠となる事務所を変更したときは、変更後の営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会)に、届出書を提出しなければならないこととされている。

(1) 届出書にURLを記載する場合の留意事項については、第5の4(2)を参照のこと(規則別記様式第11号の4)。

(2) 古物競りあっせん業者が公安委員会の管轄区域を異にして営業の本拠となる事務所を変更したときは、変更後の営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会は、変更前の営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会に対し、それまでに当該古物競りあっせん業者が提出した書類の写しを提供するよう要請すること。この場合において、当該要請を受けた公安委員会は、当該写しを提供すること。

3 届出書の添付書類(規則第9条の2第3項)

(1) 規則第9条の2第3項中「あっせんの相手方から送信された古物に関する事項及びその買受けの申出に係る金額に係る自動公衆送信の送信元識別符号」とは、インターネット・オークションのウェブサイトのURLを指す。

(2) 規則第9条の2第3項中「自動公衆送信の送信元識別符号を使用する権限のあることを疎明する資料」については、第5の4(3)イを参照のこと。

第10 許可証等の携帯等(法第11条関係)

行商の意義については、第5の3で述べたとおりであり、古物商又はその代理人等が第5の3(1)で例示した①から④まで等の取引を行う場合には、法第11条の規定により許可証又は行商従業者証を携帯しなければならない。

第11 標識の掲示等(法第12条関係)

1 「公衆の見やすい場所」の意義(法第12条第1項関係)

法第12条第1項中「公衆の見やすい場所」とは、営業所等の入り口等、通常街路等を通行する一般公衆において、社会通念上見やすいと認められる場所をいう。

2 ウェブサイトへの氏名等の表示(法第12条第2項関係)

(1) 許可を受けた古物商及び古物市場主は、その氏名又は名称、許可をした公安委員会の名称及び許可証の番号(以下「氏名等」という。)を当該古物商又は古物市場主のウェブサイトに表示しなければならない。

なお、氏名等の表示は、明瞭かつ通常人が読める大きさとする必要がある。

(2) (1)のウェブサイトへの表示については、①常時使用する従業者の数が5人以下の場合又は②当該古物商又は古物市場主が管理するウェブサイトを有していない場合は、ウェブサイトへの表示義務が免除される点に留意すること。

(3) 「常時使用する従業者」とは、労働基準法(昭和22年法律第49号)第20条に定められている「あらかじめ解雇の予告を必要とする者」である。したがって、会社役員及び個人事業主は、あらかじめ解雇の予告をする者に該当しないため、常時使用する従業者には該当しないと解される。

(4) 常時使用する従業者の数が5人以下の古物商又は古物市場主については、ウェブサイトへの表示義務が一律に除外されるため、自社のウェブサイトを設けていたとしても、当該古物商又は古物市場主の表示義務は除外される。

3 ウェブサイト利用取引における表示(法第12条第3項関係)

ウェブサイトを利用して古物の取引を行う法第8条の2において規定する特定古物商は、氏名等と共にその取り扱う古物に関する事項を当該ウェブサイトに表示しなければならない。表示方法については上記2(1)後段と同様であり、ウェブサイトを利用して古物の取引をしようとするときは、上記2(2)から(4)までの免除規定は適用されないことに留意すること。

また、氏名等は「その取り扱う古物に関する事項と共に」表示しなければならないので、取り扱う古物を掲載している個々のページに表示するのが原則であるが、古物を取り扱うウェブサイトのトップページ(最初のページ)に表示すること、トップページ以外のページに表示し、当該ページへのリンク(法の規定に基づく表示を行っているページへのリンクであることが分かるものに限る。)をトップページに設定することも認められる。

第12 管理者(法第13条関係)

1 管理者として選任すべき者(法第13条第1項関係)

(1) 法第13条第1項においては、管理者の職責に関し、「営業所又は古物市場に係る業務を適正に実施するための責任者」と規定されている。したがって、管理者は、営業所又は古物市場(以下「営業所等」という。)における業務を統括管理して下位の従業者等を指揮監督し、古物営業関係法令を遵守させて当該営業所等における業務を適正に実施させ得る者でなくてはならず、従業者等を実質的に指揮監督する職にある者でなければならない。

なお、古物商等自らが当該営業所等における業務の実施を実質的に統括管理することができる場合にあっては、当該古物商等が自らを管理者として選任することも許容される。

(2) 法第13条第1項においては、管理者は、「営業所又は古物市場ごとに」選任しなければならないこととされている。したがって、管理者は、それぞれの営業所等に常勤して管理者の業務に従事し得る状態になければならない。

しかし、複数の営業所等が近接しており、双方の営業所等を実質的に統括管理することができ、管理者の業務を適正に行い得る場合にあっては、同一人が当該複数の営業所等の管理者を兼任することも許容される。

2 古物商等が管理者に得させるよう努めなければならない知識、技術又は経験(法第13条第3項関係)

(1) 規則第14条中「当該知識、技術又は経験を必要とする古物営業の業務に3年以上従事した者が通常有」する知識、技術又は経験とは、必ずしも現実に3年間当該古物営業に従事しなければ得ることのできないものではないが、少なくとも客観的にそれと同程度と認められるものでなければならない。

したがって、3年より短い期間で当該知識、技術又は経験を修得するためには、例えば、先任者から不正品を見分けるための知識若しくは技術の教示若しくは指導を受け、又は短期間により多数の中古自動車を取り扱うことにより経験を重ねるなどして、通常の場合よりも積極的に当該古物営業に従事すること等が必要となる。

(2) 規則第14条の「一般社団法人又は一般財団法人その他の団体が行う講習」とは、それを受講することにより「当該知識、技術又は経験を必要とする古物営業の業務に3年以上従事した者が通常有」する知識、技術又は経験を得ることができるものでなければならない。「その他の方法」についても同様である。

3 解任の勧告(法第13条第4項関係)

法第13条第4項の解任の勧告は、行政処分ではなく、これに従うか否かについては、古物商等の自主的判断に委ねられるものである。

第13 営業の制限(法第14条関係)

1 仮設店舗における営業の制限の緩和(法第14条ただし書関係)

事前に買受け等が行われる日時及び場所を把握することができれば、立入り等を通じて義務の履行状況について指導監督を行うことができると考えられるため、仮設店舗において古物営業を営む場合において、あらかじめ、その日時及び場所を、その場所を管轄する公安委員会に届け出たときは、古物を受け取ることができることとされている。

2 仮設店舗の届出方法(規則第14条の2関係)

仮設店舖において古物営業を営む日時及び場所の届出を受けることによって、営業所又は取引の相手方の住所若しくは居所以外では禁止される古物の受取りが可能となるところ、当該仮設店舗における義務の履行状況について監督を行うために、その日時及び場所については、届出を受けた所轄警察署において必要に応じて立入り等の実施が可能となる程度に詳細に特定されている必要がある。そのため、

○ 日時に関し、「○年○月○日から○年○月○日までのいずれかの日」とされている場合

○ 日時に関し、具体的な営業時間を記載せず、「0時から24時まで」とされている場合

○ 場所に関し、「東京都千代田区霞が関」まで記載され、住所番地の特定がない場合

○ 場所に関し、大型ビル、展示場等の大規模施設内での営業について、その階、フロア等の記載がない場合

○ 場所に関し、車両、屋台等を用いた仮設店舗で、その仮設店舗が移動しながら営業しているなど、その場所が定まっていない場合

等のように、その日時及び場所の特定が不十分な場合には、十分にその特定を行うよう指導すること。

3 古物の受け取りを行わない仮設店舗

古物の受け取りを行わない仮設店舗は、届出の必要はないが、行商に当たるため、許可証又は行商従事者証の携帯義務や標識の掲示義務等があることに留意すること。

第14 確認等及び申告(法第15条関係)

1 「相手方」とは、現に取引の任に当たっている自然人をいい、売買契約の当事者が法人の場合でも、本人確認は自然人に対して行うこと。

2 相手方の住所、氏名、職業及び年齢の確認(法第15条第1項第1号関係)

旅券(パスポート)は、所持人記入欄において発行元による了承を得ることなく住所を記載することができ、住所を証する資料といえないことから、規則第15条第1項の「身分証明書等」に含まれない。

3 非対面取引等における本人確認(法第15条第1項第4号関係)

(1) 規則第15条第3項第1号関係

本件措置は、相手方からいわゆる実印の印影を提出させ、当該実印の印鑑登録を受けた者であることを疎明させるものである。

「書面」には特に制約はなく、買取り申込書、査定申込書等のほか、印影以外の文字等が記載されていないものでもよい。

本件措置においては、併せて、相手方からその者の住所、氏名、職業及び年齢(以下「住所等」という。)の申出を受けなければならない。

(2) 規則第15条第3項第2号関係

ア 本件措置は、本人限定受取郵便物等が、名あて人等であることを証明するに足りる一定の書類を提示しなければ受け取ることができない取扱いをされることを利用して、相手方が名あて人本人であることを疎明させるものである。

イ 「名あて人本人若しくは差出人の指定した名あて人に代わって受け取ることができる者に限り交付する取扱いをされる郵便物」とは、日本郵便株式会社の内国郵便約款(以下単に「内国郵便約款」という。)に規定する本人限定受取郵便物をいう。

ウ 「名あて人本人若しくは差出人の指定した名あて人に代わって受け取ることができる者に限り交付する取扱いをされる」「信書便物」とは、民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)により、一般信書便事業者又は特定信書便事業者が当該取扱いによる信書便の役務を提供している場合は、当該役務による信書便物をいう。

エ 「到達を確かめる」方法には、次のようなものが含まれる。

① 送付した本人限定受取郵便物等を古物と同封させて返送させる方法

② 本人限定受取郵便等により受付票等を送付し、当該受付票等を古物と同封させて返送させる方法

③ 本人限定受取郵便物等に受付番号等を記載して送付し、当該受付番号等を相手方から電話、電子メール等により連絡させる方法

④ 本人限定受取郵便等で往復葉書を送付し、その返信部を相手方から送付させる方法

⑤ 本人限定受取郵便等で梱包材を送付し、その梱包材で梱包して古物を送付させる方法(古物商が送付した梱包材と相手方から送付を受けた古物の梱包材との同一性が判断できるように、自社専用で第三者が入手できない梱包材を使用する、梱包材に個別の番号を付しておくなどの措置が必要である。)

オ 本件措置においては、併せて、相手方からその住所等の申出を受けなければならない。

(3) 規則第15条第3項第3号関係

ア 本件措置も(2)と同様に、本人限定受取郵便物等が、名あて人等であることを証明するに足りる一定の書類を提示しなければ受け取ることができない取扱いをされることを利用するものである。その到達を確かめることとされていないのは、古物を売却する動機は通常の場合は売却代金を入手することであるから、上記の合意がなされる場合には相手方が申し出る住所等は真正であると考えられることによる。

イ 本件措置は、合意された方法により実際に支払いが行われることを前提としているから、古物商が当該合意と異なる方法により代金を支払う場合には、改めて相手方の真偽を確認するための措置をとることが必要である。

ウ 本件措置においては、併せて、相手方からその住所等の申出を受けなければならない。

(4) 規則第15条第3項第4号関係

ア 本件措置は、「住民票の写し等の送付を受ける」又は「相手方の身分証明書等に組み込まれた半導体集積回路(以下「ICチップ」という。)に記録された当該情報若しくは古物商が提供するソフトウェアで撮影させた本人確認用画像情報(身分証明書等の画像情報)の送信を受ける」こと並びに「当該相手方の住所に宛てて配達記録郵便等で転送しない取扱いをされるものを送付し、かつ、その到達を確かめること。」により本人確認を行うものである。

イ 身分証明書等に組み込まれたICチップを相手方の確認に利用するに当たり、古物商には、ICチップ情報が真正なものであることの確認が求められるところ、具体的には、秘密鍵で暗号化されている当該ICチップに記録された電子署名の送信を併せて受け、これを公開鍵で復号することにより、住所等及び写真の情報が真正なものであることを確かめることが想定される。

ウ 「住民票の写し、住民票の記載事項証明書、戸籍の謄本若しくは抄本(戸籍の附票の写しが添付されているものに限る。)又は印鑑登録証明書」は、市区町村が発行する身元に関する資料であり、住民基本台帳等にあらかじめ記録がされている者について発行されるものであるから、そこに記載されている者の実在性を疎明することができる。

また、市区町村から複数発行されるものであるから、相手方が原本を古物商に送付することができるものである。

エ 身分証明書等の画像情報を送信する上で用いる「古物商が提供するソフトウェア」には、古物商の委託先が開発したソフトウェアや、第三者が開発したソフトウェアも含まれる。古物商には、取引の相手方によるなりすまし等の防止が求められることから、画像が加工されないことを確実に担保するため、ソフトウェアは画像の加工機能が無いものである必要がある。

なお、相手方の身分証明書等の撮影及び送信の方法を古物商が提供するソフトウェアに限定する趣旨は、撮影後、画像が加工されることを防止することであるため、古物商が提供するソフトウェア以外を使用してあらかじめ撮影された画像の送信を受けることは認められない。

古物商は、相手方から身分証明書等や容貌の画像情報の送信を受ける際、事前に撮影した写真を撮影させたものではないことを確認するための措置を採る必要があり、例えば、確認時にランダムな数字等を相手方に示し、一定時間内に相手方に当該数字等を記した紙と共に容貌や身分証明書等を撮影させ直ちに送信させることなどが想定される。

オ 「身分証明書等の厚みその他の特徴」については、身分証明書等の外形、構造、機能等の特徴からその真正性の確認を行うことを目的としたものであり、住所等や写真を確認することができる面の全面を単に撮影させるだけでは分からないような特徴を撮影させる必要がある。例えば、身分証明書等の「厚み」を確認できるものとして、身分証明書等を斜めに傾けて撮影した画像を送信することなどが想定される。

カ 「画像」には動画が含まれ、例えば、リアルタイムビデオ通話により相手方の身分証明書等や容貌を確認することが想定される。

キ 「引き受け及び配達の記録をする取扱いをされる郵便物」とは、内国郵便約款に規定する書留郵便物又は交付記録郵便物をいう。

これらの郵便物は、受取人に配達するときにその配達の証に受取人の受領の証印を受ける等の取扱いをすることとされているので、郵便物があて所に所在する者に交付されたことを疎明することができる。

ク 「これと同様の取扱いをされる貨物」とは、いわゆる宅配便のうち、貨物の引渡しを受けた者の受領の証印を受ける等の取扱いをすることとされているものをいう。

ケ 「貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)第3条の許可を受けた者その他の適法に貨物の運送の事業を行う者が運送するものに限る。」については、宅配便の業務には各種法令が関係しているところ、少なくとも違法な営業を行っていない事業者を利用することを求める趣旨である。

コ 「転送をしない取扱い」とは、内国郵便約款その他事業者の定める約款等に規定する転送等、差出人等が指定した送付先と異なる場所に送付する取扱いをしないことをいう。

このような取扱いを求められているのは、差出人等が指定した送付先と異なる場所に送付されれば、配達記録郵便物等を送付してその到達を確かめても、当該送付先の住所と相手方が結びつかないからである。

サ 住民票の写し等の送付(又は相手方の身分証明書等に組み込まれたICチップに記録された当該情報若しくは古物商が提供するソフトウェアで撮影させた本人確認用画像情報(身分証明書等の画像情報)の送信を受けること)と配達記録郵便物等の送付等については、どちらを先に行っても差し支えない。

シ 引受け及び配達の記録をする取扱いをされる「信書便物」の意義については、(2)ウを、「到達を確かめる」方法の例については(2)エをそれぞれ参照すること。

ス 本件措置においては、併せて、相手方からその住所等の申出を受けなければならない。

(5) 規則第15条第3項第5号関係

ア 本件措置は、「身分証明書等若しくは住民票の写し等のいずれか二の書類の写しの送付を受ける」又は「身分証明書等若しくは住民票の写し等の写し及び補完書類若しくはその写しの送付を受ける」並びに「当該相手方の住所に宛てて配達記録郵便物等で転送しない取扱いをされるものを送付し、その到達を確かめること」により、本人確認を行うものである。

イ 「写し」については、相手方が変造を行った場合にその痕跡が判別困難にならないようにするため、「明瞭に表示されたもの」に限定されている。

コピーは写しとして認められるが、デジタルカメラやスキャナーにおいて作成した画像ファイルは、当該画像が十分に明瞭である場合に「写し」として認められる。コピーを原稿としてファクシミリにより送受信した場合については、当該ファクシミリにより送信されたものが十分に明瞭である場合に限り、その原稿と同様の取扱いをするものとする。

「写しの送付を受ける方法」として、コピーの郵送等のほか、画像ファイルを電子メール等によって受けることも、これらの画像を印刷した書面の送付を受けることも、当該印刷物がコピーと同程度に明瞭である場合に限り、認められる。

ウ 本件措置においては、併せて、相手方からその住所等の申出を受けなければならない。

(6) 規則第15条第3項第6号関係

ア 本件措置は、相手方の実在性を住民票の写し等により疎明させるとともに、相手方と住民票の写し等に記載された者との結び付きを預貯金口座又は郵便振替口座(以下「預貯金口座等」という。)の名義により疎明させるものである。

イ 犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成19年法律第22号)第4条により、預貯金口座等の開設に当たっては本人確認が義務付けられているので、第三者の名義の預貯金口座等を保有することは、通常の場合は困難となっている。一方、古物を売却する動機は、通常の場合は売却代金を入手することであるから、上記の合意が行われる場合には、相手方は第三者が保有している預貯金口座等を入金先に指定することはないと考えられる。このため、入金先とする預貯金口座等の名義は、相手方の氏名を疎明することができる。

ウ 「これらの口座への振替の方法」をとるに当たっては、振替先の預貯金口座等の名義を古物商において了知することが必要である。そのため、相手方の名義の預貯金口座等であることを確実に確認しなければならない。

エ 措置の順序については、(4)サを、実際の支払方法を合意と異ならせる場合の取扱いについては(3)イをそれぞれ参照のこと。

オ 本件措置においては、併せて、相手方からその住所等の申出を受けなければならない。

(7) 規則第15条第3項第7号関係

ア 本件措置は、身分証明書等の写しにより相手方の身元を疎明しようとするものであるが、当該写しについては、巧妙に偽変造された物を特段の技術を要せずに作成することができるため、相手方と当該写しに記載された者との結び付きについて、住所と氏名の双方の観点から検証し、配達記録郵便物等の送付等と本人名義の預貯金口座等への入金を併用するものである。

イ 送付する身分証明書等の写しに記載された住所と現住所が異なる場合には、当該身分証明書等の写しとともに公共料金の領収証書を補充的に用いることができる。

ウ 「写し」については、(5)イを参照すること。

エ 送付を受けた資料の写しを法第16条の帳簿等又は電磁的方法による記録とともに保存する理由は、警察職員が立入検査を実施した際に当該写しを点検することにより、その偽変造を看破できるようにするためである。

保存方法については、帳簿に貼付するなどの必要はないが、当該写しに取引状況や整理番号を添付、付記して帳簿等又は電磁的方法による記録と一体的に保存するなどして、当該写しがどの取引において送付を受けたものであるかが分かるようにしておかなければならない。

保存期間については、送付を受けた取引に係る帳簿等又は電磁的方法による記録と同期間保存する必要があるが、当該期間が満了すれば廃棄しても差し支えない。

オ 「転送をしない取扱い」の意義等については、(4)コを、「到達を確かめる」方法の例については(2)エを、「これらの口座への振替の方法」の内容については(6)ウを、措置の順序については(4)サを、実際の支払方法を合意と異ならせる場合の取扱いについては(3)イをそれぞれ参照のこと。

カ 本件措置においては、併せて、相手方からその住所等の申出を受けなければならない。

(8) 規則第15条第3項第8号関係

ア 本件措置は、古物商が提供するソフトウェアを使用して、本人確認用画像情報(相手方の容貌情報及び写真付き身分証明書等の画像情報)の送信を受けることにより、本人確認を行うものである。

イ この方法による相手方の確認では、古物商は、容貌の画像情報及び身分証明書等の画像情報の送信を受けるところ、これら画像を目視により見比べることや顔照合について十分な性能を有する機械を利用することにより、撮影された相手方と当該身分証明書等の顔写真の人物との同一性を確認する必要がある。

ウ その他本件措置に関する事項は(4)を参考とすること。

エ 本件措置においては、併せて、相手方からその住所等の申出を受けなければならない。

(9) 規則第15条第3項第9号関係

ア 本件措置は、古物商が提供するソフトウェアを使用して、本人確認用画像情報(相手方の容貌情報)の送信を受けること並びに写真付き身分証明書等に組み込まれたICチップに記録された住所、氏名、年齢又は生年月日及び写真の情報の送信を受けることにより、本人確認を行うものである。

イ 本件措置に関する事項は、(4)を参考とすること。

ウ 本件措置においては、併せて、相手方からその住所等の申出を受けなければならない。

(10) 規則第15条第3項第10号関係

ア 本件措置は、相手方から、その住所等について申出を受けるとともに、当該相手方に、古物商やその代理人等の面前において、器具を使用して当該相手方の氏名の筆記(当該氏名が電磁的方法により当該古物商の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。)の映像面に明瞭に表示されるようにして行うものに限る。)をさせるものである。

イ 「器具を使用して」と規定されていることから、例えば、指を用いて相手方の氏名を記載させる方法は認められないことはもとより、「筆記をさせる」と規定されていることから、いわゆる「スタイラスペン」や「タッチペン」等のペン型の器具を使用して「筆記」に当たる行為をさせることが必要であり、例えば電子マウスを操作してその軌跡を相手方の氏名として表示させる方法や、「キーボード」のキーを操作して氏名を打ち込ませる方法については、認められない。

(11) 規則第15条第3項第11号関係

ア 本件措置は、相手方から、電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成14年法律第153号。以下「公的個人認証法」という。)第3条第6項の規定に基づき地方公共団体情報システム機構が発行した署名用電子証明書並びに公的個人認証法第2条第1項に規定する電子署名が行われた当該相手方の住所等の電磁的方法による記録の提供を受けるものである。

イ 古物商が本件措置をとる場合には、公的個人認証法第17条第1項の規定に基づき、同項第6号の主務大臣の認定(顧客から通知された電子署名が行われた情報について当該顧客が当該電子署名を行ったことの確認を一定の基準に適合して行うことができるものである旨の認定)を受けた上で、あらかじめ地方公共団体情報システム機構に対して所要の届出を行うこととされている。

しかしながら、古物商が、当該確認の業務の全部を当該認定を受けた一の者に委託する場合であって、電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律施行規則(平成15年総務省令第120号)第28条第1号に掲げる基準に適合する場合には、同規則第29条の特例規定により、当該古物商は「当該認定を受けたものとみな」されるため、必ずしも古物商自身が当該認定を受けなくともよいことに留意する必要がある(公的個人認証法第17条第1項の規定に基づく地方公共団体情報システム機構に対する届出は必要である。)。

(12) 規則第15条第3項第12号関係

ア 本件措置は、相手方から、公的個人認証法第17条第1項第5号に掲げる主務大臣の認定を受けた者であって、同条第4項に規定する署名検証者である者が発行し、かつ、当該認定を受けた者が行う特定認証業務の用に供する電子証明書並びに電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号。以下「電子署名法」という。)第2条第1項に規定する電子署名が行われた当該相手方の住所等の電磁的方法による記録の提供を受けるものである。

イ 公的個人認証法第17条第1項第5号の規定は、電子署名法に基づく特定認証業務を行う者(電子署名法第4条第1項等の主務大臣の認定を受けていない者)が、当該特定認証業務の用に供する電子証明書を発行するに際して相手方の真偽の確認を行うために公的個人認証法に基づく署名用電子証明書等を用いることが可能となるよう、設けられたものである。

当該電子署名法に基づく特定認証業務を行う者が、上記「公的個人認証法第17条第1項第5号に掲げる主務大臣の認定を受けた者」に当たるかどうかについては、総務省に対して照会を行うなどして確認することとなる。

(13) 規則第15条第3項第13号関係

ア 本件措置は、いったんその真偽を確認するための措置をとった相手方については、不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成11年法律第128号)第2条第3項に規定する識別符号を付し、その送信を受ける方法等によりそのことを確かめることができた場合には、改めて同様の措置をとる必要はないこととするものである。

イ 「識別符号を付し、その送信を受けること」としては、例えば、ウェブサイトを通じて古物の買取りを行う古物商が、特定の顧客との間で、最初に買取りを行った際に、その真偽を確認するための措置をとった上でID及びパスワードを付与し、2回目以降の取引の際には、当該ID及びパスワードを入力させる措置が挙げられる。

ウ 「その他のこれらの規定に掲げる措置をとった者を識別でき、かつ、その者に第三者がなりすますことが困難な方法」としては、初回取引時に本人確認を行った上で、以降の取引時に以下の方法により相手方の確認を行うことなどが考えられる。

○ 古物商と相手方の端末を専用回線で接続し、本人確認を行った者限定で当該端末を使用する方法

○ イの措置に準じて生体認証等により相手方を確認する方法

○ 顔写真付きの会員証を交付して、面前における取引時に提示させる方法

4 相手方の確認義務等を免除する古物(法第15条第2項及び第16条ただし書関係)

(1) 法第15条第2項第1号及び第16条ただし書関係

「対価の総額」とは、一度に持ち込まれた物品の対価を全て足し合わせた額を基準とし、個々の物品単価を基準としないという意味である。

したがって、相手方が複数の物品を数回に分けて古物商に持ち込んだために、各回の対価の総額が1万円に満たないような場合は、相手方の確認義務及び帳簿等への記載義務(以下「相手方の確認義務等」という。)は免除されることになる。

ただし、正当な理由なく数回に分けて古物を売却することを希望する相手方については、その者が持ち込んだ物品について、古物商から警察官に対する申告義務が生じる場合がある。

なお、「対価の総額」が1万円未満である場合は、相手方の確認義務等が免除されるが、この1万円には、消費税を含まないと解される。そのため、消費税を除いた額が1万円以上の場合に相手方の確認義務等がある。

(2) 規則第16条第2項第2号関係

「エアコンディショナーの室外ユニット」は、いわゆる室外機のことである。「電気温水機器のヒートポンプ」は室外機と形状、機能、素材、設置状況が近似していることから、室外機と同様、金額の多寡にかかわらず相手方の確認義務等の対象にしている。

室外機は、特定家庭用機器再商品化法(平成10年法律第97号。いわゆる「家電リサイクル法」。)等の関係法令に基づき、原則としていわゆる室内機と合わせて引き渡すこととされているが、法においては室内機の有無にかかわらず室外機を買い受ける場合は相手方の確認義務等の対象となることに留意すること。

なお、室外機の中には、幾分の手入れをしたとしても本来の用法に従って使用することが不可能なものもあるところ、そうした古物に該当しない室外機に係るくずが、盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律(令和7年法律第75号。以下「金属盗対策法」という。)第2条第3号に規定する特定金属くずに該当する場合の措置については、(7)を参照のこと。

(3) 規則第16条第2項第3号関係

「専らコンピュータゲームに用いられるプログラムを記録した物」には、いわゆる家庭用ゲーム機に用いられるコンピュータゲームのソフトのほか、パーソナルコンピュータ等を用いて行うコンピュータゲームのソフトが含まれ、CD、カセット等の形態を問わず全てこれに含まれる。

(4) 規則第16条第2項第4号関係

「光学的方法により音又は影像を記録した物」とは、透明な円盤に挟まれた被膜に孔の形で信号を書き込むことで音又は影像を記録し、これにレーザー光線を照射し、その反射によって信号を読み出す物であり、具体的には、音楽や映画等を記録したCD、LD、DVD、ブルーレイディスク等である。

したがって、電磁的記録媒体や半導体ディスクに音楽や映画等を記録した物(カセットテープ、ビデオテープ、FD、MD、フラッシュメモリ等)は、対象とならないことに留意すること。

(5) 規則第16条第2項第5号関係

「電線」は銅線、アルミ線等の素材を問わずに対象となる。また、「電線」とは、送電を主目的とするものをいうことから、LANケーブルやテレビ接続ケーブル等がこれに含まれないのはもちろんのこと、細い電線が物品の材料として含まれている場合についても、そのような電線は物品そのものとはいえないことから対象とならない。さらに、いわゆる家庭用の延長コードや充電ケーブルについては、送電を主目的とするものではあるが、一般的に「電線」とは異なる独自の商品類型として流通している実態があり、社会通念上「電線」に含めることは困難であることから、対象とはならない。

なお、切断されるなどして、「本来の用法に従って使用すること」(第2の1(1)参照)ができない状態となったくずについては、(7)を参照のこと。

(6) 規則第16条第2項第6号関係

「グレーチング」とは、主として、側溝等の排水施設の蓋として用いられる格子状のものをいう。鉄製のものが多いが、アルミをはじめ金属製のものであれば対象となる。

他方で、「金属製のものに限る」としていることから、コンクリート製のものやFRP(繊維強化プラスチック)製のものは対象とならないことに留意すること。

(7) 金属盗対策法との関係

(2)や(5)に掲げられている物品に関し、廃製品であるものについては、その素材によっては金属盗対策法第2条第3号に規定する特定金属くずに該当する可能性がある。すなわち、主として特定金属により構成されている物品について、その本来の用法に従って使用することができるものは古物、使用できないものは特定金属くずに該当することとなる。

上記について、古物に該当する場合は法に基づく相手方の確認義務等が生じ、特定金属くずに該当する場合は金属盗対策法に基づく本人確認義務及び取引記録の作成義務が生じることに留意すること。

5 「不正品」の意義(法第15条第3項関係)

法第15条第3項の「不正品」とは、犯罪構成要件に該当する行為によって領得された物であり、「盗品等」、すなわち刑法上の財産犯の被害に遭った物よりも広い概念である。

古物商にとっては、受け取った古物が何らかの犯罪によって領得された物である疑念を持っても、それが刑法上の財産犯であるか否かは必ずしも明らかではないので、古物商が「不正品」を受け取った場合に申告義務を課しているものである。

6 相手方の確認義務等の範囲

その他、各種の古物に係る相手方の確認義務等の範囲については、別表を参照すること。

第15 帳簿等への記載等(法第16条~第18条関係)

1 帳簿等への記載又は記録(法第16条及び第17条関係)

(1) 法第16条の「その都度」とは、古物を受け取り、又は譲り渡したそのたびごとの意味である。したがって、古物を受け取り、又は譲り渡すごとに記載しなければならないので、1週間分や1月分をまとめて記載するようなことは許されない。

(2) 規則第17条第2項第1号の書類は、規則別記様式第15号又は第16号の様式の帳簿ではないが、所定の記載事項が記載できるようになっており、かつ、あらかじめとじ合わせであるものであり、同項第2号の書類は、取引伝票その他個々の取引ごとに所定の記載事項を記載することができる様式の書類であって、一枚ごとに分離された状態で記載するようになっているものである。

(3) 法第16条の「電磁的方法」による記録とは、フラッシュメモリなどの電磁的記録媒体やコンピュータのハードディスク等への入力による記録をいう。

いわゆるPOSシステム(販売時の情報管理システムで、物品販売の売り上げをバーコード等で読み取り、単品で集計するもの)による記録は、法第16条第1号から第5号までの内容を網羅していれば、同条の電磁的方法による記録に該当する。

(4) 帳簿等に記載する古物の品目等については、原則として1品ごとに記載することとされているが(規則別記様式第15号参照)、1冊当たりの価格が安価で、一度に大量の冊数が処分される傾向が強いという書籍の取引実態を踏まえ、書籍については、同一人から同時に受け取ったものをまとめて記載することを認める。

(まとめて記載する方法の具体例)

○ 主要な書籍一点の名称を記し、他はまとめて記載する(例:「『書名』外○冊」)

○ 書籍の種類ごとに冊数を記載する(例:「コミック○冊、文庫○冊、写真集○冊」)

なお、CD・DVD等については、書籍に比べて高額で取引され、1回当たりの取引品数も比較的少ないことから、原則どおり1品ごとに帳簿等に記載すること。

(5) 衣類については、個別の査定によらず、衣類の重さのみで定量的に取引される例があることを踏まえ、このような場合には、同一人から同時に受け取ったものをまとめて記載すること(例:「ズボン○kg」、「Tシャツ、肌着等○kg」)を認める。

(6) 法第16条第4号により、帳簿等には相手方の年齢を記載する必要があるが、生年月日を記載することにより、相手方の年齢は当然に明らかになるとともに、相手の身元をより確実に確認することができることから、生年月日の記載をもって、年齢の記載とみなすことができる。

2 帳簿等の備付け又は保存(法第18条関係)

(1) 法第18条において備え付けるべき帳簿等は、法第16条又は第17条の規定により所定の記載事項を記載した帳簿等であるから、例えば、古物の売却のみを行っている営業所にあっては、買受けに係る事項を記載するための帳簿等をあらかじめ備え付けておく必要はない。

例えば、古物商甲がA及びBの2つの営業所を有する場合において、営業所Aにおいては古物の買受けのみを行い、営業所Bにおいては営業所Aにおいて買い受けた古物の売却のみを行っているときは、営業所Aには売却に係る事項を記載するための帳簿等を備え付けておく必要はなく、営業所Bには買受けに係る事項を記載するための帳簿等を備え付けておく必要はない。

(2) 法第18条第1項の「最終の記載をした日」とは、当該帳簿等使用の最終日(古物の受入れに関して当該帳簿等の最終の記載をした日)をいう。帳簿等の記載は、記載事由の発生した都度行わなければならないので、少なくともその日の分についてはその日のうちに記載するのが原則であるが、何らかの理由で記載すべき日と実際に記載した日が異なる場合には、記載すべき日を基準として保存期間を算定することとなる。

(3) 法第18条第1項の「電磁的記録」が「直ちに書面に表示することができるようにして保存して」あるといえるためには、フラッシュメモリやハードディスク等へ入力した記録を直ちに印刷できるように、各営業所等に印刷に必要な機器等を備え付けておくことが必要である。ただし、各営業所等において当該記録を印刷することが可能である限り、データ自体は本社や本部のコンピュータにおいて一括管理することも許容される。

3 帳簿等への記載等の義務の範囲

帳簿等への記載等の義務の範囲については、別表を参照すること。

第16 品触れ(法第19条関係)

1 「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によつて領得された物」の意義(法第19条第1項関係)

法第19条第1項中「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によつて領得された物」とは、刑法第2編第36章から第39章までの犯罪の構成要件に該当する行為によって領得された物を指す。

2 情報通信の技術を利用する方法による品触れ(法第19条第2項ただし書及び第5項関係)

(1) 情報通信の技術を活用する方法による品触れの保存

ア 情報通信の技術を活用する方法による品触れについては、到達の日付を記録する義務は定められていない。これは、当該品触れについて警察本部長等が承諾を得る際に、古物商又は古物市場主に対し、品触れを受けた場合にはその旨の電子メールを返信するなどの措置を求めることとすれば、品触れが到達した日を確定することができるので、到達の日付の記録義務を定めるまでの必要はないためである。

イ 情報通信技術を活用した品触れにおける、法第19条第2項中「品触れを受けたとき」とは、古物商又は古物市場主が情報通信の技術を利用する方法による品触れを受信したことを現実に了知したときをいう。

そのため、情報通信技術を活用した品触れは、法第19条第5項により、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成14年法律第151号)第7条第3項の規定は適用しないこととされている。

(2) 情報通信の技術を利用する方法による品触れの運用を開始するに当たっての留意事項

情報通信技術を活用した品触れの運用を開始するに当たっては、同法のほか、同法に関する関係法令、告示等を確認すること。

第17 盗品及び遺失物の回復(法第20条関係)

1 「指図証券、記名式所持人払証券及び無記名証券」の意義

法第20条の「指図証券、記名式所持人払証券(民法(明治29年法律第89号)第520条の13に規定する記名式所持人払証券をいう。)及び無記名証券」とは、いわゆる有価証券のことをいい、具体的には、百貨店等の商品券、、ビール共通券、図書カード、全国共通おこめ券等がこれに該当する。

2 「盗品」の意義

「盗品」とは、窃盗又は強盗により占有を奪われたものであり、詐欺、恐喝、横領の罪によって領得又は横領されたものは、本条にいう「盗品」には含まれない。

第18 差止め(法第21条関係)

1 「差止め」の意義

「差止め」とは、行政的な調査の目的から、古物商に対し、特定の物品について取引又は処分を差し止め、事後の措置を待たせるために当該物品の保管を命ずることをいう。行政上の調査の目的のためにのみ認められる措置であるから、当該物品の所有権・占有権に何ら変動を生じさせるものではなく、また、犯罪捜査の必要のために物品の占有を移転する差押え行為とも異なるものである。

2 「盗品等であると疑うに足りる相当な理由」の意義

「盗品等であると疑うに足りる相当な理由がある」とは、社会通念上、盗品等であると疑う根拠が客観的に見て合理的に存在することをいう。

その存否は個々の事案ごとに警察本部長等において判断することとなるが、①財産犯の被害が発生しており、②その被害品と出品物との同一性が合理的に推認される場合には、当該「相当な理由」があると認められるのが通常である。①については、被害届の提出の有無等により判断することとなる。②については、シリアルナンバー等の顕著な特徴の合致、官公庁の身分証明書や市販前の商品等ほとんど流通していない物が出品されており、かつ、直近に同種の物の被害届が提出されていることなどにより、判断することとなる。

3 差止めの期間

「30日以内の期間を定めて」とは、1週間や10日など、30日以内の一定の日数をあらかじめ定めて、という意味である。その期間は、調査に必要な最小限の日数を定めるべきであって、不必要に長い日数を定めて古物商の権利を侵害することのないよう注意しなければならない。この点、期間の更新は許されるが、更新しても通じて30日を超えることは許されないものと解される。

第19 古物競りあっせん業者の遵守事項等(法第21条の2~第21条の4関係)

1 出品者の確認(法第21条の2関係)

(1) 出品者の確認の努力義務

古物競りあっせん業者は、古物の売却をしようとする者から出品を受け付けようとするときは、その者の真偽を確認するための措置をとるよう努めなければならないこととされている。

出品者の確認は、出品を受け付ける前に実施しなければならないので、古物競りあっせん業者が申込みを受けた後直ちに出品を認めようとする場合には、その者の真偽を確認するための措置を即時に行う必要がある。

出品者の確認について法等の規定により行政指導を行う場合には、出品者の確認が努力義務であることに留意すること。

なお、「古物の売却をしようとする者からのあつせんの申込みを受け」ることは、出品者から出品を受け付けることを指す。

(2) 本件努力義務を満たしていると認められる措置

ア 古物競りあっせん業者が、出品者からその人定事項(通常、住所、氏名及び年齢があれば十分であるが、これらと同程度の特定ができるものであれば、他の事項でも構わない。)の申出を受けるとともに、以下の措置をとっていれば、本件努力義務を満たしていると認めることができる。

また、以下の措置をとった者に対して、発行したID・パスワードを入力させる措置をとっている場合も、本件努力義務を満たしていると認めることができる。

(ア) 出品者が本人の名義の預貯金口座からの振替の方法により料金の支払を行うことを、当該預貯金口座が開設されている金融機関等(犯罪による収益の移転防止に関する法律第2条第2項第1号から第38号までに掲げる者をいう。)が承諾していることを確かめること(以下「口座振替による認証」という。)

(イ) 出品者から申出を受けたカード番号及び有効期限に係る本人の名義のクレジットカードを使用する方法により料金の支払を受けることができることを確かめること(以下「通常のクレジットカード認証」という。)

(ウ) (ア)又は(イ)の措置と同等以上の効果を有するその他の措置(古物競りあっせん業者が落札者から代金を預かり、出品者の本人名義の預貯金口座に振り込むことを約すること等)

イ 口座振替による認証や通常のクレジットカード認証を即時に行うための費用負担が経営的に困難と認められるような中小事業者については、これらの認証を即時には行わないが、出品の受付後速やかに行う場合でも、個別具体の事情に応じ、本件努力義務を満たしていると認めることができる場合がある。また、そのような場合としては、出品者が入力したメールアドレス(フリーメールを提供しているドメインと同じドメインのメールアドレスを除く。)宛てに電子メールを送信し、その到達を確かめることも、個別具体の事情に応じ、想定することができる。

ウ 大規模災害等古物競りあっせん業者の置かれている個別具体的な状況に照らし、出品者の確認を上記のとおり実施することが困難であると公的機関により判断されるような場合には、当該確認をそのとおり実施しなくても法第21条の2に違反するものではない。

2 申告(法第21条の3関係)

(1) 申告義務

古物競りあっせん業者は、出品された古物について、盗品等の疑いがあると認めるときは、直ちに、警察官にその旨を申告しなければならないこととされている。

古物競りあっせん業者は、申告の義務を負うことにより、出品されている古物の中に、盗品等の疑いのある古物が含まれるかどうかについて、調査するための義務を負うものではない。

なお、申告は、古物競りあっせん業者の自主的な取組を促すために、行政処分や罰則の対象とされていない。このため、申告について法等の規定により行政指導を行う場合には、その趣旨を損なうことのないよう留意すること。

ア 「あつせんの相手方が売却しようとする古物」とは、インターネット・オークションに出品された古物を指す。

イ 「疑いがあると認めるとき」とは、古物競りあっせん業者が疑いを主観的に抱く場合をいう。

(2) 申告の内容

申告の内容である「その旨」とは、出品された特定の古物について盗品等の疑いがあると認める旨をいう。したがって、申告に当たっては、対象となる古物を出品されているページのURL等により特定しなければならない。

(3) 申告の方法

申告の方法は、特に限定されていない。具体的な方法としては、①対象となる古物の出品画面のファイルを電子メールにより送信する方法、②当該出品画面を印刷してファクシミリにより送信する方法、③電話により通報する方法等が考えられる。

3 記録の作成及び保存(法第21条の4関係)

(1) 記録の作成及び保存の努力義務

古物競りあっせん業者は、古物の売買をしようとする者のあっせんを行ったときは、書面又は電磁的方法による記録の作成及び保存に努めなければならないこととされている。

本件努力義務は「あつせんを行つたとき」に課されているので、出品はされたが落札されなかった古物については、対象とならない。

記録の作成及び保存について法等の規定により行政指導を行う場合には、記録の作成及び保存が努力義務であることに留意すること。

(2) 記録の作成に努めるべき事項(規則第19条の3第1項関係)

記録の作成に努めるべき事項は、①古物の出品日、②古物の出品情報及び出品者・落札者のユーザーID等でサイトに掲載されたもの、③出品者・落札者がユーザー登録等の際に登録した人定事項であって、古物競りあっせん業者が記録することに同意したものとされている。

ア 規則第19条の3第1項第1号中「あっせんに係る古物に関する事項を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供した年月日」とは、古物の出品日を指す。

イ 規則第19条の3第1項第2号中「あっせんに係る古物に関する事項」「であって、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供したもの」とは、古物の出品情報でサイトに掲載されたものを指す。

具体的には、出品物の品名(タイトル)、出品者が付した商品の説明、出品物の画像といった、出品者が送信したものは該当するが、古物競りあっせん業者が付した出品物のカテゴリー名やQ&Aシステムによる問答内容、サイトに掲載された広告等は該当しない。

ウ 規則第19条の3第1項第2号中「あっせんの相手方を識別するための文字、番号、記号その他の符号であって、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供したもの」とは、出品者・落札者のユーザーID等でサイトに掲載されたものを指す。

エ 規則第19条の3第1項第3号中「あっせんの相手方が当該古物競りあっせん業者によるあっせんのため当該古物競りあっせん業者が記録することに同意した上であらかじめ申し出た事項であって、当該相手方の真偽の確認に資するもの」とは、出品者・落札者がユーザー登録等の際に登録した人定事項であって、古物競りあっせん業者が記録することに同意したものを指す。

この人定事項としては、ユーザーID等に加えて、通常、住所、氏名及び年齢があれば十分であるが、この3要素と同程度の特定ができるものであれば、他の事項でも構わない。

(3) 記録の保存に努めるべき期間(規則第19条の3第2項関係)

記録の保存に努めるべき期間は、1年間とされている。

記録の保存に努めるべき期間を1年間としたのは、①窃盗犯人が検挙され、インターネット・オークションで盗品を処分したことが判明した場合でも、古物競りあっせん業者に取引の記録が残されていないため当該盗品を落札した者が判明せず、被害回復が図れないといった事態を可能な限り回避するため、1年程度の期間は記録の保存に努めるべきと考えられること、②法第20条で、盗難の時から1年間は被害者の保護の充実を図っていることなどを考慮したものである。

(4) 記録の保存方法

記録の保存方法は、特に限定されていない。具体的な方法としては、①サーバー上で公衆の閲覧に供することができる状態で保存すること、②公衆の閲覧に供することを前提とせずにサーバー上のハードディスクで保存すること、③電磁的記録媒体に記録し、同媒体を保存すること、④記録を用紙に印刷してその用紙を保存することなどが考えられる。

(5) 本件努力義務を満たしていると認められる場合

古物競りあっせん業者に求められているのは、記録の保存に努めることである。したがって、当該業者が古物の画像は1年間保存していなくても、その他の出品情報をテキストデータ等で1年間保存している場合には、本件努力義務を満たしていると認めることができる。

第20 古物競りあっせん業者に係る認定(法第21条の5関係)

1 欠格事由(規則第19条の5関係)

認定制度の実効性を確保するため、一定の欠格事由に該当する者は、認定を申請することができないこととされている。

認定に係る基準は、盗品等の売買防止及び速やかな発見に資する方法に関するものであるので(法第21条の5第1項)、具体的な欠格事由は、刑法上の財産犯、法違反等に関係したものとされている。

(1) 規則第19条の5第1号の「営業を開始した日から二週間を経過しない者」が欠格事由とされているのは、認定を申請した者にある程度の営業実態が存在しなければ、公安委員会が適切な審査を実施できないおそれがあるからである。

(2) 外国における前科等が欠格事由に含まれているのは、外国において古物競りあっせん業を営んでいた者が、新たに日本国内に事務所を設けて認定を申請する場合には、外国における前科等を日本国内における前科等と同等に取り扱うことが相当であるからである。

2 盗品等の売買の防止等に資する方法の基準(規則第19条の6関係)

法第21条の5第1項の国家公安委員会が定める盗品等の売買の防止及び速やかな発見に資する方法の基準は、以下のとおりとされている。

下記(1)及び(2)はインターネットにおける匿名性を低減させること、(3)から(5)までは盗品等の速やかな発見に資すること、(6)は古物競りあっせん業者の迅速、適確な対応に資すること、(7)は盗品等の売買を防止すること、(8)は入札者等が盗品等の落札を回避するようにすること、(9)は報告徴収の実効性を確保することなどを目的としている。

(1) 古物の出品を受け付けようとするときに、口座振替による認証、特別のクレジットカード認証その他これらに準ずる措置であって人が他人になりすまして古物の売却をすることを防止するためのものを講ずること(規則第19条の6第1号関係)

本件措置は、出品を受け付ける前に実施することとされているので、古物競りあっせん業者が申込みを受けた後直ちに出品を認めようとする場合には、本件措置を即時に行う必要がある。

ア 「古物の売却をしようとする者からのあっせんの申込みを受ける」とは、出品者から出品を受け付けることを指す。

イ 「当該者が本人の名義の預貯金口座からの振替の方法により料金の支払を行うことを当該預貯金口座が開設されている金融機関等・・・が承諾していることを確かめること」とは、口座振替による認証を指す。

ウ 「当該者から申出を受けたカード番号及び有効期限に係る本人の名義のクレジットカードを使用する方法により料金の支払を受けることができ、かつ、当該クレジットカードを発行した者があらかじめ当該者について登録している情報と当該者から申出を受けた情報に齟齬がないことを確かめること」とは、特別のクレジットカード認証(通常のクレジットカード認証に加えて、生年月日、セキュリティコード等当該クレジットカードを発行した者があらかじめ出品者について登録している情報と出品者から申出を受けた情報に齟齬がないことを確かめることをいう。以下同じ。)を指す。

エ 「その他これらに準ずる措置であって人が他人になりすまして古物の売却をすることを防止するためのもの」とは、口座振替による認証や特別のクレジットカード認証と同程度になりすましが困難な措置をいう。

具体的には、①通常のクレジットカード認証に加えて、出品手続に必要なパスワード等を出品者の住所宛てに郵送で通知すること、②古物競りあっせん業者が落札者から代金を預かり、出品者の本人名義の預貯金口座に振り込むことを約すること、③出品者が電子署名を行った電子メールであって、認定(外国)認証事業者の電子証明書により利用者に係る確認ができるものを受信すること(電子署名法第2条及び第3章参照)などが挙げられる。これらのほか、前記の各措置(口座振替による認証及び特別のクレジットカード認証を含む。)をとった者に対して発行したID・パスワードを入力させる措置も該当する。

オ 口座振替による認証、特別のクレジットカード認証及び「これらに準ずる措置であって人が他人になりすまして古物の売却をすることを防止するためのもの」については、これらのいずれか1つのみを実施する場合でも、その全部又は一部のうちから出品者に選択させた措置を実施する場合でも、本件基準に適合する。

カ 本件基準は、盗品等の売買防止等に資するとの観点から定められたものであり、特定の決済システムの優劣一般を前提とするものではない。

(2) 出品者が入力等したメールアドレスあてに電子メールを送信し、その到達を確かめること(規則第19条の6第2号関係)

「その到達を確かめる」方法としては、出品者に送信した電子メールに特定のウェブサイトのURLとパスワードを記載し、出品者に当該ウェブサイトで当該パスワードを入力させることなどが挙げられる。

(3) 出品者に対し、シリアルナンバー等が付されている古物を出品する場合には、当該シリアルナンバー等をサイトに掲載するよう勧奨すること(規則第19条の6第3号関係)

ア 「製造番号その他の当該古物を特定するに足りる事項」とは、自動車の車台番号、コンピュータの製造番号等、物品を特定する目的で付された番号、記号等をいう。

なお、本件措置は、コンピュータソフトウェアのプロダクトキー(当該ソフトウェアを起動するための暗証番号)等、本来物品を特定する目的で付されたものではないものの掲載まで求めるものではない。

イ 「勧奨」の方法については、古物競りあっせん業の利用規約等に記載するのが原則であるが、ヘルプページ等に、利用規約等と同程度に利用者が閲覧しやすく、かつ、利用者に訴求できるように記載することも認められる。

ウ 「電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供」することの意義については、第5の4(1)アを参照のこと。

(4) 盗品等である古物が出品されていることなどについて利用者から通報を受けるための専用の連絡先を設け、その連絡先に関する事項を利用者が閲覧しやすいようにサイトに掲載すること(規則第19条の6第4号関係)

ア 「盗品等である古物が出品されている」については、通報者の主観によればよく、出品物が客観的に盗品等と認められる場合でなければならないものではない。

イ 「専用の連絡先」としては、インターネット・オークションのウェブサイトでブラウザから直接入力するフォーム、電子メールアドレス、電話番号等が挙げられる。

ウ 「古物の売買を希望する者が容易に閲覧できるように電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供する」方法については、個々の古物の出品ページに掲載するのが原則であるが、トップページに掲載すること、トップページ以外のページに掲載し、当該ページへのリンク(法の規定に基づく事項を掲載しているページへのリンクであることが分かるものに限る。)をトップページに設定することも認められる。

(5) (4)の通報を受けて古物競りあっせん業者がとった措置等を、当該通報をした者に通知すること(規則第19条の6第5号関係)

本件の通報者に対する通知は、通報者の「連絡先が明らかな場合」に行えば足りる。

ア 「連絡先が明らかな場合」としては、通報者の連絡先が古物競りあっせん業者への通報の際に明示されている場合等が挙げられる。

イ 「当該通報を受けてとった措置」としては、法第21条の3の規定に基づき申告を行ったことなどが挙げられる。

ウ 「措置をとらないこととした場合」の「その旨」としては、通報を受けて検討したが、盗品等の疑いの有無が判断できず特段の措置をとらなかった場合に、その結果を通知することが挙げられる。通報に対して何らの対処もせず、単に「最寄りの警察に相談してください」などと回答することは、該当しない。

(6) 営業時間外において警察本部長等から連絡があった場合において、当該連絡のあったことを15時間以内に了知するための措置を講じていること(規則第19条の6第6号関係)

本件基準に適合する措置としては、①警察本部長等から連絡を受ける担当者が、電話番号を警察に届け出た携帯電話を所持すること、②留守番電話を設け、15時間以内で定期的に、警察本部長等からの連絡が録音されているかを確認すること、③当直体制(顧客サービスのためのものでも、警察本部長等からの連絡にも対応するものであれば含まれる。)を整備することなどが挙げられる。

(7) 盗品等である古物の出品を禁止すること(規則第19条の6第7号関係)

ア 「あっせんの申込み」とは、インターネット・オークションに出品することを指す。

イ 「禁止」の方法としては、利用規約等に記載して、古物競りあっせん業者と利用者との間で契約することなどが挙げられる。

(8) 盗品等を買い受けた場合には被害者等からその返還請求を受けることがあること、盗品等については刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の規定により押収を受けることがあることを、入札者等が閲覧しやすいようにサイトに掲載すること(規則第19条の6第8号関係)

ア 「あっせんの相手方が容易に閲覧できるように電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供する」方法については、入札を申し込むページや出品を申し込むページに掲載するのが原則であるが、トップページに掲載すること、トップページ以外のページに掲載し、当該ページへのリンク(法の規定に基づく事項を掲載しているページへのリンクであることが分かるものに限る。)をトップページに設定することも認められる。

イ 「被害者又は遺失主による盗品又は遺失物の回復の請求」とは、民法第193条又は第194条に基づく盗品又は遺失物の回復の請求をいう。

ウ 「刑事訴訟法・・・の規定」による「押収」とは、同法第218条に規定する差押え、第221条に規定する領置等をいう。

(9) 古物競りあっせん業を外国で営む者(以下「外国古物競りあっせん業者」という。)にあっては、日本国内に住所等を有する者のうちから警察本部長等との連絡担当者を1名選任すること(規則第19条の6第9号関係)

ア 本件基準は、外国古物競りあっせん業者にのみ適用される。

イ 古物競りあっせん業が「日本国内に在る者をあっせんの相手方とするもの」に限定されているのは、日本国内に在る者が利用できないものを除外する趣旨であり、日本国内に在る者も外国に在る者も利用できるサービスを提供する事業者は、外国古物競りあっせん業者に該当する。

ウ 「連絡担当者」は、外国古物競りあっせん業者の従業員でなくてもよい。

3 表示(法第21条の5第2項及び第3項関係)

(1) 規則第19条の8第2項中「古物の売買を希望する者が容易に閲覧できるように電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供する方法」の意義については、2(4)ウを参照のこと。

(2) 表示に当たっては、おおむね縦80ピクセル、横60ピクセル以上の大きさで行うことが望ましい(携帯電話等に表示する場合を除く。)。

(3) 本件表示は、盗品等の売買防止及び速やかな発見に関するものである。したがって、それ以外の制度との混同を招かないよう、広報啓発等の際に留意すること。

4 認定の取消し(規則第19条の10関係)

認定古物競りあっせん業者が一定の欠格事由に該当するに至ったとき、盗品等の売買の防止等に資する方法の基準に適合しなくなったときなどには、公安委員会は、その認定を取り消すことができることとされている。また、認定を取り消した場合には、その旨を官報に掲載することとされている。

(1) 規則第19条の10第1項第4号中の「その認定に係る古物競りあっせん業に関し他の法令違反があったとき」としては、認定に係る古物競りあっせん業を利用して偽ブランド品専用のオークションを開催し、商標法違反幇助により検挙された場合等が挙げられる。

(2) 認定古物競りあっせん業者が取消事由に該当した場合であっても、公安委員会は「認定を取り消すことができる」にとどまる。したがって、例えば、業務を行う役員が罰金以上の刑に処せられたとしても、犯罪の内容が業務との関係では必ずしも重大とはいえず、認定古物競りあっせん業者が当該役員を直ちに解任したような場合には、取消しをしないことも可能である。

第21 外国古物競りあっせん業者に係る認定(法第21条の6関係)

1 申請の手続(規則第19条の11関係)

基本的に古物競りあっせん業者の場合と同様であるが、認定申請書は連絡担当者の住所等を管轄する公安委員会に提出することとされている。また、外国古物競りあっせん業者には営業の届出義務(法第10条の2)の適用がないなどの理由から、認定申請書の記載事項及び添付書類が追加されている(規則第19条の11第1項及び第4項)。

(1) 「住民票の写しに代わる書面」としては、外国政府が発行した身分証明書の写し等が挙げられる。

(2) 「登記事項証明書の謄本に相当する書類」としては、日本国の登記簿の謄本と同様の書類で外国政府が発行したものなどが挙げられる。

2 欠格事由、盗品等の売買の防止等に資する方法の基準及び表示

いずれも古物競りあっせん業者に係るものが準用又は適用されるので、第20の1から3までを参照のこと。

3 廃止等の届出(規則第19条の13関係)

(1) 届出書は、各国の国内事情が異なることを考慮して、廃止又は変更があった場合に「遅滞なく」提出することとされている。したがって、合理的な理由がないのに提出が遅滞することは、認められない。

(2) 認定を受けた外国古物競りあっせん業者(以下「認定外国古物競りあっせん業者」という。)が公安委員会の管轄区域を異にして連絡担当者の住所等を変更したときは、変更後の連絡担当者の住所又は居所を管轄する公安委員会は、変更前の連絡担当者の住所又は居所を管轄する公安委員会に対し、それまでに当該認定外国古物競りあっせん業者が提出した書類の写しを提供するよう要請すること。この場合において、当該要請を受けた公安委員会は、当該写しを提供すること。

4 認定の取消し(規則第19条の14関係)

基本的に古物競りあっせん業者の場合と同様であるが、取消事由に「警察本部長等が法第22条第4項において準用する同条第3項の規定により認定外国古物競りあっせん業者から報告を求めた場合において、その報告がされず、又は虚偽の報告がされたとき」が追加されている。これは、認定外国古物競りあっせん業者に対する報告徴収の実効を確保するためのものである。

第22 競りの中止(法第21条の7関係)

1 「盗品等であると疑うに足りる相当な理由」の意義

法第21条の7中「盗品等であると疑うに足りる相当な理由がある」については、第18の2を参照のこと。

2 競りが終了した古物に関する命令の発出の可否

命令の内容は「当該古物に係る競りを中止すること」であるから、競りが終了した古物に関して命令を発出することは認められない。

3 命令の履行結果の確認

命令の履行結果については、当該命令の発出に係る事務を担当した者が当該命令に係る古物を掲載していたページを閲覧して履行の状況を確認するか、法第22条第3項の規定に基づき当該命令の履行について報告を徴収することなどにより確認すること。

4 命令の発出方法(規則第19条の15及び別記様式第16号の9関係)

(1) 競りの中止の命令は、競りの中止命令書を古物競りあっせん業者に交付又は送付して行うものとする。ただし、緊急を要し、当該命令書を交付又は送付するいとまがないときは、ファクシミリ等で当該命令を発出することができる。

この場合には、事前又は事後に古物競りあっせん業者の担当部署と連絡を取るとともに、当該業者が指定するファクシミリ番号等に送信するなど、競りの中止に係る業務が円滑に行われるよう配意すること。

さらに、速やかに当該命令書を交付又は送付すること。

(2) 競りの中止の命令は、発出時の古物競りあっせん業者との意思疎通を確保するため、原則として、古物競りあっせん業者の営業時間内に発出すること。

ただし、緊急の対応が必要である場合(①翌営業日の営業開始以前に競りの終了時刻が設定されている場合、②古物競りあっせん業者が競りの中止の命令を速やかに発出するよう求めている場合等)は、この限りでない。

このため、営業時間外に命令を発出することがあることについて、管内の古物競りあっせん業者の確認を得ておくこと。

5 命令を受けてから履行するまでに許容される時間

命令を受けた古物競りあっせん業者が当該命令を履行するまでには、一定の合理的な時間が必要であり、古物競りあっせん業者は、当該命令を了知してから営業時間内の2時間以内に履行しなければならない。ただし、機器の故障等不測の事態により営業時間内の2時間以内に命令を履行できない場合には、直ちに法第21条の7違反に問われるものではない。

6 競りの中止命令書の記載要領

競りの中止命令書は、以下の要領で記載すること。

(1) 「競りを中止すべき古物」の欄には、古物競りあっせん業者が競りを中止すべき古物を特定できるよう、当該古物が掲載されているページのURL等を記載する。

(2) 欄外には、当該業者が命令の発出元の真偽を確認することができるよう、担当者名並びにその所属部署の名称及び電話番号を記載する。

(3) 欄外には、行政不服審査法第82条に基づき、「この処分について不服があるときは、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に、○○○公安委員会に対して不服申立てをすることができる。」旨を記載する。

7 古物競りあっせん業者の担当部署の把握

競りの中止に係る業務が円滑に行われるよう、古物競りあっせん業者の当該業務の担当部署及びその電話番号等を把握しておくように努めること。

8 意見陳述のための手続の要否

競りの中止の命令は、行政手続法(平成5年法律第88号)第13条第2項第1号の「公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意見陳述のための手続を執ることができないとき」に行う不利益処分である。このため、発出に当たっては、同条第1項各号に規定する意見陳述のための手続を執る必要はない。

9 競りの中止の命令の発出の適否

(1) 競りの中止は「命ずることができる」とされているので、「盗品等と疑うに足りる相当な理由」がある場合でも、個別の事案における妥当性を考慮して、命令を発出しないこともあり得るものである。

特に、競りの中止の命令は、財産犯の捜査に不測の影響を及ぼすおそれがあるため、その発出に当たっては、古物営業担当部門と捜査部門が連携をとり、競りの中止の命令の必要性と財産犯の捜査の必要性を勘案して、上記の妥当性を判断しなければならない。

その判断に当たっては、①被害者の被害回復の意向、②出品物が散逸する可能性(出品物が落札される可能性が低ければ、散逸の可能性は低くなるのが通常である。)、③命令の発出が被疑者の逃走又は証拠隠滅につながる可能性(被疑者の身柄が確保されている場合、被疑者と出品者とが別人である場合、警察が出品を把握していることを出品者が承知している場合には、その可能性は低くなるのが通常である。)等を考慮すること。

(2) 競りの中止の命令は、財産犯の捜査とは別個のものであるから、いずれか一方を行うことにより他方を行う必要がなくなるものではない。

第23 立入り及び調査(法第22条関係)

1 立入り及び調査の目的

法第22条第1項の規定による立入検査は、古物取引市場に盗品等が流入していないかどうかを見極めるとともに、古物商等の実態把握をし、帳簿等への記載等の義務等の様々な義務が遵守されているかどうかを調査することが目的である。

2 証票に関する留意事項(法第22条第2項関係)

規則別記様式第16号の10に規定する証票の運用に当たっては次の事項に留意すること。

(1) 証票は、法の許可、届出等に係る事務を担当する警察職員に限らず、管内に所在する古物商等の監督に必要となる範囲の警察職員に貸与すること。

(2) 立入検査が適正かつ効果的に行われるように、立入検査の実施要領を定めるなどするとともに、立入検査に従事する警察職員に対しては、立入検査の手続、立入検査に当たっての着眼点、法令違反を発見した場合の措置等について所要の教養を実施すること。

(3) 証票は、明文上材質の指定はないが、汚損等を防止するため、可能な限りラミネート加工等を施すことが望ましい。

3 立入検査に関する留意事項

立入検査に当たっては、次の事項に留意すること。

(1) 立入検査は、証票の交付を受けた警察職員が行うこと。

(2) 立入検査に当たっては、証票を携帯し、関係者にこれを提示すること。

(3) 営業時間中に行うこと。

(4) 立入検査は、犯罪捜査のために認められたものではない。したがって、関係者への言動には十分注意するとともに、犯罪事実を発見した場合であっても、立入りに係る報告書等をそのまま捜査報告書等とするようなことのないようにすること。

(5) 立入検査は、営業所等の責任者又はこれに代わるべき者の立会いを得て行うこと。

(6) 「古物の保管場所」については、現に古物の置いてある全ての場所をいい、実務においては、車両のオークションに関し、オークションの数日前に古物商が出品車両を古物市場主に持ち込み、古物市場主が当該車両をオークション開催までストックヤードで保管するように、古物市場主も古物を保管している場合があり得るところ、古物市場主についても古物の保管場所が存在し、古物市場主に対する監督のため、当該古物の保管場所に立入りを行うことも必要であると考えられることから、古物の保管場所については、「古物商の古物の保管場所」という限定はせず、単に「古物の保管場所」と規定されている。

4 報告徴収(法第22条第3項及び第4項関係)

(1) 「必要があると認めるとき」とは、法の施行に必要があると認めるときをいう。

(2) 警察本部長等は、「盗品等」に関し、必要な報告を求めるものであるが、ここにいう「盗品等」に関する事項は、個別の盗品等に関するものに限らず、盗品等の売買防止等についてとっている措置等も含む。

(3) 報告徴収は、法第19条の品触れのように、個別の古物が出品されているか否かを照会するために運用しないこと。

(4) 報告徴収は、刑事訴訟法第197条第2項に基づく照会とは別個のものであるので、捜査について必要な事項の報告を求める場合には、同項に基づく照会によること。

(5) 報告を求められた古物商等又は古物競りあっせん業者は、その時点で保有している情報を報告すれば足り、報告を求められたことにより法的な調査義務を負うものではない。したがって、求められた情報を保有していない場合には、その旨を報告すれば、法第22条第3項違反には問われない。

(6) 古物商等又は古物競りあっせん業者から迅速に報告が得られるように、報告を求める内容は十分に特定すること。

(7) 古物競りあっせん業者からの報告徴収

ア 「報告」は、法に規定する古物競りあっせん業者の義務(通常は、競りの中止の命令に関するものとなる。)の遂行の確認、競りの中止の命令を発出するために必要な事項の調査に必要な範囲で求めるものである。

イ 認定外国古物競りあっせん業者についての準用(法第22条第4項関係)

本規定は、認定外国古物競りあっせん業者について準用することとされている。これは、当該業者の業務の実施の方法が第20の2の基準に適合しなくなった場合には、その認定を取り消す等の必要があるからである。

ウ 出品情報及び入札額を送受信する通信の通信当事者の住所及び氏名等、通信日時、発信場所、通信内容、通信回数並びに通信の存在の事実について報告を求める場合には、ウェブサイトに掲載された事項及び報告について通信当事者の同意のある事項に限って行うこと。

なお、特定のユーザーIDを与えられている者の住所、氏名等について報告を求めることについては、特段の問題はない。

第24 指示(法第23条関係)

1 指示の対象

「その古物営業に関し」とは、古物商等又はこれらの代理人若しくは使用人その他の従業員が行う古物営業に関連して、という意味である。

古物商と古物市場主の双方の許可を有する者が、古物商の営業のみに関する他法令違反があった場合には、行政処分の対象は、古物商の営業の範囲に限られ、古物市場主としての営業について行政処分を課すことはできない。

2 指示の内容

法第23条の指示は、古物営業法令又は他法令に違反する事実があった場合において、その違法状態を是正するために行うものであり、この目的を超えて、古物商等に過大な負担を課すものであってはならない。また、指示の内容は、当該違反状態の解消のための措置、将来の違反の防止のための措置等を具体的に示すものでなければならない。

3 指示の手続

指示は、行政処分であるので、その理由、内容、不服申立てをすることができる旨等を記載した公安委員会名の文書により行うこと。

4 複数県にまたがって営業している者に行政処分を行う場合の対応

(1) 会社ぐるみで悪質な違反行為を繰り返すおそれが強く、事業者に、古物営業の健全化が期待できない場合のように、早急に古物営業から全国的に排除する必要性が認められる場合には、主たる営業所又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会が全国の営業について行政処分を行うこととなる。

(2) 本社の指示に反して特定の都道府県の営業責任者が違反行為を繰り返していた場合のように、特定の公安委員会の管轄区域内の営業所又は古物市場に特有の問題が認められる場合には、当該公安委員会が、その管轄区域内において行われる営業についてのみ行政処分を行うこととなる。

第25 営業の停止等及び聴聞の特例(法第24条及び第25条関係)

1 営業の停止等の手続

(1) 営業の停止命令及び許可の取消しは、行政手続法第2条第4号の不利益処分に該当するものであるため、営業の停止を命じ、又は許可の取消しを行う場合には、聴聞及び弁明の機会の付与に関する規則(平成6年国家公安委員会規則第26号)で定める手続に従って、意見陳述のための手続を執ること。

(2) 営業の停止命令又は許可の取消しは、その理由、内容、不服申立てをすることができる旨等を記載した公安委員会名の文書により行うこと。

2 営業の停止等における留意事項

運用に当たっては、第24の1及び4を参考とすること。また、第24の4(2)の場合、許可の取消しはできない。

第26 情報の提供(法第26条関係)

1 国家公安委員会規則で定める者(規則第21条関係)

(1) 盗品等に関する情報

「盗品等に関する情報」とは、盗品等に付された番号、記号その他の符号など盗品等を特定するために必要なものをいい、特定に至らないものは含まない。

(2) 古物商、古物市場主若しくは古物競りあっせん業者又はこれらの者を直接若しくは間接の構成員とする団体

「これらの者を直接若しくは間接の構成員とする団体」を含めることとしているのは、盗品売買等防止団体が、古物商等又は古物競りあっせん業者から照会を受ける場合のほか、古物商等又は古物競りあっせん業者の団体や当該団体を支部とする団体からの照会を受ける場合も考えられるためである。

(3) 承認を受けた法人その他の団体

「その他の団体」を含めることとしているのは、盗品売買等防止団体が法人である場合のほか、人格のない社団である場合も考えられるためである。

(4) 承認の数

盗品売買等防止団体は、都道府県に一を限って承認するなどの数的な限定はなく、規則に規定する要件を満たすものであれば、承認を受けることができる。

2 承認の申請(規則第22条関係)

(1) 添付書類(規則第22条第3項関係)

ア 規則第22条第3項第4号の「資産の総額及び種類を記載した書面並びにこれを証する書面」とは、財産目録並びに財産目録に記載した各財産の権利及び価額を証明する書面を意味する。

イ 規則第22条第3項第5号の「事業計画書及び収支予算書」は、回答業務に係る部分に限られる必要はないが、回答業務に係る部分が明らかにされている必要がある。

(2) 業務規程で定めるべき事項(規則第22条第4項関係)

ア 規則第22条第4項第1号の「実施の方法」については、回答業務に用いられる電子計算機、端末装置等の構成、入力事項等照会の具体的な方法、回答の具体的な方法、権限のない者による照会を排除するための措置等が記載されている必要がある。

イ 規則第22条第4項第2号の「利用する者の範囲」については、1(2)に掲げる者の中から明確に特定されて記載されていることが必要である。また、業務規程又は情報管理規程に違反した者に対する除名処分等の規定を設ける必要がある。

ウ 同項第3号の「回答業務を実施する時間及び休日に関する事項」については、回答業務が確実に行われるよう、回答業務を行う日が、原則週5日以上確保されている必要がある。また、年末年始や祭日の扱い等詳細な規定を置くことが望ましい。

エ アからウまでのほか、照会の結果、盗品と判明した場合の措置に係る規定(警察への通報を含む。)が定められている必要がある。

オ 回答業務は、盗品売買等防止団体が行うものであり、外部への業務委託は、電子計算機又は端末装置の保守点検等回答業務の付随的な部分に限られる。したがって、外部委託に関する規定がある場合には、その点に留意すること。

カ 細則等への委任規定がある場合において、細則等が定められたときは、公安委員会への提出を求めること。

(3) 情報管理規程(規則第22条第5項関係)

ア 規則第22条第5項第1号の「職員の意識の啓発及び教育」については、回答業務に関して知り得た情報(以下「特定情報」という。)の管理及び使用に係る事務を統括する者(以下「情報管理責任者」という。)を実施責任者とし、少なくとも年1回実施するなど、職員の意識の啓発及び教育に必要な措置を講じる旨が定められている必要がある。

イ 情報管理規程には、「情報管理責任者は、回答業務を統括管理する者を指定すること」が定められている必要がある。

また、情報管理責任者は、次の事項等について随時盗品売買等防止団体の代表者に報告するよう定められている必要がある。

(ア) 職員の意識の啓発及び教育する事項

(イ) 特定情報の記録された物の紛失、盗難及び毀損を防止するための措置に関する事項

ウ 特定情報又は特定情報の記録された物は、その収集目的又は盗品売買等防止団体の活動上の必要性に照らし管理又は使用する必要がなくなった場合には、消去又は廃棄しなければならないこととし、これについては、特定情報を復元することができない方法により行うよう定められている必要がある。

エ 特定情報を取り扱う者が、業務上必要と認められる職員に限定されるよう、その範囲を、情報管理規程において明らかにしておくことが必要である。

オ 照会を行う者及び盗品売買等防止団体の職員による、盗品等に関する情報の目的外利用を禁ずる旨が定められている必要がある。

カ 情報の不正な取扱いに対する措置(速やかな実態調査、公安委員会への報告等を含む。)が定められている必要がある。

キ 特定情報を電子計算機を用いて処理又は管理する場合は、次の事項が定められている必要がある。

(ア) 電子計算機及びその端末装置の操作は、あらかじめ情報管理責任者の指定する者以外の者が行ってはならないこと。

(イ) 情報管理責任者は、情報の出力等を行うために必要なパスワードを設定、管理し、必要に応じてこれを変更すること。

(ウ) 情報管理責任者は、電気計算機及び端末装置への不正なアクセスを防止するために必要な措置を講じることとし、特定情報へのアクセス状況について、定期的に点検するとともに、必要に応じ臨時点検を行い、その管理状況を盗品売買等防止団体の代表者に報告すること。

3 承認の要件(規則第23条関係)

(1) 回答業務を実施する旨の定め(規則第23条第1号関係)

「定款等において回答業務を実施する旨の定め」は、承認申請をした法人等の定款等において、回答業務を行うことが可能であることを確認できることが必要である。

(2) 前各号に掲げるもののほか、回答業務を適正かつ確実に実施することができると認められるものであること(規則第23条第4号関係)

「前各号に掲げるもののほか、回答業務を適正かつ確実に実施することができると認められるものであること」については、人的及び経理的基礎の有無、就業規則、職員給与規程、会計処理規程等の有無など同条第1号から第3号までに掲げるもの以外の観点から、適正かつ確実に回答業務を行い得るかを判断すること。

4 変更の届出(規則第25条関係)

(1) 提出先

規則第23条の承認をした公安委員会に変更届出書を提出する。ただし、公安委員会の管轄区域を異にして回答業務の本拠となる事務所を変更したときは、変更後の回答業務の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会に提出するものとする。この場合において、変更前の回答業務の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会に提出する必要はない。

(2) 公安委員会間の連絡

盗品売買等防止団体が公安委員会の管轄区域を異にして回答業務の本拠となる事務所を変更したときは、変更後の回答業務の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会は、変更前の回答業務の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会に対し、それまでに当該盗品売買等防止団体が提出した書類の写しを提供するよう要請すること。この場合において、当該要請を受けた公安委員会は、当該写しを提供すること。

5 事業報告等(規則第26条関係)

(1) 事業計画書等

事業計画書、収支予算書、事業報告書及び収支決算書は、回答業務に係る部分に限られる必要はないが、回答業務に係る部分が明らかにされている必要がある。

これらの提出を受けたときは、回答業務の運営に関し改善の必要があるか否かなどについて着眼すること。

(2) 報告徴収の範囲

報告徴収についても、必ずしも回答業務の部分に限られる必要はないが、あくまでも回答業務の適正な運営を図るためのものであるから、回答業務に関連がある部分であることを要する。ここで関連ある部分としては、例えば、その他事業の実施が回答業務に影響を及ぼしている疑いがある場合における当該その他事業が含まれる。

6 是正又は改善の勧告(規則第27条関係)

回答業務の適正かつ確実な実施を確保するため、盗品売買等防止団体が規則の規定に違反したとき、又は回答業務の運営に関し改善が必要であると認められるときは、かかる状態を解消させる必要があることから、盗品売買等防止団体が自ら解決することを促すべく、公安委員会が回答業務に関する是正又は改善の勧告をすることができることとされている。

なお、是正又は改善の勧告は、行政手続法第2条第6号に規定する行政指導に該当する。

7 提供を行う情報(規則第30条関係)

盗品売買等防止団体に対し提供を行う情報は、盗品等に関する情報のうち、盗品等に付された番号、記号、その他の符号とされている。

この「番号、記号、その他の符号」については、当面の間、自動二輪車、原動機付自転車、自動車又は当該車両の部分品に係るものに限る。

別表

凡例(○:義務あり、×:義務なし)

□ オートバイ

(自動二輪車及び原動機付自転車)

買取りの際の相手方の確認

記録

(買)

(売)

1万円以上

オートバイ

○

○

○

部分品

○

○

○

1万円未満

オートバイ

○

○

○

部分品

(ねじ、ボルト、ナット、コード等を除く)

○

○

×

部分品

(ねじ、ボルト、ナット、コード等)

×

×

×

□ 自動車

買取りの際の相手方の確認

記録

(買)

(売)

1万円以上

自動車

○

○

○※

部分品

○

○

○

1万円未満

自動車(その部分品を含む)

×

×

×

※ 引き渡した古物が自動車である場合、その相手方の住所、氏名、職業及び年齢の記載等を不要とする。

□ 美術品類

□ 時計・宝飾品類

買取りの際の相手方の確認

記録

(買)

(売)

1万円以上

美術品類、時計・宝飾品類

○

○

○

1万円未満

美術品類、時計・宝飾品類

×

×

×

□ コンピュータゲームソフト等

□ エアコンディショナーの室外ユニット及び電気温水機器のヒートポンプ

□ CD・DVD等

□ 電線

□ グレーチング(金属製のものに限る。)

□ 書籍

買取りの際の相手方の確認

記録

(買)

(売)

1万円以上

コンピュータゲームソフト等、エアコンディショナーの室外ユニット及び電気温水機器のヒートポンプ、CD・DVD等、電線、グレーチング(金属製のものに限る。)、書籍

○

○

×

1万円未満

コンピュータゲームソフト等、エアコンディショナーの室外ユニット及び電気温水機器のヒートポンプ、CD・DVD等、電線、グレーチング(金属製のものに限る。)、書籍

○

○

×

□ 上記以外の古物

買取りの際の相手方の確認

記録

(買)

(売)

1万円以上

上記以外の古物

○

○

×

1万円未満

上記以外の古物

×

×

×

古物営業法等の解釈運用基準について(依命通達)

令和8年5月29日 達(生企)第306号

(令和8年5月29日施行)

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◆ 令和8年5月29日 達(生企)第306号