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 山の中ではいろいろなトラブルが発生します。
 いざというときに備えて、対応方法を確認しておきましょう。
※ 以下の方法は一般的に言われていることであり、必ず身を守れるとは限りません。
何より大切なのは、危険な事態に陥らないことです。

1 道に迷った
・ 戻れるうちに引き返すことが大切です。
・ 地図やコンパス、GPSで自分の位置を確認することが最優先です。むやみに動き回ることは危険です。
・ やみくもに山を降りようとすると危険です。山では尾根やピークのほうが位置確認が容易です。
・ 早めの救助要請の検討を。


2 怪我・病気
!重傷のときは一刻も早い救助要請を!
・ 低体温症
寒気、震えから運動障害、意識障害に進行
処置~風雨を避けられる場所に移動
   濡れたものは着替えさせる
   シュラフ等で保温
   動脈の通っている場所を湯たんぽ等で暖める

   アルコール、カフェイン、急激な加温(入浴や暖房)は厳禁

・ 熱中症
めまい、大量発汗等から嘔吐、意識障害、全身痙攣に進行
処置~日陰で風通しが良いところに移動
   肌や着衣を濡らしてあおぐなどして体温を下げる
   電解質を含んだ水(薄い塩水など)を少量ずつ、大量に摂る
   症状が重い場合には、水風呂などで早急な体温低下を

・ 高山病
頭痛、嘔吐、めまい、倦怠感などから肺浮腫、脳浮腫に進行
処置~初期症状が現れたら高度を上げない
   症状が悪化するなら早急な下山

・ 出血
処置~出血部位は心臓より高い位置に
   清潔な布を傷に当て、手で強く圧迫(直接圧迫止血法)
   出血がひどい場合には、関節圧迫止血法を併用

・ ねん挫
処置~患部の早急な冷却
   患部の圧迫・固定
   可能なら、患部を心臓よりも高い位置に
 ※ 足首のねん挫では、靴を脱いでしまうと患部が腫れて靴が履けなくなることがあります。場合によっては、靴を履いたままでの冷却、固定が必要
 ※ 痛みがひどい場合は、骨折しているものとして応急処置を

・ 骨折
処置~出血がある場合は、まず止血・傷の手当て
   患部の変形がひどい場合は、無理に戻さない
   患部を挟む両方の関節も固定
   副木にはストック、木の枝、新聞紙、マットなど

・ やけど
処置~冷却が第一(最低5分以上、可能なら30分程度)
   冷却は痛みがなくなるまで
   服の上からのやけどは、無理に脱がさず、服の上から冷却
   体表の1割を超えるやけどは、下山しての治療が必要


3 クマに遭った
・ 遠くにクマを見つけた場合
 クマの様子を確認しながら、静かに立ち去る
・ 近くにクマを見つけた場合
 クマから目を離さず、ゆっくり後ずさる
 クマに背中を見せる、走る、物を投げつけるはクマの攻撃を誘発するおそれがある
・ 至近距離でクマと出くわした
 致命傷を避けることが大事
 首筋を両手で覆い、地面に伏せる(防御姿勢)
 


救助を要請するときは
① 110番、119番通報、無線で救助要請する。
・ 何があったのか
・ どこにいるのか
・ 遭難者の容態
・ 遭難者、通報者の住所、氏名、生年月日
・ 現場で連絡の取れる電話番号等の連絡先
・ 現場の天候
救助要請をした後は、他の通話を控えて、バッテリーの節約、折返しの電話等に出られる状態を確保して下さい。

② ヘリコプターでの救助に備え、上空が広く見渡せる場所に移動する。
・ 大きく移動した場合は、再度、場所を通報
・ 飛ばされそうなものはあらかじめ片付けておく
※天候等により、ヘリコプターが救助に行くとは限りません。

③ 探している音が聞こえたら
・ ヘリコプターの音が聞こえたら
 レスキューシート、目立つ色のウェア・ツェルト等を頭上で大きく振る
 カメラのフラッシュを焚く
 鏡で日光を反射させる
・ 探している声や、笛の音を聞いたら
 笛で応答する
 カメラのフラッシュを焚く
 暗いとき等は、ヘッドランプも有効