○福島県警察交番相談員運用要綱の制定について(通達)

令和2年3月5日

達(地)第83号

地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律(平成29年法律第29号)の施行に伴い、会計年度任用職員が創設されることから、みだしの要綱を別紙のとおり制定し、令和2年4月1日から施行することとしたので、事務処理上誤りのないようにされたい。

なお、交番相談員運用要綱の制定について(平成16年11月17日付け達(地)第295号)は、廃止する。

1 趣旨

本県においては、県民からの交番に対する「常時、交番にいてほしい」、「警らを強化してほしい」という相反する要望に応えるため、平成3年に全国に先駆けて交番相談員制度を導入し、相談の処理、遺失届及び拾得物の処理、地理案内等を行わせることにより、交番勤務員の街頭活動の強化を図ってきたところである。

本要綱は、交番相談員制度の適正かつ効果的な運用を行うため、必要な事項を定めるものである。

2 運用の要点

(1) 交番相談員の勤務(第4関係)

ア 交番相談員の勤務日ごとの勤務開始・終了時刻及び休憩時間については、交番によって、来訪者の実態及び治安情勢が異なることから、管内の実情に応じ、所定の勤務日数及び勤務時間の範囲内において、署長が勤務計画を策定すること。

イ 勤務計画の策定に当たっては、所内活動だけでなく所外活動も考慮し、効果的な運用に配意するとともに、交番相談員が複数配置されている交番にあっては、原則として勤務日及び勤務時間が重複しないようにすること。

(2) 交番相談員の勤務場所(第4関係)

交番において勤務することを原則とするが、街頭での住民とのふれあい活動等を行う場合において、必要があるときは、交番外で活動することができるものとする。

(3) 交番相談員の職務内容(第5関係)

交番相談員は、警察官の職務を全て代行できるものではないことから、その職務内容を明確に規定した。

ア 「相談の処理」関係

(ア) 相談とは、福島県警察安全相談の取扱いに関する訓令(平成22年県本部訓令第21号。以下「相談訓令」という。)第2条に規定する各種相談、要望等をいう。これら相談を受理した場合には、相談訓令に基づき処理すること。

(イ) 相談のうち、その内容が重要と認められるもの、犯罪に関係し又は関係するおそれがあると認められるもの、その他複雑なもの等については、速やかに在署地域警察幹部を通じて署の相談業務所属責任者に報告し、その指揮を受けて処理すること。

(ウ) 相談の内容及び処理結果については、相談訓令に規定する警察安全相談簿(様式第2号)を作成し、速やかに在署地域警察幹部を通じて署長に報告すること。

イ 「遺失届及び拾得物の処理」関係

遺失届の受理及び拾得物の取扱いについては、福島県警察の遺失物取扱いに関する訓令(平成19年県本部訓令第31号)に基づき、適正に処理すること。

ウ 「被害届の代書及び預かり」関係

(ア) 被害届の代書及び預かりとは、オートバイ盗及び自転車盗に係る被害届を届出人の依頼により代書すること、被害届の預かりをすること及び当該被害届に係る刑法犯認知情報票(乗り物盗)を作成すること並びに盗品等手配を行うことをいう。ただし、前記犯罪であっても、虚偽申告等のおそれがあり、的確な擬律判断を要する場合は、受理することなく直ちに警察官に引き継ぐこと。

(イ) 被害届の様式は、乗り物盗専用被害届様式の制定について(平成26年2月28日付け達(刑総)第74号)に定める乗り物盗専用被害届の様式によること。

奥書欄には「以上本人の依頼により代書した。○○警察署交番相談員○○○○」並びに代書の理由、所属、職名及び氏名を記載し押印する。また、届出受理者欄には「交番相談員○○○○」と職名及び氏名を記載すること。

(ウ) 交番相談員が被害届の代書又は預かりをし、必要な処理をした後には、直ちに警察官に引継ぎ、実況見分は警察官が行うこと。

(エ) 刑法犯認知情報票(乗り物盗)の作成者欄には、交番相談員と引継ぎを受けた警察官が連署をし、責任の所在を明らかにしておくこと。

エ 「事件・事故発生時における警察官等への連絡」関係

事件・事故発生時における警察官等への連絡とは、事件・事故に関して、発生を認知し、又は口頭、電話等による届出があった場合に、概要を聴取し、警察官又は署に連絡することをいう。

オ 「地理案内」関係

地図等を活用し、分かりやすい説明を行うこと。

カ 「街頭での住民とのふれあい活動、情報発信活動及び指導連絡」関係

(ア) 街頭での住民とのふれあい活動

事件・事故が多く発生する時間帯や発生した事件・事故を検証しながら、交番前での立番や幼稚園児、小中学生等の登下校時間帯における子どもの見守り等の街頭活動を行うこと。

(イ) 地域住民、各種ボランティアに対する情報発信活動

犯罪及び交通事故の抑止を目的として、管内の犯罪情報、交通事故情報等について、適宜、電話、FAX、交番速報等により、管内の地域住民や各種ボランティア等に対する効果的な情報発信を行うこと。

なお、県本部及び署の情報を提供するに当たっては、事前に在署地域警察幹部又は交番所長の指導を受けること。

(ウ) 地域住民に対する指導連絡及び助言

防犯教室、少年非行防止教室、交通安全教室その他各種研修会等において、指導連絡及び助言を行うこと。

キ 「防犯連絡所等のボランティアに対する連絡及びこれらとの連携に係る活動」関係

防犯連絡所等のボランティアとは、防犯連絡責任者をはじめ、防犯、交通安全等の警察活動に関わりのあるボランティア活動を行う者をいい、連絡及びこれらとの連携に係る活動とは、ボランティアと警察とのパイプ役として指導連絡を行うとともに、防犯診断等の各種活動への支援連携を行うことをいう。

ク 「交番連絡協議会の運営に関する活動」関係

交番連絡協議会の運営に関する活動とは、交番連絡協議会の運営について、交番所長の指揮を受けて、定例会等会議の開催事務、資料の作成等を行うことをいう。

ケ 「その他上記に類する活動で署長の命ずる事項」関係

その他上記に類する活動で署長の命ずる事項とは、

(ア) 交番相談員が、勤務上知り得た警察運営上参考となることについては、警察官と同様に注意報告により報告させること。

(イ) 交番勤務員が巡回連絡等で把握した結果について、事件処理や転用勤務等により整理できない時は、索引簿等の整理をさせること。

等が考えられる。したがって、捜査本部要員としての運用や本署での相談業務等には充てないこと。

コ 「職名の記載」関係

各種届出を受理するに当たり、関係書類に職名を記載する必要がある場合には、その職名を交番相談員とすること。

(4) 業務管理等(第7関係)

交番相談員に対する指揮監督等は、原則として在署地域警察幹部又は交番所長等が行うこととしたが、活動は、署長の指揮監督の下で行われるものであり、署長が直接指揮監督するのを妨げるものではない。

3 運用上の留意事項

署長は、交番相談員の運用に当たっては、次の事項に留意すること。

(1) 交番相談員には、本要綱第5に規定する以外の活動をさせないこと。

(2) 交番相談員には、特別の権限が付与されているものでないので、活動の範囲を逸脱しないよう指導教養を徹底すること。

(3) 交番相談員には、言語態度に注意させ、適切な市民応接に努めさせること。

(4) 交番勤務員には、交番相談員との緊密な連携を図り、良好な関係を保持させること。

4 報告等

署長は、交番相談員に対し、勤務した日の取扱事項を福島県地域警察運営に関する訓令の制定について(令和元年12月2日付け達(地企)第403号)に規定する活動記録(様式第10号)に記載させるとともに、交番相談員の活動に伴う反響、紛議、災害事故の発生、効果的な活動事例等があったときは、その都度、書面等により速やかに県本部地域企画課長に報告すること。

別紙

福島県警察交番相談員運用要綱

第1 趣旨

この要綱は、福島県警察交番相談員(以下「交番相談員」という。)の設置に関し必要な事項を定めることを目的とする。

第2 身分

交番相談員の身分は、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第22条の2第1項第1号に規定する会計年度任用職員とし、職の区分は、福島県警察会計年度任用職員の管理に関する訓令(令和2年県本部訓令第3号。以下「訓令」という。)第3条第1項第5号に規定する特定会計年度任用職員とする。

第3 任用

交番相談員は、法第16条の規定に該当しない者の中から任用する。

第4 勤務条件

交番相談員の勤務条件は、次のとおりとする。ただし、職務の内容その他特別の事情により、これにより難いと本部長が認めるときは、この限りでない。

1 勤務を要する日

1か月につき17日以内とし、署長の定める日とする。

2 勤務時間

1日につき7時間45分を超えない範囲内において、1週間につき29時間以内とする。ただし、勤務日ごとの勤務開始・終了時刻及び休憩時間については、署長の定める時刻とする。

3 休暇

訓令第12条のとおり

4 勤務場所

交番相談員は、原則として、本部長が指定した交番を拠点として勤務を行うものとする。ただし、署長が必要と認めるときは、一時的に他の交番を拠点に勤務を行わせることができる。

第5 職務

交番相談員は、署長の指揮監督の下、次に掲げる業務を行うものとする。

1 相談の処理

2 遺失届及び拾得物の処理

3 被害届の代書及び預かり

4 事件・事故等の発生時における警察官等への連絡

5 地理案内

6 街頭での住民とのふれあい活動、情報発信活動及び指導連絡

7 防犯連絡所等のボランティアに対する連絡及びこれらとの連携に係る活動

8 交番連絡協議会の運営に関する活動

9 その他上記に類する活動で署長の命ずる事項

第6 制服

1 交番相談員に貸与する制服の色、地質、制式、員数、使用期間及び着用期間は、別表のとおりとする。

2 服装等

(1) 交番相談員は、勤務中制服を着用し、交番相談員身分証明証(様式第1号)を携帯するとともに、制服上衣左胸に交番相談員標章(様式第2号)を着装しなければならない。

(2) 交番相談員は、身分証明証の呈示要求があった場合には、これを呈示しなければならない。

(3) 交番相談員は、勤務中、交番勤務員に準じて、ネームプレートを掲示しなければならない。

3 制服は、交番相談員として業務を行うとき以外に着用してはならない。

4 交番相談員は、次に掲げる事項に該当したときは、直ちに制服を返納しなければならない。

(1) 退職したとき。

(2) 制服の仕様等が変更になったとき。

(3) 使用期間が満了したとき。

第7 業務管理等

1 署長は、必要な指示を在署地域警察幹部又は交番所長等を通じて行うものとする。

2 署長は、交番相談員に対し、その職務に関し必要な各種事務処理要領、各種書類作成要領及び受傷事故防止要領に係る指導教養、その他本部長が必要と認める指導教養を行うものとする。

第8 報告

1 交番相談員は、勤務日の取扱事項を署長に報告しなければならない。

2 署長は、交番相談員の活動状況について、交番相談員活動日計表(様式第3号)により翌月の7日までに県本部地域企画課長に報告すること。

第9 報酬等

報酬は予算の範囲内で別に定める日額でこれを支給し、その他報酬、期末手当及び費用弁償については、会計年度任用職員の給与及び勤務時間等に関する条例(令和元年福島県条例第25号)の定めるところによる。

第10 任用期間

1会計年度の範囲内とする。

第11 服務

訓令第11条のとおりとする。

第12 退職

訓令第9条のとおりとする。

第13 公務災害補償

交番相談員の公務上の災害に対しては、県議会の議員その他の非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例(昭和42年福島県条例第45号)の定めるところによる。

別表(第6関係)

長袖ジャンパー

色、地質

オレンジ色のポリエステル製とする。

制式

立襟開襟型とする。

身頃

前立比翼式ジャンパー型とする。後身頃に指定プリント「福島県警察 交番相談員」(二段)入りとする。

ポケット

両脇天蓋付きポケット、胸切ポケット式とする。

二枚袖カフス止め型とし、袖上腕に指定プリント「交番相談員」入りとする。

形状

前面 後面

画像

員数

1着

使用期間

5年

着用期間

警察官の服制に準じ、署長が定めるものとする。

半袖開襟シャツ

色、地質

オレンジ色のポリエステルと綿の混紡製とする。

制式

開襟ループ釦止めとする。

身頃

前立釦式とする。後身頃をダーツ2本式とし、指定プリント「福島県警察 交番相談員」(二段)入りとする。

ポケット

胸ポケット付きとする。

半袖とし、袖上腕に指定プリント「交番相談員」入りとする。

形状

前面

後面

画像

画像

員数

1着

使用期間

5年

着用期間

警察官の服制に準じ、署長が定めるものとする。

様式第1号(第6関係)

 略

様式第2号(第6関係)

 略

様式第3号(第8関係)

 略

福島県警察交番相談員運用要綱の制定について(通達)

令和2年3月5日 達(地)第83号

(令和2年4月1日施行)

体系情報
地域部
沿革情報
令和2年3月5日 達(地)第83号