○福島県警察原子力災害警備計画の策定について(通達)
令和3年12月24日
達(災対)第2号
[原議保存期間 10年(令和14年3月31日まで)]
[有効期間 令和14年3月31日まで]
みだしのことについて、別紙のとおり策定し、令和3年12月24日から施行することとしたので、運用上誤りのないようにされたい。
別紙
福島県警察原子力災害警備計画
目次
第1 総則
1 目的
2 準拠
3 計画の対象となる原子力事業所
4 定義
5 警備計画の策定
第2 基本方針
第3 警備体制の確立
1 職員の招集・参集等
2 災害警備本部等の設置
3 警備部隊の編成
4 警備部隊の運用
第4 平素における措置
1 連絡体制の整備
2 基礎資料の整備
3 原子力災害用資機材の整備
4 教養・訓練の実施
第5 災害時における措置
1 連絡系統
2 通報等の受理及び伝達
3 県災害対策本部等への要員の派遣
4 情報の収集
5 主な警察措置
6 職員の被ばく対策
7 被留置者の措置
8 業務継続のための措置
第6 核燃料物質等の運搬中の事故による原子力災害に対する措置
第1 総則
1 目的
この計画は、廃止措置が決定された原子炉、運転を停止している原子炉及びその付属施設から放射性物質又は放射線が異常な水準で原子力事業所外へ放出されることによる原子力災害が発生し、又はそのおそれがある場合における県警察の執るべき措置について定め、もって原子力災害に対する警備活動(以下「原子力災害警備活動」という。)の万全を期し、県民の生命、身体及び財産を保護することを目的とする。
なお、その他の放射性物質又は放射線の放出事故についても、この計画を適用するものとする。
2 準拠
原子力災害警備活動については、災害対策基本法(昭和36年法律第223号。以下「災対法」という。)、原子力災害対策特別措置法(平成11年法律第156号。以下「原災法」という。)、原子力災害対策指針(平成24年原子力規制委員会。以下「指針」という。)、国家公安委員会・警察庁防災業務計画(昭和38年国家公安委員会・警察庁)、福島県地域防災計画原子力災害対策編(昭和38年福島県防災会議。以下「県地域防災計画」という。)、福島県原子力災害広域避難計画(平成26年福島県)、緊急事態等における福島県警察の初動措置に関する訓令(平成28年県本部訓令第21号。以下「緊急事態等訓令」という。)、福島県警察災害警備計画の策定について(平成28年7月27日付け達(災対、務、生企、地企、刑総、交企、公)第275号)等関係規程によるほか、この計画の定めるところによる。
3 計画の対象となる原子力事業所
県内には、下表のとおり10基の原子炉が設置されており、この計画における原子力災害警備活動は、これらの施設を対象とする。
原子力事業所 | 原子炉 | 炉型 | 出力 | 所在町 |
東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所 | 1号機 | 沸騰水型軽水炉 | 46万kw | 双葉郡大熊町 |
2号機 | 78.4万kw | 双葉郡大熊町 | ||
3号機 | 78.4万kw | 双葉郡大熊町 | ||
4号機 | 78.4万kw | 双葉郡大熊町 | ||
5号機 | 78.4万kw | 双葉郡双葉町 | ||
6号機 | 110万kw | 双葉郡双葉町 | ||
東京電力ホールディングス(株)福島第二原子力発電所 | 1号機 | 沸騰水型軽水炉 | 110万kw | 双葉郡楢葉町 |
2号機 | 110万kw | 双葉郡楢葉町 | ||
3号機 | 110万kw | 双葉郡富岡町 | ||
4号機 | 110万kw | 双葉郡富岡町 |
4 定義
この計画において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 原子力災害
原子力施設の事故等に起因する放射性物質又は放射線の異常な放出により生じる被害のことをいう。
(2) 原子力施設
原子炉、原子力発電所及び放射性同位体の分離、核燃料の加工・再処理、使用済み核燃料の貯蔵などを行う施設をいう。
(3) 原子力事業者
原災法第2条第3号に規定する、放射性物質の使用・貯蔵・再処理・廃棄、核燃料の加工、原子力発電所の運転などの事業を営む者をいう。
(4) 原子力防災管理者
原災法第9条第1項の規定に基づき、原子力事業者が原子力事業所ごとに選任しなければならない管理者のことであり、原子力防災業務を総括管理する責任者をいう。
(5) 緊急事態区分
原子力施設の事故等に関する防護措置を講じるため、施設の状況に応じて決定される区分のことで、次のとおり分類される。
なお、緊急事態の区分と主な事象については、緊急事態の区分と主な該当事象(別表第1)のとおりである。
ア 情報収集事態
原子力事業所所在町(楢葉町、富岡町、大熊町及び双葉町をいう。以下同じ。)において、震度5弱又は震度5強の地震が発生した事態をいう。
イ 警戒事態
その時点では公衆への放射線による影響やそのおそれが緊急のものではないが、原子力施設における異常事象の発生又はそのおそれがあり、避難等の防護措置の準備を開始する必要がある段階をいう。
ウ 施設敷地緊急事態
原子力施設において公衆に影響をもたらす可能性のある事象が発生したため、原子力施設周辺において緊急時に備えた避難等の主な防護措置の準備を開始する必要がある段階をいう。
エ 全面緊急事態
原子力施設において公衆に放射線による影響をもたらす可能性が高い事象が発生したため、迅速な防護措置を実施する必要がある段階をいう。
(6) 緊急事態応急対策
原災法第15条第2項の規定による原子力緊急事態宣言があった時から同条第4項の規定による原子力緊急事態解除宣言があるまでの間において、原子力災害の拡大の防止を図るため実施すべき応急の対策をいう。
(7) 緊急時活動レベル(EAL:Emergency Action Level)
緊急事態区分に該当する状況であるか否かを原子力事業者が判断するための基準をいう。
なお、各発電用原子炉の特性及び立地地域の状況に応じたEALの設定については、原子力規制委員会が示すEALの枠組みに基づき原子力事業者が行う。
(8) 原子力災害対策重点区域
住民等に対する被ばくの防護措置を短期間で効率的に行うため、その影響の及ぶ可能性がある区域を定めた上で、重点的に原子力災害対策を実施すべき地域をいう。
ア 予防的防護措置を準備する区域(PAZ:Precautionary Action Zone)
原子力緊急事態宣言が発出された時点で直ちに避難を実施する等、放射性物質の環境への放出前の段階から予防的に防護措置を準備する区域であり、その範囲は福島第二原子力発電所からおおむね半径5km以内とされる(福島第一原子力発電所におけるPAZについては、指針に基づき設定されない。)。
イ 緊急防護措置を準備する区域(UPZ:Urgent Protective Action Planning Zone)
環境モニタリングに基づき、避難等緊急時防護措置を準備する区域であり、その範囲は福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所からそれぞれおおむね半径30km以内とされる。
(9) 警戒区域
原災法第28条第2項により読み替えられる災対法第63条第1項に基づき設定される警戒区域をいい、人の生命又は身体に対する危険を防止するため、災害応急対策に従事する者以外の者に対して立入りを制限し、若しくは禁止し、又は退去することを命ずることができる区域をいう。
(10) 緊急事態応急対策等拠点施設(オフサイトセンター)
原災法第12条第1項の規定に基づき、内閣総理大臣が緊急事態応急対策拠点施設として指定した「楢葉原子力災害対策センター」及び「南相馬原子力災害対策センター」をいう。
(11) 管轄署
予防的防護措置を準備する区域(PAZ)又は緊急時防護措置を準備する区域(UPZ)を管轄する、福島署、田村署、いわき中央署、いわき東署、いわき南署、双葉署及び南相馬署をいう。
(12) 関係署
管轄署のほか、県地域防災計画をはじめ原子力防災に関する地域防災計画・マニュアル等を策定している避難元(避難先)市町村で広域避難に係る一時滞在場所・避難経路等を管轄する署をいう。
5 警備計画の策定
(1) 管轄署及び関係署は、原子力災害の発生に際し的確な措置を講じることができるよう、この計画に基づき、「署原子力災害警備計画」を策定するものとする。
(2) 高速道路交通警察隊は、原子力災害の発生に際し高速自動車国道及び自動車専用道路が住民等の避難及び応急対策車両の流入等に伴う重要な基幹道路となることを踏まえ、「高速道路交通警察隊原子力災害警備計画」を策定するものとする。
第2 基本方針
原子力災害警備に当たっては、職員の適正な被ばく管理を行いつつ、警察の総力を挙げて対処するとともに、国、県、関係市町村、関係機関及び原子力事業所(以下「関係機関等」という。)等と相互に連携し、人命の安全を第一とした活動を行うものとする。
第3 警備体制の確立
1 職員の招集・参集等
原子力災害発生時における職員の招集及び参集は、緊急事態等訓令の定めるところによるほか、所属長は、原子力災害が発生し、又は発生するおそれがある場合は、原子力災害の規模及び態様に応じた要員の招集又は待機を命じ、原子力災害警備体制の確立を図るものとする。
2 警備本部等の設置
県本部、管轄署及び関係署は、原子力災害が発生し、又は発生するおそれがある場合は、次のとおり警備本部又は警備対策室(以下「警備本部等」という。)を設置するものとする。
(1) 警備本部A号体制
ア 設置基準
(ア) 県内の原子力事業所又はその周辺において原子力緊急事態宣言が発出されたとき又は特定事象が発生したとき。
(イ) その他本部長が設置の必要を認めたとき。
イ 体制
(ア) 県本部
県本部に本部長を長とする福島県警察原子力災害警備本部A号体制(以下「警備本部A号体制」という。)を設置する。
(イ) 署
県本部に警備本部A号体制が設置された場合は、管轄署又は関係署に署長を長とする署原子力災害警備本部を設置する。
ウ 編成及び任務
(ア) 県本部
警備本部A号体制の編成及び任務は、緊急事態等訓令の定めるところにより編成し、緊急事態等の態様、規模及び被害状況に応じて柔軟に対応するものとする。
(イ) 署
署原子力災害警備本部の編成及び任務は、上記(ア)の規定に準じて、署長が策定するものとする。
(2) 警備本部B号体制
ア 設置基準
(ア) 県内の原子力事業所又はその周辺において警戒事態に該当する事象が発生したとき。
(イ) 県内において核燃料物質等の運搬に係る事故が発生したとき。
(ウ) その他本部長が設置の必要を認めたとき。
イ 体制
(ア) 県本部
警備部長を長とする福島県警察原子力災害警備本部B号体制(以下「警備本部B号体制」という。)を設置する。
(イ) 署
県本部に警備本部B号体制が設置された場合は、管轄署又は関係署に署長を長とする署原子力災害警備本部を設置する。
ウ 編成及び任務
(ア) 県本部
警備本部B号体制の編成及び任務は、緊急事態等訓令の定めるところにより編成し、緊急事態等の態様、規模及び被害状況に応じて柔軟に対応するものとする。
(イ) 署
署原子力災害警備本部の編成及び任務は、上記(ア)の規定に準じて、署長が策定するものとする。
(3) 警備対策室
ア 設置基準
(ア) 県内の原子力事業所又はその周辺において情報収集事態に該当する事象が発生したとき。
(イ) 隣接県の原子力事業所又はその周辺において警戒事態以上の事象が発生したとき。
(ウ) その他本部長が設置の必要を認めたとき。
イ 体制
(ア) 県本部
災害対策課長を長とする福島県警察原子力災害警備対策室(以下「県本部対策室」という。)を設置する。
(イ) 署
県本部対策室が設置された場合は、管轄署及び関係署に署長を長とする署原子力災害警備対策室(以下「署対策室」という。)を設置する。
ウ 編成及び任務
(ア) 県本部
県本部対策室の編成及び任務は、緊急事態等訓令の定めるところにより編成し、緊急事態等の態様、規模及び被害状況に応じて柔軟に対応するものとする。
(イ) 署
署対策室の編成及び任務は、上記(ア)の規定に準じて、署長が策定するものとする。
3 警備部隊の編成
県本部の警備部隊は、緊急事態等訓令の定めるところにより編成する。
県警備本部等の長は、緊急事態等の態様及び必要に応じ、部隊を編成するものとする。
4 警備部隊の運用
警備本部長又は警備対策室長は、警備部隊に指定されている者の全部又は一部を招集し、重点的かつ効率的に警備部隊を運用するものとする。また、被害の規模、被害拡大の見通し等に応じて、警備部隊を拡大し、又は縮小することができるものとする。
第4 平素における措置
1 連絡体制の整備
県本部及び署は、関係機関等と情報交換を行うなど連携を強化するとともに、情報連絡体制を確保するため、それぞれの連絡担当者及び連絡責任者を具体的に定めるものとする。
2 基礎資料の整備
県本部及び署は、次に掲げる事項について基礎資料の整備を行い、実態把握に努めるものとする。
(1) 原子力事業所に関する資料
(2) 警備本部等の体制に関する資料
(3) 部隊の編成に関する資料
(4) 関係機関等との通報連絡要領に関する資料
(5) 避難対象者(避難行動要支援者等を含む。)の避難経路、避難先、搬送手段その他避難誘導に関する資料
(6) 放射性粉じん用防護服、放射性粉じん用防護マスク、放射線防護衣その他の防護用機材、サーベイメータ、個人線量計その他のモニタリング用機材及びその他原子力災害警備活動上必要な資機材(以下「原子力災害警備用資機材」という。)に関する資料
(7) その他原子力災害警備活動に必要と認める資料
3 原子力災害用資機材の整備
県本部は、原子力災害対策に必要な装備資機材(以下「原子力災害用資機材」という。)の整備充実に務めるものとする。また、原子力災害用資機材が配備されている所属は、その適正管理に努めるものとする。
4 教養・訓練の実施
(1) 県本部及び署は、次に掲げる事項に関する教養を実施するものとする。
ア 災対法、原災法等原子力災害警備活動に係る関係法令
イ 県地域防災計画、県広域避難計画、関係市町村地域防災計画及び関係市町村避難計画
ウ 原子力災害に関する基礎知識
エ 原子力災害発生時における措置要領
オ その他原子力災害警備活動に必要な事項
(2) 県本部及び署は、次の事項に関する訓練を実施するものとする。
ア 原子力災害を想定した実動訓練及び図上訓練
イ 関係機関との通報連絡訓練
ウ 原子力災害警備用資機材の取扱習熟訓練
エ その他原子力災害警備活動に必要な訓練
第5 災害時における措置
1 連絡系統
原子力災害が発生した場合における関係機関等との連絡系統については、通報連絡系統図(別表第2)のとおりとする。
2 通報等の受理及び伝達
(1) 管轄署長及び関係署長は、関係機関等から原子力災害発生の通報又は連絡を受理した場合は、直ちに災害対策課長を経由して本部長に報告するものとする。
(2) 災害対策課長は、上記(1)の報告を受けたとき、又は福島県から原子力災害発生の通報を受理したときは、警察庁及び東北管区警察局に報告するものとする。
3 県災害対策本部等への要員の派遣
(1) 本部長は、県災害対策本部、福島県原子力現地災害対策本部(以下「県現地本部」という。)、その他の原子力災害又は原子力災害に発展するおそれのある事象に対応するための臨時の組織が設置されたときは、必要な要員を当該組織に派遣するものとする。
(2) 管轄署長は、県現地本部、関係市町村災害対策本部その他の原子力災害又は原子力災害に発展するおそれのある事象に対応するための臨時の組織に必要な要員を派遣するものとする。
(3) 関係署長は、関係市町村災害対策本部その他の原子力災害又は原子力災害に発展するおそれのある事象に対応するための臨時の組織に必要な要員を派遣するものとする。
4 情報の収集
県本部、管轄署及び関係署は、関係機関等と緊密な連携を保持し、次に掲げる事項について速やかに情報を収集し、当該事態の正確な把握に努めるものとする。
(1) 緊急事態又は特定事象の発生日時、発生箇所及び種類
(2) 緊急事態又は特定事象の発生原因(想定される原因を含む。)
(3) 検出された放射線量及び放射性物質の状況
(4) 原子力発電所敷地内の主な施設・設備の状況
(5) 負傷者及び被ばく者の状況並びに汚染拡大の有無・可能性
(6) 周辺環境への影響の有無・可能性
(7) 認知時の応急措置(対策状況の内容)
(8) 今後想定される異常気象及びその可能性
(9) 気象情報(天候、風向き、風速及び大気安定度)
(10) 関係機関の対応状況
(11) 周辺住民及び観光客等の動向並びに交通状況
(12) その他原子力災害警備活動の実施に必要な事項
5 主な警察措置
(1) 周辺住民等に対する情報伝達活動
県本部、管轄署及び関係署は、自治体や関係機関等と連携して周辺住民及び一時滞在者(以下「周辺住民等」という。)の要求の把握に努めるとともに、原子力災害の特殊性を勘案し、緊急時における周辺住民等の心理的動揺又は混乱を抑え、異常事態による影響を可能な限り低減するため、周辺住民等が執るべき措置に関する情報の正確かつ迅速な伝達に努めるものとする。
(2) 避難誘導、屋内退避の呼び掛け等
国や自治体から緊急事態区分に応じた住民避難等の指示が出された場合は、関係機関等と協力して、当該区域住民等に対する避難誘導、屋内への退避の呼び掛け、応急対策従事者以外の者の立入制限又は禁止、当該区域外への交通誘導等の措置を円滑に行うものとする。
なお、これらの活動に当たっては避難行動要支援者等に十分配慮するものとする。
(3) 緊急輸送のための交通の確保
ア 被害の状況及び緊急度を考慮して、一般車両の通行を禁止する等の交通規制を行うものとする。
イ 関係機関から緊急輸送活動に対して要請があった場合又はその必要があると認める場合は、被害の状況、緊急度及び重要度を考慮し、緊急輸送の円滑な実施を確保するための交通規制等を行うものとする。
(4) 犯罪の予防等社会秩序の維持
住民避難又は屋内退避の対象地域及びその周辺並びに避難所等において、犯罪の防止等に向けた警戒活動を実施するとともに、避難者に対し所要の情報提供を行うなど、地域における社会秩序の維持に努めるものとする。
(5) その他災害警備に必要な措置
原子力災害において、災害警備本部の任務に関する必要な措置を行うものとする。
6 職員の被ばく対策
(1) 原子力防護資機材の有効活用
原子力災害警備活動の実施に当たっては、原子力災害警備用資機材を確実に装着し、又は携帯し、これを有効に活用して放射線被ばく防止に努めるものとする。
(2) 被ばく線量の記録及び管理
放射線による被ばくの可能性がある地域で活動した職員は、個人線量計により活動中の被ばく線量を確認し、個人線量管理システムに記録するものとする。所属長及び厚生課長は、これを適切に管理するものとする。
7 被留置者の措置
本部長、管轄署長及び関係署長は、被留置者を収容する庁舎の所在地が警戒区域、避難指示区域等に設定された場合(そのおそれが生じた場合を含む。以下同じ。)は、検察庁等と連携し、被留置者の避難等の措置を講じるものとする。
8 業務継続のための措置
(1) 県警備本部長は、県本部の所在地が警戒区域、避難指示区域等に設定された場合は、福島県警察緊急時業務継続計画の策定について(平成24年8月1日付け達(災対、務、生企、地企、刑総、交企、公)第301号)第4の規定に基づき、県警備本部等の機能を代替施設に移転することを検討するものとする。
(2) 署警備本部等の長は、上記(1)に準じ、署警備本部等の機能を代替施設に移転することを検討するものとする。
第6 核燃料物質等の運搬中の事故による原子力災害に対する措置
本警備計画の第1から第5までの規定を準用する。
別表第1(第1関係)
緊急事態の区分と主な該当事象
区分 | 主な該当事象 |
情報収集事態 | ○ 原子力事業所所在町において、震度5弱又は震度5強の地震が発生した場合 |
警戒事態 | ○ 原子力事業所所在町において、震度6弱以上の地震が発生した場合 ○ 原子力事業所所在町沿岸を含む津波予報区において、大津波警報が発表された場合 ○ 原子力施設において設計基準を超える外部事象(竜巻、洪水、台風、火山等)が発生した場合 ○ 使用済燃料貯蔵槽の水位が維持できない場合 ○ 原子力施設の重要な故障等が発生した場合 ○ 原子力規制委員会委員長又は委員長代行が認めた場合 等 |
敷地施設緊急事態 (原災法10条事象) | ○ 使用済燃料貯蔵槽の水位が燃料集合体の頂部から上方2メートルの水位まで低下した場合 ○ 原子力事業所の区域の境界付近等において、1時間あたり5マイクロシーベルト以上の放射線量又は放射性物質が検出された場合 ○ 火災爆発等による管理区域外での放射線、放射性物質の放出 ○ 施設内における臨界事故のおそれ ○ 原子力事業所周辺において、緊急事態に備えた防護措置の準備を開始する必要がある事象が発生した場合 等 |
全面緊急事態 (原災法15条事象) | ○ 使用済燃料貯蔵槽の水位が燃料集合体の頂部の水位まで低下した場合 ○ 原子力事業所の区域の境界付近等において、1時間あたり5マイクロシーベルト以上の放射線量又は放射性物質が10分以上継続して検出された場合 ○ 火災爆発等による管理区域外での放射線、放射性物質の異常放出 ○ 施設内における臨界事故の発生 ○ 原子力事業所周辺の住民の避難を開始する必要がある事象が発生した場合 等 |
別表第2(第5関係)
通報連絡系統図