○被害少年の状況に応じた適切な保護活動の推進について(通達)

令和4年5月31日

達(少対)第295号

[原議保存期間 5年(令和10年3月31日まで)]

[有効期間 令和10年3月31日まで]

みだしのことについて、次のとおり定め、令和4年6月1日から施行することとしたので、適切な対応に努められたい。

なお、被害少年の状況に応じた適切な保護活動の推進について(令和2年7月30日付け達(少)第297号。以下「旧通達」という。)は、廃止する。

1 趣旨

被害少年の保護のための活動(以下「被害少年保護活動」という。)については、少年警察活動規則(平成14年国家公安委員会規則第20号。以下「規則」という。)福島県警察少年警察活動に関する訓令(平成20年県本部訓令第2号)、旧通達等に基づき推進してきたところであるが、SNS等の利用に起因する児童の性的被害、痛ましい児童虐待事件、学校におけるいじめに起因する児童生徒の自殺等、憂慮すべき重大な事案が発生している現状を踏まえ、被害少年が早期に適切な支援を受けることができるよう、個々の被害少年の状況に応じ、効果的な保護対策を推進する必要があることから、新たに本通達を発出し、積極的かつ効果的な被害少年の保護対策を推進し、少年の健全育成を図ろうとするものである。

2 被害少年の早期発見・保護

(1) 被害少年の発見・保護の観点に立った各種取組の推進

福祉犯(規則第37条に規定する福祉犯をいう。以下同じ。)の取締りのほか、街頭補導活動、サイバーパトロール、少年相談、110番通報、匿名通報ダイヤル等を通じ、被害少年の早期発見・保護に努めること。

(2) 少年相談の充実

ア 被害少年が早期に適切な支援を受けることができるよう、被害少年に関する相談窓口について、県警察ホームページへの掲載や県警察メール配信システム「POLICEメールふくしま」による配信のほか、非行防止教室等の様々な機会を活用して、被害少年やその保護者に対する効果的な周知広報を行うとともに、少年が相談しやすい環境の充実を図ること。

イ 夜間・休日における相談について、警察安全相談の利用や緊急性がある場合の110番通報、管轄署への連絡等を広報するなど、適切な相談対応に努めること。

ウ 児童相談所や教育委員会等の相談窓口において受理した被害少年からの相談等に迅速かつ的確に対応するため、緊急時における連絡方法の確認、匿名による電子メール等に係る照会など、平素から各種相談窓口等との連携協力に配意すること。

3 被害少年保護活動の推進体制

被害少年保護活動は、少年女性安全対策課が主体となり、適切かつ効果的に実施すること。また、被害少年の継続的支援は、組織的な管理の下で、対象となる被害少年の状況、性別等に応じ、ふさわしい担当者を選定して実施することが効果的であることから、少年サポートセンター員である少年警察補導員等の中から適任者を選任し、運用を図ること。

4 被害少年の状況に応じた適切な支援の推進

(1) 被害少年に対する初期段階の必要な支援の推進

被害少年に対しては、現場における助言、関係機関の紹介、再び被害に遭うことを防止するための適切な助言又は指導等、必要な支援(規則第36条第1項に規定する支援をいう。)を行うこと。

(2) 被害少年に対する継続的支援の推進

ア 被害少年の精神的被害を回復するために特に必要と認められる場合には、保護者の同意(当該少年が特定少年(規則第2条第2項に規定する特定少年をいう。)である場合は、本人の同意)を得た上で、少年警察補導員等により、関係機関又は犯罪被害者等早期援助団体を始めとする民間被害者支援団体への紹介、個々の被害少年の事情に応じた計画的なカウンセリングの実施、家庭や学校等と連携した環境調整等の継続的な支援(規則第36条第2項に規定する支援をいう。以下「継続的支援」という。)を行うこと。

イ 刑事部門等関係部門との連携を強化し、継続的支援の必要な被害少年に関する情報を少年女性安全対策課において集約すること。

(3) 部外専門家、関係機関、ボランティア等との緊密な連携

ア 継続的支援は、実施担当者のみでは効果的な実施が困難な場合も多いことから、少年サポートセンターにおける組織的判断の下で行うとともに、県民サービス課との連携に留意すること。また、実施担当者は、必要に応じて、福島県警察カウンセリングアドバイザー運用要綱の制定について(平成9年10月21日付け例規(務、少)第15号)に基づき委嘱された少年カウンセリングアドバイザーからの助言及び指導を受けること。

イ 継続的支援に当たっては、保護者や学校等の関係機関との連絡を密にするとともに、地域のボランティア等と連携するなどして、被害少年の生活状態や取り巻く環境の変化等をできる限り把握し、状況に応じたきめ細かな活動の実施に努めること。

5 被害少年に係る再被害等の防止

(1) 被害少年に係る再被害及び被害拡大の防止

被害少年が繰り返し児童虐待等の被害に遭うことがないよう、児童相談所や学校等関係機関と緊密に連携し、児童相談所への通告等を行うほか、福祉犯の被害少年については、保護者や学校関係者等に配慮を求めるとともに、関係機関への連絡その他同種の犯罪を防止するための必要な措置を講じること。また、児童ポルノ事犯については、インターネット上の画像の流通・閲覧により被害が拡大することのないよう、サイト管理者等に対する画像の削除依頼や関係事業者によるブロッキングの実施への協力依頼等の措置を迅速に講じること。

(2) 被害少年に関する情報の保護

被害少年に関して知り得た秘密の厳格な保持に配意するとともに、少年が被害者である事件に係る新聞その他の報道機関への発表においては、被害少年のプライバシーの保護に十分配慮すること。

(3) 事情聴取における被害少年への配慮

被害少年の事情聴取に当たっては、少年の特性や個々の事情に配慮し、特に性犯罪の被害少年については、少年の望む性別の職員によって事情聴取を行うなど、可能な限り被害少年の精神的負担を軽減するための措置を講じること。

被害少年の状況に応じた適切な保護活動の推進について(通達)

令和4年5月31日 達(少対)第295号

(令和4年6月1日施行)

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