○「JKビジネス」問題に係る対策の推進について(依命通達)

令和5年3月6日

達(少対)第74号

[原議保存期間 3年(令和8年3月31日まで)]

[有効期間 令和8年3月31日まで]

児童の性に着目した形態の営業である「JKビジネス」と呼ばれる営業については、平成29年5月19日、「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する関係府省対策会議」において、「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する今後の対策」を決定し、政府一体となってこれに基づき各種対策を推進中のところ、依然としてこれらの営業に伴う少年への有害な影響が懸念されることから、各署にあっては、「JKビジネス」に関連して生ずる諸問題について下記のとおり対策を推進されたい。

1 実態把握の徹底

児童の性に着目した形態の営業である「JKビジネス」は、形式上は法令を遵守した営業形態を取りながら実際には児童に性的な行為をさせるなど、巧妙に法令の規制や警察の取締りを回避する新たな営業形態の出現が懸念されるところである。

また、営業所を設けない無店舗型の営業は店舗型の営業に比べ実態把握が難しく、児童の性被害の温床となることが懸念されることから、店舗型の営業だけでなく無店舗型の営業についても積極的に実態把握を行うことが重要である。

なお、「JKビジネス」の営業所、事務所、受付所等(以下「営業所等」という。)の多くは大規模都道府県において把握されており、現在において、当県内で営業所等の実態の確認は無いものの、全国的に営業所等が集中している地域以外での把握もあるほか、無店舗型の営業は場所を選ばないことから、当県においても、実態把握の重要性を認識し、日頃の警察活動を通じて「JKビジネス」の営業所等の発見に努めること。

2 営業所等を把握した際における取締り等の強化

(1) 各種法令を適用した厳正な取締りの推進

各種警察活動や管内の実態把握を通じて違法行為の端緒の入手に努め、端緒情報を得た際には、労働基準法、児童福祉法等各種法令を適用した厳正な取締りを推進すること。

(2) 関係法令に基づく積極的な立入調査の推進

「JKビジネス」の営業所等及びその疑いのある営業所等に対して、関係法令に基づく積極的な立入調査を実施すること。

(3) 「JKビジネス」稼働児童等に対する街頭補導等の実施

「JKビジネス」に関連する犯罪の被害を防止するため、街頭補導を積極的に実施し、「JKビジネス」で稼働している児童を発見した場合には早期保護を図ること。

3 教育・啓発の強化

(1) 各種月間等を活用した被害防止活動の推進

若年層の性暴力被害予防月間(毎年4月)、青少年の非行・被害防止全国強調月間(毎年7月)、子供・若者育成支援推進強調月間(毎年11月)、女性に対する暴力をなくす運動(毎年11月12日~同月25日)等の関係する月間等の機会を活用し、「JKビジネス」の被害防止を図るための具体的な取組を実施すること。

(2) 学校等における被害防止教育等の推進

教育委員会や学校等の関係機関・団体と連携し、学校等におけるイベントやオリエンテーションなどの様々な機会を捉えて、「JKビジネス」の被害を防止するための着眼点や被害事例等について、児童やその保護者等に対する被害防止教育や広報啓発を実施すること。

(3) 各種広報媒体を活用した被害防止の広報啓発の推進

「JKビジネス」問題に対する警察の取組及び相談窓口等について、各種広報誌やポスター、リーフレット等の資料のほか、署のホームページへの掲載や自治体の広報誌へ掲載を依頼するなど、各種広報媒体を活用し、被害防止のための広報啓発を推進すること。

4 相談体制に対する周知

(1) 警察署や交番、警察相談専用電話などの相談窓口について、学校等における被害防止教育・啓発や、上記3(2)の広報の機会を捉えて「JKビジネス」に係る相談を24時間受け付けていることや、プライバシーは守られることについて、積極的に周知を図ること。

(2) 「JKビジネス」問題への対応能力の向上

「JKビジネス」問題に関連した違法行為に対する取締り、被害者への支援、被害相談等に適切に対応するため、捜査員や被害者支援担当者、相談担当者に対し、問題の現状や犯罪捜査・被害相談受理時の対応における留意事項に係る教養を行い、対応能力の向上に努めること。特に人事異動後に新たに着任した担当者に対しても確実に教養を行うこと。

また、相談受理時の留意事項に関しては、「JKビジネス」に関連する被害に係る相談者等からの事情聴取が、性的プライバシーに関するものを含むという特徴に十分配意し、聴取の方法、時間、場所等について配意するとともに女性警察官等の適任者に対応させる、女性警察職員を立ち会わせるなど、相談がしやすい環境整備に努めること等を指導すること。

5 保護・自立支援の取組強化

捜査活動や相談活動等を通じて「JKビジネス」に関連して性犯罪等の被害に遭った児童を発見した場合には、迅速な保護を図るとともに、被害少年の状況に応じた適切な保護活動の推進について(令和4年5月31日付け達(少対)第295号)に基づき、関係機関・団体や外部の専門家と連携しつつ少年警察補導員等によるカウンセリングの実施や環境調整等の継続的な支援を実施すること。

「JKビジネス」問題に係る対策の推進について(依命通達)

令和5年3月6日 達(少対)第74号

(令和5年3月6日施行)

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令和5年3月6日 達(少対)第74号