○更新時講習の運用に関する細目について(依命通達)
令和7年11月26日
達(運免)第486号
[原議保存期間 5年(令和13年3月31日まで)]
[有効期間 令和13年3月31日まで]
みだしのことについて次のとおり定め、令和7年11月26日から施行し、令和7年3月24日から適用することとしたので、事務処理上誤りのないようにされたい。
記
第1 趣旨
この通達は、「更新時講習の運用について」(令和7年11月26日付け達(運免)第485号。以下「運用通達」という。)に定めるもののほか、その運用に関する細目について必要な事項を定めるものとする。
第2 基本的留意事項
1 講習方法選択のための情報提供
免許情報記録個人番号カード(以下「マイナ免許証」という。)の有効期間の更新を受けようとする者は、講習方法について、運用通達の第2の1に定める対面講習又はオンライン講習を選択することになるため、オンライン講習については、次の内容を県警察ホームページ等に掲載するなどして、周知に努めること。
(1) 受講対象者に関する情報
・ オンライン講習は、更新連絡書に記載された講習区分が優良運転者又は一般運転者である者が受講できること。
・ 受講時に、マイナ免許証を有している必要があるが、マイナ免許証を有していれば、免許証及びマイナ免許証のいずれもを有している必要はないこと。
・ マイナ免許証を有していても対面講習を受講できること。
(2) 受講に関する情報
・ 住所地公安委員会にマイナ免許証を提示してマイナ免許証に搭載された署名用電子証明書の提出を行った上で、マイナポータルとマイナ免許証の連携を終えている必要があること。
・ 受講に使用するスマートフォン又はパソコンには、内蔵カメラ及びマイナ免許証の読み取り機能が必要になること。
・ 受講中、受講者が本人であるかどうか等の確認のために自動で行われる顔貌の撮影や顔画像の保存に同意する必要があること。
・ 対面講習とオンライン講習では講習手数料が異なること。
・ オンライン講習を受講した場合であっても、運転免許センター等で更新手続を行う必要があること。
2 教本及び資料
(1) 教本
更新時講習において使用する教本は、別紙の内容について、正確にまとめられたものを使用するものとし、教本の冊数については、原則として1冊とすること。
また、規格については、講習終了後も持ち帰って、自宅又は自動車等に保管し、いつでも確認できるよう、分かりやすく、使い勝手の良いものとすること。
(2) 資料
ア 内容
次の内容を盛り込んだ資料を作成し、教本と併せた効果的な講習を実施するものとする。
・ 地域における道路交通の現状と交通事故の実態
・ 車が故障した場合の措置
・ 故障の場合の連絡先等
・ 交通事故相談所一覧表
・ 各種運転免許関係手続案内
(更新、失効、再交付、記載事項変更届出等の各種免許関係手続を行う際の申請日時場所、必要な書類などを教示するもの)
・ その他本県の実情に応じた内容
イ 作成上の留意事項
資料を作成する際には、受講者に交通事故を身近なものとしてとらえさせ、安全運転意識を高揚させるような内容とするよう配意すること。その際、特に以下の点に留意すること。
・ 警察署ごとの事故多発地点・区間を示し、当該地点・区間において多くみられる事故の形態とそれを防ぐための安全運転のポイントを解説するなど、本県の実情に応じた情報を提供すること。
・ 道路交通の現状と交通事故の実態については、全国の交通事故の発生状況を併せて掲載するなど、本県の状況を客観的に把握できるよう工夫すること。
(3) その他
オンライン講習の受講者については、更新手続に来所した際に教本及び地方版資料を配付すること。
また、オンライン講習で言及した教本等に関する内容をチラシにして添付するなど、講習効果が高まるように配意すること。
3 特定失効者及び特定取消処分者に対する取扱い
特定失効者及び特定取消処分者から問い合わせ等があった場合には、次の事項に留意し、誤りのないように対応すること。
(1) 更新時講習又は高齢者講習の受講区分は、道路交通法(昭和35年法律第105号)第89条第1項の規定により免許申請書を提出した日における年齢により判断されること。
(2) 更新時講習の受講は、免許申請書を提出した日前1年以内とされていること。
また、この期間にオンライン講習を受講していた者について、受講したオンライン講習の受講区分と(1)の講習区分が変わらない場合には、オンライン講習の受講をもって更新時講習を受講したものとされること。
4 特定任意講習受講者に対する取扱い
次に掲げる者にあっては、改めて更新時講習を受けることを要しないことから、特定任意講習の受講日や生年月日を確認するなど、誤りのないように対応すること。
(1) 更新期間が満了する日における年齢が70歳未満の者で、更新申請書を提出する日前6月以内に特定任意講習を受講しているもの
(2) 免許申請書を提出する日における年齢が70歳未満の者で、同日前1年以内に特定任意講習を受講している特定失効者
(3) 免許申請書を提出する日における年齢が70歳未満の者で、同日前1年以内に特定任意講習を受講している特定取消処分者
第3 対面講習を行うに当たっての留意事項
1 講習指導員の資質の向上
講習指導員の研修会を随時開催して、知識、教育能力等の向上に努めること。
なお、新しく講習指導員となる者に対しては、事前に十分な教養を行い、講習に関する知識・技術の習得を図ること。
2 講習の委託
(1) 委託契約の内容
講習を委託する場合は、あらかじめ講習の実施方法、講習科目等の具体的な講習実施基準(以下「委託講習の実施基準」という。)を定め、これに基づいて講習が行われるようにすること。
なお、おおむね次の事項を内容とする委託契約によって講習の委託を行い、十分な講習水準が維持され、講習が適正に行われるよう常時指導に当たること。
ア 講習は、公安委員会が定める委託講習の実施基準に従って行うこと。
イ 講習の実施に関しては、公安委員会の指導監督に従って行うこと。
ウ 講習指導員は、講習指導員の要件を満たす者をもって充てるとともに、講習指導員に対し、随時必要な研修を受けさせること。
エ 講習指導員が、免許の取消し又はその効力の停止の処分を受けたとき、その他講習指導員として適当でないと認められる事情が生じたときは、その者を解任し、又は必要な期間その者の業務を停止すること。
オ 講習が委託講習の実施基準に従って行われないとき、その他委託契約の条項に著しい違反があったときは、公安委員会は直ちに講習の委託契約を解除することができること。
カ その他講習の適正な実施に必要な事項
(2) 講習委託費
講習委託費は、手数料収入との見合いにおいて、効果的な講習を行うに足る額を支出できるよう予算措置をとること。
3 合同講習
(1) 優良運転者講習と一般運転者講習の合同講習
ア 原則として、合同講習は、一般運転者講習の講習時間の前半部分(30分間)で行うこと。
イ 講習室は、優良運転者講習を受講する者(以下「優良運転者」という。)と一般運転者講習を受講する者(以下「一般運転者」という。)との座席を区分けして講習を行うなど、合同講習の終了後に優良運転者が円滑に講習室から退室できるよう配意すること。
ウ 受講者数及び講習室の構造等から、優良運転者が受講終了後に講習室から退室するのに長時間を要する場合は、この時間を休憩時間として扱うなど、一般運転者の講習時間が確実に60分を確保されるよう実施すること。
(2) 違反運転者講習と初回更新者講習の合同講習
違反運転者講習と初回更新者講習の合同講習は、違反運転者に対する講習科目に基づき行うこととするが、運転経験の浅い運転者による交通違反や交通事故の特徴等の説明を適宜講習内容に取り入れるなど、初回更新者の参加意欲の向上に配意すること。
4 特別学級
(1) 編成率の向上
各講習については、高齢者、若者、二輪車等受講者の態様に応じた特別学級の編成に努めることとしているが、特に違反運転者講習についての特別学級の編成を一層推進し、特別学級の編成率を高めること。
(2) 編成の重点
特別学級の編成は、高齢者学級を重点に進めること。
また、初回更新者講習においては、二輪車学級の編成を重点に進めること。
(3) 高齢者学級の対象者
受講対象者の年齢は、65歳以上70歳未満とする。
(4) 初回更新者講習における二輪車学級の実施方法
初回更新者講習において二輪車学級を実施する場合にあっては、自動二輪車の二人乗りに関する内容を取り入れて実施すること。
(5) 講習効果の向上
特別学級においては、教本や視聴覚教材等を効果的に活用するほか、受講対象者の交通事故実態や運転特性等について重点的に取り上げるなどして、講習効果を高めるよう創意工夫すること。
5 視聴覚器材
受講場所、学級編成及び受講対象者等を考慮し、プロジェクタ等の投影器材に加え、又はこれらに代えてテレビ及びDVDプレーヤー等適切な視聴覚器材を備え付けること。
6 運転適性、技能についての診断と指導
運転適性、技能についての診断と指導は、一般運転者講習、違反運転者講習及び初回更新者講習において実施することとなるが、その留意事項は次のとおりである。
(1) 検査用紙使用による診断と指導
運転適性診断と指導(検査用紙使用)は、運転者の運転行動に関する意識及び態度を測定するために有効である簡易な設問(二者択一式、30問程度)及びその回答に基づく指導内容が記載された検査用紙を用いて行い、これにより運転者の運転行動に関する意識及び態度を測定し、その結果に基づいて安全運転に必要な指導助言を与えることとする。
なお、高齢者学級においては、これに代えて、加齢に伴い低下する記憶力・判断力を測定するために有効である簡易な検査及びその結果に基づく指導内容が記載された検査用紙を用いて行い、これにより記憶力・判断力を測定し、その結果に基づいて安全運転に必要な指導助言を与えることができる。
(2) 器材使用による診断と指導
ア 運転適性診断と指導(検査機器使用)、安全運転態度の診断と指導又は運転技能の診断と指導において使用する器材は次のとおりとし、これを単独で又は組み合わせるなどして参加・体験・実践型の講習となるよう工夫すること。
・ 視覚刺激反応検査器材
・ 動体視力検査器
・ 夜間視力検査器
・ 診断用模擬運転装置
・ 運転シミュレーター
・ 自動車等
イ 器材使用による診断と指導に当たっては、受講者の人数と講習時間に応じた適切な器材を選択して実施し、その診断結果に基づいて個別的に安全運転の指導を行うものとする。
第4 オンライン講習を行うに当たっての留意事項
1 受講手順
受講手順等は以下のとおりであることから、都道府県警察ホームページ等に掲載するなどし、受講者が誤ることなく受講できるように広く周知すること。
・ マイナポータルにログインする。
・ マイナポータル内でオンライン講習を選択し、受講を開始する。
・ 講習の内容は、講習動画の視聴、確認テストの実施及び運転適性についての診断と指導(解説)動画の視聴(優良運転者は任意)であり、中断しながら受講することもできる。
・ 運転適性についての診断と指導(解説)動画の視聴後、運転教育・広報動画の視聴及びアンケート回答画面となるが、視聴、回答は任意である。その後、受講完了画面が表示され、受講が完了する。
2 講習動画等
県内の道路交通の現状と交通事故の実態に関する講習動画については、受講者に交通事故を身近なものとしてとらえさせ、安全運転意識を高揚させるような内容とするよう配意するとともに、交通事故統計等を最新のものにするなど、定期的に見直しを行うこと。
また、講習動画の視聴後に実施する確認テストについては、講習動画に関する内容とすること。
3 受講者の確認等
職員による確認
(1) 職員が受講者の確認等を行う場合には、免許証等の更新を受けようとする者の顔貌と保存された顔画像の同一性を確認するとともに、次の点を聴取すること。
・ 講習動画や確認テストの内容
・ 受講場所や受講時の明暗等、受講時の環境
・ 眼鏡の有無や髪型等、受講時の容貌
・ その他必要な事項
(2) 受講者が本人であるかどうかについて疑義が生じた場合には、再度、別の職員が確認を行うなど、複数で確認を行うこと。
なお、受講者が本人であると確認ができなかった場合には、その理由を具体的に説明するとともに、顔画像を保存するなど記録化に努めること。
4 その他
オンライン講習の受講者から質疑があった場合には、適切に対応すること。
別紙(第2関係)
1 最近における道路交通法令の改正の概要
最近5年間程度の主要な道路交通法令の改正の趣旨、施行の時期、改正の内容等について、図表等を用いて解説すること。
2 最新の車両技術の活用方法・使用時の注意事項
先進安全自動車(ASV)、自動運転車、カーナビゲーション装置、ノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)、電気自動車・ハイブリッド自動車、横滑り防止装置等の最新の車両技術について、イラスト等を用いて解説すること。その際、それらの車両技術の仕組みを踏まえた運転時の注意事項についても言及すること。
3 交通公害、地球温暖化の防止等
交通公害、地球温暖化の防止等について、「エコドライブ10のすすめ」(令和2年1月エコドライブ普及連絡会策定)の内容を中心に解説すること。
4 危険予測
(1) 危険予測の心構え
駐車車両や障害物の陰から人が突然出てきても、安全な措置が採れるよう、「かもしれない」運転を心掛けること、慣れによる慎重さや緊張感の鈍化による「だろう」運転を回避すること、道路環境の変化に合わせて意識を切り替えること等の重要性について解説すること。
(2) 危険予測の方法
視覚や聴覚を用いて、絶えず運転に必要な情報を捉えること、ちょっとした手掛かりを元に、人や自動車等の存在を察知すること、他の自動車等の運転者や歩行者等が、次にどのような行動をするかを、その者の目の動きや身体の動きによって察知すること等の重要性について解説すること。
(3) 死角
自らの車両によって生じる死角、駐停車車両によって生じる死角、交差点における死角、カーブにおける死角等についてイラスト等を用いて解説すること。その際、死角によって生じる危険を回避するための方法についても言及すること。
5 年齢に応じた運転特性
(1) 高齢運転者の一般的特性
高齢運転者の事故傾向、事故原因及び運転特性について、周囲の運転者が配意すべき点も含めて解説すること。その際、高齢運転者が運転する上での留意点についても言及すること。
(2) 視力と加齢
運転に必要な情報の大半を依存する視力(①静止視力と動体視力、②視野、③明度の差、④順応と眩惑)について、イラスト等を用いて解説すること。その際、加齢との関係についても言及すること。
(3) 反応と加齢
加齢に伴って反応速度が遅くなったり、動作の正確さが低下したりすることについて、データ等を用いて解説すること。
(4) 若年運転者の一般的特性
若年運転者の事故傾向、事故原因及び運転特性について解説すること。その際、若年運転者が安全運転する上での留意点についても言及すること。
6 飲酒運転の根絶
飲酒運転による事故傾向、飲酒運転の危険性及び罰則、飲酒運転をさせない取組み等について解説すること。その際、飲酒運転による事故の悲惨さについても言及すること。
7 事故時の対応と応急救護処置
一般財団法人日本救急医療財団が主催する心肺蘇生法委員会策定の「救急蘇生法の指針(市民用)」に基づいた応急救護処置及び一次救命処置の方法について、イラスト等を用いて解説すること。その際、事故時の対応についても言及すること。
8 交通反則通告制度、放置違反金制度、点数制度及び講習制度
交通反則通告制度、放置違反金制度、点数制度、講習制度(初心運転者講習、若年運転者講習、違反者講習、停止処分者講習、取消処分者講習、更新時講習、高齢者講習)について、図表等を用いて解説すること。
9 被害者等の手記
交通事故がもたらす社会的影響、運転者の社会的責任について再確認させ、安全運転意識の向上に資するような内容の被害者又は被害者遺族の手記を掲載すること。
10 「交通の方法に関する教則」
「交通の方法に関する教則」(昭和53年国家公安委員会告示第3号)(第2章及び第3章を除く。)の内容を、必要に応じてイラスト等を用いて記載すること。
11 その他
(1) 運転状況メモ欄
受講者が自らの運転状況について振り返る際に役に立つような、ヒヤリ・ハット体験、違反・事故等を記録することができるメモ欄を設けること。
(2) 「安全運転5則」
以下の「安全運転5則」を記載すること。
○ 安全速度を必ず守る
○ カーブの手前でスピードを落とす
○ 交差点では必ず安全を確かめる
○ 一時停止で横断歩行者の安全を守る
○ 飲酒運転は絶対にしない