○福島県公安委員会文書管理規則の解釈、運用等について(通達)

令和3年12月17日

達(県サ)第427号

[原議保存期間 30年(令和34年3月31日まで)]

[有効期間 定めなし]

みだしのことについて、次のとおり定め、令和3年12月20日から施行することとしたので、運用上誤りのないようにされたい。

なお、文書管理関係規程の解釈、運用等について(令和3年3月30日付け達(県サ)第134号。以下「旧通達」という。)は、廃止する。

1 趣旨(第1条)

福島県公安委員会文書管理規則(平成12年福島県公安委員会規則第9号。以下「文書規則」という。)については、旧通達に基づき運用してきたところであるが、今般、文書規則の一部が改正されたこと等に伴い、旧通達を廃止することから、本通達を発出し、改めて、その解釈、運用等を示すものである。

2 文書の定義(第2条)

文書規則における「文書」は、福島県情報公開条例(平成12年福島県条例第5号。以下「情報公開条例」という。)における「公文書」の定義を受けて定められたものではあるが、いわゆる「組織共用文書」であるか否かを問わないものとされている。

このことは、その文書が「職務上」作成したものか、あるいは「組織的に」用いられるものかといった価値判断を加える以前に、職員が取り扱う「文書」である以上、この規則に示す原則に従って適正に管理しなければならないとする趣旨である。

3 文書管理の原則(第3条)

文書管理は、事務の適正かつ効率的な処理のほか、情報公開条例第1条にいう「行政の説明責務」に県警察が適切に対応するため、「良好保存」及び「所在の明示」の原則をも踏まえていく必要があるとされたものである。

4 文書の作成の原則(第5条)

行政上の意思決定については、正確性の確保、責任の明確化等の観点から、その記録を文書として残す必要があるとする趣旨である。

ここで「最終的な意思を決定するに当たって」とされたのは、行政上の意思決定の過程において指揮、命令、指示等が口頭により行われ得ることはもちろん、その過程の全てを文書化することが事実上不可能であることによるものと解される。

したがって、意思決定の過程における事務の文書化を必要としない趣旨として理解することは適切ではなく、事務処理の正確性の確保、責任の明確化等の観点からは、意思決定の過程にあっても、できるだけ文書を作成して行うことが望ましい。

なお、「処理に係る事案が軽微なもの」とは、照会に対する回答や日常的な事務連絡など、事後に確認が必要とされるものではなく、文書等を作成しなくとも職務上支障が生じないものを指すものと解される。

5 文書の収受(第6条)

部外からの文書を受領した場合、収受の手続を行うことによって「職員が職務上取得した」文書となり、公文書の要件の一つを充足することとなる。この意味で、文書の取得における「収受」の手続は、文書の作成における「起案」の手続と同列に位置付けられるものである。したがって、本条は、職員が受領した文書を速やかに、福島県警察の文書管理に関する訓令(令和3年県本部訓令第23号。以下「文書管理訓令」という。)に定めるところにより正しく収受し、適切に組織のルートに乗せるべきことを求めているものである。

6 管理簿の調製(第8条)

管理簿(文書管理訓令により、県警察における名称は「公文書ファイル管理簿」とした。)の調製には、公安委員会及び県警察がその保有する公文書を適正に管理するための「台帳」の整備という意義と、情報公開条例第33条が実施機関に求めている「開示請求者の利便を考慮した適切な措置」に応じるものの整備という意義との両面がある。

いずれも重要な機能であり、文書管理訓令に定めるところにより、適正に調製しなければならないものである。

7 文書の保存(第9条)

(1) 文書の保存期間の基準

別表は、公文書の保存期間の基準を示したものである。

一つは、かつて存在した「永久」の保存区分が廃され、最も長い保存期間の基準が30年とされていることである。この区分には、県警察の歴史を形成する公文書、あるいは組織の根幹に関わる公文書など、非常に重要と認められる公文書が該当するが、これは、文書の作成時には非常に長期の保存を要すると判断されたものであっても、時の経過により、保存の必要性が薄れるものがあり得ること、また、行政文書として保存するよりも歴史的な資料として保存することが適切になるものがあり得ることなどから、30年を一つの区切りとして保存継続の必要性の見直しを的確に実施していくものとする趣旨である。

もう一つは、1年未満の保存区分が設けられていることである。この類型に該当するものは、予定表、照会に対する判断を要さない回答文書など、有意の意思決定を含まない公文書である。また、会議で受領した配付資料、写し文書など、他に原議があって、その文書自体を1年以上保存する必要が認められないものもこの類型に該当するものである。

1年保存文書の類型の第1項に「軽易な意思決定を行うための決裁文書」が置かれていることから、何らかの有意の意思決定を含む文書は、全て1年以上のいずれかの保存区分に該当するものとして判断されなければならない。

また、この基準は、必要な最低保存期間を示すものであり、個々の文書について該当する区分の基準より長期の保存期間を設定することは可能であり、さらに、法令等で保存期間が示されているものについてはその定めによるべきものと解される。

なお、別表が示すものは「基準」であって、個々の公文書の具体的な保存期間は、文書管理訓令に定めるところにより、それぞれに決定することとなる。

(2) 保存期間の起算日

保存期間の起算日は、その文書を作成し、又は取得した日が属する年度の翌年度の4月1日とした。従来は、起算日を1月1日とし、会計年度により処理する業務に係るものは4月1日としていたが、通達の有効期間の起算日を原則として発出日の属する年度の翌年度の4月1日としていることとの整合性を図ったものである。

なお、暦年により処理する業務に係るものにあっては、従来どおり、起算日を1月1日とすることを妨げない。

福島県公安委員会文書管理規則の解釈、運用等について(通達)

令和3年12月17日 達(県サ)第427号

(令和3年12月20日施行)

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令和3年12月17日 達(県サ)第427号